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柴田 大受; 西原 哲夫; 久保 真治; 佐藤 博之; 坂場 成昭; 國富 一彦
Nuclear Engineering and Design, 398, p.111964_1 - 111964_4, 2022/11
被引用回数:8 パーセンタイル:77.01(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構は、高温ガス炉の研究開発を進めている。原子炉技術の研究開発は、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて行われている。HTTRは2021年に大規模な補強無しで運転再開された。2022年1月には、OECD/NEAのLOFCプロジェクトにおける安全性実証試験を実施した。原子力機構は、熱化学法ISプロセスによるカーボンフリー水素製造の研究開発を進めている。また、高温ガス炉の実用化に向けた設計研究を行っている。HTTRによる水素製造の実証に関する新たな試験プログラムが開始された。2030年までの最初の実証のため、メタンの水蒸気改質による水素製造システムが選定された。
深谷 裕司; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 後藤 実; 國富 一彦
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 21(2), p.116 - 126, 2022/06
高温ガス炉の経済性評価に関し、評価法の改良を行った。日本原子力研究開発機構では、商用高温ガス炉概念であるGTHTR300とその経済性評価法を約10年前に完成させた。その評価法は電気事業連合会の評価法に基づいたものである。この電気事業連合会の評価法は福島第一原子力発電所事故の後、大幅な改訂がなされている。さらに、最新の発電原価を評価するためには、物価,労働賃金の10年分のエスカレーションを考慮する必要がある。そこで、GTHTR300の発電原価の評価法を見直し、その発電原価と軽水炉の発電原価の比較を行った。その結果、同じ設備利用率70%において、高温ガス炉の発電原価は7.9円/kWhとなり、軽水炉の11.7円/kWhと比較すると30%程度安価になることが分かった。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
柴田 大受; 佐藤 博之; 植田 祥平; 竹上 弘彰; 高田 昌二; 國富 一彦
2018 GIF Symposium Proceedings (Internet), p.99 - 106, 2020/05
第四世代原子力システムの一つである超高温ガス炉(VHTR)システムについて、原子力研究開発機構で実施している研究開発活動の進捗についてまとめた。高温工学試験研究炉(HTTR)は2010年に原子炉出口温度950Cでの50日間連続運転を達成し、その際、被覆粒子燃料の優れた品質を示した。また、高燃焼度化に向けてZrC被覆粒子の開発を進めている。炉内の構造物に用いる黒鉛の耐酸化性の向上のため、黒鉛へのSiC被覆について中性子照射の影響を調べている。将来の商用高温ガス炉コジェネレーションシステムについて、国際的な安全基準の整備を進めている。HTTRは新規制基準の適合性審査を経て、2019年に再稼働を見込んでいる。ISプロセス連続水素製造試験設備では、2016年に31時間の連続試験が完了した。HTTRでの水素製造-ガスタービン試験に向けた基本設計を完了した。
西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受; 大橋 弘史; 久保 真治; 稲葉 良知; 中川 繁昭; 後藤 実; 植田 祥平; et al.
