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論文

Soil microbial community responding to moderately elevated nitrogen deposition in a Japanese cool temperate forest surrounded by fertilized grasslands

永野 博彦; 中山 理智*; 堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 近藤 俊明*; 安藤 麻里子; 久保田 智大*; 舘野 隆之輔*; et al.

Soil Science and Plant Nutrition, 67(5), p.606 - 616, 2021/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Plant Sciences)

北海道の牧草地に囲まれた冷温帯林において、大気からの窒素沈着量と土壌の微生物群集特性との関係を調査した。窒素沈着量の緩やかな増大(年間10kg N/ha未満)が土壌微生物群集に及ぼす影響について明らかにすることを本研究の目的とした。調査対象の森林において6つの実験区画を設置し、そのうち3つを草地に隣接した林縁、他の3つを草地から少なくとも700m離れた林内に設置した。2018年5月から11月まで、各プロットでの窒素沈着を測定した。2018年8月には、すべての実験区画からリター層と表層土壌(深さ0-5cm)を収集し、微生物活性の指標として正味の窒素無機化と硝化速度、また微生物量の指標として微生物バイオマス炭素・窒素およびさまざまな微生物の遺伝子量(すなわち、細菌16S rRNA,真菌のITS,細菌のamoA、および古細菌のamoA遺伝子)を測定した。森縁の窒素沈着量は、林内の窒素沈着の1.4倍多かった一方、最も沈着量が多い場合でも3.7kg N/haであった。窒素沈着は、正味の窒素無機化および硝化速度、16S rRNAおよび細菌のamoA遺伝子の存在量と有意に相関していた。環境DNA解析に基づく土壌微生物群集構造は、リター層と表層土壌で異なっていたが、林縁と林内では類似していた。土壌の炭素/窒素比、および硝酸とアンモニウムの含有量に対する窒素沈着の有意な相関も観察された。以上より、窒素可給性の低い森林では、林縁における緩やかな窒素沈着の増大が土壌微生物の活性と存在量を増大させることが示された。

論文

Expansion of agriculture in northern cold-climate regions; A Cross-sectoral perspective on opportunities and challenges

Unc, A.*; Altdorff, D.*; Abakumov, E.*; Adl, S.*; Baldursson, S.*; Bechtold, M.*; Cattani, D. J.*; Firbank, L. G.*; Grand, S.*; Gudjonsdottir, M.*; et al.

Frontiers in Sustainable Food Systems (Internet), 5, p.663448_1 - 663448_11, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Food Science & Technology)

本レビュー論文では、関連分野を研究する科学者の意識調査と既存文献の調査を実施し、地球温暖化の加速が寒冷な北方地域を地域および世界の農業セクター拡大にとってますます魅力的なターゲットにしていることを明らかにした。ただし、こうした活動の持続可能な長期的発展は、信頼性のある関連知見に対し全てのステークホルダーが容易にアクセスできる場合にのみ実現できる、という共通認識があることも明らかになった。特に、北方地域における農業の拡大は、温室効果ガス収支や生物多様性、生態系サービスに対し、負の影響をもたらす傾向にあることが明らかになってきている。以上より、寒冷な北方地域における農業の拡大と強化は、社会的な向上とニュートラルな環境影響とを両立できる計画の下で遂行される必要がある。

報告書

Practical guide on soil sampling, treatment, and carbon isotope analysis for carbon cycle studies

小嵐 淳; 安藤 麻里子; 永野 博彦*; Sugiharto, U.*; Saengkorakot, C.*; 鈴木 崇史; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 木下 尚喜; 永井 晴康; et al.

