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仲吉 彬; Rempe, J. L.*; Barrachin, M.*; Bottomley, D.; Jacquemain, D.*; Journeau, C.*; Krasnov, V.; Lind, T.*; Lee, R.*; Marksberry, D.*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 369, p.110857_1 - 110857_15, 2020/12
福島第一原子力発電所(1F)の各ユニットの燃料デブリの最終状態位置については、まだ多くは不明である。不確実性の低減に向けた最初のステップとして、OECD/NEAは、燃料デブリ分析予備的考察(PreADES)プロジェクトが立ち上げた。PreADESプロジェクトのタスク1の一環として、関連情報をレビューし、燃料デブリの状態の推定図の正確さを確認した。これは、将来の燃料デブリの分析を提案するための基礎となる。具体的にタスク1では2つのアクティビティを実施した。第一に、1Fでの廃止措置活動に資するTMI-2とチェルノブイリ原子力発電所4号機での重大事故の関連知識、プロトタイプ試験とホットセル試験の結果の知見を収集した。第二に、プラント情報とBSAFプロジェクトのシビアアクシデントコード分析からの関連知識が組み込まれている1F燃料デブリの原子炉内の状態に関する現状の推定図を見直した。この報告は、PreADESプロジェクトのタスク1の洞察に焦点を当て、1Fの将来の除染および廃止措置活動に情報を提供するだけでなく、シビアアクシデント研究、特にシビアアクシデントにより損傷した原子力サイトの長期管理に関する重要な視点を提供する。
Titarenko, Yu. E.*; Batyaev, V. F.*; Pavlov, K. V.*; Titarenko, A. Yu.*; Malinovskiy, S. V.*; Rogov, V. I.*; Zhivun, V. M.*; Kulevoy, T. V.*; Chauzova, M. V.*; Lushin, S. V.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 984, p.164635_1 - 164635_8, 2020/12
被引用回数:00.04から2.6GeVの陽子入射によるPb及び天然Biからの
Bi生成断面積を直接
線スペクトロメトリの手法を用いて測定した。測定した結果は、モンテカルロ計算コードMCNP6.1, PHITS, Geant4及び核データライブラリTENDL-2019と比較した。その結果、一部の反応に対して計算と実験に不一致があることが分かり、その点について議論した。
Tang, T. L.*; 上坂 友洋*; 川瀬 頌一郎; Beaumel, D.*; 堂園 昌伯*; 藤井 俊彦*; 福田 直樹*; 福永 拓*; Galindo-Uribarri. A.*; Hwang, S. H.*; et al.
Physical Review Letters, 124(21), p.212502_1 - 212502_6, 2020/05
被引用回数:1 パーセンタイル:30.13(Physics, Multidisciplinary)中性子過剰核Fの構造が(
)反応で調査した。
軌道の分光学的因子は1.0
0.3と大きいが、一方で残留核である
Oが基底状態である割合は約35%,励起状態は約0.65%であることが明らかになった。この結果は、
Fのコア核
Oは基底状態とは大きく異なり、
Oの
軌道に陽子がひとつ加わることで
Oと
Fの中性子軌道が相当に変化していると推測される。これは酸素同位体ドリップライン異常のメカニズムである可能性がある。
Lokotko, T.*; Leblond, S.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Poves, A.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Authelet, G.*; et al.
Physical Review C, 101(3), p.034314_1 - 034314_7, 2020/03
被引用回数:1 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)中性子過剰核であるCoに対する(
)ノックアウト反応が理化学研究所RIBFで測定された。
coincidenceの方法で準位構造が決定され、測定された包括的断面積および排他的断面積から暫定的ではあるがスピン・パリティが決定された。殻模型計算との比較により、
Coの低励起状態には球形核と変形核が共存することが示唆された。
Fogh, E.*; 木原 工*; Toft-Petersen, R.*; Bartkowiak, M.*; 鳴海 康雄*; Prokhnenko, O.*; 三宅 厚志*; 徳永 将史*; 及川 健一; Srensen, M. K.*; et al.
