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論文

Tritium absorption of co-deposited carbon films

信太 祐二*; 山内 有二*; 日野 友明*; 赤丸 悟士*; 波多野 雄治*; 松山 政夫*; 鈴木 哲; 秋場 真人

Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1070 - 1073, 2012/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:17.27(Nuclear Science & Technology)

Co-deposited carbon film with different deuterium concentration, D/C, were exposed to tritium gas at the temperature of 423 K, and then the atomic ratio of absorbed tritium to carbon, T/C, was evaluated. The obtained data were discussed with crystal structure of the carbon film. The T/C increased with decreasing D/C of carbon film. The carbon film with low D/C had more defective structure. The reduction of D/C by the heating before tritium exposure led to the increase of absorption amount. These results suggest that carbon film with more defective structure and low D/C film could absorb large amount of tritium. The hydrogen isotope concentration in the present experiment was saturated below the orders of 10$$^{-4}$$, which was 3-4 orders of magnitude smaller than that of co-deposited carbon film with hydrogen isotope.

論文

Deuterium ion irradiation for tritium breeding material and evaluation for tritium inventories in test blanket module and blanket of a demonstration reactor

日野 友明*; 柴田 博信*; 山内 有二*; 信太 祐二*; 鈴木 哲; 秋場 真人

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.713 - 717, 2011/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:52.35(Materials Science, Multidisciplinary)

The tritium produced in a tritium breeder of blanket has to be recovered under the temperature distribution to reduce the tritium inventory. Lithium titanate pebbles were irradiated by deuterium ions with different temperatures and ion fluences. The deuterium retained in the pebbles desorbed in forms of HD, D$$_{2}$$, HDO and D$$_{2}$$O. The amount of retained deuterium decreased for the temperature higher than 473 K, and became to zero for the temperature higher than 773 K. If the temperature range is taken from 573 to 1173 K in the solid breeder TBM, the tritium inventory is lower than 1 gram. However, in the demonstration reactor, the total tritium inventory of blankets becomes a few kilograms. For the reduction of the tritium inventory, the region with the low temperature region has to be significantly reduced.

論文

Deuterium retention in F82H after low energy hydrogen ion irradiation

伊藤 達哉*; 山内 有二*; 日野 友明*; 柴山 環樹*; 信太 祐二*; 江里 幸一郎; 鈴木 哲; 秋場 真人

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.1147 - 1149, 2011/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:68.51(Materials Science, Multidisciplinary)

The influence of 50 eV hydrogen ion irradiation on the deuterium retention and desorption behavior in the reduced activation ferritic-martensitic steel F82H was investigated by thermal desorption spectroscopy. The amount of retained deuterium in the hydrogen irradiated F82H was up to 10 times larger than without the hydrogen irradiation. In the F82H irradiated by the low energy hydrogen ions at 300 and 523 K, the desorption peak of deuterium was shifted to lower temperatures than for samples unirradiated or irradiated at 773 K. In the F82H irradiated by hydrogen at 773 K, the amount of retained deuterium decreased compared to materials irradiated at 300 or 523 K.

論文

Deuterium concentration of co-deposited carbon layer produced at gap of wall tiles

信太 祐二*; 横山 堅二; 金澤 潤*; 山内 有二*; 日野 友明*; 鈴木 哲; 江里 幸一郎; 榎枝 幹男; 秋場 真人

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.607 - 611, 2011/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:17.88(Materials Science, Multidisciplinary)

Tritium retention of a carbon layer deposited in the gap of plasma-facing materials is a primary concern for next step fusion devices. In this study, deuterium concentration and carbon deposition profile in a gap were investigated for carbon layers prepared by using deuterium arc discharge with carbon electrodes. The deuterium retention was measured with thermal desorption spectroscopy (TDS). The discharge pressure was varied from 0.8 to 36 Pa. The amount of deposited carbon into the gap decreased exponentially with the increase of the depth. The atomic ratios of D/C of the carbon layers prepared at 0.8 and 36 Pa were approximately 0.1 and 1.0, respectively. For the carbon layer prepared at 0.8 Pa, most of retained deuterium was released in the form of D$$_{2}$$ and HD. On the other hand, at 36 Pa, approximately a half of retained deuterium was desorbed in the form of hydrocarbon, CD$$_{4}$$ and C$$_{2}$$D$$_{4}$$.

論文

Retention and depth profile of hydrogen isotopes in gaps of the first wall in JT-60U

信太 祐二*; 新井 貴; 柳生 純一; 正木 圭; 佐藤 正泰; 田辺 哲朗*; 山内 有二*; 日野 友明*

Journal of Nuclear Materials, 390-391, p.643 - 646, 2009/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.36(Materials Science, Multidisciplinary)

本研究では、JT-60の放電実験に曝された第一壁タイルを取り出し、タイル表面及び側面の重水素(D)及び軽水素(H)蓄積量を2次イオン質量分析法,昇温脱離法を用いて評価した。分析したタイルは外側ミッドプレーンと内側第一壁のタイルである。側面のギャップ間隔が広くなるとボロン(B)堆積量とD+H蓄積量が増える傾向にあった。D濃度はBとともに増加していたことから、DとBが同時期に蓄積されたものと考えられる。Bの堆積は、ボロニゼーション時の堆積と、主放電時にタイル表面で損耗されたBのギャップへの再堆積の可能性が考えられる。D+H蓄積量は側面上側の方が多かったが、上下でそれほど大きな差はなく、側面の下側へもかなり蓄積することがわかった。内側第一壁タイルの側面(ギャップ間隔20mm)には厚い($$sim$$10$$mu$$m)炭素堆積層が確認された。イオンはギャップの底には到達できないので、炭化水素のような中性の粒子が堆積したものと考えられる。本研究で調べたギャップ側面のDのリテンションは1e22m$$^{-2}$$のオーダーであった。放電時間あたりの蓄積速度はダイバータ部よりも一桁程度小さいが、第一壁全体のリテンションは非常に大きくなる可能性があることを示唆している。

