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頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 岡本 芳浩; 小林 大志*
Journal of Nuclear Materials, 612, p.155820_1 - 155820_11, 2025/06
福島第一原子力発電所事故による燃料デブリ中の主なウラン固相である(U,Zr)O
の溶解挙動を、大気条件下で熱力学的および速度論的に調べた。湿式化学法によりZrが均一に固溶した立方晶(U,Zr)O
サンプルを調製し、静的バッチ浸漬試験を実施した。UとZrの溶解度がそれぞれの濃度を超える強酸性条件では、両元素の一致した溶解が観察され、(U,Zr)O
はUO
と同じ速度で溶解した。Uの溶解度がその濃度よりも高く、Zrはより低い溶解度で定常状態に達する中酸性条件では、(U,Zr)O
からのUの溶解速度はUO
に比べて低下した。シュウ酸の存在下では、錯体形成によりZrの溶解度が上昇したが、(U,Zr)O
からのUの溶解速度は低下しなかった。これは、(U,Zr)O
中のZrが、Zrの溶解度が低い条件下で固体表面上に2次固相を形成し、Uの酸化溶解を抑制したことを示唆している。
O
, FeUO
, and UO
-Zr-stainless steel system samples generated in an oxidative atmosphere in the presence of malonic acid頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 岡本 芳浩; 小林 大志*
Journal of Nuclear Materials, 605, p.155561_1 - 155561_9, 2025/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)The dissolution behavior of UO
-Zr-SS samples heated under oxidative conditions, along with the single uranium phases formed in the samples (U
O
and FeUO
), was investigated through static leaching tests using malonic acid. Malonic acid promoted the dissolution of both U
O
and FeUO
solid phases owing to complex formation. The uranium concentrations of U
O
and FeUO
increased with malonic acid concentration and matched at steady state. In the absence of malonic acid, the U concentration of FeUO
was less than its solubility because of uranium adsorption on an iron hydrolysis solid phase. The uranium concentration after long immersion of the UO
-Zr-SS system samples could be explained by the behavior of U
O
and FeUO
. In the absence of malonic acid, U concentration decreased owing to adsorption onto the iron solid phase, similar to the behavior of FeUO
. In contrast, in the presence of malonic acid, U concentration was consistent with that observed for U
O
and FeUO
.
加藤 雄斗*; 佐々木 隆之*; 頓名 龍太郎*; 小林 大志*; 岡本 芳浩
Applied Geochemistry, 175, p.106196_1 - 106196_9, 2024/11
被引用回数:2 パーセンタイル:39.78(Geochemistry & Geophysics)To assess the chemical stability of CaUO
in different aqueous environments, static immersion tests were performed under various redox conditions and carbonate ion concentrations. The dissolution mechanism of CaUO
was examined using data from solid and liquid analyses, along with chemical thermodynamic calculations. Under reducing conditions and without carbonate, U(VI) in CaUO
was reduced to U(V) and the mineral was converted into non-stoichiometric CaUO
. The dissolved uranium was then further reduced to U(IV) in the aqueous media, forming UO
(am), which controlled the U solubility. Under oxidizing conditions and in the absence of carbonate, dissolved uranium formed metaschoepite ((UO
)2H
O(cr)) at pH
7 and sodium diuranate (Na
U
O
H
O(cr)) at pH
7, which controlled uranium solubility. In oxidizing conditions with carbonate present, the apparent solubility of U was lower than predicted by the solid-phase solubility calculations. The concentration of U was constrained to levels similar to that of calcium when the calcium concentration reached saturation with CaCO
. Additionally, the dissolution of calcium from CaUO
influenced uranium dissolution.
小林 大志*; 佐藤 祐太郎*; 頓名 龍太郎*; 松村 大樹; 佐々木 隆之*; 池田 篤史
Dalton Transactions (Internet), 53(46), p.18616 - 18628, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:36.72(Chemistry, Inorganic & Nuclear)This study investigates the dissolution behaviour of zirconium-cerium oxide solid solution ((Zr,Ce)O
/(Ce,Zr)O
), which contains a redox-active metal of Ce (Ce(III/IV)) and is of particular importance in nuclear industry. The solid phases of the solid-solution were comprehensively characterised by powder X-ray diffraction (PXRD) with the Rietveld analysis and X-ray absorption spectroscopy (XAS) with factor analysis, indicating that the solid-solution is primarily composed of tetragonal-(Zr,Ce)O
and cubic-(Ce,Zr)O
. Water immersion of the solid-solution leads to the dissolution of the solid phase at the solid-liquid interface. The addition of a reductant to the system reduces Ce(IV) in the solid-solution to -(III) at the surface, promoting the dissolution of Ce from the solid-solution phase. The release of Ce from the solid-solution also enriches the Zr content in the remaining solid-solution phase at the surface to be more insoluble.