Physical Review B, 101(2), p.024403_1 - 024403_12, 2020/01
被引用回数:2 パーセンタイル:14.76(Materials Science, Multidisciplinary)Neutron diffraction with static and pulsed magnetic fields is used to directly probe the magnetic structures in LiNiPO up to 25 T and 42 T, respectively. By combining these results with magnetometry and electric polarization measurements under pulsed fields, the magnetic and magnetoelectric phases are investigated up to 56 T applied along the easy
axis. In addition to the already known transitions at lower fields, three new ones are reported at 37.6, 39.4, and 54 T. Ordering vectors are identified with Q
= (0,
, 0) in the interval 37.6 - 39.4 T and Q
= (0, 0, 0) in the interval 39.4 - 54 T. A quadratic magnetoelectric effect is discovered in the Q
= (0, 0, 0) phase and the field dependence of the induced electric polarization is described using a simple mean-field model. The observed magnetic structure and magnetoelectric tensor elements point to a change in the lattice symmetry in this phase. We speculate on the possible physical mechanism responsible for the magnetoelectric effect in LiNiPO
.
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Lenzi, S. M.*; Men
ndez, J.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; et al.
Physics Letters B, 800, p.135071_1 - 135071_7, 2020/01
被引用回数:3 パーセンタイル:13.44(Astronomy & Astrophysics)ガンマ線分光による=40同調体である
Tiの分光学研究を
V(
,
)
TiをRIBFで行った。今回初めて測定された
と
の遷移はTiの基底状態が変形していることを示唆した。これらのエネルギーは近傍核の
Crや
Feと比較して大きく、したがって四重極集団運動が小さくなっていることが示唆される。今回の結果は大規模殻模型計算によって良く再現される一方、第一原理計算や平均場模型では今回の結果は再現されなかった。
Kim, S. H.*; 市川 裕大; 佐甲 博之; 長谷川 勝一; 早川 修平*; 七村 拓野*; 佐藤 進; 谷田 聖; 吉田 純也; 他11名*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 940, p.359 - 370, 2019/10
被引用回数:2 パーセンタイル:34.3(Instruments & Instrumentation)We have developed a gas electron multiplier (GEM)-based time projection chamber (TPC) for the H-dibaryon search experiment at J-PARC. High-rate beam particles enter a TPC gas volume of approximately 0.2 m
, in a direction perpendicular to the electric field. A long-rectangular hollow section is located inside the TPC volume to accommodate a diamond target. We commissioned the TPC using 230 MeV protons with beam rates of up to 1 MHz. The TPC data acquisition system collected 5768 pad signals in full readout mode, with almost 100% efficiency, at a preset trigger rate of 230 Hz. We operated the TPC in an Ar/CH
gas mixture (90/10) without a magnetic field. The spatial resolutions on the pad plane are measured to be 400-700
m, which correspond to 230-300
m in a magnetic field of 1 T. We confirmed high tracking capability at beam rates of up to 1 MHz.
小野 章*; Xu, J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Tsang, M. B.*; Wang, Y,-J.*; Wolter, H.*; Zhang, Y.-X.*; Chen, L.-W.*; et al.
Physical Review C, 100(4), p.044617_1 - 044617_35, 2019/10
被引用回数:15 パーセンタイル:2.38(Physics, Nuclear)2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究では、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と陽子をランダム配置し、それらが70fm/cの間に起こす散乱の回数やエネルギーを計算した。ここでは、特にパイオンやその前駆体であるデルタ共鳴の生成に注目して比較を行った。参加コードは、個々の粒子の時間発展を追うQMD型コードと、粒子の位置や運動量の確率分布を決めておき、散乱や崩壊が発生したときそれらを乱数サンプリングするBUU型コードがあり、発表者が用いたJQMDは前者に属する。本研究により、計算における時間刻みが各コードによる結果の差の主な原因であることが分かった。さらに、今後のJQMDの改良方針の策定に有益な知見を得ることができた。
Chen, S.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; 茶園 亮樹*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Raimondi, F.*; et al.
