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蓬田 匠; 秋山 大輔*; 大内 和希; 熊谷 友多; 東 晃太朗*; 北辻 章浩; 桐島 陽*; 河村 直己*; 高橋 嘉夫*
Inorganic Chemistry, 61(50), p.20206 - 20210, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、U(VI)が(IV)に還元される時の中間体や、長期安定性をもつU(V)化合物の特異的な物性に関する研究が注目されている。しかし、U(V)の電子状態を詳細に分析した例は少ない。本研究では、U(V)の化合物のFeUO中のU(V)の電子状態を高エネルギー分解能蛍光検出(HERFD)-X線吸収端微細構造分光法(XANES)によって調べた。X線発光分光器を用いて取得したFeUO
中のUのL
端HERFD-XANESスペクトルから、従来のXANESスペクトルにはないピーク分裂をはじめて観測することができた。理論計算によるXANESスペクトルのシミュレーションの結果、このピーク分裂が良く再現でき、6d軌道の分裂によるものであることが明らかになった。この発見により、環境中で従来検出が困難であったU(V)の検出が容易になると期待され、環境科学をはじめとした幅広い分野での応用が期待される。
前田 茂貴; 北辻 章浩
エネルギーレビュー, 42(10), p.19 - 22, 2022/09
Ac-225は医薬品向け放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、Ac-225製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、Ra-226の中性子照射によるAc-225製造量評価、Ra-226からAc-225を効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、「常陽」での照射からPIE施設への移送、化学処理の経過時間による減衰を考慮しても十分なAc-225製造が可能なこと及びDGAレジンを吸着材として用いることにより、Ra及び照射により生成が予想される不純物を除去しAcを単離できる見通しについて報告する。また、原子力委員会のRI製造部会のアクションプランを踏まえた今後の計画を述べる。
蓬田 匠; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.7191_1 - 7191_10, 2022/05
被引用回数:1 パーセンタイル:0(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所2号機トーラス室滞留水に含まれる線放出核種の存在形態を、走査型電子顕微鏡X線検出(SEM-EDX)やアルファトラック法により分析した。SEM-EDXによる観察の結果、Uを主成分とするサブ
m
数
mサイズの粒子を複数同定できた。これらの粒子はZrなどの燃料被覆管や構造材を構成する元素を含んでいる。また、同じ粒径フラクションの固形分に含まれるU同位体比(235/238)は、原子炉燃料のそれと一致した。このことから、U粒子は原子炉に由来し、これが微細化したものであることを示している。アルファトラック分析により同定した
核種含有粒子は、粒径数10
m
~数100
mのサイズであり、SEM-EDXの元素分析の結果、鉄を主成分としていた。
核種の物質量は極わずかであることから、Pu, Am, Cm等が鉄粒子上に付着する形態であると考えられる。分析した滞留水中の固形分試料では、Uと他の
核種の存在形態が異なる場合があることが明らかになった。
佐藤 修彰*; 桐島 陽*; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 上原 章寛*; 武田 志乃*; 北辻 章浩; 音部 治幹; 小林 大志*
トリウム,プルトニウムおよびMAの化学, 254 Pages, 2022/03
核燃料物質としてトリウム(第1部)やプルトニウム(第2部)の化学について、固体化学や溶液化学といった基礎から、実験方法、評価方法、燃料サイクルなど応用について詳細に述べる。さらに、第3部としてMA(マイナーアクチノイド: Np, Am, Cm, Pa)についての固体化学や溶液化学を紹介する。
大内 和希; 塚原 剛彦*; Brandt, A.*; 武藤 由樹*; 生田目 望*; 北辻 章浩
Analytical Sciences, 37(12), p.1789 - 1794, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)安全かつ廃棄物削減のための分離技術の開発として、陰イオン交換樹脂を充填したマイクロチップカラムを用いて、ウラン(U)の分離プロセスのスケールダウンを試みた。マイクロ流路を適切に設計することによって理想的なUの分離性能が得られた。実試料としての海水に適用し海水中Uの濃度の定量に成功したことから、本研究で作製したマイクロチップカラムが十分な実用性を有している。また、一般市販品のカラムを用いたU分離と比較して、カラムサイズは1/5000未満まで縮小することに成功した。
蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 森井 志織; 大場 弘則*; 北辻 章浩
Analytical Sciences, 37(12), p.1843 - 1846, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)高レベル放射性廃液(HLLW)中に含まれる長寿命核種であるPdの存在量を知ることは、HLLWの処分安全評価の観点から重要である。我々は、HLLW等に含まれる
Pdの定量のために、キセノンランプの光照射による簡易で単ステップのPd沈殿分離法を開発した。14元素を含む模擬HLLW試料に、キセノンランプによる光照射を行い、遠心分離によって生成したPd沈殿を回収した。光照射時の照射時間とエタノール濃度の最適化を行った結果、模擬HLLWからのPd回収率は50%に達し、他の13元素は99.5%以上除去された。Pd沈殿中には、HLLW中での主要な放射能源(Sr, Cs, Ba)や、
Pdの定量分析の際に測定妨害となる元素(Zr, Ru)が含まれておらず、開発した分離法は実際のHLLWなどへ適用可能であることが示された。
伊奈川 潤; 北辻 章浩; 音部 治幹; 中田 正美; 高野 公秀; 秋江 拓志; 清水 修; 小室 迪泰; 大浦 博文*; 永井 勲*; et al.