JAEA-Technology 2018-004, 182 Pages, 2018/07
日本における高温ガス炉の研究開発は1960年代後半に開始した。原子力機構は国内メーカーと協力して、システム設計, 燃料, 黒鉛, 金属材料, 原子炉技術, 高温機器, 燃料・黒鉛の照射試験、高温熱利用技術等の研究開発を実施してきた。1990年に日本初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉HTTRの建設を開始し、1998年に初臨界に達し、その後、様々な試験運転を行い、日本の高温ガス炉技術を確立するとともに、高温ガス炉が有する固有の安全性を実証してきた。本報告書では、高温ガス炉システムの設計例、日本が有する世界最高の高温ガス炉技術及びHTTRの建設、運転保守を通じて得られた知見、熱利用技術について紹介する。
國富 一彦; 西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受
日本原子力学会誌ATOMO, 60(4), p.236 - 240, 2018/04
優れた安全性を有し、950Cの高温熱が取り出せる黒鉛減速ヘリウム冷却型の熱中性子炉である高温ガス炉は、二酸化炭素の排出削減を目的に、発電以外の多様な産業における熱利用が期待されている。日本原子力研究開発機構では、高温工学試験研究炉(HTTR)により高温ガス炉の安全性を実証するとともに、熱利用系の実証に向けた研究開発を進めている。また、産官学と連携して我が国の高温ガス炉技術の国際展開に向けた活動を進めている。本報では、高温ガス炉に関する研究開発の状況及び国内外との協力について紹介する。
大橋 弘史; 佐藤 博之; 中川 繁昭; 徳原 一実; 西原 哲夫; 國富 一彦
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.330 - 340, 2016/11
日本原子力学会「高温ガス炉の安全設計方針」研究専門委員会では、高温工学試験研究炉(HTTR)で得られた知見、福島第一原子力発電所事故の教訓、将来の水素製造施設の接続における安全上の機能要求などを考慮した、実用高温ガス炉の安全要件を検討している。本報告では、安全要件の検討プロセス、作成した安全要件案の概要などについて報告する。
Reitsma, F.*; 國富 一彦; 大橋 弘史
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.341 - 352, 2016/11
国際原子力機関(IAEA)では、2014年に開始した高温ガス炉の安全設計に関する協力研究計画(CRP)において、日本を始めとする各国がこれまでに蓄積した高温ガス炉に関する知見に基づき、軽水炉とは異なる高温ガス炉の安全上の特徴を考慮し、高温ガス炉の安全要件の検討を進めている。本講演では、本CRPの概要、高温ガス炉の安全上の特徴、既存の軽水炉安全要件の高温ガス炉への適用性、CRPで検討中の高温ガス炉安全要件案などについて報告する。
Yan, X.; 佐藤 博之; 上地 優; 今井 良行; 寺田 敦彦; 橘 幸男; 國富 一彦
Nuclear Engineering and Design, 306, p.215 - 220, 2016/09
被引用回数:6 パーセンタイル:40.14(Nuclear Science & Technology)最新の技術知見に基づき改良を行いつつ、排熱を淡水化設備に供給した場合の高温ガス炉システムGTHTR300の経済性評価をおこなった。設計改良による5%の発電効率向上に加えて、多段フラッシュ淡水化設備により製造される水を売ることで得られる収入を考慮することで発電コストを1キロワット当たり2.7セントに低減できることを明らかにした。
深谷 裕司; 國富 一彦; 小川 益郎
日本原子力学会和文論文誌, 14(3), p.189 - 201, 2015/09
高温ガス炉を用いた使用済み燃料の放射性潜在的有害度の低減に関する研究を行った。分離変換とは異なり、有害度発生自体を減らすことができる炉心概念という観点からの研究である。有害度発生量を減らすためにはPu, Am, Cmの発生源であるUを排除する必要がある。そのため、
Uに代わる新たな燃料母材を用いた高温ガス炉を提案した。その候補として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)とトリウムを検討した。核燃料物質としては、濃縮度93%の高濃縮ウランを想定した。この高濃縮ウランを用いることによりその有害度を大幅に低減することができ、天然ウランレベルの有害度レベルまで減衰させるのに必要な冷却期間が800年程度に低減できる。燃料健全性および核拡散抵抗性もYSZによる希釈により保つことができ、核的自己制御性に関してもエルビウム添加により保持できる。熱エネルギー発生量に関しても通常のウラン燃料と同等の発生量が得られる。発電原価も通常のGTHTR300炉心と同等に安価である。本炉心概念では通常のウラン炉心の10万年程度の冷却期間を1%以下の800年程度に低減することができる。
後藤 実; 出町 和之*; 植田 祥平; 中野 正明*; 本田 真樹*; 橘 幸男; 稲葉 良知; 相原 純; 深谷 裕司; 辻 延昌*; et al.
