Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
舟木 泰智; 辻 英樹*; 中西 貴宏; 吉村 和也; 佐久間 一幸; 林 誠二*
Science of the Total Environment, 812, p.152534_1 - 152534_10, 2022/03
被引用回数:13 パーセンタイル:60.65(Environmental Sciences)貯水池の底質は原子力発電所事故由来の放射性物質を蓄積する傾向にあるが、嫌気的な環境下では底質から生物利用可能な形態で再移動し、それによって水生生態系の長期的な汚染が引き起こされる可能性がある。本論文では福島第一原子力発電所事故によって高濃度に汚染された底質が蓄積する2つの貯水池で、底質からのCs溶出の直接的な証拠となる底質間隙水の採取・分析を行った。その結果、底質と間隙水との間でのCsの再分配はCsとアンモニウムイオンとの交換が主たる要因であることを明らかにした。
辻 英樹*; 石井 弓美子*; Shin, M.*; 谷口 圭輔*; 新井 宏受*; 栗原 モモ*; 保高 徹生*; 倉元 隆之*; 中西 貴宏; Lee, S*; et al.
Science of the Total Environment, 697, p.134093_1 - 134093_11, 2019/12
被引用回数:17 パーセンタイル:59.38(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故の影響を受けた河川の溶存態放射性セシウム濃度の制御要因を明らかにするため、東日本66箇所の河川で調査を行った。溶存態Cs濃度について流域の平均Cs沈着量・土地利用・土壌組成・地形・水質との関連性を評価した結果、地形的な湿潤指標(TWI)が有意に正の相関を示した。ヨーロッパの河川でも同様の相関が認められるが、日本の河川では湿地帯ではなく市街地が溶存態Cs濃度に強く影響していた。
栗原 モモ*; 保高 徹生*; 青野 辰雄*; 芦川 信雄*; 海老名 裕之*; 飯島 健*; 石丸 圭*; 金井 羅門*; 苅部 甚一*; 近内 弥恵*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 322(2), p.477 - 485, 2019/11
被引用回数:2 パーセンタイル:21.58(Chemistry, Analytical)福島県の淡水に含まれる低レベル溶存態放射性セシウム濃度の測定に関する繰り返し精度と再現精度を評価した。21の実験施設が5つの異なる前濃縮法(プルシアンブルー含浸フィルターカートリッジ,リンモリブデン酸アンモニウム共沈,蒸発,固相抽出ディスク、およびイオン交換樹脂カラム)によって10L試料3検体を前濃縮し、放射性セシウム濃度を測定した。全Cs濃度測定結果のzスコアは2以内で、手法間の誤差は小さいことが示された。一方で、各実験施設内の相対標準偏差に比べて、施設間の相対標準偏差は大きかった。
中西 貴宏; 佐藤 成二; 松本 卓巳*
Radiation Protection Dosimetry, 184(3-4), p.311 - 314, 2019/10
被引用回数:8 パーセンタイル:66.68(Environmental Sciences)福島県では未除染山地森林から輸送される放射性セシウムの堆積による生活圏での被ばく線量増加が懸念されている。本研究では、事故後数年間における福島県内河川敷における放射性セシウムの堆積履歴を調査した。河川を流下する懸濁物質中の放射性セシウム濃度と河川敷の空間線量率も継続観測した。多くのケースで、河川敷への年間土砂堆積量はわずか数kg mで、表層堆積物の放射性セシウム濃度は懸濁物質中の放射性セシウム濃度と同じ減少傾向を示した。それに同調して、河川敷の空間線量率も時間とともに低下していた。大規模出水があった2015年には、上流にダムをもたない河川で数百kg mの土砂堆積と空間線量率の急激な減少が観測された。逆に言えば、ダムによって河川敷への放射性セシウムの堆積が顕著に減少することを示した。
鶴田 忠彦; 新里 忠史; 中西 貴宏; 土肥 輝美; 中間 茂雄; 舟木 泰智; 御園生 敏治; 大山 卓也; 操上 広志; 林 誠二*; et al.