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 岡本 芳浩; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*
Journal of Nuclear Materials, 589, p.154862_1 - 154862_10, 2024/02
被引用回数:2 パーセンタイル:33.46(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉構造材料のステンレス鋼成分である鉄とUO
の高温反応により生成したFeUO
化合物の溶解挙動を大気条件下で調べた。化合物はU
O
とFe
O
を出発原料として電気炉で調製し、X線回折、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法、X線吸収微細構造分光法を用いて固体状態を分析した。FeUO
化合物の浸出試験を最長3か月行い、水中に溶存する核種の濃度を調べた。FeUO
の溶解の初期段階で3価のFeイオンと5価のUイオンの間で酸化還元反応が起こることが提案された。還元された2価のFeイオンは、溶存酸素の存在下で最終的に3価のイオンに酸化され、水酸化鉄がFeの溶解度を制限することが熱力学的に推論された。一方、6価のU(すなわちウラニルイオン)の濃度は、メタショエパイトやウラン酸ナトリウムなどの二次鉱物の存在によって制限され、その後、Fe酸化物などへの収着によって減少したと考えられる。RuやCeなどの核分裂生成物の多価イオン濃度も減少したが、これは上記の理由によるものと考えられる。一方、可溶性Csイオンの濃度は減少しなかった。この解釈の妥当性は、参照試料(Feを含まないU
O
)の溶解挙動と比較することで裏付けられた。
, Zr, and stainless steel and leaching behavior of the fission products and matrix elements頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之
Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04
被引用回数:6 パーセンタイル:75.44(Nuclear Science & Technology)UO
・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO
相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O
固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはU
O
と(Fe,Cr)UO
相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)O
が形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。
山田 一夫*; 丸山 一平*; 芳賀 和子*; 五十嵐 豪*; 粟飯原 はるか; 富田 さゆり*; Kiran, R.*; 大澤 紀久*; 柴田 淳広; 渋谷 和俊*; et al.
Proceedings of International Waste Management Symposia 2021 (WM2021) (CD-ROM), 10 Pages, 2021/03
To properly decommission the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, the contamination levels and mechanisms for the concrete structures must be assessed. In this review, we outline the results of this study and present the objectives of a future study called "Quantitative Evaluation of Contamination in Reinforced Concrete Members of Fukushima Daiichi NPP Buildings Considering the Actual Environment Histories for Legitimate Treatments", which will run from October 2020 to March 2023. The experimental results from the first project indicate that concrete carbonation, Ca leaching, and drying conditions affected the adsorption of Cs and Sr and their penetration depths. Additionally, the studies showed that
-nuclides precipitated on the surface of the samples because of the high pH of concrete. A reaction transfer model was developed to further assess the adsorption characteristics of Cs and Sr in carbonated cement paste and concrete aggregates. The model used real concrete characteristics from the FDNPP materials and historical boundary conditions at the site, including radionuclide concentrations and penetration profiles within the turbine pit wall. The water suction by dried concrete was evaluated with the consideration of the structure change of cement hydrates by X-ray CR and
H-NMR relaxometry. In the new project, the studies will also include concrete cracks for more realistic contamination estimations.
