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中瀬 吉昭; 栗山 将; 小田島 晟*
Adv.Polym.Sci., 65, p.81 - 133, 1984/00
被引用回数:0 パーセンタイル:1.09(Polymer Science)放射線固相重合したポリトリオキサン、及びポリテトラオキサンの微細構造をX線回折挙動、融解挙動、及び放射線分解挙動から明らかにした。これらの挙動に対する熱処理効果から原試料の微細構造を推定し、電子顕微鏡観察等による確認を行った。放射線分解挙動から、分解しやすい領域があり、そこでは、重合過程で生じた歪みやねじりを持ったポリマー分子鎖がある。この領域は周期的に現れる。ポリトリオキサンは、主結晶と副結晶の二種よりなるが、ポリテトラオキサンは、重合温度により、二種又は三種の結晶よりなる。両ポリマーにおける繊維状の主結晶は、平均の結晶長として、500ポリトリオキサン)300
ポリテトラオキサン)が得られた。本解析法は、ポリオキシメチレン以外の結晶性ポリマーの微細構造の研究にも利用できる。
松田 光司; 中瀬 吉昭; 辻 良夫*; 栗山 将
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 27, p.535 - 536, 1984/00
低密度ポリエチレンの放射線熱ルミネッセンスのグロー曲線には、雰囲気ガス圧力760Torrにおいて、低温ピーク(120K),中温ピーク(180K),高温ピーク(250K)が観測された。これらの発光は、不純物サイトに捕獲された電子が発光中心と再結合したとき、あるいは電荷移動が原因で発生すると考えられているが定説はない。本研究では、これら3つのピークについて雰囲気ガス圧力の変化、不純物の除去効果を調べた結果、低温ピークはポリエチレン表面あるいは内部に拡散した励起ガス原子,分子が周囲のマトリックスを励起して作った発光中心によるもの、中温ピークは不純物発光中心によるものと考えられ、高温ピークはポリエチレン本来の発光中心に対応していることがわかった。
中瀬 吉昭; 栗山 将
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 18(1), p.78 - 81, 1983/00
エチレン・プロピレンゴムを過酸化物で加硫し、その耐放射線性をイオウ加硫物と比較した。イオウ加硫物では原試料のゲル分率が高いほど、劣化は抑えられるが、過酸化物加硫試料では、ゲル分率の影響は認められない。劣化に対する線量率効果は、イオウ加硫物、過酸化物加硫試料ともに認められる。また、低線量率における酸化反応の優勢になることも同等である。これらの事実より、イオウ加硫物の耐放射線性が良好なことは、単にゲル分率の増加、すなわち架橋点の増加によるのではなく、架橋点の増加に伴うイオウ原子の増加になることが明らかとなった。
中瀬 吉昭; 栗山 将
日本原子力学会誌, 25(7), p.529 - 537, 1983/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)高分子材料の改良・改質のために、放射線を利用した研究の最近の動向について解説する。放射線利用の際に用いる線源と、そこから出る放射線の物質に対する作用について概観し、また利用分野について分類して紹介するとともに、放射線利用による高分子材料の改良・改質の位置づけを行う。次に世界における研究動向を、最近の研究例から明らかにするとともに、我々の研究成果の一部を紹介する。
小田島 晟*; 石橋 輝雄*; 中瀬 吉昭; 栗山 将
Polym.J., 15(5), p.331 - 335, 1983/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.49(Polymer Science)放射線固相重合ポリテトラオキサンの009と0018の非対称回折(曲線)の解析を行なった。80C以上の温度で重合したポリマーには、2種の結晶形が存在する。一方は、100
の長さのラメラ晶で小さな歪因子をもつものであり、他方は、約250
の長さの繊維状結晶で大きな歪因子をもつものである。80
C以下の温度で重合したポリマーには、1種の結晶、繊維状結晶、が存在することを明らかにした。
西井 正信; 林 香苗; 栗山 将; 岡村 誠三*