JAEA-Review 2017-018, 86 Pages, 2017/10
2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以降、福島環境安全センターでは、福島の環境回復に向けた取組みとして、事故により環境中に放出された放射性物質のうち特に放射性セシウムの分布状況を評価し将来予測を行うとともに、森林から河川水系を経て海洋に至る環境や我々の生活圏での放射性セシウムの移動状況に係る調査研究「環境動態研究」に取り組んでいる。この度、最新の成果をとりまとめるとともに他機関の関連する最新の成果も参照しまとめたことから、研究成果報告書類として報告する。なお、本成果は、外部への情報発信の一つである福島部門ウェブサイトにおけるQAページを、根拠情報となる科学的知見を含め「根拠に基づく情報発信」として更新するにあたり、コンテンツとして活用されるものである。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
中西 征二
原子力工業, 36(10), p.73 - 79, 1990/10
高速増殖炉のプラントシステムについて,軽水炉の知識を有する読者を対象として解説した。 高速増殖炉のシステム構成,機能と特徴を軽水炉と比較しつつ述べその特徴が主として冷却材としてのナトリウムに起因していることを示した。また最近の高速増殖炉システムの技術動向と将来展望を記した。
橋本 博*; 田村 政昭*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 89-059, 121 Pages, 1989/04
1次熱輸送系の主要機器である中間熱交換器(IHX)構造の小型化を図るため、IHX伝熱管の小径化、及び薄肉化の可能性を追求し、伝熱管寸法緒元の最適化に係わる検討を行った。本検討においてIHX伝熱管の薄肉化限界を設計、製作、検査等の観点から明らかにし、また伝熱管口径、板厚、ピッチ比等のパラメータ・サーベイを実施して最適構造案を導き出した。更に構造上、応力的に厳しいと予想される部位について評価した。ここでIHX内流路構成としては、1次管側、及び胴側の2ケースを対象とした。以上の検討により次の結論を得た。(1)伝熱管の板厚限界は、管-管板の現状技術における溶接の信頼性から求まり、その板厚は、0.8mmである。(2)伝熱管板厚、口径、ピッチ比(P/D)を小さくすることは、必要伝熱面積を小さくする上で最も有効である。(3)IHX1次管内の場合、1次胴側と比較して管束部体積で同一材料の条件のもとで、約40%の小型化が達成できる見通しを得た。(4)構造健全性の観点からは、1次管内の場合、1次胴側に比べて管板部の発生応力が低減される傾向にあることが明らかとなった。総合的に判断して、伝熱管直径19mm、板厚0.8mmおよび適切なピッチ比を目標仕様とした場合、従来のIHXに比べ管束部体積で1次管内の場合40%以上、また1次胴側の場合10%以上の小型化の達成が可能となる。
小林 靖昌*; 菰田 成一*; 金城 勝哉*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9520 89-004, 60 Pages, 1989/03
高速炉制御棒の設計用コードとして、種々の機能を有する「SCANNER」コードと、サブチャンネル温度解析機能を有する「VORTEX-3」コードの開発を、昭和62年度までに実施してきた。63年度には、これらのコードをバージョンアップするとともに、制御棒熱流動設計業務の円滑化、効率化を図るためのシステム化を行った。 制御棒熱流動設計コードシステム「SYTHCO(A Computing-Code System for the Thermohydrulic Design of Control Rods)」は、熱流動粗解析用モジュール(SCANNERに相当)とサブチャンネル解析用モジュール(VORTEX-3に相当)とから成る。制御棒当たり全流量暫定値を用いて、粗解析用モジュールにて、熱的境界条件(隣接燃料集合体よりの熱流束)および流動的境界条件(バンドル/バイパス流量配分比)等が求められる。