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論文

Long-term simulations of radiocesium discharge in watershed with improved radiocesium wash-off model; Applying the model to Abukuma River basin of Fukushima

Liu, X.; 町田 昌彦; 操上 広志; 北村 哲浩

Journal of Environmental Radioactivity, 203, p.135 - 146, 2019/07

福島第一原子力発電所事故後の放射性セシウムの長期的な移行及び分布をシミュレートするために、土壌流亡予測式を用いた土砂・セシウム移行(SACT)数値解析モデルを開発した。このモデルでは、2011年の放射性セシウムの年間流出量は観測結果と整合したが、それ以降は、特に阿武隈川について、観測されている早い減少傾向を再現できていなかった。そこで、放射性セシウムの垂直方向の移行や土壌への吸着過程など考慮し、SACTを改良した。モデルを検証するために、阿武隈川で流出する顕濁態の年間平均放射性セシウム濃度の観測量と比較したところ、パラメータ調整をすることなく観測結果を再現できることを確認した。

論文

Modelling the effect of mechanical remediation on dose rates above radiocesium contaminated land

Malins, A.; 操上 広志; 北村 哲浩; 町田 昌彦

Remediation Measures for Radioactively Contaminated Areas, p.259 - 272, 2019/00

Mechanical strategies for remediating radiocesium contaminated soils, e.g. at farms, schoolyards, gardens or parks, lower air dose rates in one of two characteristic ways. The first is to physically remove radiocesium from the environment, for example by stripping topsoil and sending it for disposal. The second is to redistribute the radiocesium deeper within the ground, e.g. by mixing the topsoil or switching the positions of different soil layers, in order that soil attenuates radiocesium gamma rays before they reach the surface. The amount that air dose rates reduce because of remediation can be calculated using radiation transport methods. This chapter summarizes modelling results for the effect of topsoil removal (with and without recovering with a clean soil layer), topsoil mixing, and soil layer interchange on dose rates. Using measurements of the depth profile of $$^{134}$$Cs and $$^{137}$$Cs activity in soil at un-remediated sites across North East Japan, the potential effectiveness of remediation work was estimated considering remediation to different soil depths and different time lags after the accident. The results show that remediation performance would have been essentially constant irrespective of the time at which it was undertaken in the initial five year period following the fallout.

論文

モンテカルロ放射線輸送コード(PHITS)を用いた森林内空間線量評価ツールの開発

佐久間 一幸; 新里 忠史; Kim, M.; Malins, A.; 町田 昌彦; 吉村 和也; 操上 広志; 北村 哲浩; 細見 正明*

環境放射能除染学会誌, 6(3), p.145 - 152, 2018/09

開発した森林を考慮したPHITSを用いて、森林内放射性Cs動態を考慮した空間線量率計算を実施した。その結果、2015年10月時点の観測データを用いると、樹木に放射性Csがほとんど存在しないため、樹冠からリター層へ移行してもほとんど地上1m空間線量率は変化しなかった。一方、2011年8-9月時点の放射性Cs濃度を用いると、樹冠に放射性Csが多く存在し、樹冠近傍や地上200m程度まで空間線量率が高い傾向が見られ、樹冠からリター層へ移行すると、地上1m高さの空間線量率は、線源からの距離が近くなったことにより3倍程度大きくなった。いずれの入力データにおいても、樹冠から土壌層へ放射性Csが移行することで、土壌の遮蔽効果により地上1m高さの空間線量率は3分の1から2分の1程度減少した。

論文

Applicability of $$K_{d}$$ for modelling dissolved $$^{137}$$Cs concentrations in Fukushima river water; Case study of the upstream Ota River

佐久間 一幸; 辻 英樹*; 林 誠二*; 舟木 泰智; Malins, A.; 吉村 和也; 操上 広志; 北村 哲浩; 飯島 和毅; 細見 正明*

Journal of Environmental Radioactivity, 184-185, p.53 - 62, 2018/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:59.95(Environmental Sciences)