石澤 明宏*; 井戸村 泰宏; 今寺 賢志*; 糟谷 直宏*; 菅野 龍太郎*; 佐竹 真介*; 龍野 智哉*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 前山 伸也*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.157 - 210, 2016/03
幅広いアプローチ協定に基づいて国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の計算機シミュレーションセンター(CSC)に設置された高性能計算機システムHeliosは、2012年1月に運用を開始し、日欧の磁気核融合シミュレーション研究に供用され、高い利用率の実績を示すとともに、炉心プラズマ物理から炉材料・炉工学にわたる広い分野で多くの研究成果に貢献している。本プロジェクトレビューの目的は、国内の大学や研究機関においてHeliosを利用して進められているシミュレーション研究プロジェクトとその成果を一望するとともに、今後予想される研究の進展を紹介することである。はじめにIFERC-CSCの概要を示した後、各研究プロジェクト毎にその目的、用いられる計算手法、これまでの研究成果、そして今後必要とされる計算を紹介する。
坂本 慶司; 春日井 敦; 高橋 幸司; 南 龍太郎*; 小林 則幸; 梶原 健
Nature Physics, 3(6), p.411 - 414, 2007/06
被引用回数:198 パーセンタイル:97.02(Physics, Multidisciplinary)発振モードTE31,8の170GHzジャイロトロンにおいて、効率が55%以上の安定1MW発振を世界で初めて達成した。複数のジャイロトロンパラメータを発振中能動的に制御する手法を世界で初めて開発し、その結果、発振条件をいわゆる高効率発振が得られる難自己発振領域に容易に確立できることを実証した。さらに、目的のTE31,8モードが、近傍のTE30,8モードの寄生モードとして成長し、最終的に系を支配してしまうという新たな非線形過程を発見した。この効果により、TE31,8モードの安定自己発振領域が大きく広がることを見いだした。
坂本 慶司; 春日井 敦; 高橋 幸司; 南 龍太郎*; 假家 強*; 満仲 義加*; 小林 則幸
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
ITER用に開発を行っている170GHzジャイロトロンとランチャー開発の最近の成果を報告する。ジャイロトロンの発振モードをガウス型ビームに変換する内蔵型モード変換器の効率向上設計に成功したこと,電子銃の速度分散の抑制に成功し、発振の高効率化に成功したことにより、出力0.6MWでITERに必要な600秒の安定発振を達成した。ITERの目標である1MWでの1000秒クラスのジャイロトロン開発に向け、大きな進歩である。また、次数の高い発振モード(現状TE
モードに対し、TE
モード)の短パルス発振実験を行った。発振モードの次数を上げることにより、空洞共振器のサイズが大型化でき、電気抵抗損失による熱負荷を大きく下げることができるため、さらなる大電力化,長寿命化が可能となる。その結果、1ミリ秒ながら1.6MWの安定発振に成功した。円筒空胴におけるTE
クラスの高次モードの安定発振は非常に難しいとの予測を覆すもので、モード競合理論の再構築を迫る結果である。一方、ITERの水平ポートに装着する電子サイクロトロン電流駆動用ランチャーの設計では、フロントシールド,RFビーム角度制御用可動ミラーとその駆動機構,ランチャー内RF伝送系の設計を行い、その実現可能性を示した。また、ランチャーのキーコンポーネントであるミラー駆動系,高安全性真空封じ窓の開発を行い、ランチャーに使用できることを示した。
春日井 敦; 南 龍太郎*; 高橋 幸司; 小林 則幸; 假家 強*; 満仲 義加*; 坂本 慶司
Fusion Science and Technology, 51(2T), p.213 - 216, 2007/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)原子力機構では、ITER用170GHzジャイロトロンの開発を精力的に継続している。長パルス化を阻害する要因として、発振に重要な役割を果たす電子ビーム電流が、動作中に徐々に減少し、それに伴い出力が減少するあるいはほかの不要モードを誘起し目的の発振モードを維持できないという課題が指摘されていた。そこでこの課題を解決し、ジャイロトロンの長パルス動作を実証するために、カソードヒータの制御にプレプログラミング制御を導入し、ビーム電流を維持することを試みた。その結果、安定なビーム電流制御に成功し、200kWの出力ではあるものの、ITERで必要とされる1000秒間の安定な発振を実現するとともに、プレプログラミング制御の有効性を実証した。出力はジャイロトロンの出力をダミーロードまで導くための伝送系内部の発熱により制限されたが、ジャイロトロンに搭載されているモード変換器のモード変換効率を向上させることで、伝送系内部の高周波損失も抑制することができる。そこで今回新たに、モード変換効率を向上させたジャイロトロンを製作し、実験を開始した。放射器内部のわずかな歪みも排除するように製作上や輸送上の問題点を克服し、ジャイロトロン内部の位相補正を行わずミラー枚数を減らした結果、RFの内部損失がこれまでの約10パーセントから約2パーセントへ大幅に改善できた。これにより、エネルギー回収を行った場合のジャイロトロンの総合効率が、1MW出力において50パーセントとなった。ITER用170GHzジャイロトロンの開発に向けた大きな成果である。