これらの境界条件の下で、サブチャンネル解析用モジュールにて、被覆管最高温度が得られる。この被覆管最高温度が入力データで指定した温度に一致するまで繰返計算が実施され、制御棒当たり全流量が求められる。また、求めた制御棒当たり全流量条件の下で、制御棒の挿入引抜パターンを考慮して、制御棒出口温度の履歴を評価する機能を有している。本マニュアルは3編から成る。第1編ではシステム化の内容を示し、第2編および第3編では熱流動粗解析用モジュール(SCANNERコード)およびサブチャンネル解析用モジュール(VORTEX-3コード)の改修内容をそれぞれ示した。
菰田 成一*; 西村 正洋*; 金城 勝哉*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 89-041, 81 Pages, 1989/03
燃焼初期における過出力時の燃料最高温度ホットスポット値を評価するための手法を提案し、本手法により求まるホットスポット値とモンテカルロ計算にて求めた温度分布を比較することで、本手法の妥当性を明らかにした。また、本手法を適用することで、原子炉起動パターンの最適化(プレコンディションニング)を検討し、求めたステップ状の起動パターンを採用するならば、スクラム時燃料溶融確率は0.03%以下となることを確認した。本評価手法の特徴を以下に列挙する。(1)燃料挙動解析コードCEDAR-3により、被覆管外面から燃料中心までの温度上昇巾を評価する。(2)ペレット密度、等価fissile富化度、被覆管肉厚、および焼きしまり量を大きめに設定し、また原子炉熱出力誤差、核計算誤差(出力分布誤差)の不確かさを考慮した条件で求まる温度を基準温度とする。ここで、核計算誤差は過出力時においてのみ考慮し、通常運転時には考慮しない条件とし、中心空孔の成長を過大評価しないようにしている。(3)互いに独立な誤差因子であるペレット外径、Pu富化度、ペレットO/M比、被覆管内径、リロケーションパラメータ、およびポア移動速度パラメータの不確かさに起因する温度不確かさ巾をそれぞれ評価する。(4)個々の誤差因子に起因する温度不確かさ巾を統計処理して、互いに独立な誤差因子群に起因する温度不確かさ巾を求め、これを基準温度に加えることで、燃料最高温度ホットスポット値を算出する。
原 昭浩*; 鈴木 惣十*; 池上 哲雄*; 小坂 一郎*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9520 89-003, 129 Pages, 1989/02
FBR大型炉では、制御棒誤引き抜きのような局所的な反応度投入に対して出力分布及び中性子束分布の歪みが大きくなる傾向にある。従って、制御棒誤引き抜き事象の動特性解析を行う場合、出力の歪みに対応した動特性解析を実施しなくてはならない。そこで、同様な目的で軽水炉用に開発された多チャンネル一点炉動特性解析コードEUREKA(公開コード、原研作成)に対し、高速炉用の改良を施し、EUREKA-FBRコードを作成した。
原 昭浩*; 鈴木 惣十*; 池上 哲雄*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9520 89-002, 176 Pages, 1989/02
これまで炉心設計に用いられてきたCITATIONFBRコードは、汎用性の点では優れていたが、解法の制約のため計算対象が大型化するにつれ計算機の記憶容量やCPUの制限から炉心の3次元詳細解析が困難になりつつあった。例えば、100万kWe級炉心における制御棒ワンロッドスタックや制御棒誤引抜等を3角メッシュで3次元詳細解析(Tri-Z計算)することは、今まで事実上不可能であった。このため、「もんじゅ」炉心管理コードシステムに組み込まれているHIZERコードを改良して大型FBRの炉心設計解析用の3次元拡散計算コードMOSESを開発した。なお、CITATION-FBRとくらべて、同精度の計算ならば、計算時間が約1/3、記憶容量が約1/2となる。