JAEA-Technology 2020-012, 53 Pages, 2020/10

JAEA-Technology-2020-012.pdf:3.71MB

近年急速に進行する温暖化をはじめとした地球環境の変化は、陸域生態系(とりわけ森林生態系)における炭素循環に変化をもたらし、その結果、温暖化や環境変化の進行に拍車をかける悪循環が懸念されている。しかしながら、その影響の予測には大きな不確実性が伴っており、その主たる要因は、土壌に貯留する有機炭素の動態とその環境変化に対する応答についての定量的な理解の不足にある。放射性炭素($$^{14}$$C)や安定炭素($$^{13}$$C)同位体の陸域生態系における動きを追跡することは、土壌有機炭素の動態を解明するうえで有力な研究手段となりうる。本ガイドは、同位体を利用した土壌炭素循環に関する研究を、特にアジア地域において促進させることを目的としたものである。本ガイドは、土壌の採取、土壌試料の処理、土壌有機炭素の分画、$$^{13}$$Cの同位体比質量分析法による測定及びその試料調製、ならびに $$^{14}$$Cの加速器質量分析法による測定及びその試料調製に関する実践的手法を網羅している。本ガイドでは、炭素循環研究において広く用いられる $$^{14}$$C分析結果の報告方法についても簡単に紹介する。さらに、同位体を利用した研究手法の実際的応用として、日本の森林生態系において実施した事例研究の結果についても報告する。本ガイドによって、同位体を利用した炭素循環研究に興味を持って参画する研究者が増加し、地球環境の変化の仕組みについての理解が大きく進展することを期待する。

論文

Effect of dry-wet cycles on carbon dioxide release from two different volcanic ash soils in a Japanese temperate forest

永野 博彦; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

Soil Science and Plant Nutrition, 65(5), p.525 - 533, 2019/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:14.18(Plant Sciences)

温暖化によって増大すると予測されている土壌水分の変動が火山灰土壌の二酸化炭素(CO$$_{2}$$)放出に及ぼす影響を評価することを目的に本研究を行った。茨城県内の温帯林で採取した理化学性の異なる2種類の火山灰土壌(土壌AおよびB)を乾燥-湿潤サイクル条件および一定水分条件それぞれで培養し、CO$$_{2}$$放出速度を比較した。乾燥-湿潤サイクルにおけるCO$$_{2}$$放出速度は水分一定条件での放出速度よりも最大49%大きかった。また乾燥-湿潤サイクルによるCO$$_{2}$$放出の増大は、典型的な火山灰土壌である黒ボク土により近い土壌Bでより大きかった。放出されたCO$$_{2}$$の炭素安定同位体比を測定したところ、乾燥-湿潤サイクルによって年代の古いもしくは微生物代謝の進んだ土壌有機物の分解が促進されたことが示唆された。以上より、国内に広く分布する火山灰土壌の中でも土壌有機物安定化の能力が特に高いとされてきた黒ボク土であっても、他の土壌と同様に乾燥-湿潤サイクルに対しては脆弱であることが示唆された。また、将来起こりうる土壌水分の変動増大は、土壌のCO$$_{2}$$放出を促進する重大なポテンシャルを有することも示された。

論文

Carbon dioxide balance in early-successional forests after forest fires in interior Alaska

植山 雅仁*; 岩田 拓記*; 永野 博彦; 田原 成美*; 岩間 千絵*; 原薗 芳信*

Agricultural and Forest Meteorology, 275, p.196 - 207, 2019/09

 被引用回数:13 パーセンタイル:90.95(Agronomy)

北米の北方林生態系において、森林火災は主要なかく乱要因であり、当該地域における炭素収支を決定する重要なプロセスである。本研究では内陸アラスカの2つの森林火災跡地において、合計13年間にわたり主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO$$_{2}$$)の交換量を渦相関法によって観測した。観測データから、火災後の生態系が植生の回復に伴ってCO$$_{2}$$の放出源から吸収源になるためには13年かかることが分かった。さらに、観測データを基に火災後の初期植生遷移段階におけるCO$$_{2}$$収支の広域評価を内陸アラスカ全土に対して行ったところ、1998年から2017年までの間に火災後の生態系から放出されたCO$$_{2}$$量(35-48 Tg C)は、火災に伴う燃焼によって大気へ直接放出されたCO$$_{2}$$量(156 Tg C)の1/3から1/4であると見積もられた。以上より、火災後に生態系から放出されるCO$$_{2}$$量は、州スケールでのCO$$_{2}$$収支に重要であることが示唆された。