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 26, p.555 - 556, 1983/00
アセチレンの放射線固相重合を試み、得られたポリマーの化学構造を主として赤外線吸収スペクトルより明らかにした。アセチレンは融点-81.8Cと相転移点-124
Cの間の温度では柔粘性結晶相となることが知られているが、この相状態での放射線照射による重合性はこれまで調べられていない。低温結晶相(-196
C)および液相(-72
C)との比較から柔粘結晶相(-95
C)での重合速度は液相での速度と同等であることを見出した。生成ポリマーの分析からは、柔粘性結晶相で得られたポリアセチレンは、他の相状態で得られたポリマーよりも、トランス構造の共設二重結合の連鎖が長いことが明らかとなった。
中瀬 吉昭; 栗山 将; 高橋 享*; 一色 節也*
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 17(4), p.306 - 313, 1982/00
ケーブル用絶縁材料として用いられる高分子材料を原子炉の通常運転条件、仮想事故時条件に暴らして劣化し、それらの放射線誘起電流について研究した。長寿命荷電担体は、非晶性材料ではほとんど認められないが、結晶性材料では比較的多く見出された。劣化により結晶性材料の結晶化度が低下すると、短寿命荷電担体のみが見出された。これは、長寿命担体は結晶のまわり、あるいは、内部に捕捉されていることを示す。仮想事故のうちの高温蒸気、ケミカルスプレーは、誘起電流の発生挙動に大きな影響は与えない。しかし、ポリイミド等縮合重合体は、加水分解を起し使用に耐えない。
藤村 卓; 早川 直宏; 栗山 将
J.Appl.Polym.Sci., 25, p.4085 - 4092, 1982/00
ポリエチレンの真空中における大線量照射の効果を、2回照射の方法で検討した。ポリエチレンをまず真空中、298°Kで数百Mrd、線照射した。生成したラジカルを消した後、化学的、物理的に変化したポリマーを真空中77°Kで再度12.7Mrd照射した。2回目の照射で生成したラジカルの熱処理による減衰を検討した。照射された試料中には多数の二重結合が生成される。この二重結合と2回目の照射によって生成したアルキルラジカルが反応してアリルラジカルが生成される。このアリルラジカルは真空中、298°Kでアルキルラジカルよりもはるかに安定である。大線量照射により生成した架橋はポリエチレンをより堅くする。この堅さはラジカルの減衰を遅くする。これらの結果から、照射されたポリエチレンにおけるラジカルの蓄積速度は、照射線量が増すに従って、増加することが示唆された。
藤村 卓; 早川 直宏; 栗山 将
J.Appl.Polym.Sci., 27, p.4093 - 4100, 1982/00
被引用回数:8 パーセンタイル:48.38(Polymer Science)ポリエチレン(PE)に対する空気中での大線量照射効果を、2回、放射線照射を行なうやり方で検討した。まずPEに空気中298°Kで線を2~300Mrad照射した。生成したラジカルを消滅させ、この一回目の大線量照射によって化学的及び物性的に変化したPEに、今度は真空中77°Kで12.7Mrad、
線を照射した。この二回目の照射で生成したラジカルが試料を熱処理することにより減衰する挙動を調べた。この結果を、一回目の大線量照射をせず二回目の照射のみを行った試料におけるラジカルの減衰挙動と比較した。また本研究での結果を、先に報告した真空中で大線量照射し本研究と同様の手法で解析した結果とも比較した。その結果、空気中大線量照射によってPEが酸化され、これによってPEの主鎖が切断される。この主鎖切断によって2回目の照射によってできたラジカルの減衰は速くなる。また、真空中大線量照射と同じ位の量の二重結合が、空気中大線量照射によって生成することが明らかとなった。
中瀬 吉昭; 栗山 将; 高橋 享*; 一色 節也*