菰田 成一*; 金城 勝哉*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 88-153, 113 Pages, 1988/12
軸非均質炉心(AHC)成立性に関する燃料設計側からの検討課題の一つである,炉心部と内部ブランケット(IB)部の境界部における軸方向温度差に起因する被夜管応力について検討した。FINAS(FiniteElementNonlinearStructuralAnalysisSystem)を用いた,管壁方向と軸方向に関する二次元(軸対称)熱伝導解析により,軸非均質燃料IB境界部の被覆管二次元温度分布を求めた。この温度条件のもとで,再びFINASを用い,最大発熱部被覆管応力を解析評価した。その結果,照射初期に生じる熱膨張差に伴う応力は,クリープにより照射とともに漸減するが,スエリングが現れる照射中期以降では漸増することが分かった。3年寿命末期応力は,照射初期の応力と比較して,その符号が逆であるものの,大きさは同程度となった。また,管壁温度差に起因する均質燃料最大発熱部応力も解析評価し,軸非均質燃料最大発熱部応力評価結果と比較した。その結果,極端な差違はなく,したがって,軸方向温度差に起因する被覆管応力はAHC成立性上の障害にならないとの見通しが得られた。尚,被覆管材としては改良オーステナイト鋼(PNC1520,15Cr-20Ni-2.5Mo-0.25Ti/0.1Nb)を採用することを前提とした。
米川 強*; 竹内 則彦*; 白土 清一*; 田村 政昭*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 88-177, 340 Pages, 1988/09
本報告書は、昭和61年度から実施している「FBR経済性評価システムの開発」の内、建設費ひようか手法に係る研究の昭和62年度の成果をまとめたものである。本年度は61年度に開発したFBRプラントの建設費評価手法について、特にFBR特有の系統、機器に重点を置いて更に詳細化を図った。また、建設コストを構成する費目のうち未着手のままの土地・構築物、建物等についてのモデル化を図り、総建設費の算出を可能とした。以下に本年度の主な検討結果を示す。(1)FBR特有設備のコスト評価手法の検討 前年度摘出されたFBR特有設備の評価手法について詳細化を図った。このため、評価方法は原則的に材料費、製作加工費からの積み上げによるものとした。(2)土地・構築物及び建物に関するコスト評価手法の検討LWR(PWR)の物量調査から積算を行い、延床面積価格を算定しこれを用いてFBRの建物評価モデルを設定した。土地、構築物についてはLWRと同じ条件と考えた。(3)100万kWe級FBRの建設費試算 61年度、62年度のコスト評価手法を用いて100万kWe級FBRの建設費を試算した。尚、試算に際して対象プラントの物量、仕様が不明あるいは未定のものは試算していない。(4)新型軽水炉経済性評価データベースの作成 FBRの実用化時期を考慮し、FBRの経済性評価の対象とする軽水炉を新型軽水炉(A-PWR及びA-BWR)と考え、新型軽水炉について従来型からの主要な変更・相違点をコスト評価の観点からまとめ、データベースとして整備した。今後評価手法を使い易いものとしてコード化を行い、FBR経済性評価システムの構築に取り組んでいく予定である。
菰田 成一*; 池上 哲雄*; 金城 勝哉*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9520 88-016, 54 Pages, 1988/08
実証炉以降の大型炉においては、燃料集合体の大型化に伴い、制御棒当たり吸収ピン本数は19本を越えるものと予測される。従来の「VORTEX-1」コード(SJ201 77-02)や、その改良板である「VORTEX-2」コード(J901 81-09)においては、19本を越える吸収ピンバンドルとして、内層19本を正三角形格子状に配列した37本バンドルの熱特性解析が可能であった。しかし、バンドル部サブチャンネル温度を均等化し、制御棒出口温度高温化(炉心上部機構サーマルストライピング緩和)を図る上で、有望な①「37本の吸収ピンを同心円状に配列したバンドル」、および②「保護管内壁6か所にfillerを設置し、31本の吸収ピンを正三角形格子状に配列したバンドル」への適用性は無かった。 VORTEX-3」コードは、これら2種のバンドルについての熱特性解析が可能なように、適用範囲を拡張したバージョンである。入出力、基本計算手法は、旧バージョンからの変更点が無いので、本マニュアルにおいては改修内容を示すとともに、主な変更後サブルーチンの機能フローチャートを収録するだけとした。