論文

Laboratory examination of greenhouse gaseous and microbial dynamics during thawing of frozen soil core collected from a black spruce forest in Interior Alaska

永野 博彦; Kim, Y.*; Lee, B.-Y.*; 重田 遥*; 犬伏 和之*

Soil Science and Plant Nutrition, 64(6), p.793 - 802, 2018/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.36(Plant Sciences)

北半球の高緯度生態系における年間温室効果ガス(GHG)収支を決定する重要なプロセスである凍結土壌の融解中に起きる炭素動態の変化を調べるために、本研究では、内陸アラスカのクロトウヒ林から採取した凍結土壌コアの培養実験を行った。地表面から永久凍土がある深さ90cmまでのコアを、3層(表層,中間層,下層)に分けた。次いで、各層から分取した12土壌(1層につき4土壌)を3週間培養し、二酸化炭素(CO$$_{2}$$)およびメタン(CH$$_{4}$$)フラックスを測定した。培養中、温度を0から10$$^{circ}$$Cまで1週間ずつ変化させた。表層および中間層の8土壌のうち6土壌では、CO$$_{2}$$放出量が0$$^{circ}$$Cよりも5$$^{circ}$$Cで1.5-19.2倍大きかったが、これら6土壌のうち3土壌のCO$$_{2}$$放出は、10$$^{circ}$$Cでの培養で減少した。CH$$_{4}$$放出は、0$$^{circ}$$Cで培養した下層土壌で最大であった。0$$^{circ}$$Cで培養した表層および中間層の土壌でも、CH$$_{4}$$放出が観察された。5および10$$^{circ}$$Cでは、下層土壌のCH$$_{4}$$放出が減少し、表層および中間層の土壌はCH$$_{4}$$吸収を示した。嫌気的CH$$_{4}$$酸化および生成の阻害物質(2-bromoethane sulfonate)を添加すると、CH$$_{4}$$吸収と放出の両方が減少した。細菌および古細菌群集のゲノム情報は土壌の深さとともに変化したが、融解に対しては安定であった。以上より、北方のクロトウヒ林における土壌のGHGフラックスは土壌融解に敏感かつ多様に反応する一方、細菌および古細菌の全体的な群集構造は融解に対して安定的であることが判明した。

論文

Spectral reflectance and associated photograph of boreal forest understory formation in interior Alaska

小林 秀樹*; 鈴木 力英*; Yang, W.*; 伊川 浩紀*; 井上 智晴*; 永野 博彦; Kim, Y.*

Polar Data Journal (Internet), 2, p.14 - 29, 2018/11

炭素循環に関する北方林生態系の下位植生の役割は無視できないが、それらは依然として北方生態系において理解が最も不十分な構成要素の1つである。植生の分光反射率測定は、植物種を同定し、それらの生化学的特徴を捉えるのに有用である。このデータペーパーでは、44組の典型的な下層植生、および5本の下層植生トランセクト(30m長)について測定した分光反射率を提供する。分光反射率は、可視,近赤外および短波赤外線のスペクトル領域をカバーしている。横断トランセクトの長さは、Landsat型衛星画像の分解能に基づいて決定された。また、分光反射率測定地点を撮影した写真も提供する。本データセットには、低木類(${it Vaccinium uliginosum}$, ${it Vaccinium vitisidea}$, ${it Salix alaxensis}$,若い${it Betula neoalaskana}$,若い${it Pupulus tremuloides}$、および若い${it Picea mariana}$)、草本類(${it Eriophorum vaginatum}$および${it Ledum decumbens}$)、コケ類(${it Sphagnum}$ sp., ${it Hylocomium splendens}$, ${it Polytrichum commune}$)、および地衣類(${it Cladonia rangiferina}$)の分光反射が含まれている。また、雪やリター, 土などの分光反射率もデータセットには含まれている。この分光反射率および写真のデータセットは、(1)下層植生の分光反射特性の理解、(2)新規の分光反射率観測の計画・設計、および(3)大規模な下層植生モニタリングのためのリモートセンシング方法の開発・検証に利用することができる。

