検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 37 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Repeatability and reproducibility of measurements of low dissolved radiocesium concentrations in freshwater using different pre-concentration methods

栗原 モモ*; 保高 徹生*; 青野 辰雄*; 芦川 信雄*; 海老名 裕之*; 飯島 健*; 石丸 圭*; 金井 羅門*; 苅部 甚一*; 近内 弥恵*; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 322(2), p.477 - 485, 2019/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:34.09(Chemistry, Analytical)

福島県の淡水に含まれる低レベル溶存態放射性セシウム濃度の測定に関する繰り返し精度と再現精度を評価した。21の実験施設が5つの異なる前濃縮法(プルシアンブルー含浸フィルターカートリッジ,リンモリブデン酸アンモニウム共沈,蒸発,固相抽出ディスク、およびイオン交換樹脂カラム)によって10L試料3検体を前濃縮し、放射性セシウム濃度を測定した。全$$^{137}$$Cs濃度測定結果のzスコアは$$pm$$2以内で、手法間の誤差は小さいことが示された。一方で、各実験施設内の相対標準偏差に比べて、施設間の相対標準偏差は大きかった。

論文

The Air dose rate around the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant; Its spatial characteristics and temporal changes until December 2012

三上 智; 前山 健司*; 星出 好史*; 坂本 隆一*; 佐藤 昭二*; 奥田 直敏*; 佐藤 哲朗*; 武宮 博; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.250 - 259, 2015/01

 被引用回数:49 パーセンタイル:78.70(Environmental Sciences)

For comprehensive investigation of the effects of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident on the land environment, three measurement campaigns covering wide area around the Fukushima site had been conducted by the end of fiscal year of 2012. The distribution maps of air dose rate have been constructed according to the measurement results implemented at approximately 6500 locations using the maximum values for the measurement period. Spatial distributions and temporal variations of air dose rate in the area were revealed by examining the resultant distribution maps. In the lower air dose rate area, the reduction rate of the air dose rate was observed to be smaller than that in the other areas and even smaller than physical attenuation rate alone, in contrast, the reduction rate was higher in areas with higher air dose rate.No significant difference among different land uses was observed in the reduction tendency of air dose rates in flat and spatially opened locations.

論文

Spatial distributions of radionuclides deposited onto ground soil around the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant and their temporal change until December 2012

三上 智; 前山 健司*; 星出 好史*; 坂本 隆一*; 佐藤 昭二*; 奥田 直敏*; Demongeot, S.*; Gurriaran, R.*; 上蓑 義朋*; 加藤 弘亮*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.320 - 343, 2015/01

 被引用回数:102 パーセンタイル:93.00(Environmental Sciences)

Comprehensive investigations have been conducted on the land environment affected by the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Distribution maps of Cs-134, Cs-137, and Ag-110m deposition density as of March, September, and December 2012, were constructed according to monitoring results obtained at nearly a thousand locations. Little temporal change of the deposited radionuclides was observed during the nine months from March to December 2012. Weathering effects especially horizontal mobility, during this time were not noticeable. Spatial characteristics in the ratios of Cs-134/Cs-137 and Ag-110m/Cs-137 that deposited on ground were observed by investigations in the Tohoku and Kanto areas. The elaborate deposition maps of Cs-134 and Cs-137 as of September 2012, and those as of December 2012, were constructed using the relationship between the air dose rate and the deposited activity per unit area.

論文

Mechanism of radiation-induced reactions in aqueous solution of coumarin-3-carboxylic acid; Effects of concentration, gas and additive on fluorescent product yield

山下 真一; Baldacchino, G.*; 前山 拓哉*; 田口 光正; 室屋 裕佐*; Lin, M.*; 木村 敦; 村上 健*; 勝村 庸介

Free Radical Research, 46(7), p.861 - 871, 2012/07

 被引用回数:26 パーセンタイル:54.39(Biochemistry & Molecular Biology)

