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三浦 輝*; 栗原 雄一; 高橋 嘉夫*
地球化学, 55(4), p.122 - 131, 2021/12
福島第一原子力発電所事故により放出された、放射性セシウムを高濃度に含むガラス状の不溶性微粒子(CsMPs)の発見以来、多くの研究が行われ、環境試料から分離された微粒子の物理的,化学的特性,分布,移動が明らかにされてきた。本論文では、CsMPsの環境中での移動と影響に焦点を当てた研究のレビューを目的している。まず、陸上で発見されたCsMPsの沈着地域と大気プルームの関係を概観することから始め、次に、CsMPsの探索および分離方法について説明する。次に、河川を介した二次輸送と河川中のCsのKd値に対するCsMPsの影響について説明する。最後に、海洋で発見されたCsMPsとその陸上のものとの違いについてまとめる。
三浦 輝*; 石丸 隆*; 伊藤 友加里*; 栗原 雄一; 乙坂 重嘉*; 坂口 綾*; 三角 和弘*; 津旨 大輔*; 久保 篤史*; 桧垣 正吾*; et al.
Scientific Reports (Internet), 11, p.5664_1 - 5664_11, 2021/03
被引用回数:7 パーセンタイル:66.08(Multidisciplinary Sciences)初めて海洋中の粒子状物質や堆積物から7種類のCsMPs(放射性セシウム含有微粒子)を単離・調査した。元素組成,Cs/
Cs放射能比,単位体積当たりの
Cs放射能などの結果から、粒子状物質から単離した5つのCsMPsはFDNPPの2号機から放出されたものであり、海洋堆積物から単離した2つのCsMPsは3号機から放出された可能性があることを推測した。CsMPsの存在は、海洋堆積物や粒子状物質中のCsの固液分配係数を過大評価し、海洋生物相の見かけの放射性セシウム濃度係数を高くする原因となる。2号機から放出されたCsMPsは、高濃度汚染地域を流れる河川の河口部で採取されたため、陸上に堆積した後、河川によって運ばれた可能性を示し、一方、3号機から放出されたCsMPsは、風によって東に運ばれ、直接海面に降下した可能性が示唆された。
三浦 輝*; 栗原 雄一; 山本 政儀*; 坂口 綾*; 山口 紀子*; 関澤 央輝*; 新田 清文*; 桧垣 正吾*; 津旨 大輔*; 板井 啓明*; et al.
Scientific Reports (Internet), 10, p.11421_1 - 11421_9, 2020/07
被引用回数:14 パーセンタイル:68.56(Multidisciplinary Sciences)A part of radiocesium emitted during the Fukushima nuclear accident was incorporated in glassy microparticles. We tried to understand the radioactive particles systematically by analyzing a large number of particles. Micro-X-ray computed tomography combined with X-ray fluorescence analysis revealed the presence of many voids and iron-rich part within Type-B particles. The Cs concentration (Bq mm
) of Type-A particles was
10,000 times higher than that of Type-B particles. Among the Type-B particles, the spherical ones had higher concentration of volatile elements than the non-spherical ones. These differences suggested that Type-A particles were formed through gas condensation, whereas Type-B particles were formed through melt solidification.
