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池田 一貴*; 佐次田 頌*; 大友 季哉*; 大下 英敏*; 本田 孝志*; 羽合 孝文*; 齋藤 開*; 伊藤 晋一*; 横尾 哲也*; 榊 浩司*; et al.
International Journal of Hydrogen Energy, 51(Part A), p.79 - 87, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)Low-vanadium-concentration alloys have low durability, and their hydrogen absorption and desorption amounts decrease by 20% after 100 cycles. In this study, we conducted reverse Monte Carlo modeling on X-ray diffraction patterns and neutron pair distribution functions of the hydrogen-absorbed and desorbed samples of a VTiCr alloy to analyze the variations in the local structure. The local structure surrounding the hydrogen atom in the hydrogen-absorbed phase exhibited minimal changes. In contrast, hydrogen occupied both tetrahedral and octahedral sites of the hydrogen-desorbed phase almost equally during the early cycles; however, the amount of hydrogen occupying the tetrahedral sites increased with the number of cycles.
中村 孝史*; 山本 幸男*; 荒川 正和*; 丸山 晃生*; 吉越 章隆
産業応用工学会論文誌, 11(2), p.109 - 114, 2023/09
SPring-8のBL23SUに設置された表面化学実験ステーションは、放射光軟X線を使って様々な機能性材料の表面および界面の研究に利用されている。固体表面とガスとの化学反応の理解を進めるためには、ガスの精密流量制御が必須である。本論文では、超高真空(分子流領域)におけるガスと表面の反応の実験精度および再現性を改善するための自動ガス流量コンピュター制御システムを報告する。ガス圧力制御のために、スローリークバルブのフィードバック制御システムを開発した。開発したシステムによって、装置エキスパートの実験者と同等以上の反応実験が可能となった。
秋吉 英治*; 門脇 正尚; 中村 東奈*; 杉田 孝史*; 廣岡 俊彦*; 原田 やよい*; 水野 亮*
Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 123(22), p.12523 - 12542, 2018/11
被引用回数:1 パーセンタイル:2.82(Meteorology & Atmospheric Sciences)2009年11月に南米大陸南端で3週間続くオゾン全量の減少が生じた。オゾン監視装置(Ozone Monitoring Instrument)によって観測されたオゾン全量及びERA-interim再解析データの解析から、極渦崩壊時に極渦が南米大陸側へ移動したことによって、このオゾン全量の減少が生じたことが示された。極渦の移動は、西経120-150度及び南緯50-60度の対流圏から南米大陸西及び南米大陸南端上空の成層圏への波フラックスの増加と関連しており、この波活動によって下部成層圏に大規模なジオポテンシャル高度の負偏差が生じた。また、2009年11月に南米大陸西の500hPaのジオポテンシャル高度からブロッキングが診断された。これらの結果は、2009年11月のブロッキング領域からの波の伝搬を介した南半球対流圏のブロッキングと、2009年11月の南米大陸南端で見られた数週間のオゾン全量の減少との関連を示唆している。さらに、1979-2015年の各年11月の南米大陸南端の南緯50-60度と西経65-75度を対象としたオゾン全量偏差及び力学場の解析から、2009年11月のオゾン全量の負偏差は1979-2015年の37年間で最大規模の負偏差であり、下部成層圏の大規模なジオポテンシャル高度の負偏差と関連付けられた。
南 雅代*; 高橋 浩*; 荒巻 能史*; 國分 陽子; 伊藤 茂*; 中村 俊夫*
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書,26, p.132 - 137, 2015/03