クマリンの水溶性誘導体であるクマリン-3-カルボン酸(C3CA)の水溶液中における放射線誘起化学反応について電子線パルスラジオリシス、$$^{60}$$Co $${gamma}$$線照射後の最終生成物分析,決定論的モデルシミュレーションによって調べた。C3CAは水和電子だけでなくOHラジカルとも拡散律速相当の速度定数(それぞれ2.1$${times}$$10$$^{10}$$, 6.8$${times}$$10$$^{9}$$ M$$^{-1}$$s$$^{-1}$$)で反応することがわかった。O$$_{2}$$$$^{-}$$$$^{bullet}$$に対する反応性は確認されなかった。蛍光物質7-ヒドロキシ-クマリン-3-カルボン酸(7OH-C3CA)は高速液体クロマトグラフィに接続した蛍光光度計により検出した。この7OH-C3CAの生成収率は、照射条件により差はあるものの、0.025から0.18(100eV)$$^{-1}$$であった。C3CA濃度, 飽和気体, 添加剤に対する7OH-C3CA収率の変化から、C3CAによるOHラジカル捕捉から7OH-C3CAが形成されるまでには少なくとも二つの経路(過酸化後のHO$$_{2}$$ラジカル放出及び不均化反応)があることが示された。これらの経路を含む反応機構を提案し、シミュレーションを実施した。OHラジカル捕捉後の7OH-C3CAへの変換効率を4.7%とすることで測定結果をよく説明できた。

論文

Production of a fluorescence probe in ion-beam radiolysis of aqueous coumarin-3-carboxylic acid solution, 2; Effects of nuclear fragmentation and its simulation with PHITS

前山 拓哉*; 山下 真一; 田口 光正; Baldacchino, G.*; Sihver, L.*; 村上 健*; 勝村 庸介

Radiation Physics and Chemistry, 80(12), p.1352 - 1357, 2011/12

 被引用回数:14 パーセンタイル:69.81(Chemistry, Physical)

クマリン-3-カルボン酸(CCA)水溶液の放射線分解では水分解生成物であるOHラジカルによりCCAが酸化されて一定の比率で蛍光プローブになる。このことを利用し、HIMAC施設において135, 290, 400MeV/uの炭素イオンを水に照射した際のOHラジカル収率をブラッグピーク付近で測定した。ブラッグピークで停止するまでの間に入射イオンはエネルギーを失い、LETが増加するため、トラック構造が密となることを反映してOHラジカル収率が減少する一方、ブラッグピークよりさらに深い下流の領域では核破砕で生成した軽くてLETの低いHやHeなどの二次イオンの照射により、OHラジカル収率は急激に高くなることを明らかにした。核破砕を考慮して上記のようなOHラジカル収率の変化を定量的に説明するために粒子・重イオン汎用3次元モンテカルロコードPHITSを用いて粒子輸送計算を実施したところ、ブラッグピークより上流の領域では測定結果を精度よく説明できた。しかしブラッグピークより下流の領域では測定値に対して、シミュレーションに基づく推定値は15-45%過小評価となり、この差異は線量測定で用いた電離箱と試料セルとのジオメトリの違いが主因となって生じている可能性が高いことが示された。

論文

Production of a fluorescence probe in ion-beam radiolysis of aqueous coumarin-3-carboxylic acid solution, 1; Beam quality and concentration dependences

前山 拓哉*; 山下 真一; Baldacchino, G.*; 田口 光正; 木村 敦; 村上 健*; 勝村 庸介

Radiation Physics and Chemistry, 80(4), p.535 - 539, 2011/04

 被引用回数:41 パーセンタイル:92.78(Chemistry, Physical)

水の放射線分解で生成するOHラジカルをクマリン-3-カルボン酸(3CCA)により捕捉させると、一部が蛍光体である7OH-3CCAになる。この7OH-3CCAの放射線化学収率($$G$$値)を8種のイオンビーム照射に対して測定した。この際、3CCA濃度を0.1から26mMの間で変化させることで、捕捉反応が起こる時間スケールを5.6ナノ秒から1.5マイクロ秒の間で変化させた。報告のあるOHラジカル収率と比べたところ、時間スケールが数十ナノ秒よりも遅い場合には7OH-3CCA収率がOHラジカル収率の約(4.7$$pm$$0.6)%で一定となることがわかり、ビームの種類に依存しないことも明らかとなった。数cGyという低線量でも検出可能なことから、3CCA水溶液中で生成する蛍光体7OH-3CCAはOHラジカルの高感度なプローブとしてさまざまな放射線に対して利用できることが示された。

