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森山 節子; 上野 健一; 小泉 興一
プラズマ・核融合学会誌, 89(3), P. 184, 2013/03
プラズマ電流を誘起する変動磁場の発生を目的としたITER用中心ソレノイドコイル(CSコイル)は、ITERの運転回数と同数の繰り返し電磁力を受ける。CSコイルを構成する超伝導導体の試験を2011年に実施した際、この繰り返し電磁力に対して徐々に、見かけ上の性能が低下する現象が見られる。試験装置固有の現象ではないかとの議論もあり、その原因調査を行っているところである。一方、超伝導撚線の撚りピッチを短くする導体を用いて、今回試験したところ、繰り返し電磁力に対して性能が低下しないことを確認した。2012年10月にITER機構に正式に引き渡されたITER機構の新しい本部ビルにおいて、2013年1月17日に除幕式典が、200人の来賓を招いて開催された。式典では、来賓の方々からITER計画推進支持のメッセージが多数発せられた。
上野 健一; 小泉 興一; 森山 節子
プラズマ・核融合学会誌, 89(1), P. 57, 2013/01
第11回ITER理事会がフランスのカダラッシュにて、2012年11月28-29日に開催された。ITER理事会はITER計画の着実な進展、ITER本部建屋の完成、同サイトにおける建設の力強い継続、ITERのコイル製造において顕著な進展などを確認した。トロイダル磁場コイル導体に使用するニオブ3スズ素線が6極により製造され、プロジェクトで必要な全量の75%に相当した。ITER機構と7極の国内機関は「ユニークITERチーム」設立し一層の協力を推進することを確認した。
森山 節子; 上野 健一; 小泉 興一
プラズマ・核融合学会誌, 88(11), P. 685, 2012/11
ITER中性粒子ビーム入射装置実機試験施設(NBTF)用高電圧電源及びHVブッシングに関する契約を締結し、NBTFに向けた機器の制作に着手した。第12回放射線遮蔽国際会議、日本機械学会2012年度年次大会及び日本原子力学会2012年秋の大会においてブースを出展し、ITER計画について説明するとともに、ITER機構職員募集及び登録の案内を行った。
小林 貴之; 諫山 明彦; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 佐藤 文明; 和田 健次; 横倉 賢治; 下野 貢; 澤畠 正之; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.763 - 767, 2011/10
被引用回数:6 パーセンタイル:42.76(Nuclear Science & Technology)JT-60SAの電子サイクロトロン波加熱装置アンテナ開発の進展を報告する。本アンテナにはポロイダル方向,トロイダル方向へのビーム入射角度の大きな自由度を持つ駆動機構が、100秒間のパルス幅を実現するための高い信頼性を持ったミラー冷却機構とともに求められる。現在、直線駆動型アンテナ方式によるランチャー(アンテナ,サポート及び駆動機構)の機械,構造設計を進めている。ポロイダル入射角度を変化させるための長尺ベローズと、トロイダル入射角度を変化させるためのベローズが本アンテナの重要な要素である。駆動部の試験体を製作してその性能を検証した結果、ポロイダル及びトロイダル入射角度として、それぞれ-10度から+45度, -15度から+15度の範囲を駆動できるアンテナが成立することを確認した。この角度はJT-60SAで求められる角度範囲と合致しており、本アンテナの実現に見通しが得られた。また、本アンテナの熱、構造解析の結果についても報告する。
小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 佐藤 文明; et al.