五十嵐 康人*; 小暮 敏博*; 栗原 雄一; 三浦 輝*; 奥村 大河*; 佐藤 志彦; 高橋 嘉夫*; 山口 紀子*
Journal of Environmental Radioactivity, 205-206, p.101 - 118, 2019/09
被引用回数:55 パーセンタイル:73.68(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故ではチェルノブイリ原発事故と異なるケイ素,酸素,鉄,亜鉛を含む放射性微粒子が発見された。この放射性微粒子は高濃度のセシウムを含むことからセシウムマイクロパーティクル(CsMP)と呼ばれることもある。またこの粒子は少なくとも2種類が見つかっており、発見された順番に、2, 3号機(放出源未確定)と1号機由来をそれぞれTypeA, TypeBと呼んでおり、Cs同位体比, 形態, 採取場所で分類されている。本レビューではこれらの背景を含むCsMPの全体像を紹介する。
栗原 雄一; 山口 瑛子*; 桧垣 正吾*; 小原 義之; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
人形峠研究センター内のラジウムの挙動を調べるために、人形峠内のボーリングコア試料中のラジウムをゲルマニウム半導体検出器による分析を行った。その結果、ボーリングコア試料内下部の風化花崗岩においてラジウムの濃集が見られた。
山口 瑛子; 栗原 雄一; 奥村 雅彦; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
ウランやトリウム等から放射壊変により生成するラジウムは、一定量あたりの放射能が高く、天然環境でも基準値を超えることがあるため危険な元素であるが、環境中での挙動は未解明である。特に地球表層に広く存在する粘土鉱物はイオン吸着容量が大きく多くの陽イオンの挙動に影響を与えるため、粘土鉱物存在下でのラジウムの挙動解明が望まれている。本発表では、上記課題に対し、粘土鉱物を多く含むウラン鉱床のコア試料の分析を行うことで、環境中のラジウムが粘土鉱物に固定されるという有用な知見を得たことを報告する。尚、課題解決に当たっては従来から用いられている逐次抽出法等を利用したが、それに加えてラジウムと挙動が似ているバリウムをアナログとした放射光実験を新たに行ったことが解決の糸口となった。得られた知見により、ラジウムの環境中挙動解明や除去方法の開発に関する研究が大きく進展することが考えられる。
栗原 雄一; 山口 瑛子*; 桧垣 正吾*; 小原 義之; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
人形峠環境技術センター内のラジウム(Ra)の挙動を調べるために、センター内の2地点のボーリングコア試料中のRa/
U放射能比についてゲルマニウム半導体検出器による分析を行った。
Ra/
U放射能比は、ウラン(U)濃集層及び粘土鉱物を含む層において、それぞれ1以下及び1以上であった。放射平衡の関係やマスバランスの計算結果により、U濃集層から地下水へと溶出したRa及びUは、粘土鉱物を含む層へと移行し、そこでRaが粘土鉱物層に選択的に固定されたことが示唆された。Raのアナログとして利用したバリウム(Ba)のEXAFSやマイクロ-XRF-XANES-XRDにより、二価のBaは内圏(IS)錯体で粘土鉱物に吸着していることが確認されたため、Raも同様の挙動を示すと考えられる。以上より、人形峠環境技術センターの環境において、U濃集層から移行したRaが粘土鉱物に吸着していることが示された。
栗原 雄一; 山口 瑛子; 桧垣 正吾*; 小原 義之; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
人形峠環境技術センターの露天採掘場跡地内におけるラジウム同位体の移行を調べるために、跡地内外のボーリングコア試料中のラジウム同位体をはじめとするウラン及びトリウム系列核種の分析を行った。また、固相中のRa-226の分配を明らかにするために、人形峠層及び風化花崗岩層に対して逐次抽出実験を行った。その結果、ラジウム同位体は、人形峠層からその下層の風化花崗岩層へと移行していることが推察された。
三浦 輝*; 栗原 雄一; 山本 政儀*; 坂口 綾*; 桧垣 正吾*; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故によって環境中に放出された放射性微粒子に対して放射光X線分析を行ったところ、1号機由来の粒子内に数ミクロンの大きさのウラン粒子(4価および6価)が存在することが分かった。このウラン粒子には燃料被覆管由来と考えられるジルコニウムも含まれていることから、原子炉内の燃料とその被覆管の共融混合物が放射性微粒子に取り込まれて環境中に放出されたと推定された。
山口 瑛子; 栗原 雄一; 桧垣 正吾*; 奥村 雅彦; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
放射性元素であるラジウムは、アルカリ土類金属であるため水に移行しやすく、また放射壊変により希ガスのラドンを生成し内部被ばくの危険性を高めるなど、危険かつ重要な元素であるが、安定同位体が存在しないために分光法などの適用が難しく、不明な点が多い。特に環境中挙動においては、粘土鉱物に分配しやすいことが示唆される報告例がいくつかあるが、子孫核種からの推定や室内実験に留まるなど、十分に研究されていない。本発表では、上記課題に対し、人形峠旧ウラン鉱山のコア試料を多面的に分析することで、ラジウムの粘土鉱物への吸着反応が環境中挙動を支配するという有用な知見を得たことを報告する。なお、問題解決にあたっては、バルク試料分析にとどまらず、鉱物分離や薄片を用いた局所分析などを行ったことが解決の糸口となった。得られた知見により、環境中ラジウムの動態解明やラジウム除去手法の開発に関する研究の発展に資する。