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高田 昌二; Ngarayana, I. W.*; 中津留 幸裕*; 寺田 敦彦; 村上 健太*; 沢 和弘*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00536_1 - 19-00536_12, 2020/06
高温工学試験研究炉(HTTR)を使った炉心冷却喪失試験では、財産保護上の観点から、炉容器冷却設備(VCS)において自然対流により加熱される構造物の温度分布の評価精度向上を課題としている。伝熱流動数値解析コードFLUENTをHTTRのVCSに適用するために、予測精度を維持しつつ計算資源を節約できる合理的な2次元モデルの構築を始めた。本評価モデルの検証のため、HTTR用VCSの1/6スケールモデルによる構造物の温度に関する試験結果を使用し、解析による計算結果と比較した。本試験データは、圧力容器の温度を200C前後に設定することで、全除熱量における自然対流伝熱の割合を20%前後と有意なレベルの伝熱現象として測定したものである。自然対流による上昇流の影響で高温となる圧力容器上部の伝熱流動特性の評価精度向上のためには、実形状の模擬および自然対流に適した乱流モデルの選定が重要となる。乱流モデルとして、剥離,再付着及び遷移流れを考慮できる--SSTモデルを選定し、従来の-モデルでは再現されなかった圧力容器の温度分布の試験結果とよく一致していることを確認した。この結果、圧力容器上部にホットスポットがなく、模擬炉心により加熱された高温のヘリウムガスが乱流によりよく混合され圧力容器上部を均一に加熱する様子を適切に評価した。
高田 昌二; Ngarayana, I. W.*; 中津留 幸裕*; 寺田 敦彦; 村上 健太*; 澤 和彦*
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 13 Pages, 2019/05
高温工学試験研究炉(HTTR)を使った炉心冷却喪失試験では、財産保護上の観点から、炉容器冷却設備(VCS)において自然対流により加熱される構造物の温度分布の評価精度向上を課題としている。伝熱流動数値解析コードFLUENTをHTTRのVCSに適用するために、予測精度を維持しつつ計算資源を節約できる合理的な2次元モデルの構築を始めた。本評価モデルの検証のため、HTTR用VCSの1/6スケールモデルによる構造物の温度に関する試験結果を使用し、解析による計算結果と比較した。本試験データは、圧力容器の温度を200C前後に設定することで、全除熱量における自然対流伝熱の割合を20%前後と有意なレベルの伝熱現象として測定したものである。自然対流による上昇流の影響で高温となる圧力容器上部の伝熱流動特性の評価精度向上のためには、実形状の模擬および自然対流に適した乱流モデルの選定が重要となる。乱流モデルとして、剥離,再付着及び遷移流れを考慮できるk--SSTモデルを選定し、従来のk-モデルでは再現されなかった圧力容器の温度分布の試験結果とよく一致していることを確認した。このことから、k--SSTモデルは、圧力容器上部の温度分布を剥離、再付着および遷移流れを再現できたと考えられ、本モデルはVCSの温度評価の精度向上に有効であることを明らかにした。
Islam, M. A.*; 海老原 充*; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 原田 秀郎
Applied Radiation and Isotopes, 70(8), p.1531 - 1535, 2012/08
被引用回数:1 パーセンタイル:10.14(Chemistry, Inorganic & Nuclear)本研究においては、MPGA装置の地質及び宇宙化学的試料の非破壊・多元素同時定量分析に対する特性を調べた。MPGAにおける同時計数データの3つのソーティングモードにおいて、アッドバックモードが高感度であり、最も低い検出限界を示した。MPGA装置はSm, Gd, Cdに対して感度が高い。MPGAの検出限界を他施設の装置と比べると、MPGAのMg, K, S, Clの検出限界は、クローバー検出器8台とBGO検出器から構成される現在の実験条件の下で他施設のそれを1桁程度凌駕していた。MPGAとPGAによるOrgueil水素含有隕石の解析は、MPGAが元素分析として十分な精度で使用できることを示した。Sm, K, Mgなどはスペクトル上の干渉や感度の低さからPGAによっては定量できなかったが、MPGAでは最高3%程度まで精度よく決定できることがわかった。
大島 真澄; 金 政浩*; 中村 詔司; 本間 道雄*; 湊 太志; 早川 岳人; 原 かおる; 木村 敦; 小泉 光生; 原田 秀郎; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(8), p.084201_1 - 084201_15, 2012/08