Nuclear Fusion, 51(10), p.103037_1 - 103037_10, 2011/10
被引用回数:19 パーセンタイル:60.72(Physics, Fluids & Plasmas)電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)において、運転開始直後の短時間(100ミリ秒程度)にアノード電圧を制御することにより電子のピッチファクターを最適化することで効率を向上させる新手法を開発した。これにより高出力化の課題であったコレクタ熱負荷を低減することが可能となり、世界で初めて1.5MW, 4秒間のジャイロトロン出力を達成した。このときのコレクタ熱負荷は従来より約20%低いことが確認され、今後さらに長パルス化が可能と考えられる。長パルス運転を制限したジャイロトロン内の不要高周波による熱負荷を低減するため、モード変換器を改良したジャイロトロンを製作して、既に調整運転を開始し1MW出力で31秒までパルス幅が伸張した。また、課題であった不要高周波は約1/3に低減できたことが実験的に確認され、近い将来の定常運転に見通しが得られた。これらの成果はJT-60SAに向けたECRF装置の高出力・長パルス化に大きく貢献するものである。
森山 清史; 中村 秀夫; 中村 康一*
Transactions of the American Nuclear Society, 103(1), p.463 - 464, 2010/11
原子力機構において、軽水炉事故時の格納容器内における放射線化学的な揮発性ヨウ素生成の影響を評価するために、ヨウ素挙動解析コードKicheを開発した。同コードは、水の放射線分解,その生成物とヨウ素化学種及び有機物を含む反応系の、反応速度論モデルの数値解析を行う。反応と速度係数は既存文献等から収集したものを用いている。Kicheの有機ヨウ素生成モデルとして、当初カナダAECLによるLIRICのモデルを参照した。これは空気雰囲気の実験に対して検証されていたが、BWRの格納容器を想定した酸素濃度の低い条件への適用性は十分でなかった。これに対し酸素の有無による反応経路の変化に着目して修正を行い、有機物濃度及び酸素濃度を変えて行った著者らの実験データと、良い一致が得られた。
平内 慎一; 鈴木 貞明; 佐藤 文明; 小林 貴之; 長谷川 浩一; 横倉 賢治; 森山 伸一
JAEA-Technology 2010-031, 24 Pages, 2010/09
JT-60U電子サイクロトロン加熱(ECH)装置は、周波数110GHzの高周波によりJT-60Uプラズマに対し局所加熱/電流駆動を行い、閉じ込め性能を向上させるものである。ECH装置は、大電力の高周波を発生する大電力発振系、発生した高周波を伝送する伝送系及びプラズマに入射するアンテナ等から構成される。ECH装置の長パルス入射運転には、伝送系機器での高周波放電を抑制して高周波を効率よく伝送させることが重要な課題である。本報告では、実際の長パルス入射試験(0.5MW, 30秒)における、伝送系機器の放出ガスの増加,温度上昇,エージング過程で発生した真空窓での放電等の問題点と、それを解決するために行った真空排気系の改良,冷却系の整備,アーク検出装置の整備等の放電防止対策及び、新ダミーロードの導入について記載する。
小林 貴之; 諫山 明彦; Fasel, D.*; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.363 - 368, 2010/08
JT-60 ECRF装置のパルス幅(5秒)を伸ばすための改良がJT-60SA(100秒)へ向けて必要である。欧州により電源が新規に設計,製作及び設置される。また、新たに設計したモード変換器を備えた改良型ジャイロトロンの調整運転を開始した。本モード変換器によって、ジャイロトロン内での回折損失による内部機器への熱入力が低減され、1MWの長パルス発振が期待できる。JT-60Uで実証されたヒータ電流やアノード電圧をプレプログラム/フィードバック制御する手法が、発振中のカソード冷却によるビーム電流の減少対策として重要と考えられる。伝送系については、真空排気した伝送路により1系統あたり1MWの伝送が可能である。一方、結合系については真空容器内機器のメンテナンスが困難であることから、真空容器内での冷却水リークや駆動機構のトラブルのリスクを低減するために直線駆動アンテナ手法が提案され、詳細な設計及び低電力試験を開始した。
小林 貴之; 寺門 正之; 佐藤 文明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 五十嵐 浩一; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.037_1 - 037_10, 2009/08
電子サイクロトロン加熱電流駆動は高効率電子加熱と、新古典ティアリングモード(NTM)抑制において重要な核融合プラズマ制御手法である。近年、JT-60Uの電子サイクロトロン波加熱電流駆動装置において、高出力ジャイロトロン開発と出力変調技術開発に成功した。1.5MW, 1秒間の安定な発振が2007年に初めて実証された。空胴及びコレクターの温度上昇の評価を行い、1.5MWでのパルス幅伸張が、110GHzジャイロトロン改造管により可能である見通しを得た。加えて、NTMに同期した0.8MW, 5kHzの出力変調ECCDを実施した。NTM同期装置が期待どおりに動作し、JT-60UでのNTM抑制実験において重要な役割を果たした。これらの開発結果により、近い将来の電子サイクロトロン波加熱電流駆動装置において、性能を向上させるための開発に重要な知見が得られた。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Nuclear Fusion, 49(8), p.085001_1 - 085001_7, 2009/07
被引用回数:21 パーセンタイル:60.39(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)装置のジャイロトロンにおいて、1.5MW, 1秒間(110GHz)の出力が得られた。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電流の実時間制御によって0.4MW, 30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW, 5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 五十嵐 浩一; 佐藤 文明; 和田 健次; et al.