論文

Links between annual surface temperature variation and land cover heterogeneity for a boreal forest as characterized by continuous, fibre-optic DTS monitoring

斉藤 和之*; 岩花 剛*; 伊川 浩紀*; 永野 博彦; Busey, R. C.*

Geoscientific Instrumentation, Methods and Data Systems, 7(3), p.223 - 234, 2018/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.89(Geosciences, Multidisciplinary)

アラスカ内陸部の北方林における気温および地温の空間分布および時間変動を観測するため、光ファイバ温度分布計測(DTS)システムを導入した。この森林における地表面温度の範囲は、冬季の-40$$^{circ}$$Cから夏季の30$$^{circ}$$Cまでであった。DTSシステムの全ケーブル長は2.7kmで、そのうちの2.0kmで地表面温度の水平分布を30分ごとに0.5m間隔でモニターした。また、残りのケーブルを垂直コイル形状(1.2m高さ)に配置し、5mm分解能の鉛直温度プロファイルを数か所で測定した。測定は、2012年10月から2014年10月までの2年間、連続的に行われた。森林の主な植生は、永久凍土上に生育するクロトウヒであり、監視区域内の土地被覆タイプは、サーモカルスト状の沼,オープンモス,低木,落葉樹林,疎な針葉樹林、および密な針葉樹林の6つのカテゴリーに分類された。地表面温度の水平分布データは、日周変動と季節変動の両方について、特徴的な時空間パターンを示した。スノーパックの発達とその断熱効果は、土地被覆タイプと共に変化した。鉛直温度プロファイルモニタリングによって、気温,積雪温、および地温の高分解能データが収集された。また、本調査では、高緯度地域生態系へのDTSシステム導入・維持に際して発生しうるいくつかの技術的課題も明らかにされた。

論文

In situ observations reveal how spectral reflectance responds to growing season phenology of an open evergreen forest in Alaska

小林 秀樹*; 永井 信*; Kim, Y.*; Yan, W.*; 池田 教子*; 伊川 浩樹*; 永野 博彦; 鈴木 力英*

Remote Sensing, 10(7), p.1071_1 - 1071_19, 2018/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:60.53(Environmental Sciences)

春に葉が緑に色づき、秋には紅葉するといった、植物のフェノロジーは、生物学的応答と陸域炭素循環の特徴付けにおいて必須の状態情報である。そして、人工衛星によって広域的かつ長期的に観測されている地上の分光反射率が、フェノロジーの指標として広く利用されている。しかしながら、「実際のフェノロジーに対して、分光反射率がどのように変化するのか?」に対する正確な解釈を得るために必須である地上観測が、北方の針葉樹林では不足している。本研究では、アラスカ内陸部のクロトウヒ林においては初めてとなる、林冠スケールと下層植生、それぞれの分光反射率、そして植生指数(NDVI)の地上連続観測を行った。本観測により、(1)林冠スケールのNDVIは太陽の天頂角によって変化するが、下層植物のNDVIは天頂角に鈍感であること、(2)観測時間を統一するか太陽の天頂角を統一するかで、年間で最大のNDVIが観測される時期が異なること、(3)光合成の活発な期間から完全に外れているにも関わらず、NDVIが秋の1ヶ月間に高い値のままプラトーになること、が見いだされた。この結果は秋に起こるNDVIのプラトー現象によって、北方林における生育期の終わりを検出できる可能性が高いことを示唆している。このように我々が行っている分光反射率の地上連続観測は、北方高緯度地域において人工衛星ベースのフェノロジーアルゴリズムを開発・検証するためのベースライン情報を提供することができる。

口頭

Seasonal changes in spectral reflectance in an open canopy black spruce forest in Interior Alaska

