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目時 直人
波紋, 32(4), p.173 - 176, 2022/11
Nd化合物の核スピン分極と超微細分裂を中性子散乱によって研究した。核スピン偏極の寄与と磁気散乱の干渉による反強磁性ブラッグ強度の温度変化から、磁気モーメントを決定する方法について述べる。
目時 直人; 柴田 薫; 松浦 直人*; 北澤 英明*; 鈴木 博之*; 山内 宏樹; 萩原 雅人; Frontzek, M. D.*; 松田 雅昌*
Journal of the Physical Society of Japan, 91(5), p.054710_1 - 054710_6, 2022/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)NdPdAlにおけるNdの超微細相互作用分裂を高分解能の中性子非弾性散乱によって研究した。Nd核の核スピン(=7/2)と、の軌道が主成分の基底状態を示す4電子との間の超微細相互作用によって、磁気秩序相において生じた超微細相互作用分裂に起因する中性子非弾性散乱ピークを、 = 3eVのエネルギーに観察した。低温では、Nd核スピンの低エネルギー状態の占拠確率が増加することによりNd核スピンが偏極し、反強磁性散乱ピーク強度に寄与するが、その際、中性子の非スピン反転過程の寄与が最も大きい。この現象の応用として反強磁性散乱ピーク強度の温度変化から、NdPdGeのNd磁気モーメント及び超微細相互作用分裂の大きさを見積もることに成功した。
目時 直人
固体物理, 55(7), p.285 - 296, 2020/07
物質の電子状態を解明することは、「固体物理」の主要な研究テーマである。それは多極子や超伝導などの微視的な理解に欠かせない。希土類(4)やアクチノイド(5)は、電子数の増加とともに複雑さを増し、様々な相互作用が競合して多様な状態が出現する。多体電子系の結晶場分裂はバンド幅より狭いため、(1)高分解能の実験が必要で、(2)遍歴的なCeやU化合物は本質的に明瞭なスペクトルを示さない。また、(3)国際規制物質NpやPuなど超アクチノイド元素の取り扱いは厳しく規制されている。そこで比較的局在性の強い物質や希土類関連物質の、中性子散乱実験による磁気励起の研究が有益である。本稿では重い電子系化合物NpPdAlと関連物質の電子状態について述べる。
目時 直人; Aczel, A. A.*; 青木 大*; Chi, S.*; Fernandez-Baca, J. A.*; Griveau, J.-C.*; 萩原 雅人*; Hong, T.*; 芳賀 芳範; 池内 和彦*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 30, p.011123_1 - 011123_6, 2020/03
希土類(4)やアクチノイド(5)は、電子数の増加とともに複雑さを増し、様々な相互作用が競合して多様な状態が出現する。多体電子系の結晶場分裂はバンド幅より狭いため、(1)高分解能の実験が必要で、(2)遍歴的なCeやU化合物は本質的に明瞭なスペクトルを示さない。また、(3)国際規制物質NpやPuなど超アクチノイド元素の取り扱いは厳しく規制されている。そこで比較的局在性の強い物質や希土類関連物質の、中性子散乱実験による磁気励起の研究が有益である。本稿では重い電子系化合物NpPdAlと関連物質の電子状態について述べる。
目時 直人
Journal of the Physical Society of Japan, 89(2), p.025001_1 - 025001_2, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:11.58(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体NpPdAl及び同じ結晶構造を持つ関連物質の電子状態について、と-結合描像の間に良い対応関係が成り立つことがわかった。これらの物質の希土類及びアクチノイド元素は正方晶の点群の対称性をもつ強い一軸的な点電荷ポテンシャルの影響を受けている。一連の化合物は電子数()の増加に伴う系として考えられ、その電子状態の系統的な変化は結合描像によってよく表現される。一方、この電子状態の変化は、系のCePdAlの3つの軌道,及びに、の電子を個詰める-結合描像によって説明でき、両者の間に物理的な関連が認められる。
目時 直人; 青木 大*; Griveau, J.-C.*; 大槻 純也*
Journal of the Physical Society of Japan, 89(2), p.024707_1 - 024707_6, 2020/02
被引用回数:3 パーセンタイル:30.12(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体NpPdAlの擬三重項5電子基底状態を明らかにした。主にからなる一重項基底状態の,K上に、が主要な成分の二重項第一励起状態を仮定することで帯磁率の温度依存性が説明できる。磁化曲線は擬スピン=1の局所有効ハミルトニアン()で説明でき、これは四極子演算子と等価である。比熱は擬三重項を反映してエントロピーがRとなるように規格化した近藤モデルによって理解でき、近藤温度,Kは分裂幅,Kと同程度であり、多チャンネル近藤効果を示しうる二重項が含まれた擬三重項が重い電子状態と超伝導を担っていることが明らかになった。