藤井 正*; 家田 芳明*; 田村 政昭*; 森山 正敏*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 88-131, 75 Pages, 1988/08
高速増殖大型炉の設計主要目に関する研究(2)の一環として、60年度要素技術設計研究(2)のループ型プラントを対象に、高速炉システムコードSSC-Lを用いて、1次冷却材漏洩事故時のプラント挙動を解析し、冷却材漏洩が炉心冷却に与える影響を評価した。得られた結論は次のとおりである。 (1)原子炉入口ノズル部近傍のコールドレグ配管において、破壊力学的手法を活用して合理化された想定漏洩口1†からの漏洩を想定した場合、漏洩流量は、破損直後最大3.6㎏/sec、ポニーモータ(PM)運転状態の300秒の時点では0.9㎏/secに達する。 (2)起因事象である漏洩口1†からの漏洩に加え、単一故障として非常用ディーゼル発電機1基の起動失敗を想定し、2ループにおいてPM引継に失敗した場合、被覆管最高温度は758となり、炉心は大きな損傷に至ことなく、かつ十分な冷却が可能である。(3)漏洩口合理化の影響を比較するため、「もんじゅ」での想定漏洩口1/4D・t(本解析では25†)に拡大した場合、被覆管最高温度は漏洩口1†の場合に比べ、5程度の上昇にとどまる。(4)立地評価のソースタームの設定根拠を得ることを目標に、炉心冷却を阻害する条件の重ね合わせとして、漏洩事故ループ以外の3ループでのPM引継失敗を想定した場合には、被覆管最高温度は847(漏洩口1†)、854(漏洩口25†)となり、「もんじゅ」の運転時の異常な過渡変化時の燃料被覆管破損制限温度830を上回る結果となった。 しかし、設計基準事象の被覆管破損評価手法の保守性から判断すると、内圧破損には至らないことが考えられ、また燃料溶融や、炉心部のナトリウム沸騰も生じない。このように、現在想定している漏洩口1†という条件下においては、1次冷却材漏洩事故が、炉心冷却に与える影響は小さく、事故を安全に収束できる見通しが得られた。また設計基準事象を超えた条件での解析結果から、ソースターム量としては燃料被覆管のある割合の破損に伴うギャップ中インベントリにとどまるものと考えられる。
橋本 博*; 田村 政昭*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 88-114, 239 Pages, 1988/08
〔目的〕FBR大型炉では、2次冷却系配管の短縮化は、単に配管の物量削減に留まらず、配管支持装置等の付属設備、電気設備、及び空調設備等の補助設備の削減、更に、建屋の縮少化が可能であることから、プラントコストの低減効果が大きい。この効果を明らかにするため、ベローズ継手方式と通常配管方式との両方式について配管系応力解析を行い、配管短縮化効果を検討評価した。〔方法〕検討条件としては、60年度に実施したFBR大型炉設計仕様をリファレンスとした。配管材質は、通常配管系の場合は、2・1/4Cr-1Mo鋼材とし、ベローズ継手配管系は、配管をSUS304、ベローズ継手をSUS316とした。 ベローズ継手型式は、配管系に生じる変位量をベローズ継手自身に生じる回転角変位によって吸収するジンバル型(多軸ヒンジ)を用いた。ベローズ継手を用いた配管系コストの合理化の観点からは、ベローズの設置個数を適度に削減する必要があるため、ベローズの設置個数とその位置についてのパラメータ・サーベイを実施した。〔結果〕配管系については、「高速原型炉第1種機器の高温構造設計方針」(BDS)に基づいて詳細応力解析評価を実施し、その健全性を確認した。また、ベローズ継手については、設計条件、及び配置条件に適合する継手仕様をベローズ・スクリーニングコードを用いて選定し、更に「第1種配管ベローズ継手の高温構造設計方針(暫定案)」基づいて評価して角規定を満たしていことを確認した。ベローズ継手を適用した配管系は、通常配管系に比べて非常に簡素化されたものとなり、プラント全体の物量低減にも寄与することが判った。(1)通常配管方式に対しベローズ継手を用いた場合の配管長は、約6割程度に収められる見通しを得た。これに伴い、配管支持構造やエルボについても削減することができた。(2)2次系建屋面積についても約7割程度
