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宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 弘則; 反保 元伸; 若井田 育夫
Applied Physics A, 112(1), p.87 - 92, 2013/07
被引用回数:29 パーセンタイル:73.39(Materials Science, Multidisciplinary)次世代燃料の非破壊・遠隔分析技術開発におけるウラン同位体の分析条件最適化を目的として、フルエンス0.5J/cmのNd:YAGレーザーの2倍高調波で生成したウランプラズマの運動を共鳴吸収分光法により調べた。真空中の中性原子とイオンのフロー速度はそれぞれ2.7km/s, 4.0km/sと求められた。Heガス中の密度分布の変化の様子から、イオンの密度は約3sec、原子の密度は約5secで最大となること、最密部分の現れる高さは表面から2.5-3.0mmであることがわかった。アブレーション後3secまでの時間帯は、UとUの吸収量にドップラー分裂に伴う差が生じることから、精密な同位体分析に適さないことがわかった。得られた最適条件を用いて同位体比分析の検量線を求め、直線性や検出下限値,分析精度を評価した。これにより本方法がウランの遠隔同位体分析に適用できることを確認した。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 弘則; 反保 元伸; 若井田 育夫
Hyperfine Interactions, 216(1-3), p.71 - 77, 2013/04
被引用回数:16 パーセンタイル:97.43(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)高い放射能を有する次世代燃料の分析を、燃料に直接触れず、放射化学分析法も用いずに行う方法として、アブレーション共鳴吸収分析法の開発を行っている。高感度で高分解能の同位体分析を実現するためには、アブレーションプルームの膨脹ダイナミクスを詳細に知ることが重要である。ヘリウムガス800Pa中で、フルエンス0.5J/cmのYAGレーザー光を照射する場合、アブレーションから3-5秒後、表面から2.5mmの高さで観測すると、基底状態のウラン原子密度が最大になることがわかり、高感度分析のための実験条件を得ることができた。この実験条件の下で、ウラン同位体の吸収スペクトルを測定し、Uの吸収強度が、試料のウラン同位体比と良好な線形関係にあることや、同位体比(U/U)の検出下限値が0.01%程度であることを確認した。さらに同じ方法でウランガラス中のウラン元素組成の検出下限値を評価し、本分析法のアバンダンス感度を確認した。
大場 正規; 丸山 庸一郎; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 若井田 育夫
Japanese Journal of Applied Physics, 52(4), p.042403_1 - 042403_3, 2013/04
被引用回数:1 パーセンタイル:4.47(Physics, Applied)低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における、組成,不純物分析法の最適条件探索を目的として、ナノ秒及びフェムト秒レーザーパルスを用いた場合の、アブレーション体積のレーザー焦点位置依存性を明らかにした。酸化ガドリニウムを試料としてアブレーション体積を測定した結果、焦点位置を試料表面から数mmデフォーカスさせた位置で体積が最大となり、試料表面位置では体積が減少するデフォーカス効果が観測された。この結果から、ダブルパルス法における発光強度のデフォーカス効果は、アブレーション体積のデフォーカス効果に起因すると考えられる。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 弘則; 反保 元伸; 若井田 育夫
Journal of Applied Physics, 112(12), p.123303_1 - 123303_10, 2012/12
被引用回数:16 パーセンタイル:54.62(Physics, Applied)次世代燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における分析条件の最適化を目的として、フルエンス約0.5J/cmのYAGレーザー2倍高調波で生成したセリウムプラズマ(アブレーションプルーム)の時間発展を共鳴吸収分光法により調べた。試料表面に対して水平方向のプルーム膨脹速度を、吸収スペクトルのドップラー分裂の拡がりから決定した。中性原子及び1価イオンの水平速度を、雰囲気ガス圧やレーザーフルエンス,観測時刻,観測高さなど、幾つかのパラメーターを変化させて系統的に調べた。さらに、プローブレーザーの波長を共鳴吸収周波数からわずかにデチューニングさせて測定した透過信号の時間変化プロファイルから、横方向速度の時間変化を調べた。得られた結果をドラッグモデルで解析することにより、アブレーション粒子種のガス中での減速係数や、真空中での横方向膨脹速度を評価した。得られた知見は分析条件の最適化に不可欠なだけでなく、蒸着薄膜特性に対するプルームダイナミクスの効果を理解するうえでも役立つと思われる。
大場 正規; 丸山 庸一郎; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 若井田 育夫
Applied Physics A, 101(3), p.545 - 549, 2010/11
