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熊田 高之; 元川 竜平; 大場 洋次郎; 中川 洋; 関根 由莉奈; Micheau, C.; 上田 祐生; 杉田 剛; 美留町 厚; 佐々木 未来; et al.
Journal of Applied Crystallography, 56(6), p.1776 - 1783, 2023/12
被引用回数:1 パーセンタイル:65.66(Chemistry, Multidisciplinary)既存のメイン検出器および高位置分解能フォトマル検出器に加えて新規に導入した前面検出器を組み合わせることにより、波数0.002nmから6nmにわたる散乱を3つの光学機器配置により切れ目なく測定できるようになった。またグラフィカルユーザーインターフェースの導入と併せて装置のユーザビリティが大幅に向上した。
平田 芳信*; 中川 洋; 山内 宏樹; 金子 耕士; 萩原 雅人; 山口 秀幸*; 大元 智絵*; 勝野 那嘉子*; 今泉 鉄平*; 西津 貴久*
Food Hydrocolloids, 141, p.108728_1 - 108728_7, 2023/08
結晶化度は食品や材料の機械的性質に反映される。結晶化度は澱粉の構造ダイナミクスと関係しているはずである。本研究では、中性子準弾性散乱(QENS)を用いて、炊飯澱粉の老化に伴う分子ダイナミクスの変化を調べた。測定されたQENSの幅は老化に伴い狭くなった。また、弾性非干渉散乱構造因子(EISF)は増加し、老化現象に伴い分子ダイナミクスが空間的に抑制されることが示された。低移動度と高移動度をそれぞれ結晶相と非晶質相に対応させた2値分布の連続拡散モデルを用いてEISFを解析したところ、低移動度成分の割合が老化によって増加することが示された。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
片山 一成*; 牛田 宏樹*; 松浦 秀明*; 深田 智*; 後藤 実; 中川 繁昭
Fusion Science and Technology, 68(3), p.662 - 668, 2015/10
被引用回数:16 パーセンタイル:79.46(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉にリチウムを装荷してトリチウムを製造する方法は、核融合炉へのトリチウム燃料の外部供給源の候補の1つとして注目されている。トリチウムを安全かつ効率的に製造する観点から、トリチウムの閉じ込めは重要な課題である。アルミナは気体の耐透過性に優れる物質として知られている。本研究では、市販のアルミナチューブを用いて水素透過試験を行い、水素の透過率、拡散係数及び溶解度を評価した。得られたデータを用いて、アルミナ被覆を施したリチウム化合物粒子からの水素の透過挙動シミュレーション計算を行った。また、ジルコニウム中の水素の挙動に係わる文献値を用いて、アルミナ被覆層へのジルコニウム添加の効果を検討した。500C以上の高温では、トリチウムのほぼ全量がアルミナ被覆層を透過した。しかしながら、500Cでは、微小なジルコニウム粒子をアルミナ被覆層に添加することで、トリチウムの漏れは0.67%以下に抑えることが期待できる。
中川 清子*; 田口 光正; 木村 敦; 長澤 尚胤; 廣木 章博
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 334, p.64 - 68, 2014/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19.23(Instruments & Instrumentation)重粒子線治療に利用可能な3次元ポリマーゲル線量計の開発の一環として、マレイミド-スチレン溶液で膨潤した、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)ゲルへの重イオン照射によるLET効果について調べた。TIARA施設において、透明なHPCゲル試料に20MeV Hイオン(LET=2.2eV/nm)、107MeV Heイオン(7.1eV/nm)、50MeV Heイオン(13eV/nm)、320MeV Cイオン(75eV/nm)を照射したところ、白濁化が観測された。この白濁化の感度(単位線量当りの吸光度の増加率)はLET値の増加に伴い減少した。白濁成分についてGPC(ゲル浸透クロマトグラフ)分析したところ、数平均分子量40,000から45,000の高分子の生成が確認され、分子量は照射イオンのLET値にはほとんど影響を受けなかった。以上の結果から、白濁化のLET依存性は、LETの増加に伴い照射初期に生成した活性種の密度が高くなり、ラジカル再結合により消滅したことが原因と考えられる。また、再結合反応を逃れた活性種は一定回数重合し、白濁成分を生成すると考えられる。
城 隆久; 後藤 健博; 矢吹 健太郎; 池上 和律; 宮川 高行; 毛利 哲也; 久保 篤彦; 北野 彰洋; 中川 浩樹; 川村 義明; et al.