被引用回数:2 パーセンタイル:19.32(Physics, Multidisciplinary)濃縮Ni試料の冷中性子捕獲により生成された線を核分光法で調べた。272本の新しい線を含む315本の線がNiの準位構造に組み込まれた。30本の新準位を含む62本の準位に対して、0.2-0.8keVの精度の励起エネルギーと線分岐比を決定した。Ni (n,) Ni反応のQ値は6837.75(18)keVであった。大規模殻模型計算を行った結果、Niの低励起状態のエネルギーがよく再現できた。Hartree-Fock + BCS法と統計計算の間の自己無撞着相互作用を用いた平均場統計模型計算も行い、Niの準位密度の実験値と矛盾しないことを示した。
藤 暢輔; 村上 幸弘*; 古高 和禎; 木村 敦; 小泉 光生; 原 かおる; 金 政浩; 中村 詔司; 原田 秀郎
Applied Radiation and Isotopes, 70(6), p.984 - 987, 2012/06
被引用回数:3 パーセンタイル:32.06(Chemistry, Inorganic & Nuclear)即発線分析に多重線検出法を適用した分析手法を多重即発線分析(MPGA)と呼ぶ。本手法では水素からの妨害を低減することができる。そのため、シグナルノイズ比が改善され、重金属の迅速スクリーニング分析法として用いられる。8個のクローバーGe検出器から構成されるMPGA装置をJRR-3のC2-3-2ビームポートに開発してきた。タンパク質は食べ物で重要な栄養素である。一般に用いられる総タンパク質定量法はケルダール法であるが、時間がかかり、簡便でない。生体試料中の総タンパク質定量の簡便な方法として、MPGAを適用した場合の実現可能性に関する研究を行った。幾つかの標準試料に適用して得られた結果は認証値と良い一致を示した。つまり、MPGAは生体試料中における総タンパク質の迅速・非破壊定量として用いることができる。
小豆川 勝見*; 松尾 基之*; 佐野 有司*; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 古高 和禎; 小泉 光生; 木村 敦; 原 かおる; 金 政浩; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 291(2), p.341 - 346, 2012/02
被引用回数:3 パーセンタイル:25.07(Chemistry, Analytical)高いエネルギー分解能を持つ多重即発線分析(MPGA)を浅海熱水マウンドからの堆積物に適用した。マウンド近辺の海底表面試料は、日本の南西部に位置し熱水系が他の浅海熱水マウンドとは異なる鹿児島湾の若尊カルデラより採取された。すべての試料は脱塩された後、MPGA測定を4,500秒間行った。実験データは8台のクローバーGe検出器によって得られた。MPGAによってS, Mn, As, Gd, K, Sm, Fe及びRbの濃集が高精度で得られた。さらにS, Rb及びMnはこのマウンドでのみ特異的に濃集されており、このマウンドにおいてマグマ性流体によって堆積物が硫酸化されたことが示唆される。
大浦 泰嗣*; 渡部 良*; 海老原 充*; 村上 幸弘*; 藤 暢輔; 木村 敦; 小泉 光生; 古高 和禎; 大島 真澄; 原 かおる; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 291(2), p.335 - 339, 2012/02
被引用回数:4 パーセンタイル:32.06(Chemistry, Analytical)多重即発線分析(MPGA)を地球化学及び宇宙化学試料に適用し、シグナルノイズ比(S/N),感度,検出限界に関する分析能力を評価した。MPGA装置による測定で得られたS/NはJRR3における通常の即発線分析(PGAA)に比べて大きい値が得られた。幾つかの元素に関して、そのS/Nは10倍以上も改善していた。また、PGAAで検出されない元素も幾つかMPGAで検出された。今回の実験では地球化学及び宇宙化学試料に含まれる主成分元素と中性子捕獲反応断面積が大きい微量元素の濃度がMPGAによって精度よく決定された。最適化と改良によってさらに多くの微量元素に適用できると期待される。
大島 真澄; 藤 暢輔; 村上 幸弘*
ぶんせき, 2009(7), p.362 - 368, 2009/07
多重線検出法は放射性核種分析において高分解能,高感度を実現する。この手法を中性子放射化分析,即発線分析に適用することにより、これらの分析法を高度化することができた。本展望では、多重線検出法及びそれを利用した分析法を紹介し、その可能性を論ずる。
山田 秀尚; 村上 洋; 島田 幸洋
Radiation Physics and Chemistry, 78(6), p.375 - 379, 2009/06
被引用回数:1 パーセンタイル:10.23(Chemistry, Physical)時間分解X線分光システムに用いるパルスX線源の開発を行った。このX線源では、超短パルスレーザーで発生させたプラズマ電子を静電圧で加速し、これをCu電極に衝突させてX線を得る。本論文は、この種のパルスX線源について、X線フォトン数,スペクトル特性,パルス時間特性,プラズマ電子のダイナミクスを詳しく調べた初めてのものである。プラズマの発生は数10マイクロジュールのフェムト秒紫外パルスをCu電極に集光照射して行った。加速電圧は50kVとし、その結果得られたX線パルスは10photons/4pisr/pulseであった。X線はほぼCuK線であり、パルス幅は約100nsであった。時間分解プラズマ発光スペクトル分析の結果、発生させたレーザープラズマでは、印加電圧によりプラズマの静電遮蔽効果が徐々に弱まるとともにプラズマ粒子が衝突励起されており、これがX発生と同じく100nsの時間スケールで起きていることが明らかとなった。