被引用回数:30 パーセンタイル:72.71(Materials Science, Multidisciplinary)低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における、組成,不純物分析法の高感度化を目的として、フェムト秒及びナノ秒レーザーを用いて、酸化ガドリニウムを模擬試料としたダブルパルスレーザーブレークダウン発光特性を測定した。発光強度の大気プラズマ位置及び2つのレーザーパルス照射タイミング依存性を測定した結果、アブレーション後、約10sに大気プラズマを加熱する再加熱条件において、大きな発光強度の増加が見られた。また、アブレーションパルスの焦点位置が、試料表面より5mm程度デフォーカスしたところに発光強度の最大値があることがわかった。これら最適な条件におけるシングルパルスに対する増加倍率は約25倍であった。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 正規; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫
JAEA-Research 2010-036, 14 Pages, 2010/10
低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における組成・不純物分析の最適化を目的として、レーザーブレークダウン発光分光法(LIBS)を酸化カルシウムを不純物として含有するウラン酸化物試料に適用し、発光スペクトルの出現特性を測定した。ブレークダウンレーザーの強度をパラメータとしたアブレーション量の評価や時間分解分光測定から、プラズマ励起温度,スペクトル幅,スペクトル強度に及ぼすレーザー強度の依存性を求めた結果、レーザー強度が5mJ未満の場合はプラズマ温度による影響が大きく、5mJ以上ではアブレーション量による影響が支配的であることを見いだした。安定した強度で十分幅の狭いスペクトルを得るためには、5mJのレーザー光強度で試料を照射すればよいことがわかった。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 若井田 育夫
Applied Physics A, 101(1), p.65 - 70, 2010/10
被引用回数:19 パーセンタイル:59.37(Materials Science, Multidisciplinary)低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における同位体分析条件の最適化を目的として、パワー密度0.1GW/cmのNd:YAGレーザーの2倍高調波によって生成した酸化セリウムプラズマのフロー速度や膨張速度を共鳴吸収分光法により調べた。その結果、真空中の中性原子が鉛直速度3.5km/sの単一成分から成るのに対し、1価イオンは中性原子より早く、4.7km/sと9.3km/sの2成分から成ることなどがわかった。圧力を変化させた雰囲気ガス中のプルームのダイナミクスを詳細に解析することにより、同位体の識別分析に適したガス圧力や測定位置,測定時刻などの条件を得ることができた。
丸山 庸一郎; 大場 正規; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 若井田 育夫
JAEA-Research 2010-003, 19 Pages, 2010/07
低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における元素組成・不純物分析法の高感度化を目的として、フェムト秒レーザーをアブレーションに用いたダブルパルスブレークダウン発光分光法の基礎特性を調べ、アブレーションプラズマと大気プラズマとの空間的な位置関係に関する最適な発光条件を明らかにした。測定試料にウランを摸擬した金属Gdを用い、発光強度のアブレーションレーザー集光位置,大気プラズマの試料表面からの生成位置,大気プラズマとアブレーションプラズマの相対位置等の依存性を測定し、最適な条件を見いだした結果、従来のシングルパルスによる発光法に比べ、最大約200倍高い発光強度を得た。さらに、大気プラズマを生成する再加熱レーザーのパルスエネルギー依存性から、本法によってスペクトル幅の広がりを抑えながら高い発光強度が得られることも明らかにした。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 正規; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫
JAEA-Research 2010-004, 13 Pages, 2010/05
低除染TRU燃料の迅速なその場分析を遠隔で実現することを目的として、レーザーブレークダウン発光分光(LIBS)法をウラン酸化物試料に適用し、不純物スペクトルの出現特性を取得した。不純物として発光スペクトルの簡単なカルシウムを選定し、酸化ウラン中に微量の酸化カルシウムを添加した試料における発光スペクトルの時間分解測定を行い、強度,励起温度等の特性を明らかにした。その結果、ウランスペクトルに対して安定した強度のカルシウムスペクトルを得るためには、レーザー照射後4s以上経過したスペクトルを観測することが最適であることがわかった。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 若井田 育夫
JAEA-Research 2009-052, 30 Pages, 2010/02