研究機関による前処理法の違い等による水試料中の溶存無機炭素(DIC)のC分析値のばらつきを比較・検討するため、水試料のC比較プログラム(RICE-W: Radiocarbon Intercomparison on Chemical Experiments, Water series)を立ち上げた。まず、予備的に採取したDIC濃度・塩濃度の異なる水試料(表層海水,温泉水,地下水, NaHCO水溶液)を6機関に配布し、各機関それぞれの化学前処理法によってDIC-C分析を実施し、現在、得られた結果をもとに、RICE-Wプログラムの本格的始動に向けての基礎検証を行いつつある。本稿においては、RICE-Wプログラムの実施状況を簡単にまとめ、特に沈殿法(SrClやBaClを添加して炭酸塩を生成させた後、リン酸を添加してCOを発生させる方法)による結果についてまとめた。その結果、塩濃度の高い水試料に沈殿法を用いた場合、沈殿剤(SrCl, BaCl), pH調整剤(NH, NaOH)によっては、沈殿が生成しにくい場合や、沈殿が生成しても炭素回収率が低い場合、そして現代炭素による汚染を受ける可能性があることが明らかとなり、沈殿法の最適な統一基準を設定する必要性が提示された。
中村 勤也*; 尾形 孝成*; 菊地 啓修; 岩井 孝; 中島 邦久; 加藤 徹也*; 荒井 康夫; 魚住 浩一*; 土方 孝敏*; 小山 正史*; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 10(4), p.245 - 256, 2011/12
「常陽」での照射試験を目的として、金属ウラン,ウラン-プルトニウム合金及び金属ジルコニウムを原料に、U-20Pu-10Zr燃料スラグを射出鋳造法により製造した。いずれの燃料スラグも表面は滑らかであり、合金組成,密度,長さ,直径,不純物濃度も製造仕様を満足した。製造した燃料スラグを、熱ボンド材,熱遮へい体及び要素反射体とともに下部端栓付被覆管に充填してTIG溶接を行い、ナトリウムボンド型金属燃料要素6本を組み立てた。これらの燃料要素は、今後B型照射燃料集合体に組み立てられた後、「常陽」に装荷されて国内で初めてとなる金属燃料の照射試験が実施される予定である。
中村 勤也*; 尾形 孝成*; 菊地 啓修; 岩井 孝; 中島 邦久; 加藤 徹也*; 荒井 康夫; 小山 正史*; 板垣 亘; 曽我 知則; et al.
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/12
電力中央研究所と原子力機構の共同研究の下で、国内では初めてとなる照射試験用のNaボンド型U-Pu-Zr金属燃料要素を製造した。高速実験炉「常陽」での照射試験は、被覆管最高温度が873K以上の条件における燃料挙動とステンレス鋼被覆管の内面腐食の評価を目的としている。燃料要素1本あたり200mmのU-20wt%-10wt%Zr金属燃料スラグは、U金属,U-Pu合金及びZr金属を原料に用いて、射出鋳造法により製造した。この金属燃料スラグを、ボンドNa及び熱遮へい体や要素反射体などの部材とともに被覆管に挿入したうえで、上下端栓を溶接することにより燃料要素を組立てた。引続きNaボンディングにより、ボンド材のNaを、金属燃料スラグと被覆管の空隙に充填した。製造した6本の金属燃料要素は、検査により製造仕様を満足していることを確認した後、「常陽」の照射装置組立検査施設に運搬された。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:184 パーセンタイル:99.45(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:9 パーセンタイル:49.6(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
若井 栄一; 菊地 孝行; 小河原 貴史; 木村 晴行; 横峯 健彦*; 木村 晃彦*; 野上 修平*; 栗下 裕明*; 齋藤 正博*; 西村 新*; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 6 Pages, 2011/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証と工学設計活動(EVEDA)の日本の試験施設系活動は照射後試験(PIE)施設の工学設計,微小試験片試験技術と高中性子束領域試験モジュール(HFTM)の工学設計の3テーマがあり、本研究ではこの最近の進捗状況をまとめたものである。PIE施設の工学設計においては各種作業プロセスの機能性解析を行い、照射後試験施設のレイアウト図を作成した後、2次元と3次元の設計モデルを作成した。HFTMの工学設計では、本ヒーター材料としてW-3Re合金とSiC/SiC複合材料の2種類を選択したが、これは高温材料であること、また、製作技術を考慮するとともに、熱衝撃耐性,高温での再結晶化,延性,照射劣化耐性や低放射化材料のような適正な特性を持つ材料であるからである。一方、微小試験片試験技術においては、10mm角程度の微小な破壊靭性試験片を試験できるように装置を設計し、高精度に変位と荷重を制御できる装置を開発した。