Physical Review Letters, 123(14), p.142501_1 - 142501_7, 2019/10
被引用回数:8 パーセンタイル:16.18(Physics, Multidisciplinary)Caでは中性子魔法数34が現れると考えられているが、その直接的な実験的証拠を得るため、
Caからの中性子ノックアウト反応
Ca(
)
Caによって生成される状態を理化学研究所のRI Beam Factoryによって調べた。基底状態および2.2MeVの励起状態が強く生成され、1.7MeVの励起状態の生成量は小さかった。
Caの運動量分布から、基底状態および2.2MeVの励起状態は
軌道の中性子を叩き出して得られた状態であることが明らかになった。DWIA計算によって得られた分光学的因子から、
Caは
軌道がほぼ完全に占有された閉殻構造を持つことが明らかになり、中性子魔法数34の出現が確実なものとなった。
中沢 雄河*; Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 河村 成肇*; 北村 遼; Kim, B.*; Ko, H. S.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 937, p.164 - 167, 2019/09
被引用回数:1 パーセンタイル:58.8(Instruments & Instrumentation)再加速された熱ミューオンビームを用いたミューオンの異常磁気モーメント及び電気双極子モーメント精密測定実験用のミューオンリニアックを開発中である。このリニアックのためのUV光駆動の負水素イオン源を開発した。ミューオン加速実験の前にこのイオン源を用いたビームラインの調整を行った。加速ミューオンの分別に必要な偏向電磁石の磁場強度を負水素ビームを用いて確認することができた。このイオン源はミューオンビームラインのコミッショニングに広く用いることができる。
Sublet, J.-Ch.*; Bondarenko, I. P.*; Bonny, G.*; Conlin, J. L.*; Gilbert, M. R.*; Greenwood, L. R.*; Griffin, P. J.*; Helgesson, P.*; 岩元 洋介; Khryachkov, V. A.*; et al.
European Physical Journal Plus (Internet), 134(7), p.350_1 - 350_50, 2019/07
被引用回数:3 パーセンタイル:57.67(Physics, Multidisciplinary)核データを用いた原子核反応については、放射線照射を受けた材料のカスケード損傷による欠陥生成の起点となる。そのため、欠陥生成の指標となる一次はじき出し原子(PKA)、PKAの損傷エネルギー及び原子あたりのはじき出し数(DPA値)の導出において、原子核反応を正確に考慮することが重要となる。ここで、原子核反応を考慮した欠陥生成の評価手法(メトリクス)を用いることで、照射材料中の個々の欠陥やクラスタ化した欠陥のマクロな挙動をシミュレーションすることが可能となる。より具体的には、原子炉, 核融合, 加速器, 核医学, 宇宙分野等の様々な分野において、照射条件(入射粒子, 入射エネルギー, 材料等)に対応した損傷評価が可能となる。本論文は、核反応及び損傷エネルギーに関する最近の理論と進展をレビューするとともに、欠陥生成量を導出する際の核データにおける誤差の伝播、分子動力学に基づいた損傷計算等について述べる。
Thompson, I. J.*; deBoer, R. J.*; Dimitriou, P.*; 国枝 賢; Pigni, M. T.*; Arbanas, G.*; Leeb, H.*; Srdinko, Th.*; Hale, G.*; Tamagno, P.*; et al.