福島河川水中の溶存態$$^{137}$$Cs濃度を数値計算するにあたって、分配係数($$K_{d}$$)を用いた吸脱着モデルの適用可能性を評価した。数値計算結果は平水時および出水時の水と浮遊砂の流出フラックス、懸濁態$$^{137}$$Cs濃度を再現した。一方、河川水中の溶存態$$^{137}$$Cs濃度の実測値の再現性は低かった。粗い粒径区分の$$K_{d}$$をチューニングした結果、平水時の溶存態$$^{137}$$Cs平均濃度を再現することが可能であった(実測値:0.32Bq/L, 計算値: 0.36Bq/L)。しかし、平水時の溶存態$$^{137}$$Cs濃度の季節変動(0.14-0.53Bq/L)や出水時の濃度上昇(0.18-0.88Bq/L, mean: 0.55Bq/L)は現実的な数値計算パラメータでは再現することはできなかった。

論文

Evaluation of sediment and $$^{137}$$Cs redistribution in the Oginosawa River catchment near the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant using integrated watershed modeling

佐久間 一幸; Malins, A.; 舟木 泰智; 操上 広志; 新里 忠史; 中西 貴宏; 森 康二*; 多田 和広*; 小林 嵩丸*; 北村 哲浩; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 182, p.44 - 51, 2018/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:38.23(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所の南西15kmに位置する荻ノ沢川を対象に、水循環流域シミュレーターGETFLOWSを用いて、流域内の土砂と$$^{137}$$Csの再分布を評価した。河道への$$^{137}$$Csの供給は主に河川近傍と森林のガリで発生し、河川から離れた森林域における寄与は小さいことが示唆された。森林内の表層土壌中の$$^{137}$$Csは、主に物理減衰と下方浸透、系外にわずかに流出することで減少していた。将来的に河川近傍から河川への$$^{137}$$Csの供給量が小さくなることが示唆された。

報告書

福島における放射性セシウムの環境動態研究の現状; 根拠となる科学的知見の明示をより意識した情報発信の一環として

鶴田 忠彦; 新里 忠史; 中西 貴宏; 土肥 輝美; 中間 茂雄; 舟木 泰智; 御園生 敏治; 大山 卓也; 操上 広志; 林 誠二*; et al.

JAEA-Review 2017-018, 86 Pages, 2017/10

JAEA-Review-2017-018.pdf:17.58MB

2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以降、福島環境安全センターでは、福島の環境回復に向けた取組みとして、事故により環境中に放出された放射性物質のうち特に放射性セシウムの分布状況を評価し将来予測を行うとともに、森林から河川水系を経て海洋に至る環境や我々の生活圏での放射性セシウムの移動状況に係る調査研究「環境動態研究」に取り組んでいる。この度、最新の成果をとりまとめるとともに他機関の関連する最新の成果も参照しまとめたことから、研究成果報告書類として報告する。なお、本成果は、外部への情報発信の一つである福島部門ウェブサイトにおけるQAページを、根拠情報となる科学的知見を含め「根拠に基づく情報発信」として更新するにあたり、コンテンツとして活用されるものである。

論文

Using two detectors concurrently to monitor ambient dose equivalent rates in vehicle surveys of radiocesium contaminated land

武石 稔; 柴道 勝; Malins, A.; 操上 広志; 村上 晃洋*; 三枝 純; 米谷 雅之

Journal of Environmental Radioactivity, 177, p.1 - 12, 2017/10

AA2016-0534.pdf:1.79MB

通常の車両サーベイでは、地上1m高さの空間線量率に換算するために、同じ場所で車両の検出器及び車両を移動し1m高さの空間線量率を手持ち測定器で測定し、両者を比較している。車両測定結果を地上1m高さ値に、より正確に換算するため、2個の検出器を原子力機構の専用のモニタリング車の異なる高さに設置し、福島の避難区域等で測定、地上1m高さの測定結果と比較した。その結果、車両の異なる高さに設置した単一の検出器測定値から地上1m高さ値に換算した場合に比べて、車両2検出器を両者とも用いて換算した方が精度が高く、手持ち測定値に対して$$pm$$20%の範囲内にあった。また道路上の放射性セシウムの存在量が周辺より少ない場合は、車両の検出器の測定高さを高くすることにより道路周辺の空間線量率に近づいた。また、車両検出器の設置高さにについてモンテカルロシミュレーションコードを用いて検討した。

論文

Coupling the advection-dispersion equation with fully kinetic reversible/irreversible sorption terms to model radiocesium soil profiles in Fukushima Prefecture

操上 広志; Malins, A.; 武石 稔; 斎藤 公明; 飯島 和毅

Journal of Environmental Radioactivity, 171, p.99 - 109, 2017/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:69.03(Environmental Sciences)