JAEA-Technology 2008-065, 98 Pages, 2008/10
本報告は、大型トカマク実験装置JT-60Uの次期装置として計画されているJT-60SAの建設に先立って必要な、JT-60高周波加熱装置大電力増幅設備及び電源設備等の解体について検討した結果をまとめたものである。RF増幅室I,RF増幅室II,RF増幅室III,加熱電源棟,トランスヤード,一次冷却棟,加熱ポンプ室,ドライエリアを含むJT-60実験棟地下設備,JT-60実験棟屋上に至る広い範囲での設備解体について検討を行い、その(1)対象機器,(2)作業内容と内訳,(3)物量の推定,(4)解体の手順方法と留意事項についてまとめた。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
JT-60Uの電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置のジャイロトロン開発において、1.5MW,1秒間(110GHz)の出力を得ることに成功した。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電圧の実時間制御によって0.4MW,30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW,5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
横倉 賢治; 下野 貢; 鈴木 貞明; 澤畠 正之; 五十嵐 浩一; 和田 健次; 森山 伸一
JAEA-Technology 2008-058, 103 Pages, 2008/08
本報告は、大型トカマク実験装置JT-60Uの次期装置であるJT-60SAの建設に伴う、JT-60U高周波加熱装置の解体作業のうちJT-60本体室内の解体作業について検討した結果をまとめたものである。同作業においてはトリチウム汚染物や中性子による放射化物を取り扱う必要があるため、作業安全管理に十分配慮して検討を行い、(1)作業対象,(2)作業内容,(3)物量の推定,(4)解体手順方法のそれぞれについてまとめた。
鈴木 貞明; 関 正美; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 平内 慎一; 石井 和宏*; 長谷川 浩一; 森山 伸一
JAEA-Technology 2007-055, 27 Pages, 2007/09
JT-60U高周波加熱装置の一つである低域混成波(LHRF)加熱装置では、過大なプラズマからの熱負荷によるダメージを避けるために、アンテナ先端部に炭素製グリルを取り付けた新たな取り組みでプラズマ実験が行われている。しかし、プラズマ実験後の観察では、一部に放電痕が見つかったために、アーク検出器及び可視画像検出の高性能化による保護インターロックの強化に取り組んだ。アーク検出器では、光検出の応答速度及び分解能を高めるために増幅回路の改良を行った。また、可視画像検出では、PC画像処理を導入しプラズマによる発光と放電光を区別してon-off制御する機能を新たに追加した。本報告書は、LHRF加熱装置における保護インターロックシステムの改良についてまとめたものである。
寺門 正之; 下野 貢; 澤畠 正之; 篠崎 信一; 五十嵐 浩一; 佐藤 文明; 和田 健次; 関 正美; 森山 伸一
JAEA-Technology 2007-053, 28 Pages, 2007/09
臨界プラズマ試験装置(JT-60U)では、プラズマの熱伝導率を測定し閉じ込め性能を調べるため、電子サイクロトロン加熱(ECH)装置の高周波出力を数十Hzから数百Hz程度に変調し、プラズマ中へパルス的に入射している。JT-60UのECH装置の高周波出力変調は、高周波源であるジャイロトロンのアノード電圧を制御することによりジャイロトロンの主電源である特高電力を遮断することなく出力を変調させるもので、変調周波数が12.2Hz500Hzにおいて変調度が約80%の出力変調運転を行っている。しかし、今後予定されているJT-60 Super Advanced (JT-60SA)計画において、電磁流体力学(MHD)的不安定性である新古典的テアリングモード(NTM)を抑制するための手法として、その周波数に合わせて変調入射する必要性が生ずる。そこで、ジャイロトロンの高周波出力を数kHz程度に変調する技術の検証を行った結果、周波数3.5kHzで変調度が84%の発振変調に成功した。実用レベルのパルス幅としては、3.0kHzまでの発振変調が可能である。次のステップとして、アノード分圧器基板の素子をより高速なものと交換して、さらに変調周波数を上げる試験を計画している。
横倉 賢治; 森山 伸一; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 石井 和宏*; 佐藤 文明
JAEA-Technology 2007-045, 22 Pages, 2007/07
大電力用ミリ波電力測定装置は、主伝送路の導波管内を伝搬する高周波を直接誘電体に透過させ、誘電体で損失する高周波エネルギーから透過電力を算出する新しい発想の高周波計器であり、高次モードや偏波の変化に計測値が鈍感な特徴を持つ。また、検出素子を適切に選択することで、kWMW級の広範囲の電力測定に柔軟に対応することができる。本報告では、大電力ミリ波による高周波損失が極めて小さい材料を検出素子として選択し、その発熱特性と耐電力性能を評価した結果について記述する。これらの検討結果をもとに、JT-60U, JT-60SA電子サイクロトロン加熱装置への実用化に向けたプロトタイプ電力測定装置の設計と製作を実施したので報告する。