小泉 光生; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 金 政浩; 古高 和禎; 村上 幸弘*; 長 明彦; 安藤 慎吾*
Review of Scientific Instruments, 80(1), p.016102_1 - 016102_3, 2009/01
被引用回数:2 パーセンタイル:12.56(Instruments & Instrumentation)Ge検出器に液体窒素を補給するという日常作業を省力化するために、液体窒素製造装置を組み込んだ液体窒素自動補給システムを開発した。このシステムで、われわれのGe検出器システムは、ほとんどメンテナンスフリーにすることができた。この液体窒素自動補給システムは20台未満のGe検出器から構成される中規模のGe検出器アレイに有用である。
山田 秀尚; 村上 洋; 島田 幸洋
表面科学, 29(7), p.413 - 417, 2008/07
時間分解蛍光X線分光のために、フェムト秒レーザー駆動X線源及びX線集光システムの開発を行った。開発したX線源は10-W/cmのレーザーパルスに誘起されたプラズマ陰極が電子源のX線管で、10photons/4sr/pulseのCu K線を供給する。そのX線パルスの時間幅は約200nsと測定された。プラズマ陰極の発光分光分析をもとに、このX線パルス時間特性は、X線管の印加電圧に対して静電遮蔽下にあるプラズマ粒子のダイナミクスにより説明された。X線集光システムに関しては、ポリキャピラリレンズによる集光スポットサイズを測定し、レンズによる蛍光X線の増強効果を実証した。
大島 真澄; 藤 暢輔; 小泉 光生; 古高 和禎; 金 政浩; 木村 敦; 村上 幸弘*; 後藤 淳*
Proceedings of 9th International Conference on Applications of Nuclear Techniques (CD-ROM), 8 Pages, 2008/06
原子核構造研究用に用いられてきた-同時計数測定を核種分析法に応用することにより、高感度分析が可能であることがわかった。すなわち、核種分析法として、原子力機構研究用原子炉JRR-3の炉内照射で試料を放射化し、その壊変線を測定する機器放射化分析法、また、原子炉から外部に取り出された中性子ビームを試料に当て、同時に放出される即発線を測定する即発線分析法について、それぞれに-同時計数測定法を組合せることにより、これらの核種分析法をより高感度化した分析を可能とした。
Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 小倉 浩一; 西村 昭彦; 村上 洋; 島田 幸洋; 匂坂 明人; 織茂 聡; 木村 豊秋; 大道 博行
Advanced Solid-State Photonics; OSA Technical Digest Series (CD-ROM), p.MC8_1 - MC8_3, 2008/01
We report on the design and performance of a highly accurate, easy-to-align Transient-Grating FROG apparatus capable to measure amplified pulses with the duration shorter than 10 fs and longer than 1 ps.
山田 秀尚; 村上 洋; 島田 幸洋
no journal, ,
原子の空間スケールで超高速反応ダイナミクスを捉える時間分解X線分光システムのための、フェムト秒パルスレーザーを用いたパルス硬X線源についての研究報告である。フェムト秒パルスレーザー駆動X線管による硬X線源としては、これまでにドイツのEgbertらのグループにより、近赤外光フェムト秒パルスをX線管金属カソードに集光照射し、多光子吸収過程あるいはプラズマ発生過程で生成する電子パルスを利用して硬X線パルスを発生させた研究が報告されている。彼らはX線の時間平均強度を、X線管の平均電流値や電離線量率計によって測定している。われわれは、近赤外光フェムト秒パルスを用いた同様の機構でパルス硬X線発生を行い、X線フォトダイオードを用いてX線のパルス強度測定を実施した。その結果、プラズマ発生が起こるようなレーザー照射強度領域では、レーザー照射強度を増加させるとX線パルス発生の頻度は増加するが発生するX線パルス強度は一定であることがわかった。このことは、EgbertらのX線計測手法ではわかっていなかった点であり、高強度の硬X線パルスが得られるようなレーザープラズマ領域でレーザー駆動X線管を利用するうえでの重要な新知見である。また、今回われわれは、照射レーザーを紫外光フェムト秒パルスとした場合にも、同様に、レーザープラズマ領域で硬X線パルスが得られることを初めて示した。
山田 秀尚; 村上 洋; 島田 幸洋
no journal, ,