論文

Determination of the time-dependent OH-yield by using a fluorescent probe; Application to heavy ion irradiation

Baldacchino, G.*; 前山 拓哉*; 山下 真一; 田口 光正; 木村 敦; 勝村 庸介; 村上 健*

Chemical Physics Letters, 468(4-6), p.275 - 279, 2009/01

 被引用回数:44 パーセンタイル:81.44(Chemistry, Physical)

高エネルギー重粒子線による水の放射線分解で生成される$$^{bullet}$$OHをHPLC-ケイ光測定により検出した。$$^{bullet}$$OHのプローブとしてクマリン-3-カルボキシル酸(3CCA)を用いた。このCCAは$$^{bullet}$$OHとの反応の後、ケイ光物質7-hydroxy-coumarin-3-carboxylic-acid (7OH-3CCA)を生成する。7OH-CCAの検出下限は1nMよりも低いため、放射線分解収量が2$$times$$10$$^{-9}$$mol/Jという高い感度で測定できた。4.8-GeV-$$^{12}$$C$$^{6+}$$及び20-GeV-$$^{40}$$Ar$$^{18+}$$照射時の$$^{bullet}$$OH収量をnsから$$mu$$sの間で測定し、$$^{bullet}$$OH収量はそれぞれ2.8$$times$$10$$^{-7}$$から1.3$$times$$10$$^{-7}$$mol/J(LET 11eV/nmの$$^{12}$$C$$^{6+}$$)と1.5$$times$$10$$^{-7}$$から0.9$$times$$10$$^{-7}$$mol/J(LET 90eV/nmの$$^{40}$$Ar$$^{18+}$$)と推移した。これらの結果は文献値とよく一致した。

論文

Water radiolysis with heavy ions of energies up to 28 GeV, 2; Extension of primary yield measurements to very high LET values

山下 真一; 勝村 庸介; Lin, M.; 室屋 裕佐*; 前山 拓哉*; 村上 健*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1224 - 1229, 2008/10

 被引用回数:22 パーセンタイル:77.40(Chemistry, Physical)

重粒子線照射から100ns後の収量であるプライマリ${it g}$値をこれまで主要な生成物である水和電子,OHラジカル,過酸化水素について中性条件下で測定してきた。この際放射線医学総合研究所の重粒子線加速器HIMACからの$$^{4}$$He$$^{2+}$$, $$^{12}$$C$$^{6+}$$, $$^{20}$$Ne$$^{10+}$$, $$^{28}$$Si$$^{14+}$$, $$^{40}$$Ar$$^{18+}$$, $$^{56}$$Fe$$^{26+}$$といったビームを150-500MeV/uという高いエネルギーを用いてきたが、本研究ではよりブラッグピークに近い領域で照射を実施することにより、LET(線エネルギー付与)をおよそ700eV/nmまで増加させ、従来よりも高いLETビームを用いての測定を実施した。この際、PMMA製のエネルギー吸収材を厚さを制御しながら用いてビームエネルギーを下げたため、飛程末端の確認や、線量較正も注意深く行った。この結果広い範囲のビーム条件で測定結果が得られ、さらにこれをLET依存性だけでなく(${it Z}$$$_{eff}$$/$$beta$$)$$^{2}$$依存性としてプロットしたところLETよりも統一的に異なるイオンを用いた場合の測定結果を表すことがわかった。

口頭

治療用重粒子線による水の放射線分解; ブラッグピーク付近における$$^{.}$$OH収量

前山 拓哉*; 山下 真一; 勝村 庸介; Baldacchino, G.*; 田口 光正; 木村 敦; 村上 健*

no journal, , 

Coumarin-3-carboxylic acid(CCA)は水の放射線分解で生成するOHラジカル($$^{.}$$OH)を捕捉し、その一部は数nMの高い感度で定量可能なケイ光物質となる。実際のがん治療で患部に照射されるブラッグピーク近傍をCCA水溶液に照射し、その際の$$^{.}$$OH収量評価を試みた。高エネルギー重粒子線の特にブラッグピーク付近では核破砕(フラグメンテーション)が無視できなくなる点も検討した。