小林 秀樹*; 永井 信*; Kim, Y.*; 永野 博彦; 池田 教子*; 伊川 浩樹*

no journal, , 

アラスカを含む北極および亜北極地域では、温暖化が特に加速している。気候変動に伴う植生フェノロジーの変化によって、植生の炭素吸収がどのように変化するかは特に重要である。内陸アラスカで優占するクロトウヒの分光反射率は、生育期間中は比較的安定しており、衛星で観測される植生フェノロジー指標は、下層植生フェノロジーに大きく影響されると予想される。しかし、上層植生の状態や下層植生のフェノロジー、雪、観測条件などの要因によって、アラスカの森林の分光反射率がどのように影響されるかは、ほとんど検討されていない。本研究では、分光反射率の季節変化と地表の状態の関係を理解するために、2015年から2017年のアラス内陸部のクロトウヒ林(Poker Flat Research Range、Alaska、USA)で観測された上層植生と下層植生それぞれの分光反射率の季節変化を調べた。また、渦相関法で測定された炭素・水フラックスと各植生の季節変化との関係を調べた。

口頭

国内の森林土壌における団粒サイズと有機物特性の関係

永野 博彦; 小嵐 淳; 安藤 麻里子

no journal, , 

土壌には様々な大きさの団粒が混在しており、団粒を構成する有機物の存在量や性質と団粒の大きさとの関係を明らかにすることは、土壌への炭素蓄積プロセスを理解するうえで重要である。本研究では、国内の森林から採取したリン酸吸収係数の異なる複数の土壌について団粒分画を行い、団粒サイズと団粒の炭素(C)・窒素(N)濃度およびC/N比との関係を調査することで、リン酸吸収係数をはじめとする土壌理化学性から団粒サイズと有機物特性との関係を推定できるかを検討した。一般的な黒ボク土と同程度のリン酸吸収係数(14g P$$_{2}$$O$$_{5}$$/kg /kg)を有する森林土壌(宮崎県)では、団粒サイズによらずC・N濃度は一様であった。広島県の森林で採取した土壌(リン酸吸収係数4g P$$_{2}$$O$$_{5}$$/kg)では、全団粒に占めるミクロ団粒(直径250$$mu$$m未満)の重量割合は約15%であったが、C・N濃度はマクロ団粒(直径250$$mu$$m以上)に比べ約2倍高く、ミクロ団粒のC含有量は全土壌C量の30%に達した。C/N比は、土壌の種類や団粒のサイズによらず15前後を示した。より多地点での調査が必要であるものの、有機物濃度の団粒サイズに対する依存性をリン酸吸収係数から推定できる可能性が示唆された。

口頭

内陸アラスカにおける森林火災からの植生回復と炭素収支の長期観測

植山 雅仁*; 岩田 拓記*; 永野 博彦; 田原 成美*; 原薗 芳信*

no journal, , 

北方林では温暖化による森林火災の増加・大規模化が懸念されており、高緯度地域における炭素収支を評価するうえで重要なプロセスになっている。本研究では、森林火災で消失した内陸アラスカの2箇所の焼け跡において渦相関法によるCO$$_{2}$$フラックスの長期観測を行い、クロノシーケンスにより炭素収支の変動を評価した。2つの火災跡地でのフラックスとLAIは、森林火災からの年数に対して連続した変化を示した。林齢の増加によりLAIは増加し、それに伴って、年積算GPP, REも増加した。林齢10年のGPPは、内陸アラスカの成熟林におけるGPPと同程度にまで回復した。しかしながら、火災から13年たっても年間でCO$$_{2}$$吸収になることは1年を除いては無かった。以上のことからGPP, REは火災後10年程度で成熟林と同等までに回復するが、CO$$_{2}$$収支の観点では火災跡地は依然としてCO$$_{2}$$放出源として機能していることが明らかとなった。GPPの月別値はLAIと強い正の相関を示したことから、火災後のGPPの変動は葉面積の増加によってほぼ説明できることが分かった。北方林火災からの最初の10年間の炭素収支の変動は、LAIの増加によるGPPの上昇により年間CO$$_{2}$$放出量が徐々に低下することで説明できた。森林火災から13年が経過しても、焼け跡は依然として年間でCO$$_{2}$$放出源として作用しており、13年間に放出したCO$$_{2}$$を吸収するには長い年月を要するものと思われる。