本研究では化学反応における電子移動や構造変化などの動的過程を観測するために、時間分解X線分光システムの構築を行っている。そのためのパルスX線源として開発したフェムト秒レーザー駆動X線管の特徴、及び、これを用いたX線分光システムの開発状況について報告する。本X線源は、おもに銅の特性X線(CuK線)パルスを発生する。X線パルス幅は照射レーザーフルエンスにより数十ナノ秒以上から数十ピコ秒以下に変化する。構築中の分光システムでは、X線を全反射を利用したポリキャピラリレンズによって試料に集光照射し、試料からの蛍光(もしくは透過)X線を、Si結晶により高分解能で分光し、スペクトルをX線CCDでシングルショット計測する。発表では、ポリキャピラリレンズの性能評価,分光システムの分解能評価等の結果について詳しく述べる。
山田 秀尚; 村上 洋; 島田 幸洋
no journal, ,
本研究では化学反応における電子移動や構造変化などの動的過程を観測するために、時間分解蛍光X線スペクトル測定システムの構築を行っている。そのためのパルスX線源として開発した超短パルスレーザー駆動X線管のX線パルス特性を評価し、そのX線発生機構を詳しく調べた。その結果、開発したレーザー駆動X線管では、駆動レーザーフルエンスが低い場合、陰極での電子発生は光電効果に因るのに対し、フルエンスが高ければ陰極で生じるプラズマ電子がX線発生に寄与することがわかった。また、フルエンスを上げることでX線が高輝度化するとともに、パルス時間幅は大きく広がった。さらに、高フルエンスの際に陰極で発生するレーザープラズマの状態を、発光スペクトルを通して観測したところ、プラズマ電子数が電極電圧によって増幅される効果が見られた。また、開発中のX線分光システムにおいては、LiF結晶及びX線CCDを用いてX線源のCuK線を分光し、6eV以下の分解能を得た。
大島 真澄; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 小泉 光生; 古高 和禎; 金 政浩; 木村 敦; 後藤 淳*
no journal, ,
検出器とエレクトロニクスに関する世界最大規模の国際会議である2007IEEE Nuclear Science Symposium (NSS) and Medical Imaging Conference (MIC)に参加し、微量元素分析法開発のために、当グループで世界で初めて開発した多重即発線実験装置を紹介する。多重線検出法は従来の核種分析法に比べ、高分解能かつ高感度が達成される。この方法を、中性子ビームを試料に照射した際に発生する即発線測定に応用して、迅速,非破壊,高確度,多元素同時分析が可能になることが期待される。多重即発線実験装置は大型のゲルマニウム検出器とBGO検出器の12セットを中心に、高速データ収集システム,液体窒素自動補給システム,自動試料交換システムなどからなる。従来行ってきた2次元マトリクス解析に加え、3次元解析により高度化の可能性について紹介した。
藤 暢輔; 大島 真澄; 村上 幸弘*; 木村 敦; 小泉 光生; 古高 和禎; 初川 雄一
no journal, ,
日本原子力研究開発機構の研究3号炉中性子ガイドホールC-2ラインに多重線を用いた即発線装置を開発しており、核データ測定及びその応用研究として多重即発線分析(MPGA)を行っている。本発表ではおもにMPGAに関する研究開発について報告する。従来法であるPGAが1台の即発線検出器を用いるのに対し、MPGAでは2台以上の線検出器を用いて2本以上の同時に放出される即発線を検出する。これにより、他元素の影響を受け難い、元素の同定が容易になる等のメリットが得られる。MPGAにおいても、シグナル/ノイズ比(S/N比)が検出限界を向上させるために最も重要である。これまではバックラウンドを減らすことによりS/N比を改善してきた。さらにS/Nを改善するためには、シグナルの強度を上げることが有効である。そのため、中性子強度の増強を行った。スーパーミラーを用いた中性子導管や中性子ベンダー等の改良により、中性子強度が約9.3倍となった。また、スクリーニング分析において有用な補正法開発についても報告する。
大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 村上 幸弘*; 小泉 光生; 古高 和禎
no journal, ,
試料に原子炉から取り出した中性子ビームを照射し、同時に発生する即発線を測定することにより定量する即発線分析に、線同時計数測定を組合せた新たな多重即発線分析法の原理と分析装置について紹介する。
藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 古高 和禎; 木村 敦; 村上 幸弘*
no journal, ,
研究用原子炉3号炉C2ラインに多重即発線分光装置を開発している。これを即発線分析に適用し得られた結果を報告する。従来法であるPGAが1台の即発線検出器を用いるのに対し、MPGAでは2台以上の線検出器を用いて2本以上の同時に放出される即発線を検出する。多重即発線分光装置は立体角が大きいため、ビームラインに存在する空気(窒素)からの即発線も検出され、バックグラウンドとなる。ビームラインの改良を行い、ヘリウム及び炭酸ガスによる空気の置換効率を高めた結果を報告する。また、PGAとMPGAスペクトルの比較やMPGAによる農産物等のスクリーニング分析のための補正法の検証結果、MPGAにおける元素同定等についても報告する。