European Physical Journal A, 55(6), p.92_1 - 92_16, 2019/06
被引用回数:2 パーセンタイル:38.95(Physics, Nuclear)各国の代表的なR行列理論共鳴解析コード(AMUR, AZURE2, CONRAD, EDA, FRESCO, GECCCOSおよびSAMMY)による計算結果の比較や検証を世界で初めて実施した。本研究では複合核Beを例にとり、同一の共鳴パラメータセットを用いて、種々の荷電粒子入射反応断面積や微分断面積の計算結果を比較した。その結果、クローン波動関数の計算における近似法の違い等により各国コードによる計算値には差異が見られるものの、全ての計算結果は0.3%以内で一致することを明らかにした。
山野 秀将; Vasile, A.*; Kang, S.-H.*; Summer, T.*; Tsige-Tamirat, H.*; Wang, J.*; Ashurko, I.*
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 7 Pages, 2019/05
第4世代炉に関する国際フォーラムは、次世代の原子力エネルギーシステムのための研究開発における国際協力を行うための組織である。第4世代ナトリウム冷却高速炉(SFR)の取り決めの中で、SFRの安全と運転(SO)に関するプロジェクトは、安全技術開発と原子炉運転技術開発の分野を取り扱う。SOプロジェクトの目的には、(1)安全アプローチの構築と具体的な安全設備の性能確認を裏付ける解析及び実験、(2)安全評価と施設の認可に使用される計算ツールの開発と検証及びモデルの妥当性確認、(3)運転中のSFRプラントでの経験と試験から広く得られる原子炉運転技術の取得を含む。SOのテーマに含まれるタスクは、以下の3つのワークパッケージ(WP)、すなわち、WP-SO-1「手法,モデル及びコード」、WP-SO-2「実験計画と運転経験」、及びWP-SO-3「革新的な設計と安全システムの研究」に分類される。本論文では、SOプロジェクトにおける最近の活動を報告する。
Devaraja, H. M.*; Heinz, S.*; Beliuskina, O.*; Hofmann, S.*; Hornung, C.*; Mnzenberg, G.*; Ackermann, D.*; Gupta, M.*; Gambhir, Y. K.*; Henderson, R. A.*; et al.
European Physical Journal A, 55(2), p.25_1 - 25_9, 2019/02
被引用回数:4 パーセンタイル:18.92(Physics, Nuclear)The results for nuclei above curium, produced in multi-nucleon transfer reactions of Ca+
Cm at the velocity filter SHIP of GSI Darmstadt, are presented. Spontaneous fission and
activities have been used to study the population of nuclei with lifetimes ranging from few milliseconds to several days. We observed several, relatively neutron-rich isotopes with atomic numbers Z
98; among them a weak 224 millisecond activity which we tentatively attributed to
No. The measured cross-sections of the observed nuclei give hope that multi-nucleon transfer reactions are a way to reach new neutron-rich heavy and superheavy nuclei, which are not accessible in other reactions. We compare our results with data from earlier experiments and discuss limitations and future perspectives of the method.
Kim, B.*; Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 河村 成肇*; 北村 遼*; Ko, H. S.*; 近藤 恭弘; 三部 勉*; 大谷 将士*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 899, p.22 - 27, 2018/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.78(Instruments & Instrumentation)ミューオン異常磁気能率/電気双極子モーメントの高精度測定のための、横運動量の小さな低運動量ミューオンビーム用のマイクロチャンネルプレートを用いたビームプロファイルモニタを開発した。このプロファイルモニタで、4MeVまでのミューオンを測定できる。このプロファイルモニタの性能評価を、J-PARCのミューオンビームと紫外光源を用いて行った。その結果、10までのミューオンを飽和することなく測定可能であり、位置分解能が0.3mmであることが実証された。また、ミューオンビーム中のバックグランドとなる崩壊陽電子を、MCPの出力の違いから区別可能であることも実証した。
Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 21(5), p.050101_1 - 050101_6, 2018/05
被引用回数:9 パーセンタイル:15.06(Physics, Nuclear)ミューオンがRF加速器によって初めて加速された。正ミューオンと電子の束縛状態である負ミューオニウムをアルミ標的中での電子獲得反応によって生成し、静電加速器により初期加速する。それを高周波四重極加速空洞(RFQ)によって89keVまで加速した。加速された負ミューオニウムは、偏向電磁石による運動量の測定と飛行時間により同定された。このコンパクトなミューオン加速器は、素粒子物理や物性物理などのミューオン加速器の様々な応用への第一歩である。
末國 晃一郎*; Lee, C. H.*; 田中 博己*; 西堀 英治*; 中村 篤*; 笠井 秀隆*; 森 仁志*; 臼井 秀知*; 越智 正之*; 長谷川 巧*; et al.