中村 彰夫; 中田 正美; 中本 忠宏*; 北澤 孝史*; 竹田 満洲雄*
Journal of Alloys and Compounds, 444-445, p.621 - 633, 2007/10
被引用回数:3 パーセンタイル:28.04(Chemistry, Physical)幾つかの1価,2価ネプツニル錯体の分子磁性について磁化測定及びNpメスバウアー測定結果をもとに議論した。まず前者について、不対5f電子を2個を有する5価ネプツニウム(Np)の同系は、磁気的には、直線状の強いネプツニル(酸素(O)-Np()-酸素(O))結合軸方向に磁気モーメントの揃ったアイジング磁性体として振舞うことを明らかにした。また、ネプツニル同士がいわゆる陽イオン-陽イオン結合(CCB)する系では、低温で強磁性やメタ磁性などの磁気秩序が出現することも見いだした。これらの結果を踏まえ、現在研究中の不対5f電子を1個を有し6価ネプツニウム(Np)を持つ2価ネプツニル錯体系について議論した。ここでは2価というより高い価電状態のためネプツニル(2+)同士のCCBは一般に形成されないが、Npに配位している「ニル」以外の酸素を窒素で置換した系を作成し、違った形のネプツニル分子間相互作用を作り出すことを試みた。現在の所この試みはまだ十分成功したとは言えないが、これらの窒素配位系では、従来の酸素配位系とは異なった幾つかの磁気的挙動を見いだしており、今後の展開が期待される。
中村 彰夫; 中田 正美; 中本 忠宏*; 北澤 孝史*; 竹田 満洲雄*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part2), p.1447 - 1449, 2007/03
窒素置換した表記2価のネプツニル(+2)錯体を磁化測定法により調べた。先に報告した本系のNpメスバウアースペクトルはほかの1価,2価の酸素配位錯体と似通った常磁性緩和スペクトルを示したが、その磁気的性質は前者とは大きく異なることを明らかにした。例えば、本系の磁化率-温度曲線は、磁場に強く依存する非常磁性的振舞いを示すのみならず、低温においては、異常に大きな磁気緩和現象を示すことが明らかとなった。また、その磁化の値が、SQUIDによる磁化測定そのものに大きく影響されて変化することも見いだした。このような本系の異常な磁気的挙動は、アイジングータイプの個々のネプツニル単分子磁石の集合体としての本系中に、準安定的で時間及び空間的に大きく揺らいでいる磁気的(軌道及びスピンの両者を含めた)状態が存在していることを示唆する。
中村 彰夫; 中田 正美; 中本 忠宏*; 北澤 孝史*; 竹田 満洲雄*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.146 - 148, 2006/08
表記のピリジン基窒素(N)を配位した2価ネプツニル錯体の分子磁性について、磁化測定を行い、以前のNpメスバウアー分光測定結果と合わせ考察,議論した。本系は、従来筆者らが研究してきたNp(V)(5f)を含む1価ネプツニル錯体と違って、Np(VI)(5f)を含む2価のネプツニル錯体であり、この中心ネプツニウムイオンの電子状態の違いと非ニル酸素窒素の配位子置換効果が、両系の1軸性ネプツニル結合(O=Np(V,VI)=Oを基本とした分子磁性に、どのような変化,新しい振る舞いをもたらすかが、その興味の焦点である。Npメスバウアー分光測定結果は、今回のNp(VI)系が、Np(V)系に比べて、約2倍ほど大きな電気的四重極子分裂を有する一方、約2分の1ほどの小さな内部磁場分裂しか示さないことを明らかにした。また、その磁化測定結果は、Np(V)系とは違って、かなり大きな温度に依存しない常磁性項を含むこと,巨視的に大きく揺らいでいる準安定な磁気状態の存在などを示唆する。その詳細の解明には今後のさらなる研究が必要である。
鍛治 直也; 中原 将海; 中村 和仁; 柴田 淳広; 冨田 豊; 鷲谷 忠博; 北嶋 卓史; 小泉 務
no journal, ,
今回実施した照射済燃料を用いた晶析試験並びにこれまで実施したU試験及びU/Pu試験における溶解度データとHartの溶解度データを比較し、晶析率予測における同データの適用性について考察する。
鍛治 直也; 中村 和仁; 野村 和則; 柴田 淳広; 矢野 公彦; 鷲谷 忠博; 北嶋 卓史; 小泉 務
no journal, ,
分析による短半減期核種の除染係数(DF)のホットデータ取得を目的として、短冷却の高速実験炉「常陽」照射済燃料を用いた晶析基礎試験を実施した。今回測定できたもののうちCs以外の各核種(Pu, Ru-106, Ce-144, Pr-144等)については、U試験等の結果から期待される100程度のDFが得られたほか、これまでのホット試験では除染できなかったCsについても、CsがPuとの複塩を形成せず除染できる条件がありうることが示唆された。