口頭

凍土上クロトウヒ植生におけるメタンの吸収に関する考察

原薗 芳信*; 二口 雄介*; 義川 滉太*; 岩田 拓記*; 植山 雅仁*; 永野 博彦; 坂部 綾香*; 小杉 緑子*

no journal, , 

凍土上のクロトウヒ林における暖候季のメタンフラックスを渦相関法や傾度法で測定したところ、日々の気象条件によって、微量な放出と吸収の双方が観測された。既往研究では、調査地の土壌は大きなメタン放出ポテンシャルを有する、とされる。連続通気型チャンバーによるメタンフラックス測定を行ったところ、フラックスは降雨前後で吸収から放出に変化し、乾燥に伴い再び吸収に変わった。観測結果を基にメタンの吸収と放出に関わるプロセスについて検討したところ、地表面におけるメタンの酸化消失が重要なプロセスである可能性が示唆された。

口頭

乾燥-湿潤サイクルが火山灰土壌の二酸化炭素放出に及ぼす影響

永野 博彦; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

no journal, , 

土壌の乾燥と湿潤が繰り返される環境では、土壌炭素を隔離する団粒が破壊され、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO$$_{2}$$)の放出が大きく増大する可能性がある。本研究では、仮説「日本の森林に広く分布する火山灰土壌からのCO$$_{2}$$放出が乾燥-湿潤(D-W)サイクルによって増大される」を検証した。本仮説を検証するため、国内の森林で採取した火山灰土壌を、D-Wサイクルおよび土壌水分一定の各条件で培養し、CO$$_{2}$$放出速度を水分条件の違いで比較した。D-Wサイクルを繰り返しながら培養した土壌のCO$$_{2}$$放出速度は、乾燥に伴って減少し、湿潤により大きく上昇した。その結果、D-Wサイクル条件で培養した土壌のCO$$_{2}$$放出量は、水分一定条件で培養した土壌のCO$$_{2}$$放出量の1.2-1.5倍になった。培養後の土壌の団粒サイズを測定したところ、D-Wサイクルによる団粒の破壊が顕著な土壌もあれば、団粒がほとんど破壊されていない土壌もあった。本研究により、(1)火山灰土壌でも乾燥と湿潤の繰り返しによってCO$$_{2}$$放出が顕著に増大すること、そして(2)団粒破壊以外のプロセスもCO$$_{2}$$放出の増大に関与している可能性が示唆された。

口頭

落葉広葉樹林における窒素沈着量と土壌微生物特性の関係

永野 博彦; 安藤 麻里子; 福島 慶太郎*; 中山 理智*; 堅田 元喜*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 近藤 俊明*; 舘野 隆之輔*; 小嵐 淳

no journal, , 

窒素沈着量と土壌微生物特性の関係を明らかにするため、周囲を牧草地に囲まれ窒素沈着量が空間的に変動する落葉広葉樹林(北海道標茶町)において調査を行った。調査対象である森林の林縁部と林内部で、調査プロットを3か所ずつ選定し、2018年8月にリター層と表層土壌(0-5cm)を採取した。各試料の微生物バイオマス炭素・窒素を測定するとともに、試料から抽出したDNAについて、全細菌と全真菌のそれぞれに特異的な遺伝子領域の存在量をリアルタイムPCR法によって測定し、細菌量と真菌量の指標とした。5月から6月までの2か月間での窒素沈着量は、200から300mg m$$^{-2}$$程度で、林内部よりも林縁部で多い傾向を示した。調査した微生物特性のうち、表層土壌の細菌量は、窒素沈着量に対して正の相関を示し、変動の80%以上が窒素沈着量によって説明された。表層土壌の真菌量も窒素沈着量に対して正の相関を示したが、窒素沈着量によって説明された変動は全変動の30%程度であった。以上より、窒素沈着の増大は少なくとも表層土壌の細菌量を増加させる可能性があることが示唆された。今後、より詳細な解析を行うことで、窒素沈着量と細菌量の比例関係が成立したメカニズムを解明する。

口頭

温暖化は土壌に貯留する有機炭素にどのような変化をもたらすか?