J.Mater.Sci., 17, p.3052 - 3056, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)熱と放射線との複合環境下で劣化した試料の放射線誘起電流に関する研究を行った。材料としては、絶縁材料として用いられているポリエチレン、エチレンピロポレンゴムを使用した。放射線誘起電流及びその減衰は、試料の結晶性よりむしろ結晶化度によって影響される。結晶性試料では、加熱劣化後照射した方が、その逆の場合より劣化が少ない。また、短寿命担体の数は、結晶化度が低い試料ほど多くなるが、これは、短寿命担体のトラップが非晶領域で起り、長寿命担体は、結晶域でトラップされることを示している。
依田 修; 栗山 将; 小田島 晟*
Journal of Materials Science Letters, 1, p.451 - 452, 1982/00
被引用回数:11 パーセンタイル:58.88(Materials Science, Multidisciplinary)ポリエチレン結晶の放射線による崩壊機構について、著者らは、X線回折実験の結果より、ラメラ表面からの架橋によって結晶c軸方向より崩壊が進むことを主張してきた。最近Unqarらは、結晶格子内に架橋が生成し、これにより結晶格子内部から崩壊が起るという新しいメカニズムを提唱した。これに対して、著者らは、c軸方向の結晶長の変化と、対応する結晶化度を定量的に測定することによって、結晶崩壊はラメラ表面から進むことを再び示した。
藤村 卓; 荒川 和夫; 早川 直宏; 栗山 将
Polymer, 27, p.2475 - 2482, 1982/00
耐放射線性を付与することが知られている、添加剤を低密度ポリエチレンに添加すると、ポリエチレンに生成するラジカルの収率が減少することが明らかになった。この結果は、放射線照射によりポリエチレンに与えられたエネルギーの一部が芳香環を持つ添加剤に移行し、(エネルギー移動)安定化した為であると考えられる。またこの添加剤はラジカルの減衰速度を増大させることも解った。ラジカルの生成が抑えられ、また減衰が加速される為に、添加剤を含む糸では、放射線照射により発生する気体の量が減少し、また放射線による架橋も抑えられることが判明した。エチレン-プロピレン共重合体の場合も、低密度ポリエチレンと同様な結果が得られた。
三友 宏志*; 栗山 将
Polymer, 23, p.1377 - 1380, 1982/00
被引用回数:4 パーセンタイル:31.03(Polymer Science)Nylon6,6の高温グリセリン中での熱処理に伴なう構造変化と熱物性(主としてTMAやTSA測定)との関連を明らかにした。
瀬口 忠男; 荒川 和夫; 早川 直宏; 渡辺 祐平; 栗山 将
Radiation Physics and Chemistry, 19(4), p.321 - 327, 1982/00
高分子絶縁材料の放射線酸化劣化をゲル分率および膨潤比の測定から検討した。化学架橋したポリエチレン(PE)およびエチレン-プロピレンゴム(EPR)は真空中照射では架橋がさらに進行するのに対し、酸素加圧下で照射すると、切断が起りゲル分率が低下し、膨潤比が増大する。 EPRについては酸素下での照射量と膨潤比の変化に定量的な関係式が見出された。さらに酸化防止剤の効果が、ゲル分率、膨潤比の変化量から明瞭になり、定量化できた。
中瀬 吉昭; 栗山 将
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 25, p.631 - 632, 1982/00
過酸化物により架橋したエチレン・プロピレンゴム(EPDM)の耐放射線性について検討した。EPDMの機械的性質は、線量の増加とともに極大を経て低下する。極大に到るまでは、性質の向上があり、その後低下が起るとみなすことができる。原試料の架橋度(ゲル分率)に関係なく、劣化が起り、かつ線量率の低いほど劣化の程度は激しい。一方、イオウ架橋(加硫)EPDMでは、線量率効果は上述と同様であるが、原試料の架橋度が大きいほど劣化は仕難い。EPDM中のイオウの存在量は、耐放射線性の向上に比例するような結果が得られた。
栗山 将
JAERI-M 9412, 40 Pages, 1981/03
原子力発電所等の原子力産業において、有機高分子材料は比較的多量に用いられている。とくに電気絶縁材料として高分子素材は、すぐれた絶縁性能に加えて、加工性、可換性、経済性に秀でていることから、安直に使用されるが、その使用限界線量等(放射線場における)を知っておくことは重要である。第1章では原子力産業に要求される高分子材料について、使用限界線量、製品として使用するための型式試験法の一般論を解説した。第2章では、型式試験の中で、注目されている難燃性試験について解説した。さらに、第3章ではThree mile island原子力発電所の事故およびそこから得られた教訓等の概要について述べ、第4章では、有機材料の難燃化処理にインパクトを与えたBrowns Fery原子力発電所の火災事故の概要を述べた。