石井 和宏; 関 正美; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 鈴木 貞明; 佐藤 文明; 森山 伸一; 横倉 賢治
JAEA-Technology 2007-036, 30 Pages, 2007/07
JT-60UのLHアンテナは、効率的に高周波(RF)をプラズマへ入力するために、プラズマと近い位置に設置され、常にプラズマと相互作用している。そのため、ステンレス鋼製のLHアンテナ先端の開口部は、プラズマからの過大な熱負荷による損傷やRF放電による損傷が発生し、問題となっていた。その対策としてLHアンテナ先端部に耐熱性に優れた炭素製グリルを取付けることにより、先端部の損傷を軽減できる耐熱化LHアンテナを開発し、プラズマへのパワー入射実験を世界で初めて行った。炭素製グリルからの放出ガスによるRF放電が懸念されたので、初期のRFコンディショニングは慎重に行い、十分な脱ガスを実施した。その結果、RF電力として16MJの入射エネルギーの達成に成功した。また、電流駆動用LHアンテナとして要求される、十分に高いプラズマ電流駆動性能(約1.610
A/W/m
)を持つことを実証した。
関 正美; 森山 伸一; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 横倉 賢治; 下野 貢; 寺門 正之; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.273 - 277, 2005/11
被引用回数:3 パーセンタイル:23.78(Nuclear Science & Technology)LHアンテナはJT-60Uでの電流駆動実験等に対して貢献してきたが、LHアンテナ開口部は熱負荷でダメージを受け、入射パワーは年々低下してきた。入射パワーを回復するために、世界的にも初めての試みとなるLHアンテナ開口部に炭素製グリルを取付ける改造をした。炭素材は高耐熱性を持ち、かつプラズマの閉じ込め性能劣化させない低Z材である。炭素製グリルは、ベースフレームと高周波接触子それに炭素製先端部から成る。ベースフレームは既設のLHアンテナ開口部へ溶接され、高周波接触子はベースフレームと炭素製先端部の間の電気接触を改善する。先端部はグラファイトあるいは炭素繊維材から作られ、交換可能とするためボルトでベースフレームに取付けられるように工夫した。また実験実施後にグラファイトと炭素繊維材からできた先端部の性能を比較することができる。取付け工事の後、コンディショニングが順調に進捗し、プラズマの位置を制御することで良好な結合特性を実現し、高周波エネルギー最大約5MJのプラズマへの入射を達成した。さらに予想通りプラズマ電流を駆動していることを観測し、炭素製グリル付きLHアンテナの基本性能を確認した。
藤井 常幸; 関 正美; 森山 伸一; 寺門 正之; 篠崎 信一; 平内 慎一; 下野 貢; 長谷川 浩一; 横倉 賢治; JT-60チーム
Journal of Physics; Conference Series, 25, p.45 - 50, 2005/00
JT-60U電子サイクロトロン波帯(ECRF)加熱装置は高性能プラズマの実現のために活用されている。その出力は周波数110GHzで4MWである。JT-60U ECRF加熱装置で使用するジャイロトロンの出力は、そのアノード電圧を制御することで、制御できる。これを利用して、プラズマへの入射パワーを変調するために、アノード電圧制御器を開発し、出力0.7MWで、変調周波数10500Hzを達成した。また、このアノード電圧制御器を使用して、入射パルス幅を5秒から16秒まで伸長することに成功した。このような長パルスにおいて、アルミナ製のDCブレークの最大温度は約140度に達した。これを解析した結果、目標とするパルス幅30秒を実現するには、DCブレークの材料を低損失の材料に変更する必要があることが判明した。実時間制御でのECRF加熱による新古典テアリングモードの安定化を実証した。この実時間制御系では、ECE計測より10msごとに予測されるNTM発生領域を狙って、ECRFビームが入射される。
清水 明; 西原 哲夫; 森山 耕一*
JAERI-Tech 2004-051, 69 Pages, 2004/06
日本原子力研究所の高温工学試験研究炉(HTTR)は核熱利用技術開発のためメタンの水蒸気改質による水素製造システムを接続することを計画している。本システムではこれまでの原子炉設備と異なり、原子炉に近接して大量の可燃性物質を取扱うため、これらの存在を考慮した安全設計を行う必要がある。本報告では、可燃性ガス漏えいの発生頻度について確率論的手法を用いて評価した結果を述べる。可燃性ガスを内包する機器,配管を系統別に区分し、安全設計で定めた緊急遮断弁の設置,可燃性ガス二重管化等の火災・爆発対策を勘案して、漏えいの発生頻度を計算した。火災・爆発の確率は漏えい確率と着火確率の積となるが、着火確率の評価は非常に困難であるために安全側に1として検討を進めた。このため、火災・爆発が防止できる安全目標については漏えい発生頻度を10/年以下に設定して、安全対策の妥当性を調べた。その結果、可燃性ガス配管の二重管化,計装配管の小口径化,漏えい検知器,漏えい遮断設備等が、火災・爆発の規模を小さくし、原子力プラントを災害から防護するうえで有効であることを確認した。