JAEA-Technology 2021-001, 144 Pages, 2021/08
プルトニウム研究1棟では、施設廃止措置計画に従い管理区域解除に向けた準備作業を進めており、その一環として実施した施設内に貯蔵する全ての核燃料物質の搬出を、令和2年12月のプルトニウム等核燃料物質のBECKYへの運搬をもって完了させた。今後計画されている他施設の廃止措置に活かすため、一連の作業についてまとめ記録することとした。本報告書では、運搬準備から実際の運搬作業の段階まで、核燃料物質使用許可の変更申請のための保管室の臨界評価、運搬容器の新規製作と事業所登録、運搬計画の立案・準備作業及び運搬作業等に項目立てして詳細を記録した。
大内 和希; 小松 篤史; 鷹尾 康一朗*; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
Chemistry Letters, 50(6), p.1169 - 1172, 2021/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)ウランを電極活物質として用いるレドックスフロー電池を構築するためにイオン液体-DMF混合溶媒中での塩化ウラン(IV)の電気化学挙動を調べた。結果としてレドックスフロー電池のアノード反応として利用可能である準可逆なU/U
対を見出した。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 北辻 章浩; 伊藤 圭祐*; 吉塚 和治*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 28(2), p.121 - 131, 2021/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.16(Chemistry, Multidisciplinary)Csは高レベル廃液中で分離対象元素の一つである。しかし、Csはアルカリ金属に属し分離が難しい元素である。DtBuDB18C6はCs抽出に有効な化合物であるとされる。しかし、プロセスで用いられる希釈剤(ドデカンやオクタノール)への溶解度が低く、利用しづらく、他の希釈剤を検討した。その結果、ケトン,エーテル,エステル系の溶媒中にDtBuDB18C6の溶解度は高く、また、ケトン,アルコールを用いる場合、Cs分配比は比較的高いことが分かった。それぞれの抽出溶媒を用いて、Csの分配挙動,抽出条件,抽出容量などを検討した。
堀田 拓摩; 浅井 志保*; 今田 未来; 松枝 誠; 半澤 有希子; 北辻 章浩
分析化学, 69(10/11), p.619 - 626, 2020/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)Sr分析の迅速な前処理分離を可能とするため、基材表層部へ吸着層を形成可能な放射線乳化グラフト重合法により、Sr吸着性を示す18-クラウン-6エーテル誘導体を担持したSr分離用吸着繊維を開発した。常温で液体のSr吸着分子を繊維表面に担持させることにより、前報で作製したSr分離材料と比較してSr吸着容量が大幅に向上した。このSr吸着繊維の平衡吸着容量は、同一のSr吸着分子を含浸する市販の粒子状のSr分離材料(Sr Resin)と比較しても遜色なかった。また、Sr吸着分子の本来の金属イオン選択性は維持されていた。この吸着繊維を用いた簡易的な
Sr分析法を考案し、
Srの吸着性能を評価したところ、Srの吸着操作から測定までを約1時間で完了することが可能であった。
浅井 志保*; 大畑 昌輝*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 蓬田 匠; 北辻 章浩
Analytical Chemistry, 92(4), p.3276 - 3284, 2020/02
被引用回数:4 パーセンタイル:33.36(Chemistry, Analytical)福島第一原子力発電所の汚染水処理に使用されたCs吸着材を安全に処分するために、長寿命核種であるCsの放射能を把握する必要がある。
Csは、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で測定するが、通常、液体試料のみに対応しているため、廃Cs吸着材の場合、Csの溶離操作が不可欠となる。しかし、
Csから放出される強い放射線が取り扱いを困難にする。そこで本研究では、固体試料の直接測定が可能なレーザーアブレーションICP-MSを用いて
Cs/
Csを測定し、
Csの
線測定結果と合わせて、Cs吸着材中の
Csを簡便かつ精確に定量する方法を開発した。方法の妥当性を確認するため、放射性セシウムを含む汚染水に市販のCs吸着材を浸漬させて模擬試料を調製し測定したところ、水試料の分析値と一致した。
金子 政志; 加藤 茜*; 中島 覚*; 北辻 章浩
Inorganic Chemistry, 58(20), p.14024 - 14033, 2019/10
被引用回数:10 パーセンタイル:65.35(Chemistry, Inorganic & Nuclear)高レベル放射性廃液中に存在することが知られているニトロシルルテニウム錯体について、密度汎関数計算を用いて、Ruメスバウアー分光パラメータ(