低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における同位体分析条件の最適化を目的として、レーザーアブレーションにより生成したプルームの飛行特性を測定した。酸化セリウム試料をパワー密度0.1GW/cmのNd:YAGレーザーの2倍高調波(532nm)でアブレーションし、プルームのフロー速度や膨張速度を共鳴吸収分光法により調べた。鉛直速度の測定には光学的TOF法、水平速度の測定にはドップラー分裂法をそれぞれ用いた。その結果、(1)真空中の原子プルームが鉛直速度3.5km/sの単一成分から成るのに対し、イオンプルームは原子プルームより早く、4.7km/sと9.3km/sの2成分から成ることや,(2)異なる量子状態の粒子でも、これらの各成分の速度はほとんど変わらないこと,(3)水平速度は鉛直速度より約20%遅いこと,(4)希ガス中のプルームの膨張はドラッグモデルに従って減速されること,(5)同位体識別が可能な実験条件(He圧力0.6kPa,経過時間4s)では、膨脹はほぼ停止し電離度も低下すること、などがわかった。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 大場 正規; 丸山 庸一郎; 宮部 昌文; 音部 治幹; 仁木 秀明*
核物質管理学会(INMM)日本支部第30回年次大会論文集(CD-ROM), 9 Pages, 2010/01
日本原子力研究開発機構では、次世代燃料の迅速、その場分析を目指し、組成・不純物分析にレーザー誘起プラズマ発光分光法(LIBS)を、同位体分析にアブレーション共鳴吸収分光法(AIRAS)を用いた遠隔分析法の基礎研究を実施している。スペクトルの複雑なランタノイドやウラン酸化物が母材の不純物分析では、観測遅延時間やガス圧力条件の最適化とスペクトルの逆畳み込み法により、感度の直線性と約100ppmの検出下限を得た。同位体分析では、波長を安定化した分光用波長可変半導体レーザー装置を開発し、減圧希ガス中で800MHzのスペクトル分解能を得る条件を見いだすことで、天然ウラン中のUの観測を実現した。これらの結果から、分析感度とその直線性,ウランでの測定実績が確認され、技術的には次世代燃料の保障措置分析に適用できる可能性のあることが示唆された。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 正規; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫
JAEA-Research 2009-029, 49 Pages, 2009/10
核燃料物質中に含まれる不純物の分析にレーザーブレークダウン発光分析法を適用するために、母材であり、複雑で密度の高い発光スペクトルを示す天然ウランのブレークダウンスペクトルを測定し、250nm750nmのスペクトルの全容を明らかにした。測定したスペクトルの中から、ブレークダウン分光分析に利用可能と考えられる代表的な単独スペクトルとして、原子スペクトル165本,一価のイオンスペクトル381本を抽出し、スペクトル強度と波長の較正を行った。さらに、これらのスペクトルの同定を行い、エネルギー準位,振動子強度,遷移確率等を明らかにし、ウランのスペクトル中に混在して現れる不純物のスペクトルを分別評価するために不可欠な基礎データとしてまとめた。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 若井田 育夫; 渡部 和男
AIP Conference Proceedings 1104, p.30 - 35, 2009/03
アブレーション共鳴吸収分光による核燃料物質の遠隔同位体組成分析法を開発している。ランタノイド元素の酸化物試料を模擬試料に用い、同位体識別に適した実験条件を調べた。その結果、雰囲気ガスの最適な圧力や最適な観測時間はガスの種類によって大きく異なるものの、得られる吸収スペクトルの線幅は、いずれも0.85GHz程度であることを明らかにした。また天然セリウムの吸収スペクトルから求めたCeとCeの信号強度比が、天然同位体比とよく一致することを確認した。またこの方法により、アブレーションしきい値近傍の光強度における、セリウム原子の鉛直方向及び水平方向の飛行速度や原子密度の時間変化などを評価した。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 正規; 宮部 昌文; 若井田 育夫
JAEA-Research 2008-081, 16 Pages, 2008/11
レーザーブレークダウン発光分光分析法を核燃料物質の不純物分析に適用するためには、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)等の、複雑で密度が高いスペクトルに混在する不純物のスペクトルを定量化する手法の確立が重要となる。そこで、ウランと同様にスペクトルが複雑なガドリニウム(Gd)を母材とし、これに銅(Cu)を添加した模擬試料を用いて評価手法を検討し、分析性能を評価した。レーザー光強度変動の影響は、エネルギー準位の近い母材のスペクトル強度で発光スペクトルを規格化することで抑制した。不純物スペクトルの強度は、規格化されたスペクトルを成分ごとに分解して、その和が実験結果に一致するようピークフィッティングすることにより導出した。得られたスペクトル強度比から不純物の検量線を算出するとともに、スペクトルの標準偏差から検出下限値を評価した結果、検出下限として約70ppmが得られた。さらに、異なるレーザー照射条件において、評価手法の有効性を検証した。
丸山 庸一郎; 若井田 育夫
JAEA-Technology 2008-051, 13 Pages, 2008/07
レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いて銅プラズマの発光特性を測定した。プラズマの発光強度は、雰囲気ガスの影響が大きく、アルゴン,ヘリウム,大気の中でアルゴン雰囲気中での強度が最も高いことがわかった。スペクトル強度は、レーザー照射後、12秒で最大になった後、減衰する傾向が観測された。スペクトル幅は、シュタルク効果の影響が大きく、観測遅延時間及び雰囲気ガスによって変化し、スペクトル分解能を高めるためにはヘリウム雰囲気が適していることがわかった。複数のスペクトルの強度比から求めたプラズマ温度はレーザー照射後、12秒で最大約10,000Kになり、その後低下すること、入射レーザーエネルギーの増大に伴って高くなる傾向を示すことがわかった。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 若井田 育夫; 渡部 和男
JAEA-Research 2008-056, 24 Pages, 2008/06
低除染TRU燃料の遠隔同位体分析にアブレーション共鳴吸収分光法を適用するための研究を行った。ガドリニウムを模擬試料として、さまざまなプルームの発生条件や観測条件で吸収スペクトルを測定し、吸収ピークの線幅が狭く、感度も高い条件を調べた。その結果、吸収線幅は、減圧希ガス雰囲気中で生じる低速プルーム成分を観測した場合に最も狭く、重い希ガスほど、より少ない圧力,より遅い観測時刻で狭くなることがわかった。また線幅の最小値は希ガスの種類によらず0.85GHz程度であり、室温のガドリニウム原子で計算されるドップラー幅に近いことがわかった。また、経過時間が10s程度になると、基底状態の多重項の中でも上位の準安定状態の緩和が無視できなくなることから、観測に用いる原子の準位エネルギーに応じて、雰囲気ガスの種類を選ぶべきであるとの知見が得られた。
丸山 庸一郎
Optical Engineering, 44(9), p.094202_1 - 094202_3, 2005/09
被引用回数:1 パーセンタイル:7.67(Optics)発振繰り返し数0.5kHzのNd:YAGレーザーによってポンピングされるバリウムボーレイト(BBO)結晶を用いた光パラメトリック発振器を開発した。これにより、タイプ-IBBOパラメトリック発振器で平均出力5.4W,エネルギー変換効率45%を達成した。出力は依然上昇傾向を示し、また出力ビームにも熱的な影響は観測されなかった。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.127 - 134, 2005/06
動力試験炉(JPDR)の放射化金属廃棄物のうち、ASTM A302Bを母材とする圧力容器とSUS304を母材とする炉内構造物について分留特性について、ラングミュアの方程式とヘンリーの法則を組合せることにより、廃棄物の蒸発速度の数値解析を行った。その結果、いずれの場合もEu, Eu, CとNbについては、分留によってクリアランスレベル以下に減量できると計算された。また、ASTM A302Bについては、77年の冷却期間の後、 Mn, Fe, Co, NiとNiについてもクリアランスレベルを満足することがわかった。一方、SUS304の場合は、クリアランスレベルを満足させるためにはNiとNiを同位体分離を用いて除去する必要があることがわかった。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
RIST News, (39), p.23 - 31, 2005/03
原子力施設の解体等により発生する放射化金属廃棄物中に含まれる極微量の放射性核種を除去し、放射性廃棄物の量を削減するために、原子ビーム状に蒸発させた金属の分留とレーザー照射による核種除去を組合せた分離方法の研究を行っている。現在、金属の分留特性を把握するためにHenryの法則をLangmuirの式に適用した簡単なモデルを用いた解析コードを作成し数値解析を行っている。この解析コードにより、超々ジュラルミン(アルミニウム合金7075:Al-5.6Zn-2.5Mg-1.6Cu-0.25Cr)の蒸発について解析したところ実験とよく一致する結果が得られた。さらに、本解析コードを用いて、動力試験炉(JPDR)から排出されたSUS304を母材とする炉内構造物について分留特性の解析を行った結果、1/100以下に減量できる可能性を示すことができた。
丸山 庸一郎; 久保村 浩之*; 笠松 直史*; 松岡 伸一*; 中野 文彦*; 菅 博文*
JAERI-Tech 2004-056, 14 Pages, 2004/09
リアルタイムモニター用高平均出力波長可変固体レーザーは、単一周波数で発振する高繰り返しNd:YAGレーザー(ポンプレーザー)の第二高調波によって駆動される。ポンプレーザーは単一周波数で発振する発振器とその増幅器より構成され、光の質は発振器の特性によって決定される。発振器を外部から周波数幅の狭いシーダー光を入射させて単一周波数発振させる場合、ポンプレーザー発振器の共振周波数をシーダーの発振周波数と一致させなければならない。このためポンプレーザー発振器の共振器長を長時間一定に維持するための制御システムを試作し、その制御特性を測定した。この結果、開発した制御システムは3時間以上にわたって共振器長を一定に制御でき、共振器長が変化した場合でも1ショットで単一周波数発振にフィードバックできることを確認した。発振器光のパルス時間幅は約36ns,波長1064nmの基本波を波長532nmの光に変換して測定したポンプレーザー発振器の周波数幅は116MHzであった。また、横モードはTEM00であった。さらに、制御時の発振器のパルスエネルギーは3mJで、増幅器への入力エネルギーとしては十分高い値であった。