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.507 - 513, 2015/09
高い核拡散抵抗性を有するプルトニウム燃焼高温ガス炉(クリーンバーン炉)の概念が日本原子力研究開発機構から提案されている。高い核拡散抵抗性に加え、更なる安全性向上を目的とし、ZrC被覆を施したPuO-YSZ TRISO燃料を導入したクリーンバーン炉の概念検討を行う。本研究では、ZrC被覆を施したPuO
-YSZ TRISO燃料の製造に関する基盤技術を確立するために製造試験を行う。また、クリーンバーン炉の成立性を確認するためにセキュリティの定量評価、燃料と炉心の設計、及び原子炉の安全評価を行う。本研究は、東京大学,日本原子力研究開発機構,富士電機、及び原子燃料工業により、2014年度から2017年度まで行われる。本発表では、全体計画、及び2014年度に得られた成果について報告する。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 中川 繁昭; 橘 幸男; 國富 一彦
Progress in Nuclear Energy, 82, p.46 - 52, 2015/07
被引用回数:13 パーセンタイル:69.93(Nuclear Science & Technology)本報告では、熱化学法ISプロセスによる水素製造施設を高温ガス炉に接続する上での安全設計に対する考え方を具体化するとともに、安全設計方針及び適合のための設計方針、水素製造施設を非「原子炉施設」として扱うための条件とこれに応じた設計対応を示した。また、実用高温ガス炉水素製造システムGTHTR300Cを対象に、水素製造施設の非「原子炉施設」化のための設計対応及び安全設計方針適合のための設計方針が工学的に成立することを明らかにした。
Haneklaus, N.*; Reyes, R.*; Lim, W. G.*; Tabora, E. U.*; Palattao, B. L.*; Petrache, C.*; Vargas, E. P.*; 國富 一彦; 大橋 弘史; 坂場 成昭; et al.
Philippine Journal of Science, 144(1), p.69 - 79, 2015/06
リン酸肥料製造工程においてリン酸からウランを抽出することができるため、このウランを燃料に用いた高温ガス炉から電気、水素、プロセスヒート等をリン酸肥料製造へ供給することによって、エネルギーニュートラルな肥料製造プロセスを構築できる可能性がある。本報告では、フィリピンにおける代表的なリン酸肥料製造プラントと原子力機構が設計した高温ガス炉(HTR50S and GTHTR300C)を組み合わせたシステムを例に、エネルギーニュートラルな肥料製造プロセスの可能性について検討した。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 橘 幸男; 國富 一彦; 小川 益郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(11-12), p.1317 - 1323, 2014/11
被引用回数:7 パーセンタイル:45.66(Nuclear Science & Technology)本報告では、冷却材喪失事故時の原子炉の崩壊熱除去特性について評価を行った。原子炉を模擬した円柱体系での非定常熱伝導解析により、崩壊熱除去の成立性の支配因子を決定するとともに、導出した支配因子をパラメータに非定常熱伝導計算を行い、燃料温度制限値を満足する設計範囲を導出した。計算結果から、冷却材喪失時に崩壊熱除去を可能な原子炉の設計範囲が、炉心平均出力密度に対応した原子炉の熱容量と熱伝導率の関係式で表されることを明らかにした。また、被覆燃料粒子の適用により、Zr被覆管燃料に対し、設計範囲が大幅に増大することが示された。さらに、高温ガス炉は冷却材喪失時に崩壊熱除去を可能な範囲に設計可能であることが見出された。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 中川 繁昭; 橘 幸男; 國富 一彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(11-12), p.1324 - 1335, 2014/11
被引用回数:6 パーセンタイル:40.58(Nuclear Science & Technology)HTTR試験データを用いて高温環境で使用されるヘリカルコイル型熱交換器を対象にシステム解析コードの検証を行った。また、これまで得られている相関式を整理し、システム解析コードへの組み込みを行った。加えて、HTTR-IS水素製造システムの安全解析を行い、システム解析コードの適用性を評価した。試験結果と計算結果の比較から、既存の相関式群を用いた場合、伝熱管温度を低く評価することが示された。また、試験結果と計算結果の比較や安全解析結果から、新たに実装した相関式群を用いることで、安全解析に適用する上で十分な精度で熱交換器の構造材温度が評価できる見通しを得た。