小嵐 淳; 安藤 麻里子; 高木 健太郎*; 近藤 俊明*; 寺本 宗正*; 永野 博彦; 國分 陽子; 高木 正博*; 石田 祐宣*; 平舘 俊太郎*; et al.

no journal, , 

温暖化は、微生物による土壌有機炭素の分解を促進させ、土壌からの炭素放出量が増大することで、温暖化をさらに加速させる可能性が危惧されている。しかし、温暖化によって土壌炭素放出がどれだけ増加し、その増加がどのくらい持続するのかについては、土壌有機炭素の貯留・分解メカニズムに関する科学的知見が不足しており、不明のままである。本研究では、国立環境研究所が長期にわたって温暖化操作実験を展開し、土壌炭素放出の温暖化影響を評価している国内5つの森林サイトにおいて調査を実施した。各サイトの温暖化処理区と非処理区において、土壌有機炭素の貯留実態を、量, 質(土壌鉱物との結合形態、有機炭素の化学構造、滞留時間など), 分解の温度応答の3つの観点で分析評価し、比較した。本講演では、これらの結果に基づいて、長期にわたる温暖化が土壌に貯留する有機炭素にどのような変化をもたらし、また、温暖化によって土壌炭素放出の増大がいかに持続しうるかについて議論する。

口頭

炭素・窒素同位体比で探る森林土壌有機物の蓄積状況

安藤 麻里子; 小嵐 淳; 高木 健太郎*; 近藤 俊明*; 寺本 宗正*; 永野 博彦; 國分 陽子; 高木 正博*; 石田 祐宣*; Liang, N.*

no journal, , 

森林の土壌有機物に含まれる炭素及び窒素の安定同位体比は深度とともに上昇することが数多く報告されている。安定同位体比の分布には様々な要因が関与するものの、その変動は有機物の生成・分解における同位体効果によって起きることから、異なる森林における安定同位体比の鉛直分布の違いは土壌有機物の蓄積・分解状況の違いを反映していると考えられる。本研究では、北海道から九州の気候や植生の異なる5つの森林を対象として、深度別に土壌を採取して比重分画を行い、炭素・窒素濃度及び安定同位体比を測定するとともに、放射性炭素を測定することで、各森林における土壌有機物の同位体比分布を調査した。土壌有機物の炭素及び窒素安定同位体比は、北海道の泥炭土壌サイト以外では全て深度とともに上昇したが、その変化量は平均気温及び放射性炭素で評価した有機炭素の滞留時間と関連を示した。泥炭土壌サイトでは、土壌層内で安定同位体比の明確な変化はなく、分解の進んでいない有機物が表層に長期間堆積していることが示された。炭素及び窒素の量と同位体測定を組み合わせることで、土壌有機物の蓄積状況の地域特性を示すことができた。

口頭

空間的に不均一な窒素沈着は落葉広葉樹林の窒素・炭素動態に影響するか?

堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 小嵐 淳; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 永野 博彦; 中山 理智*; 舘野 隆之輔*

no journal, , 

大気中の反応性窒素の生態系への過剰負荷による窒素飽和は、植物-土壌間での窒素動態だけでなく、森林の炭素蓄積機能にも影響を及ぼす。発表者らは、過去のデータからこのような影響は反応性窒素の乾性沈着の空間的不均一性に依存するという仮説を立て、大気・土壌・植物・陸水等の複数分野の専門家で構成される新しいプロジェクトを立ち上げた。研究対象地域として、源流域から窒素飽和が進行している可能性がある北海道標茶町の北海道研究林(落葉広葉樹林)の林内部と農畜産由来の大気アンモニアの沈着の影響を受けやすい林縁部に複数の調査区を設けた。2018年生育期の観測結果により、以下のことが明らかになった:林縁部では林内部に比べて、(1)大気アンモニアの地上濃度とその窒素沈着量は高く、(2)O層における有機物の炭素貯留量とC/N比は低かったが$$delta$$$$^{15}$$Nは高く、(3)表層土壌(0-5cm層)の細菌量が多く、(4)土壌中の硝酸態窒素の現存量と硝化活性がO層および表層土壌で高く、(5)立木の胸高断面積合計の増加量が高かった。発表では、これらの結果を紹介しながら本プロジェクトの仮説の妥当性を議論する。