土壌中の放射性セシウムの鉛直方向移動を記述するための修正拡散-収着-固定化モデルを提案した。このモデルでは、可逆サイトに対するカイネティックスを新たに導入している。このモデルは初期Exponential分布を再現することができる。初期のrelaxation massは拡散深さ、すなわち分配係数、収着速度、分散係数に依存することがわかった。また、このモデルは深い個所での放射性セシウム分布のテイリングを表現する。これは、収着と脱着の速度の違いによるものと考えられる。

論文

Characteristics of radio-cesium transport and discharge between different basins near to the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant after heavy rainfall events

佐久間 一幸; 北村 哲浩; Malins, A.; 操上 広志; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 小林 嵩丸*; 田原 康博*; 登坂 博行*

Journal of Environmental Radioactivity, 169-170, p.137 - 150, 2017/04

 被引用回数:10 パーセンタイル:22.06(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所周りの流域について水の流れと土砂の輸送による放射性セシウムの再分布を理解するために流域モデリングを実施した。懸濁態と溶存態形態の放射性セシウム移行を計算するために、既往の3次元水理地質モデルを用いた水・土砂モデルを拡張した。2011年9月の台風Rokeと2013年9つの出水時を含む2013年をシミュレーションした。2013年の勢力の強い台風Man-yiと台風Wiphaは放射性セシウムの再分布引き起こした。2013年の9つの出水時に関して$$^{137}$$Cs流出量を計算した結果、観測値をよく再現した。堆積は主に氾濫原や流域下流部の河道が広がるところやダム湖で起こった。5つの流域間での$$^{137}$$Cs流出比の違いは流域内での初期フォールアウトの空間分布やダム湖の存在の有無、土地利用の違いによる河川への供給量の違いによって説明された。これらのシミュレーション結果は環境回復を支援するにあたり、将来の放射性物質の再分布を評価することが可能である。

報告書

放射性物質の環境動態に伴う被ばく経路を考慮したコンパートメントモデルの構築

操上 広志; 新里 忠史; 鶴田 忠彦; 加藤 智子; 北村 哲浩; 菅野 光大*; 黒澤 直弘*

JAEA-Research 2016-020, 50 Pages, 2017/01

JAEA-Research-2016-020.pdf:6.02MB

本報告では、河川(二級河川)流域規模での放射性物質(特に放射性セシウム)の動態に伴う被ばく経路を考慮したコンパートメントモデルを構築し、試行的な解析を行った。その結果、各コンパートメントのインベントリや濃度、コンパートメント間のフラックスはおおよそ現実的な値となった。一方で、堆積物や外洋への移行、農林水産物への移行について実測値との比較によるモデル検証は十分でなく、今後、実測値との比較を詳細に実施し、コンパートメント設定やパラメータの設定の妥当性を確認していく必要がある。

論文

Numerical study of sediment and $$^{137}$$Cs discharge out of reservoirs during various scale rainfall events

操上 広志; 舟木 泰智; Malins, A.; 北村 哲浩; 大西 康夫*

Journal of Environmental Radioactivity, 164, p.73 - 83, 2016/11

AA2015-0827.pdf:2.61MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:55.17(Environmental Sciences)

福島の一般的なダム湖における土砂・放射性セシウム輸送を理解するために3次元有限体積コードFLESCOTによる解析を実施した。本モデルは乱流流れ、複数粒径土砂の輸送、溶存および土砂付着セシウムの輸送を考慮する。福島環境におけるモデルの適用性確認のために台風時の大柿ダム湖での試験解析を実施した。その後、一般的なダム湖に対し、流量強度、ダム湖体積、収着分配係数を変化させた解析を実施し、それらの特性が放射性セシウムのダム湖からの流出に与える影響を調査した。大きい降雨イベント時にはシルトが放射性セシウム輸送に大きく寄与する一方、小さいイベント時には粘土付着成分や溶存成分が支配的となることが示された。これらの結果は任意の降雨イベント時に対し、放射性セシウム流出量を評価するのに有益と考える。

論文

Effect of remediation parameters on in-air ambient dose equivalent rates when remediating open sites with radiocesium-contaminated soil