及び
)と配位子場分裂(
)を相関づけた。[Ru(NO)L
] (L = Br
, Cl
, NH
, CN
)の構造は、全て報告されている単結晶構造に基づいて作成した。異なるスピン状態で計算した構造とエネルギーを比較した結果、一重項状態[Ru(II)(NO
)L
]が最も安定であることが分かった。
及び
の計算値は、報告されている実験値をよく再現し、L = Br
, Cl
, NH
, CN
の順で増加した。さらに、C
対称性を仮定した
を見積った結果、同じ順で増加し、分光化学系列と一致することが分かった。これは、配位子の
ドナー性及び
アクセプター性の増加が、結果としてメスバウアー分光パラメータの増加に起因することを示唆している。
紀室 辰伍; 桐島 陽*; 北辻 章浩; 宮川 和也; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*
Journal of Chemical Thermodynamics, 132, p.352 - 362, 2019/05
被引用回数:9 パーセンタイル:45.96(Thermodynamics)幌延深部地下水から抽出したフミン酸及び一般的なフミン酸と、銅(II)イオン及びウラニル(VI)イオンとの錯生成反応に対して熱量滴定法を適用し、ギブス自由エネルギー, 反応エンタルピー及び反応エントロピーを決定した。一般的なフミン酸の錯生成反応が高分子電解質性と組成不均質性によって特徴付けられるのに対し、幌延深部地下水フミン酸の錯生成反応ではどちらの影響も確認されなかった。反応熱力学量を正確に決定することから、深部地下水フミン酸の特徴的な反応機構が明らかになった。
浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩
Analytical and Bioanalytical Chemistry, 411(5), p.973 - 983, 2019/02
被引用回数:9 パーセンタイル:62.2(Biochemical Research Methods)使用済燃料中には複数のPd同位体が存在している。そのうちPdは放射性であるため、使用済燃料中のPdを廃棄物処分もしくは資源として利用する場合、
Pdの定量分析が不可欠となる。本研究では、
Pdの分析を迅速化することを目的として、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による定量を試みた。LA-ICP-MSでは、沈殿分離したPdを固体のまま直接測定でき、従来の溶液測定において不可欠であった溶液化処理や希釈操作が不要となる。ここでは、使用済燃料中には存在せず天然にのみ存在する
Pdを内標準として、
Pdの添加量と
Pd/
Pd実測値から
Pdを定量した。Pd沈殿は、遠心分離によってろ紙上に回収することで、均質で平滑なPd薄層を形成するため、アブレーションに適した形状となる。このため安定した
Pd/
Pdが得られ、従来の溶液測定における
Pd定量結果と一致した。
北辻 章浩
Radioisotopes, 67(10), p.483 - 493, 2018/10
ウランやネプツニウムをはじめとした、溶液内で種々の酸化状態をとるアクチノイドイオンの電極反応と酸化還元の特徴を概説する。フロー電解法は迅速かつ高効率な電解が可能で、反応速度の遅い酸化還元の観測にも適用できる。同法を用いて取得したアクチノイドの酸化還元挙動や、これに立脚した酸化状態の迅速調整法を紹介するとともに、電解に伴って発現する溶液内反応や電極上での触媒的還元などについても解説する。
蓬田 匠; 浅井 志保; 佐伯 盛久*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 江坂 文孝; 大場 弘則*; 北辻 章浩
分析化学, 66(9), p.647 - 652, 2017/09
被引用回数:2 パーセンタイル:7.99(Chemistry, Analytical)ウランの核分裂生成物の一つであるPdは、半減期が約650万年と長く、長期間に渡り放射線を放出して人体に影響を及ぼす可能性があることから、高レベル放射性廃液(HLLW)中の存在量を正確に把握する必要がある。しかし、これまでその存在量の実測報告例はない。本研究では、遠隔・非接触分離が可能なレーザー誘起光還元法のHLLWへの適用を念頭に、HLW模擬液を用いて種々の分離条件がPd回収率に与える影響を検討した。Pdの回収率は、還元剤として作用するエタノール濃度、レーザー光の照射時間とパルスエネルギーに依存し、それぞれ40%、20分、100mJとした場合に60%となった。また、Pd濃度0.24
g mL
から24
g mL
の広い濃度範囲において、主要な放射能源やスペクトル干渉源となる元素を99.5%以上の割合で除去し、Pdを高純度に分離できることを明らかにした。本条件によれば、レーザー誘起光還元法はHLLWなど実際の放射性廃棄物に含まれる
PdのICP-MS測定前処理法として、十分に適用可能である。
瀬川 優佳里; 堀田 拓摩; 北辻 章浩; 熊谷 友多; 青柳 登; 中田 正美; 音部 治幹; 田村 行人*; 岡本 久人; 大友 隆; et al.