高橋 亮*; 新元 孝*; 一色 節也*; 中瀬 吉昭; 栗山 将
電気学会論文誌,A, 101(3), p.167 - 174, 1981/00
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンゴム、ポリスチレン、およびポリイミドの各種高分子絶縁材料(シート)に室温以上の温度で放射線を照射し、照射中の誘起電流(eq)、および照射停止後のその減衰挙動(
d(t))について検討した。 結晶性高分子材料(ポリエチレン、ポリプロピレン)の場合の
eqの温度依存性は、非晶性高分子材料の場合ほど大きくはない。一方、線量率依存性では
eqはほぼ、線量率の1乗に比例する。しかし、高密度ポリエチレンでは、
eqを得るのに長時間かかることがわかった。照射停止後の
d(t)の検討から、高密度ポリエチレンで短時間に
eqが観察されないのは結晶内、または結晶-非晶の界面で、長寿命荷電担体のトラップが起っているためと思われる。
中瀬 吉昭; 伊藤 政幸; 栗山 将
電気学会論文誌,A, 101(5), p.279 - 284, 1981/00
基本配合のエチレン、プロピレン、エチリデンノルボーネン三元共重合体に各種添加材を加えた実用配合試料の耐放射線性を検討した。実用配合試料は原試料のゲル分率が大きいため、100Mradの照射では、物性の低下はそれほど大きくないが、200Mradではかなりの低下が起り、低線量率ほど劣化は激しくなる。充てん剤の添加により、材料の耐放射線性は低下する。酸化防止剤を添加すると、材料の耐放射線性の低下、すなわち、酸化劣化が抑えられる。このことから、充てん剤などを含む複雑な物質系においても、ゴムとしての性能の低下をもたらす主な原因が酸化反応による主鎖切断であることを示している。機械的性質の変化は、硬さの変化と良く対応する。そこで、硬さが簡便な評価項目となることを提案する。
伊藤 政幸; 岡田 漱平; 栗山 将
J.Mater.Sci., 16, p.10 - 16, 1981/00
被引用回数:5 パーセンタイル:37.68(Materials Science, Multidisciplinary)電線材料の一つであるクロロプレンゴムについて、その機械的性質の劣化を種々の環境下で調べた。種々の配合を行ったゴムについて化学応力緩和法を用いて耐熱性を比較した結果、アミン系の酸防が劣化をよく制する事がわかった。放射線照射した試料について引張試験を行うと、照射劣化に対してもアミン系酸防が有効作用し、劣化をよく制する事を明らかにした。また、90kg/cmの加圧空気中で照射すると劣化がいちじるしく促進された。熱と放射線を同時に加えながら振動試験(10Hlz)を行うと室温ではモジュラスが時間とともに低下するに対し、高温(180
C)ではモジュラスはほとんどしないが、2
10
程度の振動回数で試料は切断した。
荒川 和夫; 瀬口 忠男; 渡辺 祐平; 早川 直宏; 栗山 将; 町 末男
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 19, p.2123 - 2125, 1981/00
高分子中に充分酸素が溶解しており、酸素の拡散が律速とならないような条件で、放射線酸化反応の線量率依存性を調べた。試料は低密度ポリエチレンおよびエチレン-プロピレン共重合体で、酸素雰囲気中・室温で線量率は1.410
から2
10
rad/hrの範囲で
Co-
線を照射した。酸素の消費量はガスクロで、高分子中のカルボニルはNMRで測定した。ゲル分率は沸騰キシレンで抽出して求めた。その結果、酸素の消費のG値の線量率依存指数は-1/3であることを見い出した。また、カルボニル生成のG値およびゲル分率の低下の線量率依存指数も-1/3で、酸素の消費のそれとよく一致している。以上の結果にもとずき酸化反応機構について考察し、酸化反応において一分子停止反応と二分子停止反応の競争反応により-1/3の線量率依存指数を説明した。