小河原 貴史; 若井 栄一; 菊地 孝行; 中村 和幸; 杉本 昌義
no journal, ,
IFMIFの工学実証・工学設計活動(EVEDA)において、IFMIF内の照射後試験(PIE)施設の設計活動を行っている。PIE施設では、核融合原型炉用構造材料の設計評価等を行うために微小試験片等の照射後試験を実施するとともに、これに関係する照射リグの検査と解体、及び照射試験片の再装荷作業等が行われる予定である。本PIE施設設計の検討では、コンクリート及び鉄のホットセルのセル構造の設計やこれらのホットセルの配置の検討,簡易遮蔽計算による遮蔽壁厚の評価、及び試料等の搬送設備の評価などを実施した。特に、HやBe及びNaK等の放射化物の取扱いを考慮して不活性ガスを充填させたセルの二重構造、及び微小試験片の照射後試験等の精密測定を行うための別建屋の配置案などを検討した。またIFMIFで最大5年間照射したフェライト鋼の照射リグを1個(3.12kgの試料に相当)、取扱うためのホットセルの遮蔽評価(日本の法令に準拠)ではコンクリート製で140cmの壁厚が必要で、鉄製では40cmの壁厚が必要であることがわかった。さらにIFMIFの高い稼働率や作業の安全性を向上させるために、トランスユニーやエアシューターといった新たな試料等の搬送機構を取入れた施設設計の検討も併せて実施した。
小河原 貴史; 若井 栄一; 菊地 孝行; 中村 和幸; Molla, J.*
no journal, ,
工学実証・工学設計活動を行っている国際核融合材料照射施設(IFMIF)の主要な施設として照射後試験(PIE)施設がある。PIE施設では照射されたリグや多数の微小試験片、また、ターゲット背面壁等のさまざまな放射化物を短時間で取扱う作業があり、施設構造や搬送方法等に合理化した設計が必要となる。本研究では、高中性子束試験モジュールに関する照射前の試験片や計装類の組立作業から放射性廃棄物の処分作業,ターゲットの背面壁の取り扱い等について必要とされる作業環境と作業プロセスを評価した。また、TranserUniやAirShooterといった新規搬送設備を用いた作業プロセスも併せて評価した。さらに、試験片を内包するための容器である照射リグに熱媒体として入れられるNaKの取扱い工程,材料特性の試験や観察などをさまざまな作業工程について、各作業工程を詳細に分け、対象物とその移動経路を明確化した。本報告ではPIE施設で想定される作業とそのプロセスを解析した結果をまとめた。今後、実稼働を含め、PIE施設の詳細なプロセスを検討し、工学設計を進めていく。
板垣 亘; 曽我 知則; 青山 卓史; 尾形 孝成*; 中村 勤也*
no journal, ,
国内初の金属燃料照射試験を高速実験炉「常陽」において実施する計画である。金属燃料の設計においては、燃料スラグの熱伝導率の低下、液相形成による被覆管の内面腐食,希土類核分裂生成物(FP)による被覆管内面腐食等、金属燃料特有の照射挙動を考慮する必要がある。そこで、米国EBR-II他の照射実績に加え、炉外試験によりデータを拡充し、本照射条件における設計評価手法を構築した。本手法を用いて、試験燃料要素を評価した結果、被覆管肉厚中心温度と燃焼度が(1)640C, 3at.%、(2)620C, 8at.%、の条件で健全性が保たれることを確認した。
尾形 孝成*; 中村 勤也*; 板垣 亘; 曽我 知則; 青山 卓史; 大久保 努
no journal, ,
U-Pu-Zr合金を燃料とする金属燃料は、増殖率の向上や炉内Pu装荷量の低減などの高速炉の炉心特性向上、小規模でも経済性を確保できる乾式燃料サイクルの適用などの特長を有し、「FBRサイクル実用化研究開発FaCT」の「副概念」に位置付けられている。金属燃料は米国EBR-IIで豊富な照射実績があるが、実用化を考えるうえでは、(1)U-Pu-Zr合金と被覆管との間の液相形成反応を防止する上限温度、(2)被覆管最高温度600C以上における希土類FPによる被覆管の内面腐食、(3)高燃焼度時の燃料-被覆管の機械的相互作用、などに関する照射データが不足している。そこで、米国の実績を上回る我が国初の照射データを得て、金属燃料の実用性を評価することを目的として、「常陽」照射試験を計画した。
南 雅代*; 高橋 浩*; 荒巻 能史*; 國分 陽子; 伊藤 茂*; 和田 秀樹*; 中村 俊夫*
no journal, ,
水試料中の溶存無機炭素(DIC)の放射性炭素分析のための前処理手法として、沈殿法やバブリング法,ヘッドスペース抽出法がある。これらの前処理手法にはそれぞれ利点欠点がある。そこで、我々は、水中DICの二酸化炭素抽出の過程で炭素同位体分別や汚染があるかどうか確かめるため、水試料の前処理手法の違いによる放射性炭素濃度の相互比較を実施することとした。4種類(表層海水,地下水,温泉水,重炭酸ナトリウム溶液)の8つの水試料を準備し、6つの日本のAMS施設にて相互比較を実施している。本発表では、その結果について報告する。