JAEA-Technology 2016-039, 64 Pages, 2017/03
本報告書は、プルトニウム研究1棟の廃止措置に関して施設利用者である研究グループが主体的に取り組んだ準備作業についてまとめたものである。プルトニウム研究1棟は、平成25年度から推進された原子力機構改革において、廃止措置対象施設の一つに選定された。廃止措置の決定により、それまで施設を利用してきた研究グループは、実験器具及び測定機器を撤去し、核燃料物質の一部及び放射性同位元素を他施設へ運搬する必要が生じた。放射化学研究グループでは、廃止措置準備を円滑に実施するため平成27年4月に「プルトニウム研究1棟使用機器撤去作業チーム」を立ち上げ、使用機器の撤去、薬品の処分、放射能汚染した可能性がある水銀の安定化処理、核燃料物質の安定化処理、核燃料物質・放射性同位元素の他施設への運搬グローブボックス汚染状況の調査について計画を立案し実施した。核燃料物質の使用の許可に関わる作業を除き、作業は平成27年12月に完了した。本報告書では、今後の老朽化施設廃止の際に役立てられるように、これらの作業について細目立てし、詳細に報告する。
堀田 拓摩; 浅井 志保; 今田 未来; 半澤 有希子; 斎藤 恭一*; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 北辻 章浩
分析化学, 66(3), p.189 - 193, 2017/03
被引用回数:1 パーセンタイル:3.9(Chemistry, Analytical)放射性ストロンチウム(Sr)分析の迅速化のため、放射線エマルショングラフト重合法により
Sr分析用分離材料を作製した。最初に、直径13
mのポリエチレン繊維を基材として、エポキシ基を有したビニルモノマーであるメタクリル酸グリシジル(GMA)を繊維表層部にエマルジョングラフト重合した。次に、得られた繊維の表層部に疎水場を構築するため、オクタデシルアミンをエポキシ開環反応により導入した。最後に、疎水性相互作用によりSr
の抽出剤である18-クラウン-6-エーテル誘導体を得られた高分子鎖上に担持した。作製したSr分離材料は、市販のSr分離材料(Sr Resin)よりも100倍ほど速い吸着速度を有しており、
Sr分析の迅速化に適用可能であることを示した。
大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩; 山本 正弘
ECS Transactions, 75(27), p.51 - 57, 2017/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.59本研究では、電気化学水晶子マイクロバランス(EQCM)を用いてウランの原子価変化に伴う4価ウランの電解析出反応を調査した。弱酸性溶液中で6価ウランの還元反応のEQCM測定を行ったところ、4価ウランの析出物が電極表面に観測された。析出挙動、析出のpH依存性および析出物の酸化電位から、析出機構を推定した。析出は3段階で進行し、析出開始までの誘導過程では、不均化反応により生成した4価ウランが、4価ウラン水酸化物の核を形成する。核が形成すると析出物は成長し始める(成長過程)。この過程では、電極表面の析出物が5価から4価ウランへの反応を触媒し、還元電流と析出速度の一時的な増大が観測される。電極表面が析出で覆われると還元および析出反応が一定速度で進行する(状態変化過程)。この過程では、4価ウラン水酸化物がより安定な状態であるウラン酸化物へ変化する。
浅井 志保; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩
Analytical Chemistry, 88(24), p.12227 - 12233, 2016/12
被引用回数:15 パーセンタイル:55.57(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物中の放射能インベントリを合理的に積算するためには、実廃棄物の分析値によって裏付けられた信頼性の高い放射能評価値が不可欠である。Pdは、高レベル放射性廃棄物(HLW)の主要な発生源である使用済燃料中に存在し、HLWの放射能評価対象核種の1つとされている。しかしながら、測定が困難であるため実測値の報告例がなくHLW中存在量は未評価である。本研究では、ICP-MSによる使用済燃料中
Pdの定量を目的とし、パルスレーザー照射によって誘起されるPdの光還元反応を利用した迅速簡便な分離法を開発した。方法の妥当性検証のため使用済燃料試料に適用したところ、20分のレーザー照射によって使用済燃料試料中に存在する約90%のPdが回収され、かつ不純物がほとんど存在しない純粋なPd沈殿が得られた。したがって、不純物による測定干渉がない正確な
Pd定量値が得られ、初めての実測例となった。