Malins, A.; 操上 広志; 北村 哲浩; 町田 昌彦

Health Physics, 111(4), p.357 - 366, 2016/10

AA2015-0584.pdf:0.84MB

 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

Calculations are reported for ambient dose equivalent rates [$$H^{*}$$(10)] at1 m height above the ground surface before and after remediating radiocesium-contaminated soil at wide and open sites. The results establish how the change in $$H^{*}$$(10) upon remediation depends on the initial depth distribution of radiocesium within the ground, on the size of the remediated area, and on the mass per unit area of remediated soil. The remediation strategies considered were topsoil removal (with and without recovering with a clean soil layer), interchanging a topsoil layer with a subsoil layer, and in situ mixing of the topsoil. The results show the ratio of the radiocesium components of $$H^{*}$$(10) post-remediation relative to their initial values (residual dose factors). It is possible to use the residual dose factors to gauge absolute changes in $$H^{*}$$(10) upon remediation. The dependency of the residual dose factors on the number of years elapsed after fallout deposition is analyzed when remediation parameters remain fixed and radiocesium undergoes typical downward migration within the soil column.

論文

Redistribution and export of contaminated sediment within eastern Fukushima Prefecture due to typhoon flooding

北村 哲浩; 操上 広志; 佐久間 一幸; Malins, A.; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 田原 康博*; 小林 嵩丸*; et al.

Earth Surface Processes and Landforms, 41(12), p.1708 - 1726, 2016/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:48.06(Geography, Physical)

福島第一原子力発電所の事故に起因して福島の地表に降下した放射性物質の将来分布予測に関連し、まず土砂の移行を物理型集水域解析モデルGETFLOWSを用いて詳細解析した。対象領域は汚染度合いを考慮し浜通り側の5流域、小高川, 請戸川, 前田川, 熊川, 富岡川とした。これらの流域の水・土砂輸送プロセスを、地表水流動、地下水流動、地表水・地下水相互作用、浸食(堆積)によって生じる浮遊砂移動現象として解析した。特に河川に流入した砂量、河川底に堆積した砂量、海へ流出した砂量などを試算した。

論文

Radioactivity decontamination in and around school facilities in Fukushima

三枝 純; 田川 明広; 操上 広志; 飯島 和毅; 吉川 英樹; 時澤 孝之; 中山 真一; 石田 順一郎

Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.15-00609_1 - 15-00609_7, 2016/06

福島第一原子力発電所の事故後、原子力機構は福島県内の学校施設を効果的に除染するための方法を構築するため各種の除染実証試験((1)校庭の線量低減対策、(2)遊泳用プール水の浄化、(3)遊具表面の除染)を実施した。これらの除染実証試験を通して、(1)校庭の線量低減対策では、校庭の表土を剥ぎ取り深さ1mのトレンチに埋設することで線量を大幅に低減できること、(2)遊泳用プール水の浄化では、水中の放射性セシウムを回収するために凝集沈殿法が有効であること、(3)遊具表面の除染では、鉄棒や砂場の木枠といった遊具に対する除染効果は遊具の材質や塗装の条件により大きく依存すること、等の知見を得た。本稿では、これらの除染実証試験についてレビューする。

論文

Evaluation of ambient dose equivalent rates influenced by vertical and horizontal distribution of radioactive cesium in soil in Fukushima Prefecture

Malins, A.; 操上 広志; 中間 茂雄; 齋藤 龍郎; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 北村 哲浩

Journal of Environmental Radioactivity, 151(Part 1), p.38 - 49, 2016/01

AA2015-0160.pdf:0.87MB

 被引用回数:22 パーセンタイル:9.49(Environmental Sciences)

空間線量率は土壌中放射性セシウムの鉛直・水平分布に依存する。本研究では、任意の放射性セシウムの土壌中セシウム分布から線量率を計算するツールを開発し妥当性を確認した。福島第一原子力発電所事故により汚染された地域に対する実測値と解析結果は整合的であった。放射性セシウムの不均質な分布が得られている際にはそれらを考慮することでより解析精度を高めることができることを示した。また、放射性セシウムの土壌深部への移行に伴う線量率低下を説明することが可能であることを示した。さらに、農地除染に対する解析では、表土剥ぎ取りおよび天地返しが線量率低下の観点で有意であることを解析的に示した。

論文

第23回原子力工学国際会議(ICONE23)印象記

三枝 純; 操上 広志

日本保健物理学会Newsletter(インターネット), (74), p.15 - 17, 2015/06

2015年5月17日$$sim$$21日に幕張メッセ国際会議場で開催された、第23回原子力工学国際会議の概要及び印象を記した。

論文

Modeling approach to various time and spatial scale environmental issues in Fukushima; Related to radioactive cesium migration in aquatic systems