口頭

Sensitive yield measurement of OH in water radiolysis at the Bragg peak of high-energy heavy-ions with CCA as a fluorescence probe

前山 拓哉*; 山下 真一*; Baldacchino, G.*; 勝村 庸介*; 田口 光正; 木村 敦; 室屋 裕佐*; 村上 健*

no journal, , 

高エネルギーの重イオンは、$$gamma$$線やX線照射と比較して細胞への照射効果が大きいことや、酸素増感効果が小さいことからがん治療などに用いられている。細胞中の主成分である水の放射線分解によって生じるラジカル種のうち、OHラジカルは収率が高いことと反応性が高いことから最も重要と考えられている。われわれは、クマリン誘導体を蛍光プローブとしたOHラジカルの収率測定に成功した。実際のがん治療で使われているブラッグピーク近傍で生成するOHラジカル収率は、入射イオンのフラグメンテーションや生成物の拡散などの影響により、複雑な照射深度依存性を示すことがわかった。

口頭

高エネルギー粒子線のラジカル収量の評価

前山 拓哉*; 勝村 庸介; 山下 真一; Baldacchino, G.*; 田口 光正; 木村 敦; 村上 健*

no journal, , 

これまでケイ光プローブを用いた高感度$$bullet$$OH収量測定手法を開発し、種々の重粒子線に対して$$bullet$$OH収量の時間変化を測定してきた。実際の粒子線治療ではガン患部にブラッグピーク(以下、BP)が重なるようにする。そこで本研究では従来の測定を拡張し、BP近傍での$$bullet$$OH収量を測定した。高エネルギー炭素線の場合、核破砕(フラグメンテーション)により、ほぼ等速の炭素より軽い$$^{1}$$H$$^{+}$$, $$^{4}$$He$$^{2+}$$などが発生する。重粒子線の照射効果はイオンの種類と速度に依存するため、これらのイオンの内訳をシミュレーションにより評価し、実験結果と比較した。

口頭

治療用重粒子線ブラッグピーク付近における水分解,2; 核破砕のOHラジカル収量への寄与

前山 拓哉*; 山下 真一; Baldacchino, G.*; 田口 光正; 工藤 久明*; 村上 健*; 勝村 庸介

no journal, , 

間接効果で最も重要と考えられているヒドロキシルラジカル($$^{.}$$OH)の収量をこれまでガン治療用重粒子線のブラッグピーク付近において測定してきた。このような高エネルギー重粒子線は核破砕反応により軽いイオンを発生し、特にブラッグピーク付近ではその寄与が大きくなる。そこで本研究では原子力機構で開発されてきたPHITSコードを用い、実際の実験と同一の照射システムを考慮して核破砕を定量的に評価した。測定した$$^{.}$$OH収量をこれまでに得られている知見から再現し、さらにはそれぞれのイオンの寄与を抽出した。

口頭

GeV級重粒子線による水分解; 一次収量測定と拡散モデルシミュレーションによるトラック構造の検討

山下 真一; 勝村 庸介; Lin, M.; 前山 拓哉*; 室屋 裕佐*; 村上 健*

no journal, , 

重粒子線はほかの一般的な放射線と比べ、特異な照射効果を与える。この特異性は重粒子線が形成する飛跡(トラック)構造すなわち放射線分解生成物の分布の高密度さに起因すると説明されているがトラック構造やそのダイナミクスに対する知見は十分ではない。実用上重要な中性水溶液にガン治療で用いられているほど高エネルギーの重粒子線を照射する場合に関しては、なおさらである。そこで、これまで放射線医学総合研究所の重粒子線加速器HIMACからのガン治療用GeV級重粒子線を用い、水分解生成物の0.1$$mu$$sにおける収量(一次収量)を測定してきた。この0.1$$mu$$sという時間は局所的に生成する初期生成物の拡散がほぼ落ち着く時間あるいはトラック内反応がほぼ終了した時点と言え、一次収量はトラック構造を強く反映する。本研究はこれまでの一次収量測定結果を適切に記述するパラメータすなわちトラック構造をより適切に記述するパラメータの検討と拡散モデルシミュレーションによって従来から提案されているトラック構造モデルの有効性評価を目指した。