Advanced Materials, 30(13), p.1706230_1 - 1706230_6, 2018/03
被引用回数:28 パーセンタイル:7.24(Chemistry, Multidisciplinary)高性能デバイスとしての熱電材料には、高い電気伝導度と低い熱伝導度という相反する要求を同時に満たす必要がある。本研究では、テトラへドライト(Cu,Zn)(Sb,As)
S
の結晶構造とフォノンダイナミクスを調べ、平面内に配位している銅原子のラットリング運動がフォノンを効率良く散乱することを見出した。これらの知見は、平面配位構造を有する高性能熱電材料の新たな開発指針を与えるものである。
Zhang, Y.-X.*; Wang, Y,-J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; 小野 章*; Tsang, M. B.*; Wolter, H.*; Xu, J.*; Chen, L.-W.*; Cozma, D.*; et al.
Physical Review C, 97(3), p.034625_1 - 034625_20, 2018/03
被引用回数:49 パーセンタイル:0.44(Physics, Nuclear)2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究はモデル間の共通点と差異を明らかにし、各モデルの問題点を明らかにした。比較において、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と320個の陽子をランダム配置し、それらが時間発展に伴って起こす散乱の回数や散乱時のエネルギーなどを計算する条件が設定された。また、結果以外にも、理論モデルを構成するアルゴリズムについても比較を行った。発表者は重イオン核反応モデルJQMD(JAERI Quantum Molecular Dynamics)を用いて計算を行い、世界で開発されている15の計算コードによる計算結果と比較した。コードアルゴリズムの比較では、JQMDは必ず陽子から 優先的に衝突確率を計算し、その後に中性子の衝突を計算するため、物理描像の妥当性が指摘された。一方、JQMDは他のモデルとほぼ同じ計算結果を出すことも判明した。衝突回数や運動量の計算値が平均から2倍以上乖離するモデルもある中で、JQMDは本計算条件で安定した性能を発揮することが確認された。
Cho, S.*; 兵藤 哲雄*; 慈道 大介*; Ko, C. M.*; Lee, S. H.*; 前田 沙織*; 宮原 建太*; 森田 健司*; Nielsen, M.*; 大西 明*; et al.
Progress in Particle and Nuclear Physics, 95, p.279 - 322, 2017/07
被引用回数:38 パーセンタイル:13.95(Physics, Nuclear)RHICやLHCでの検出器の性能向上により、高エネルギー重イオン衝突において基底状態だけでなく励起状態のハドロンも測定できるようになった。そこで、重イオン衝突はハドロン分子状態やマルチクォーク状態などのエキゾチックハドロンの新しい手法となる。エキゾチックハドロンの構造は量子色力学の基本的性質と関連しているので、これらを研究することはハドロン物理の最も精力的な話題の一つである。本レビューでは、重イオン衝突で測定できるようなエキゾチックハドロン候補の幾つかに対して、現在の理解をまとめる。
早船 浩樹; Glatz, J.-P.*; Yang, H.*; Ruggieri, J.-M.*; Kim, Y.-I.*; Ashurko, Y.*; Hill, R.*
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2017/06
第4世代原子力システム国際フォーラムにおけるナトリウム冷却炉の協力の状況を運営委員会の共著としてまとめた。ナトリウム冷却炉の協力は2016年2月でフェーズIIとなり、10年間延長された。2015年にはシステム統合および評価プロジェクトも発足したため従来議論された研究開発は設計に反映されつつ展開されることになる。