目時 直人; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 松田 雅昌*
Journal of the Physical Society of Japan, 87(11), p.114712_1 - 114712_9, 2018/11
被引用回数:3 パーセンタイル:28.76(Physics, Multidisciplinary)ウラン金属間化合物UPdAlは、四価イオンUの局在5()電子状態を伴うことを中性子散乱による結晶場スペクトルから明らかにした。この電子状態は、最近研究した電子数と結晶構造が同じ希土類参照物質PrPdAlと同一であり、c軸方向に大きな磁気モーメントを伴う平べったい形状の軌道が、縦長の体心正方晶の持つ二次元結晶場ポテンシャルによって安定化されていることがわかった。ウランの5電子が金属状態において局在的な性格を持つことは非常に珍しい発見であり、やはり、結晶構造の特殊性に起因する。ウランが四価イオンであることは、三価のNpPdAlとの間に価数転移が存在することを意味し、この価数転移が結晶格子の異常や電気抵抗の増加によって観察されることを明らかにした。また、価数が不安定な領域で超伝導や磁気転移、重い電子系状態など多体効果の存在を示す数多くの現象が生じていることがわかった。
目時 直人; 山内 宏樹; 鈴木 博之*; 北澤 英明*; 萩原 雅人*; 益田 隆嗣*; Aczel, A. A.*; Chi, S.*; Hong, T.*; 松田 雅昌*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(9), p.094704_1 - 094704_8, 2018/09
被引用回数:6 パーセンタイル:46.04(Physics, Multidisciplinary)中性子非弾性散乱実験によりPrPdAlの電子状態を明らかにした。この物質のユニークな結晶構造に起因する2次元的な結晶場ポテンシャルにより、大きなを伴う平べったい軌道が安定化し、イジング型の磁気異方性が生じることがわかった。この2次元的な結晶場ポテンシャルは同じ結晶構造を持つ希土類化合物RPdAlに共通に存在し、重い電子系超伝導体NpPdAlにおけるXY型磁気異方性への変化を系統的に説明することができる。それは、電子の局所的な性質がこの物質系の物性発現機構において非常に重要であり、NpPdAlにおける重い電子系超伝導にも関与している。
目時 直人; 山内 宏樹; 鈴木 博之*; 北澤 英明*; 蒲沢 和也*; 池内 和彦*; 梶本 亮一; 中村 充孝; 稲村 泰弘
Journal of the Physical Society of Japan, 87(8), p.084708_1 - 084708_7, 2018/08
被引用回数:6 パーセンタイル:46.04(Physics, Multidisciplinary)電子化合物NdPdAlの中性子散乱による研究を行った。0K, 35.4K, 88.3K, 101.5K, and 198.8Kの結晶場レベルを励起スペクトルから明らかにした。基底状態は主としての軌道によって構成され、これが大きな負のKと一軸異方性を生じる。結晶場から計算された磁気モーメント, 帯磁率, 磁化曲線, 比熱は実験をよく説明する。CePdAlやPrPdAlと共通した電荷分布の存在は同じ構造を持つアクチノイド化合物においても局在的な性質が重要で、UPdAlの局在5電子状態やNpPdAlの重い電子系超伝導にその価数の不安定性が重要な役割をすることを示している。
目時 直人; 山内 宏樹; 松田 雅昌*; Fernandez-Baca, J. A.*; 綿貫 竜太*; 萩原 雅人*
Physical Review B, 97(17), p.174416_1 - 174416_10, 2018/05
被引用回数:7 パーセンタイル:33.97(Materials Science, Multidisciplinary)多重の秩序変数を伴うf電子系NdBの磁気構造を中性子偏極解析によって明らかにした。面内の磁気モーメントについてはと呼ばれる、単位格子内の磁気モーメントが全て外側または内側に向いた構造を確認した。これは最近の我々の粉末回折の結果と一致する。一方、この構造にc軸モーメントの反強磁性ダイマー構造()が共存することが新たにわかり、粉末回折実験の解析の前提が崩れていることがわかった。またIII相及びIV相において(0.14,0.14,0.1)および(0.2,0,0.1)の波数を伴うインコメ相についても、c軸方向の磁気モーメントが変調していることを明らかにした。面内モーメントは主たる秩序変数として振る舞い、ランダウ理論を用いた解析によりc軸モーメントは誘起秩序変数として表されること、すなわち、高次の磁気的または多極子の相互作用に起因することがわかった。
山内 宏樹; 目時 直人; 綿貫 竜太*; 鈴木 和也*; 深澤 裕; Chi, S.*; Fernandez-Baca, J. A.*
Journal of the Physical Society of Japan, 86(4), p.044705_1 - 044705_9, 2017/04