口頭

乾燥-湿潤サイクルがCO$$_{2}$$放出速度の温度依存性に及ぼす影響; 火山灰土壌に着目して

永野 博彦; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

no journal, , 

日本の森林に広く分布する火山灰土壌の二酸化炭素(CO$$_{2}$$)放出速度は、温度上昇に対し指数関数的に増大する可能性が指摘されている。また、土壌の乾燥と湿潤が繰り返される条件(乾燥-湿潤サイクル条件)でのCO$$_{2}$$放出は、水分が変化せず一定の条件(水分一定条件)での放出に比べて大きく、火山灰土壌ではその差が50%程度にも及ぶことが分かってきた。本研究では、理化学性の異なる2種類の火山灰土壌(炭素量・リン酸吸収係数ともに、土壌A$$<$$土壌B)を乾燥-湿潤サイクルおよび水分一定の各条件で培養し、乾燥-湿潤サイクルがCO$$_{2}$$放出速度の温度依存性におよぼす影響を調査した。培養温度を20$$^{circ}$$Cと30$$^{circ}$$Cに設定し、各温度でのCO$$_{2}$$放出速度の比Q10(Q10=30$$^{circ}$$Cでの放出速度$$div$$20$$^{circ}$$Cでの放出速度)をCO$$_{2}$$放出速度の温度依存性の指標として比較した。土壌AのQ10は、水分条件の違いによらず、1.4から1.5程度であった。一方、より典型的な火山灰土壌である土壌BのQ10は、水分一定条件(Q10$$doteq$$1.5)よりも乾燥-湿潤サイクル条件(Q10$$doteq$$1.3)で明らかに低かった。以上より、乾燥-湿潤サイクルがCO$$_{2}$$放出速度の温度依存性に及ぼす影響は土壌理化学性によって異なり、典型的な火山灰土壌では温度上昇に伴うCO$$_{2}$$放出の指数関数的増大が緩和される可能性が示唆された。

口頭

Laboratory examination of combined effects of temperature rising and increased water fluctuation on CO$$_{2}$$ release from volcanic ash soils

永野 博彦; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

no journal, , 

地球温暖化は土壌水分の季節変動を増大させる可能性がある。また、温度と水分は、陸域生態系の主要な炭素フラックスである土壌のCO$$_{2}$$放出に大きく影響する。しかし、気温が上昇し水分変動が増大した環境における土壌のCO$$_{2}$$放出挙動に関する我々の理解は、陸域炭素循環の将来的な温暖化に対するフィードバックを予測するには不十分である。本研究では、温度上昇と水分変動増大が火山灰土壌のCO$$_{2}$$放出に及ぼす複合的影響を明らかにするための培養実験を行っている。火山灰土壌は日本の主要な土壌であり、土壌有機物として炭素を安定化させる能力が高いと期待されている。土壌を20$$^{circ}$$Cで培養したとき、水分変動条件下でのCO$$_{2}$$放出は、水分一定条件での放出よりも最大50%大きかった。しかし、30$$^{circ}$$Cでの培養では、水分変動条件におけるCO$$_{2}$$放出の増大分が10%以下にまで減少した。30$$^{circ}$$Cにおける放出の20$$^{circ}$$Cにおける放出に対する比、Q10を比較すると、水分変動条件でのQ10(1.3-1.5)は、水分一定条件におけるQ10(1.5前後)と同等かそれよりも低かった。これらの予備的結果は、温度が上昇し水分変動が増大した環境での土壌CO$$_{2}$$放出を汎用的なCO$$_{2}$$放出モデル(いわゆるQ10モデル)を用いて予測するためには、モデルに設定されたQ10値や基礎放出量の修正が必要である可能性を示唆している。実験は現在も進行中であり、会議では追取得されるデータに基づき更なる考察を行う予定である。

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