春日井 敦; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 小林 則幸; 坂本 慶司
Fusion Engineering and Design, 81(23-24), p.2791 - 2796, 2006/11
被引用回数:10 パーセンタイル:55.47(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構では、170GHz ITER用ジャイロトロンの開発を精力的に継続している。長パルス化を阻害する要因として、発振に重要な役割を果たす電子ビーム電流が、動作中に徐々に減少し、それに伴い出力が減少するあるいは他の不要モードを誘起し目的の発振モードを維持できないという課題が指摘されていた。そこでこの課題を解決し、ジャイロトロンの長パルス動作を実証するために、カソードヒータの制御にプレプログラミング制御を導入し、ビーム電流を維持することを試みた。プレプログラミング制御の結果、発振を伴わないビーム電流引き出し試験において、ITERで必要とされる安定なビーム電流を1000秒間維持することを実現し、プレプログラミング制御の有効性を実証した。また、170GHzジャイロトロンの長パルス発振試験においても、ビーム電流一定制御を実現し、動作時間中で0.5A以内の変動幅に抑えることができた。その結果、約200kWで、最大約8分間の安定した発振を実現し(ダミーロードから求められるパワーが一定)、管内真空度も安定であった。達成した成果は出力エネルギーとしては、原研が開発したジャイロトロンの中では最大である。一方で、パルス幅はジャイロトロン内部の発熱により制限されたが、1MW出力時に発生しうる不要RFのパワーによるジャイロトロン内部の発熱の軽減、及び除熱を強化すべき箇所を明らかにでき、1MW出力時の冷却性能向上に見通しを得た。
坂本 慶司; 高橋 幸司; 春日井 敦; 南 龍太郎; 小林 則幸*; 西尾 敏; 佐藤 正泰; 飛田 健次
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1263 - 1270, 2006/02
被引用回数:6 パーセンタイル:39.85(Nuclear Science & Technology)本論文は、炉システム研究室が提示した発電実証炉の仕様をベースに、DEMO炉の電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH/ECCD)システムを検討したものである。具体的には、発電実証炉のトロイダル磁場から、周波数の第一候補を300GHzとし、これに対応する超高次モード(TE31, 20)を用いた300GHz帯エネルギー回収型ジャイロトロンの設計,300GHz帯ダイヤモンド窓,伝送系,遠隔ミラー制御型結合系の概念設計を行った。併せて、必要な技術開発の方向を明らかにした。
南 龍太郎; 春日井 敦; 高橋 幸司; 小林 則幸*; 満仲 義加*; 坂本 慶司
International Journal of Infrared and Millimeter Waves, 27(1), p.13 - 24, 2006/01
被引用回数:13 パーセンタイル:54.63(Engineering, Electrical & Electronic)高出力ジャイロトロン用の高効率モード変換器について、解析計算コードを用いて設計し、変換効率が99%以上のモード変換器を設計した。低電力試験を行い、その計算結果と実験結果の比較から、その高性能なモード変換を実証した。また、今後のジャイロトロン高性能化に向けた、モード変換の周波数依存性の検討、周波数可変型や熱負荷低減に有効な高次モード化への検討を行った。
坂本 慶司; 春日井 敦; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 小林 則幸; 假家 強*; 満仲 義加*
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.517 - 525, 2006/00
ITERに向け、原子力機構で開発中の大電力長パルス170GHzジャイロトロンと、高次モード発振研究のための短パルスジャイロトロンの開発研究の成果を発表する。大電力長パルスジャイロトロン(発振モードはTE31,8)は、長パルス化の障害であったビーム電流のショット中の減少を抑えるため、電子銃用ヒーターの入力制御による電流値一定制御機能を導入し、ITERのパルス幅である1000秒の安定発振を得た(出力0.2MW)。一方、大電力化の障害となるジャイロトロン内不要RFの発生原因が、ジャイロトロン内蔵モード変換器の微小なそりであることを明らかにし、これを改良したモード変換器を製作し、改良型ジャイロトロンの製作を行った。また、短パルスジャイロトロンでは、発振モードとして、1.6MWの連続出力が可能となるTE31,12モードにおいて、目標の1.6MWの単一モード発振を実証した(パルス幅1ミリ秒)。この結果、将来のジャイロトロンの大電力化,長寿命化の可能性を明らかにした。