被引用回数:14 パーセンタイル:67.59(Physics, Multidisciplinary)K、K、and Kで相転移を示すNdBの中間秩序相の磁気構造、および、秩序変数を決定するために、中性子回折実験を行った。II相()で観測された回折パターンは、正方晶面内の静的磁気モーメントによる秩序構造を仮定することでよく説明できた。また、II相の磁気構造が二つのノンコリニアな反強磁性構造("all-in/all-out"型と"vortex"型)の線形結合で一意的に説明できることを見出した。この特異な磁気構造が実現する主要素として、我々は、「(1)磁気相互作用の優位性を抑制する幾何学的フラストレーションの効果、(2)ノンコリニアな磁気構造と四極子秩序を安定化させる四極子相互作用の重要性」の二つを提唱した。
目時 直人; 山内 宏樹; 北澤 英明*; 鈴木 博之*; 萩原 雅人*; Frontzek, M. D.*; 松田 雅昌*; Fernandez-Baca, J. A.*
Journal of the Physical Society of Japan, 86(3), p.034710_1 - 034710_5, 2017/03
被引用回数:9 パーセンタイル:56.46(Physics, Multidisciplinary)中性子回折実験によりNdPdAlの磁気構造を研究した。=(1/2 0 0)の変調ベクトルで説明できる顕著な反強磁性ピークを磁気転移温度=1.2K以下で観察した。c軸に平行なNdの磁気モーメントは0.3Kで2.9(1)の大きさであり、a面内で強磁性的に整列した層がa軸方向に++--と4枚周期で配列する。各Nd層の面間隔はa/2である。この構造は=(0.23 0.23 0)であるCePdAlによく似ていて、面内成分のみの変調構造は、これらの物質の2次元的なフェルミ面によって生じていると理解できる。その2次元性は、これらの物質の縦長のとてもユニークな形のユニットセルと、2枚PdとAl層によって隔てられたNdの原子間距離がc軸方向に7以上ととても大きいことに起因している。
目時 直人; 酒井 宏典; 鈴木 通人; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟*
JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.013011_1 - 013011_6, 2014/06
ウランカルコゲナイドの金属からモット絶縁体までの多様な物性は多くの興味を集めている。中でもダイカルコゲナイド化合物はカルコゲンや外場(磁場・圧力)によって金属-非金属の変化を示すために興味を持たれている。この講演では、最近の中性子散乱実験の結果と5電子の性格がこの物質の物性に関与している点を示すとともに、電子構造との関連性について議論する。
寺田 典樹*; 土屋 佳則*; 北澤 英明*; 目時 直人
Journal of the Korean Physical Society, 62(12), p.1905 - 1909, 2013/06
被引用回数:3 パーセンタイル:27.11(Physics, Multidisciplinary)フラストレート三角格子反強磁性体CuMnOの不純物効果を中性子回折によって研究した。磁性不純物の場合、Q = (-1/2 1/2 0)となるが、非磁性不純物の場合、Q = (-1/2 1/2 1/2)となり、これはCuMnOと同じである。両者の比較により、それぞれの不純物の役割について考察する。
目時 直人; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟*
Journal of the Korean Physical Society, 62(12), p.1782 - 1786, 2013/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.36(Physics, Multidisciplinary)ナローギャップ半導体-USの磁気励起を中性子散乱によって研究した。5電子は低温において強相関的性質によって局在的性格を持ち、7meVに準二重項結晶場励起が観察され、この結果は、過去の磁気的,熱力学的測定から提案された5電子2個を伴うUイオンを仮定した場合の結晶場レベルと一致する。昇温によって5電子の伝導キャリアが伝導ギャップを越えて励起されることによって伝導性が大幅に回復するが、それに伴って局在的な結晶場励起が弱く、そしてブロードになり、さらに磁気的な準弾性散乱が観察され、5電子の性格が局在的から遍歴的に変化することがわかった。
目時 直人; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 立岩 尚之; 松田 達磨; 芳賀 芳範
Journal of the Physical Society of Japan, 82(5), p.055004_1 - 055004_2, 2013/05
被引用回数:17 パーセンタイル:68.08(Physics, Multidisciplinary)URuSiの隠れた秩序はこの四半世紀のミステリーとして、強相関電子系の研究者によって強く興味をもたれている。何らかの秩序転移の存在はミクロ又は巨視的なプローブによって明らかにされているが、その秩序編数が直接観察されていないことがこの系の秩序のメカニズムが解明されない,そして多くの理論が提唱されている原因である。近年では4, 8, 16, 32極子までの高次の多極子秩序変数や動的な転移、そしてHastatic秩序と名付けられた2チャンネル近藤効果に伴う強い異方性を伴う重い準粒子の磁気秩序等も提唱されている。これらのモデルでは面内に弱い反強磁性成分が観察されることが期待されるため、磁場中も含めた中性子散乱実験を(003)の散乱ピークについて行った。結果的には、0.004ボーア磁子の精度で磁気モーメントは観察されず、これらの理論を直接的に指示する結果は得られなかった。より弱い面内モーメントの存在や、非整合波数の秩序も否定できないため、今後さらに精度の高い、そして広範囲の測定が必要であろう。