高松 邦吉; 栃尾 大輔; 中川 繁昭; 高田 昌二; Yan, X.; 沢 和弘; 坂場 成昭; 國富 一彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(11-12), p.1427 - 1443, 2014/11
被引用回数:15 パーセンタイル:72.02(Nuclear Science & Technology)固有の安全性を持つ高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)において、強制冷却喪失事象を模擬した安全性実証試験を実施した。本論文では、冷却材流量が定格の45t/hから0t/hまで低下し、制御棒が炉心に挿入されず、原子炉出力制御系が作動しない条件における、原子炉出力9MWからの強制冷却喪失(LOFC)時の解析結果を示す。解析より緊急炉心停止系が作動しなくても、炉心の負の反応度フィードバック特性により、原子炉出力がすぐに崩壊熱レベルまで低下し、炉心構造材の高い熱容量により炉内の温度分布がゆっくり変化することを明らかにした。以上により高温ガス炉固有の安全性を示すことができた。
Yan, X.; 佐藤 博之; 上地 優; 今井 良行; 寺田 敦彦; 橘 幸男; 國富 一彦
Proceedings of 7th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/10
最新の技術的知見に基づき改良を行いつつ、排熱を淡水化設備に供給した場合の高温ガス炉システムGTHTR300の経済性評価を行った。設計改良による発電効率の5%向上に加えて、原子力機構が提案する多段フラッシュ淡水化設備により製造される水を売ることで得られる収入を考慮することで発電コストを1キロワット当たり2.7セントに低減できることを明らかにした。
大橋 弘史; 佐藤 博之; 中川 繁昭; 橘 幸男; 西原 哲夫; Yan, X.; 坂場 成昭; 國富 一彦
Proceedings of 7th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2014) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2014/10
実用高温ガス炉の安全要件の作成を目的として、日本原子力学会「高温ガス炉の安全設計方針」研究専門委員会が2013年に設立された。本安全要件では、他炉型とは異なる高温ガス炉の固有の安全特性を十分に考慮すると共に、高温工学試験研究炉(HTTR)で得られた知見、福島第一原子力発電所事故の教訓、将来の水素製造施設の接続における安全上の要求などを取り込む方針である。安全要件の作成にあたり、安全要件の基本思想となる安全設計アプローチについて検討を行った。本講演では、研究専門委員会における論点、安全設計アプローチの検討結果などについて報告する。
岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治; 稲垣 嘉之; 國富 一彦; 小川 益郎
JAEA-Review 2014-037, 14 Pages, 2014/09
高温ガス炉の熱エネルギーを用いることにより、水から水素を製造する熱化学法ISプロセスは、COを排出することなく、安定かつ大量に水素を生産できうる、将来の最有力水素製造技術の一つとして、水素・燃料電池戦略ロードマップに記載されるなど、大きな期待が寄せられている。今後、実用化に向けた経済性評価が必要だが、将来の商用高温ガス炉ISプロセス水素製造システムの経済性を精度よく評価することは現段階では困難である。そこで、既存の化石資源を用いた大型商用水素製造プラントの経済性評価データを基に、高温ガス炉ISプロセス水素製造システムの経済性を評価した。本評価において、水素製造コストは25.4円/Nm
であり、それに占める水素製造装置の構成要素の割合から、エネルギー源である高温ガス炉の建設コストの削減、稼働率の向上、水素製造熱効率の改善が水素製造コストの低下に大きく寄与することがわかった。この水素製造コストは燃料電池自動車(FCV)用水素燃料などに求められる水素製造コストを十分満足できることから、この値を高温ガス炉ISプロセス水素製造システムの水素製造コスト目標値として研究開発をすすめていく。
佐藤 博之; Yan, X.; 橘 幸男; 國富 一彦
Nuclear Engineering and Design, 275, p.190 - 196, 2014/08
被引用回数:26 パーセンタイル:86.40(Nuclear Science & Technology)発電効率向上を目的に、最新の技術的知見をもとに高温ガス炉システムGTHTR300の設計改良を行った。圧縮機試験結果を反映することでタービン及び圧縮機の効率を向上させるとともに、炉心設計により原子炉出口温度950Cにおいても通常時及び減圧事故時の燃料最高温度が設計目標値以下となることを明らかにした。また、単結晶ニッケル基合金を採用することで、タービン入口温度950
Cにおいてもタービン翼の健全性を確保できることを示した。これらサイクルパラメーターを反映したサイクル計算を行った結果、送電端における発電効率が45.6%から50.4%に向上することを示した。