口頭

ケイ光プローブを用いたOH収量高感度測定,2; GeV級重粒子線照射における時間挙動の評価

前山 拓哉*; 山下 真一; Baldacchino, G.*; 田口 光正; 木村 敦; 勝村 庸介; 村上 健*

no journal, , 

放射線医学総合研究所HIMACでガン治療用重粒子線をCoumarin-3-carboxylic acid(CCA)水溶液に照射し、ケイ光プローブ7OH-CCA生成収量からOH収量の時間挙動を評価した。イオン種を変化させ、OHの時間挙動やそこから推察されるトラック構造についても検討した。従来の吸光分析による測定と比べ、線量は二割程度で十分であり結果もよく対応していた。

口頭

高エネルギーイオンビームによる水の放射線分解

山下 真一; 勝村 庸介; 前山 拓哉*; Lin, M.; 室屋 裕佐*; 村上 健*; Meesungnoen, J.*; Jay-Gerin, J.-P.*

no journal, , 

高LET放射線に分類されるイオンビーム(重粒子線)は、ポピュラで低LET放射線に分類される電子線や$$gamma$$線に比べて特異な照射結果(化学収量,生物影響など)を与えることが現象論的に知られている。ここでLET(Linear Energy Transfer:線エネルギー付与)とは放射線が単位長さの飛跡あたりに落とすエネルギーと定義され、一次元的なエネルギー付与密度を表す。先行研究は低エネルギー($$<$$10MeV/u)の軽いイオン($$^{1}$$Hなど)を用いたものが大半で、なおかつ生体に近い中性条件での知見はほとんどない。そこで本研究では高エネルギー(10-500MeV/u)の重いイオン($$^{12}$$C, $$^{56}$$Feなど)を中性の水に照射した際の放射線分解について調べており、特に放射線の飛跡(トラック)構造と生成物収量(G値:放射線からのエネルギー付与100eVあたり生成または消滅する粒子数)の相関に着目し、種々の重粒子線に対し、主要生成物のプライマリ収量(100nsにおける収量)や、生物学的に重要なOHラジカルの時間挙動(ns-$$mu$$s)を測定し、重粒子線誘起化学反応の特徴について考察した。

口頭

ガン治療用重粒子線による水分解,1; 水分解生成物の収量測定

前山 拓哉*; 勝村 庸介; 山下 真一*; Lin, M.; 室屋 裕佐*; 宮崎 豊明*; 村上 健*; Baldacchino, G.*

no journal, , 

より高いLET領域におけるe-(aq)、H$$_{2}$$O$$_{2}$$の収量測定を行い、イオン種によるトラック構造の違いを見ることができた。また、OH収量の時間変化の類推に3CACの系が適用できる目処がたったが、反応経路の追及や励起波長の選定及び吸収エネルギー補正など、さらに検討を進める必要がある。

口頭

治療用重粒子線のブラッグピーク付近のOHラジカル収量,2; HIBRACコードによるフラグメンテーションの寄与の検討

前山 拓哉*; 山下 真一; Baldacchino, G.*; 勝村 庸介; 室屋 裕佐*; 田口 光正; 木村 敦; 村上 健*

no journal, , 

これまでガン治療用高エネルギー重粒子線のブラッグピーク近傍におけるOH収量を測定してきた。本研究では高エネルギー重粒子線で顕著となるフラグメンテーション(核破砕)をシミュレーションにより評価し、これを元に測定結果を再現し、計算コードの検証を行うとともに各イオンの寄与がOH収量の点でどの程度あるのかについて検討した。