操上 広志; 北村 哲浩; 山田 進; 町田 昌彦

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05

福島環境中の放射性セシウムの移動に係る様々な時間・空間スケールの課題に対応するため、複数の数値モデルが準備された。本論文はいくつかのケーススタディとともに、環境中での放射性セシウムの移動に係る諸課題に対する原子力機構のモデル化アプローチの一部について記述する。

論文

Radioactivity decontamination in and around school facilities in Fukushima

三枝 純; 田川 明広; 操上 広志; 飯島 和毅; 吉川 英樹; 時澤 孝之; 中山 真一; 石田 順一郎

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05

福島第一原子力発電所の事故後、原子力機構は福島県内の学校施設を効果的に除染するための方法を構築するため各種の除染実証試験((1)校庭の線量低減対策、(2)遊泳用プール水の浄化、(3)遊具表面の除染)を実施した。これらの除染実証試験を通して、(1)校庭の線量低減対策では、校庭の表土を剥ぎ取り深さ1mのトレンチに埋設することで線量を大幅に低減できること、(2)遊泳用プール水の浄化では、水中の放射性セシウムを回収するために凝集沈殿法が有効であること、(3)遊具表面の除染では、鉄棒や砂場の木枠といった遊具に対する除染効果は遊具の材質や塗装の条件により大きく依存すること、等の知見を得た。本稿では、これらの除染実証試験についてレビューする。

論文

High performance simulation for sediment transport on rivers on Fukushima area; Parallelization of 2D river simulation code Nays2D

山田 進; 北村 哲浩; 操上 広志; 町田 昌彦

Proceedings of Joint International Conference on Mathematics and Computation, Supercomputing in Nuclear Applications and the Monte Carlo Method (M&C + SNA + MC 2015) (CD-ROM), 9 Pages, 2015/04

本発表は福島長期環境動態研究(F-TRACE)の一環として実施した2次元河川シミュレーションコードNays2Dの並列化に関する報告である。放射性セシウムは粒径の小さい土砂に吸着し、河川など流水の影響を受け土砂と一緒に移動する。そのため、河川による土砂の移動をシミュレーションすることでセシウムの振る舞いを予測することができる。河川の流れは地形の影響を大きく受けるため、詳細な土砂の堆積位置を知るためには2次元モデルのシミュレーションが必要になるが、計算量が多く広い範囲のシミュレーションを実施することが困難である。そこで、2次元河川シミュレーションコードNays2Dを並列化した。特筆すべき成果は、この並列化により、原子力機構のBX900を用いた並列計算で10倍以上の高速化を実現し、実際に、大柿ダム内の粘土の振る舞いのシミュレーションを実施し、現実的な時間でシミュレーションすることに成功したことである。この結果は、並列化により、現実的な時間で詳細な土砂の振る舞いを予測することが可能になったことを示しており、計算科学だけでなく、環境動態研究にも資する成果である。

論文

Sediment and $$^{137}$$Cs transport and accumulation in the Ogaki Dam of eastern Fukushima

山田 進; 北村 哲浩; 操上 広志; 山口 正秋; Malins, A.; 町田 昌彦

Environmental Research Letters, 10(1), p.014013_1 - 014013_9, 2015/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:33.8(Environmental Sciences)

本論文は福島長期環境動態研究(F-TRACE)の一環として実施した2次元河川シミュレーションコードNays2Dによる福島県の大柿ダムでの放射性セシウムの流動及び堆積分布予測に関する研究についての報告である。現状のシミュレーションコードでは放射性物質の移動は計算できないが、放射性セシウムは粘土のような粒径の小さい土砂に吸着しやすいことに着目し、土砂の移動を計算しそれを放射性セシウムの移動とみなすことにした。実際に、2013年9月の洪水時や平均的な洪水時の流量等を境界条件として用いて、大柿ダム内の土砂の流れのシミュレーションを原子力機構のBX900で実施し、土砂の移動を計算した。特筆すべき成果は、粒径の小さいシルト及び粘土の振る舞いはダムの排水口の高さに大きく依存しており、排水口の位置を高くすることでダム内にシルト及び粘土が多くとどまるようになることを示したことである。この結果は、ダムの水位を適切に調整することで下流への土砂に付着したセシウムの移動を防げる可能性があることを示しており、住民の被ばくの低減に資する成果である。

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