竹内 則彦*; 田村 政昭*; 中西 征二; 谷山 洋*; 尾崎 栄進*
PNC TN9410 88-111, 134 Pages, 1988/08
高速増殖大型炉の燃料取扱系の合理化を図るため、昭和61年においてEVS方式(Ex-Vessel Storage:炉外貯蔵方式)の燃料取扱系について設備設計を実施した。EVS方式は設備物量の観点からもIVS方式(In-Vessle Storage:炉内貯蔵方式)に競合出来る概念であり、(1)炉容器径の縮少化、(2)ナトリウム系から水系への燃料移送プロセスの削除、及び(3)炉外NIS(核計装)の実現化、等が期待できる。そこで、本年度はEVS方式としてナトリウムポットEVS貯蔵方式燃料取扱系を対象に、定常時及び異常時の温度挙動解析を行い、昭和61年度の設計評価の妥当性を確認するとともに、設備の要求条件を検討した。その結果、前年度設計の妥当性を改めて確認し、必要な要求事項を摘出した。
田村 政昭*; 竹内 則彦*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 88-103, 115 Pages, 1988/08
高速増殖炉(LMFBR)の開発においては、実用化の観点から軽水炉並みの安全性を確保しつつ、如何にしてフラント建設コストを低減するかが重要な課題となっている。現在、建設コストの低減のため多大の努力が傾注されているが、熱輸送系配管の短縮化もその有効な方策の一つと考えられている。配管短縮化方策としては種々提案されているが、ここでは軽水炉で採用されて充分な実績を有する機器浮動支持方式を対象に、中間熱交換器を浮動支持した一次主冷却系について、LMFBRの特徴を考慮した設計手法を取り入れてその成立性を評価した。配管については自重、定格運転時および熱過渡時の熱膨張並びに地震に対して、ノズルについては内圧、自重、地震応力、熱膨張応力および熱過渡に対して評価した。その結果、すべての項目について許容値におさまり、また配管支持装置も実現の高いものであることが明らかとなり、その成立性が十分あることが確認できた。
菰田 成一*; 池上 哲雄*; 水野 朋保*; 鈴木 惣十*; 金城 勝哉*; 中西 征二; 谷山 洋*
PNC TN9410 88-060, 74 Pages, 1988/07
61年度レファレンス炉心をベースとし、長寿命化、および出口冷却材温度高温化の観点で好適な、高性能制御棒仕様を明らかにするとともに、その性能を把握することを目的とした。制御棒当たり吸収ピン本数、ピン配列形状、B4Cペレットと被覆管間のギャップ幅、スペーサワイヤの径や巻付けピッチ等をパラメータとし、ACMI発生後の継続照射時の、被覆管フープ応力やピンバンドルと保護管の寸法干渉量(BDI)、また寿命初期の被覆管最高温度を評価した。ピン本数として37本程度を選定するならば、製作時のペレット被覆管間直径ギャップ幅を0.8㎜程度まで広げることができ、照射後約3年でACMIが開始する。さらに、約1年継続照射すると、BDIはワイヤ径1本分に達する。この間、被覆管のフープ応力は、照射クリープの寄与により、過大な値とならないが、炉停止時および炉外取出時には急増するとの結果が得られた。また、同芯円状配列の37本バンドルは、正三角形格子状配列の31本バンドルと比べて、出口冷却材温度高温化の観点で有利との結果が得られた。結論として、同芯円状配列の37本バンドルを採用することで、出口冷却材温度約450の達成見通しを得た。また、制御棒寿命を評価するためには、被覆管の照射クリープ特性明確化の必要性のあることが分かった。