JAEA-Technology 2010-052, 84 Pages, 2011/03
高速増殖原型炉もんじゅは、平成7年12月に発生した2次主冷却系ナトリウム漏えい事故後、運転を停止していたが、平成22年5月6日に14年5か月ぶりに性能試験を再開した。性能試験は、3段階に分けて実施していく計画であり、その最初の段階の炉心確認試験を78日間に渡って実施し、同年7月22日に終了した。炉心確認試験は、制御棒価値,プラント内外の空間線量当量率,冷却材やカバーガスの純度確認及び1次主冷却系循環ポンプのコーストダウン特性を測定する試験等、合計20項目の試験で構成される。平成22年5月8日に臨界を達成、長期停止・燃料交換後炉心でも十分な精度で臨界予測が可能であることを実証した後、国の使用前検査により安全上の技術基準を満足していることを確認した。その後、研究開発を目的とした試験を行い、おもに零出力炉物理特性(特に、Am-241を多く含む炉心の特性)の把握に資するデータを収集した。また、日本原子力学会を通じて大学等から提案のあった未臨界度の測定法を検討するための試験も実施するとともに、中性子計装の健全性確認のための測定や核出力校正の確認、1次主冷却系循環ポンプコーストダウン特性確認等を実施した。
吉川 博; 榊 泰直; 佐甲 博之; 高橋 博樹; Shen, G.; 加藤 裕子; 伊藤 雄一; 池田 浩*; 石山 達也*; 土屋 仁*; et al.
Proceedings of International Conference on Accelerator and Large Experimental Physics Control Systems (ICALEPCS '07) (CD-ROM), p.62 - 64, 2007/10
J-PARCは多目的科学研究のために日本で建設されている大規模陽子加速器施設である。この施設は3つの加速器と3つの実験施設から成り、現在建設中である。リニアックは稼動開始して1年が経過し、3GeVシンクロトロンはこの10月1日に試験運転が開始されたところで、施設全体の完成は来年の夏の予定である。加速器の制御システムは、初期の試運転に必要な性能を実現させた。この制御システムに求められる最も重要な機能は加速器構成機器の放射化を最小限に食い止めることである。この論文では、調整運転の初期の段階において、制御システムの各部分が達成した性能を示す。
上地 宏樹*; 羽倉 吉彦*; 中川 貴晴*; 松田 聡*; 岸 肇*; 出崎 亮; 大島 武
no journal, ,
陽子加速器に設置される超伝導磁石システムの絶縁材料として、シアネート/エポキシ樹脂が期待されている。しかしながら、この樹脂の耐放射線性を詳細に評価した研究はほとんどない。そこで本研究では、エポキシの分子構造を変化させたシアネート/エポキシ樹脂について線照射後の発生ガス分析,動的粘弾性試験等を行い、分子構造が耐放射線性に及ぼす影響を調べた。その結果、すべての樹脂について線照射後、ガラス転移温度の低下が見られたが、その順序はビスF型ビスE型ビスA型(エポキシ)となることが明らかになった。このことから、分子構造と耐放射線性の間には相関があることが示唆された。
柴田 薫*; 高橋 伸明; 川北 至信; 蒲沢 和也*; 山田 武*; 上野 広樹; 島倉 宏典; 中島 健次; 神原 理; 稲村 泰弘; et al.
no journal, ,
現在、J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)BL02に建設が進められている、ダイナミクス解析装置DNA分光器は、本邦初めてのSi完全結晶ウエハを結晶アナライザーに用いる背面反射逆転配置飛行時間型分光器である。装置の建設作業完成は、平成23年11月末を目標として、その後コミッショニングを行い、平成24年3月末以降供用運転を開始できるように工程を調整している。現在ビームライン遮蔽体,本体遮蔽体設置がほぼ終了した状態である。今後、ガイド管, チョッパー, 本体真空槽, 分光器内分光機器, 中性子検出器等の設置・調整を行い、その後コミッショニング測定を行い装置パラメータの調整を行う予定である。また、平行して分光器の性能をおもに決定するSi単結晶ウエハを貼り付けた超精密球面アナライザーユニットの製作工程を進めている。
柴田 薫*; 高橋 伸明; 川北 至信; 蒲沢 和也*; 山田 武*; 上野 広樹; 島倉 宏典; 中島 健次; 神原 理; 稲村 泰弘; et al.