金子 耕士; Stockert, O.*; Skoulatos, M.*; Schneidewind, A.*; 竹内 徹也*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 摂待 力生*; 大貫 惇睦; 目時 直人
Journal of the Physical Society of Japan, 81(Suppl.B), p.SB006_1 - SB006_7, 2012/12
被引用回数:3 パーセンタイル:26.55(Physics, Multidisciplinary)The discovery of heavy-fermion superconductivity in non-centrosymmetric compound CePtSi, and subsequent findings of Ce (T: transition metal, X: Si, Ge) bring a new essence in the condensed matter physics, since a novel type of superconducting properties is expected to come out. In CePtSi, the compound shows an antiferromagnetic (AFM) order at =2.2 K and enters into a heavy-fermion superconducting state below 0.5 K. Through neutron scattering experiments under external magnetic field, we identified anomalous field response in CePtSi in the AFM state; AFM intensity showed enormous enhancement with increasing an applied field. The intensity kept increasing up to 7 T with the kink at around the additional phase boundary. These features suggest that the magnetic order in CePtSi is not a simple AFM one, and imply that large fraction of magnetic response could be still missing in this compound.
木村 恒久*; 木村 史子*; 松本 賢司*; 目時 直人
Neutron Diffraction, p.179 - 202, 2012/03
構造解析その他に利用可能な3次元磁気配向結晶の育成技術と中性子散乱実験の結果について、現状を解説する。
目時 直人
波紋, 22(1), p.93 - 95, 2012/02
研究用原子炉をテーマに標記IAEA主催の国際会議がモロッコ王国の首都ラバトで開催された。原子力機構からの講演は招待講演として扱われ、(1)震災の影響、(2)最近の成果、(3)定常炉とパルスの相補利用と研究炉の必要性、について報告した。(2)についてはJRR-3における大学や機構、そして産業利用の他、KUR(イトカワ分析)やJ-PARC(電池材料粉末回折)についても触れ、(3)は日本中性子科学会の次世代研究炉検討特別委員会の中間報告の一部を紹介した。講演はサマリートークで引用され、「J-PARCとともにJRR-3の利用が継続され、HANARO, OPAL FRM-IIなど新型炉の建設も行われており、将来も研究炉の重要性が明らかである。」「JRR-3には地震による大きな被害はなく利用者は早期の再稼動を心待ちにしている。」と総括された。
長谷 正司*; Dnni, A.*; 小澤 清*; 北澤 英明*; 酒井 治*; Pomjakushin, V. Y.*; Keller, L.*; 金子 耕士; 目時 直人; 加倉井 和久; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 340, p.012066_1 - 012066_7, 2012/00
被引用回数:1 パーセンタイル:44.92(Physics, Condensed Matter)スピン5/2反強磁性Mn量子トリマーの[0, , 0]インコメンシュレート構造(=0.316-0.331)を中性子粉末回折により明らかにし、Kにおいて波数が急激に替わることから磁気秩序層が二つ存在することを明らかにした。非弾性散乱実験によって観察された分散を示さない励起(0.46, 0.68, and 1.02meV)が、この系の磁気励起が反強磁性量子トリマーモデルで説明できることを明らかにした。解析によって、量子トリマー形成に重要な最近接相互作用=0.29meVが半強磁性的であることを明らかにした。