南 龍太郎; 春日井 敦; 高橋 幸司; 小林 則幸; 假家 強*; 満仲 義加*; 林 健一*; 坂本 慶司
信学技報, 105(498), p.39 - 42, 2005/12
日本原子力研究開発機構では、核融合プラズマの加熱・電流駆動のための大電力ミリ波源ジャイロトロンの開発を行っている。今回、安定な長パルス動作を妨げる問題点の対策として、モード変換器放射器内部形状を解析的に最適化し、ビーム電流生成部のヒーターの入力パワーをプレプログラミング制御によりブーストすることで、電流減少を補償する実験を行った。その結果、これまでに、0.13MW/600秒,0.2MW/550秒,パルス幅1000秒の安定な電子ビーム運転を実証している。
坂本 慶司; 春日井 敦; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 小林 則幸*
Journal of Physics; Conference Series, 25, p.8 - 12, 2005/00
日本原子力研究所で行っているITER用170GHzジャイロトロン開発の最新結果を報告する。これまで、0.5MWで100秒の発振に成功したが、時間とともにビーム電流が低下する、ジャイロトロン内にもれRFが多いなどの問題が確認された。前者は、電流引出しによるヒーターの温度低下が原因であり、この対策として、ヒーターの入力を時間的にプレプログラム制御する手法を導入し電流の一定化を行った。また、後者には放射器の内面形状を、回折損失が最小となるよう数値計算にて最適化し、従来の損失を1/5に低減する設計に成功した。ビーム電流出力実験において、約1.6MWの電子ビームを1000秒間安定に制御できることを実証した。今後、実際のRFを出力させ、長時間発振を行う。
春日井 敦; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 小林 則幸*; 假家 強*; 満仲 義加*; 林 健一*; 坂本 慶司
信学技報, 104(520), p.37 - 42, 2004/12
日本原子力研究所では核融合に必要な電子サイクロトロン加熱/電流駆動のための大電力ミリ波発振管ジャイロトロンの開発に取り組んでいる。日本,EU等6極が共同で建設を計画している国際熱核融合実験炉ITER用170GHzジャイロトロンにおいては、0.9MW/9秒,0.75MW/17秒,0.5MW/30秒等の成果を数年前に達成したものの、発振管内部の局所的な発熱とそれに起因するアウトガスがパルス幅を制限した。局所的な発熱部分の同定と冷却の強化等の対策により0.5MW/100秒の準定常動作を達成し、連続動作化の見通しを得るとともに、さらに安定した発振と連続動作化のための課題を明らかにした。
南 龍太郎; 小林 則幸*; 坂本 慶司; 春日井 敦; 高橋 幸司; 今井 剛
JAERI-Research 2004-006, 17 Pages, 2004/03
ITER用大電力ジャイロトロンの秒レベルの長パルス運転時には、5A/sの電子ビーム電流の減少が生じ、正常な発振条件のミスマッチに起因する発振モードの移行のため、パルス幅が制限された。この電流減少の物理機構について検討し、その改善のための方法について報告する。電子ビーム電流の定量的な評価は、電子銃部陰極における熱移動のモデルを考え、パワーバランス方程式を解くことにより行い、このモデルが、実験結果をよく説明できることを明らかにした。また、ジャイロトロンの安定高性能な運転を維持するために、ショット中に電子銃部のヒーター電圧を上げ、電子ビーム電流を補償する実験を行った。これにより、電子ビーム電流の減少が抑制され、連続運転に向けた発振の安定化への見通しが得られた。
高橋 幸司; 春日井 敦; 南 龍太郎; 坂本 慶司; 池田 幸治; 小林 則幸*; 今井 剛
電気学会原子力研究会資料(NE-03-1), p.1 - 6, 2003/09
核融合炉プラズマの加熱電流駆動,MHD不安定性の制御に必要な先進アンテナとして遠隔駆動型ECアンテナの開発を、ジャイロトロン出力窓及びアンテナとジャイロトロン,伝送系をトリチウムや放射性ダストを内包する真空容器から分離する真空窓としてダイヤモンド窓の開発を行っている。遠隔駆動アンテナのRF伝送実験において、放射角度の設計仕様範囲(-12


+12
)でガウス状ビームが所定方向に放射され、かつ、伝送効率95%以上でRFパワーが放射されることを実証し、遠隔駆動型ECアンテナの実用化へ向けた重要な結果である。ダイヤモンド窓開発では、実規模のダイヤモンド窓の製作及び大電力伝送実験により、ITERで要求されている1MW,CWの伝送性能及び0.2MPa耐圧力性能を実証し、ダイヤモンド窓がITERで使用可能であることを示した。