no journal, ,
J-PARCセンター、物質・生命科学実験施設に建設・設置中の1ueVの高エネルギー分解能を目指すSi結晶アナライザー背面反射型高エネルギー分解能分光器DNAの建設状況及びビームコミッショニング計画を発表する。平成24年1月、ビーム受け入れを目指して建設中でオンビームコミッショニング計画を策定中である。本形式の分光器は、現在まで本邦では研究用原子炉、パルス中性子源いずれにも設置されたことがない。一方、海外の原子炉に設置されている本形式分光器を利用した邦人研究者の仕事は確実に増加している。DNA分光器の供用実験開始により国内でも背面反射型分光器を用いた研究が盛んになることが期待される。
中川 繁昭; 國富 一彦; 橘 幸男; 寺田 敦彦; 皆月 功*; 小山 直*; 塚本 裕貴*
no journal, ,
原子力機構と三菱重工業とが連携し、概念の検討を進めている実用高温ガス炉(MHR-50/100is)の設計研究については、日本で初めての高温ガス炉であり、原子力機構の大洗研究開発センターに設置された高温工学試験研究炉(HTTR)の設計,建設,試験・運転で得られた知見を活かして炉心特性に関する評価検討を行った。得られた炉心特性に基づき、技術的成立性を判断するための代表的な事故事象について安全性に関する評価検討を行った。その結果、設計検討を行ったMHR-50/100isの2つのシステムのうち、代表的なシステムであるMHR-50isについて、炉心は3年間の燃焼が可能であり、燃焼度は平均52GWd/t(最高93GWd/t)に達するとの結果を得た。また、代表的な事故事象として、1次冷却設備二重管内管破損事故(加圧事故)、スタンドパイプ破損事故(反応度投入事故)等に対して原子炉の安全性が確保されることを確認した。
中川 洋; 井上 倫太郎*; 小田 隆*; 矢木 真穂*; 齋尾 智英*; 苙口 友隆*; 長田 裕也*; 杉山 正明*; 佐藤 衛*; 川北 至信; et al.
no journal, ,
蛋白質は階層構造と階層的なダイナミクスを持つ。溶液中の蛋白質の構造ダイナミクスを解析する重要性は近年ますます高まっているが、生物機能に関わるナノメートルオーダーの階層構造、およびピコナノ秒の時間スケールでのダイナミクスの実験手法として中性子散乱が期待されている。本研究では、MLFの中性子準弾性散乱装置と中性子小角散乱装置を用いて、これら時空間スケールの構造ダイナミクスを解明することを目的として研究を行った。我が国の蛋白質科学を先導する新世代中性子構造生物学の確立を目指す。
中川 洋; 井上 倫太郎*; 小田 隆*; 矢木-内海 真穂*; 齋尾 智英*; 苙口 友隆*; 長田 裕也*; 杉山 正明*; 佐藤 衛*; 川北 至信; et al.
no journal, ,
蛋白質は階層構造と階層的なダイナミクスを持つ。生物機能に関わるナノメートルオーダーの階層構造、およびピコナノ秒の時間スケールでの構造・ダイナミクスの実験手法として中性子散乱が期待されている。BL02(中性子準弾性散乱装置)とBL15(中性子小角散乱装置)を用いて、これら時空間スケールの構造・ダイナミクスを解明することを目的として研究を開始した(MLF長期課題2019L0300)。本課題では、折り畳み蛋白質や天然変性蛋白質を含む特徴的な機能性マルチドメイン蛋白質を試料として、研究を推進した。幅広い専門分野の研究者が連携し、「中性子散乱の特徴を生かした蛋白質部分重水素化法」、「各種中性子分光器連携による広い時空間シームレス解析法」、「中性子と計算科学との連携による蛋白質ダイナミクスの可視化法」、「希薄蛋白溶液に対する中性子準弾性散乱測定手法」を開発し、我が国の蛋白質科学を先導する新世代中性子構造生物学を先導した。