口頭

Ion beam radiation chemistry relevant to radiation therapy

勝村 庸介; 山下 真一; Lin, M.; 前山 拓哉*; 室屋 裕佐*; Baldacchino, G.*; Jay-Gerin, J.-P.*; Meesungnoen, J.*; 村上 健*

no journal, , 

In Japan, cancer is the first place of the death rate and radiation treatment becomes more and more popular. Especially, ion beam treatment receives much attention because it is effective against even some radioresistant cancers. Consequently, several ion beam facilities have been constructed. Since about 70 % of our body is water, understanding of water radiolysis with ion beams is essential for the evaluation of the biological effect of ion beams. In the present experiment, radiolysis of water has been investigated with ions beams from $$^{4}$$He$$^{2+}$$ to $$^{132}$$Xe$$^{54+}$$ of a few hundreds MeV per u, which are provided at HIMAC facility installed in National Institute of Radiological Sciences. The $$it g$$-values of e$$^{-}$$$$_{aq}$$, $$^{.}$$OH and H$$_{2}$$O$$_{2}$$ as a function of LET at 100 ns after the energy deposition have been determined. The radical yields decrease but the H$$_{2}$$O$$_{2}$$ yield increases with the increase of LET due to the track reaction. The experimental data is compared with the Monte Carlo simulation and it was found that the simulation could reproduce the results, indicating the validity of the simulation. Similar experiment has been done at the Bragg peak. The data were analyzed considering the contribution of secondary ions produced through the fragmentation reactions of the primary projectiles. The HIBRAC code can reproduce the experimental results successfully. In the high energy ion beam treatments, the evaluation of the secondary ions is inevitably important.

口頭

CCA水溶液の放射線分解; OHラジカル捕捉とケイ光プローブ生成機構

山下 真一; 前山 拓哉*; Baldacchino, G.*; 室屋 裕佐*; 田口 光正; 木村 敦; Louit, G.*; 勝村 庸介; 村上 健*

no journal, , 

クマリンカルボン酸(Coumarin-3-carboxylic acid,以下、CCA)は$$^{.}$$OHとの反応性が高く(速度定数6.8$$times$$10$$^{9}$$ M$$^{-1}$$s$$^{-1}$$)、酸素が水溶液中に存在する場合には$$^{.}$$OHを捕捉した後に約5-6%がケイ光体7OH-CCAになるとわかっており、これまでに重粒子線照射時の$$^{.}$$OH収量評価にも適用してきた。しかし、$$^{.}$$OH捕捉から7OH-CCAに至る詳細な反応機構には依然不明な点も残っている。特に、重粒子線照射では高密度にラジカルが密集したトラックが形成され、電子線などの低LET放射線とは異なる反応がトラック内で起こる可能性も否めない。そこで今回は電子線パルスラジオリシスで比較的遅い反応を調べ、量子化学計算に基づいてOH基導入位置による差異についても検討した。

口頭

PHITSコードを用いた治療用粒子線ブラッグピーク付近のOHラジカル評価

前山 拓哉*; 山下 真一; Baldacchino, G.*; 田口 光正; 木村 敦; 室屋 裕佐*; 工藤 久明*; 岡 壽崇; 佐藤 達彦; 勝村 庸介; et al.

no journal, , 

生体主成分である水の放射線分解は重粒子線の生体影響を明らかにするうえで重要である。DNA損傷の起点の一つとして、DNA周囲の水が分解してできるOHラジカルがあげられ、その生成量や空間的な分布は重要と言える。本研究では、がん治療で患部に重ね合わされるブラッグピーク付近において、高感度ケイ光プローブを利用することでOHラジカルの収率を測定した。この領域では核破砕反応(フラグメンテーション)により、さまざまな二次粒子が混在したビームが試料に照射されるため、高エネルギー粒子線輸送計算が行えるPHITSコードを用いてその寄与についても検討した。ブラッグピークより上流では測定結果をよく説明することができたものの、下流の領域では20$$sim$$30%の差異が見られ、粒子輸送計算における二次粒子内訳をより妥当なものに改善していく必要があると示唆された。

37 件中 1件目~20件目を表示