論文

Hydrogen isotope retention in the outboard first wall tiles of JT-60U

吉田 雅史; 田辺 哲朗*; 信太 祐二*; 林 孝夫; 正木 圭; 佐藤 正泰

Journal of Nuclear Materials, 390-391, p.635 - 638, 2009/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:52.46(Materials Science, Multidisciplinary)

JT-60Uの真空容器内壁(第一壁)のトーラス外側のカーボンタイルについて、昇温脱離法((TDS),二次イオン質量分析方(SIMS)、及び走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて水素同位体(重水素)蓄積に関して測定した。外側第一壁では、通説通り損耗していることを確認した。また外側第一壁では、ダイバータ領域と異なり重水素が多く蓄積しており、さらに表面からかなり深い位置にまで重水素が捕獲されていることをSIMSによる深さ測定から明らかとなった。測定された深さは、入射された高速中性粒子入射(NBI)のエネルギーに概略対応するので、この堆積はNBIに起因する高エネルギー重水素に起因することを示唆している。さらに、外側第一壁の水素蓄積量は、単位時間・面積あたりではダイバータ損耗領域のものとほぼ同じで、ダイバータ堆積領域のものと比べ少ない。SIMSから得られた重水素の侵入深さ、及び真空容器に占める第一壁の面積を考慮すると、外側第一壁の炉内全体の蓄積量への寄与は、ダイバータ堆積領域のものと同程度の寄与を与える可能性があることが今回の測定で明らかとなった。

論文

Localized tungsten deposition in divertor region in JT-60U

上田 良夫*; 福本 正勝*; 渡邊 淳*; 大塚 裕介*; 新井 貴; 朝倉 伸幸; 信太 祐二*; 佐藤 正泰; 仲野 友英; 柳生 純一; et al.

Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10

JT-60Uの外側ダイバータから放出されたタングステンの再堆積分布を調べた。今回初めて中性子放射化分析法を用い厚い炭素たい積層に含まれるタングステンの面密度を正確に測定した。タングステンの堆積は内側ダイバータ及びドームタイルの外側に多く見られた。トロイダル方向にはタングステンタイルが設置した場所に非常に局在した分布であった。

論文

Comparison of boronized wall in LHD and JT-60U

芦川 直子*; 木津 要; 柳生 純一; 中畑 俊彦*; 信太 祐二; 西村 清彦*; 吉河 朗*; 石本 祐樹*; 大矢 恭久*; 奥野 健二*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.1352 - 1357, 2007/06

 被引用回数:11 パーセンタイル:60.39(Materials Science, Multidisciplinary)

LHD真空容器内で主放電6081ショット,ボロニゼイション3回に曝された。ステンレス(SS316)サンプル、及び同様にJT-60U真空容器ポート内で主放電1896ショット,ボロニゼイション2回に曝された。SS316サンプル表面の元素分布状態をX線光電子分光装置(XPS)を用いて分析し、LHDとJT-60Uの結果を比較した。(1)LHDでは最表面において炭素が20%,酸素が45%であり、それ以降基板界面に至るまで80%のボロン膜が保持されている。JT-60Uでは最表面において炭素が60%であり、その後55%程度のボロン膜が保持されている。このようにLHDと比較するとJT-60Uでは壁材による堆積層が顕著である。(2)JT-60Uでのボロン膜上の堆積層はトーラス方向に非均一であり、C1s及びO1sのXPSスペクトルピークシフトの結果においても場所により異なる傾向を示す。これはトーラス方向の酸素捕捉能力が非均一であることを示唆している。(3)ボロン膜厚は、LHDではグロー電極の位置に依存するが、JT-60Uではそのような傾向は見受けられなかった。理由の一つとして炭素による堆積層がトーラス方向に非均一であることが考えられる。(4)ボロン膜の厚みは実験サイクル中十分に保持されているため、ボロン化壁による酸素軽減効果はおもにボロン膜の最表面の特性に起因すると考えられる。

論文

Deposition and transport of $$^{13}$$C from methane injection into outer divertor plasma in JT-60U

信太 祐二; 正木 圭; 新井 貴; 逆井 章; 宮 直之; 田辺 哲朗*

Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 31F, 4 Pages, 2007/00

国際熱核融合実験炉(ITER)では、ダイバータ部に炭素材料が使用される。炭素材料はプラズマとの相互作用により損耗されやすく、損耗された炭素は真空容器内に堆積し再堆積層を形成する。堆積層には水素同位体が保持されやすく、燃料として用いられるトリチウムが多量に蓄積することが予測される。したがって、炉内の安全性や材料寿命の予測といった観点から、炭素不純物の輸送・再堆積機構の解明が必須である。そこでJT-60Uにおいて、損耗で発生する炭素不純物を模擬する$$^{13}$$Cを炭素同位体ガス($$^{13}$$CH$$_{4}$$ガス)の形で外側ダイバータの一箇所からスクレイプオフ層に導入する実験を行い、トレーサーである$$^{13}$$Cが輸送によって壁表面に再堆積する分布を調べた。この結果、外側ダイバータ部で発生した炭素がプラズマ流によって下流側に輸送されること、プライベート領域では炭素が上流側から飛来すること、プラズマに当たらない場所にも中性粒子として飛来し堆積が起こること等、炭素輸送に関する新たな知見を得ることができた。また、プライベート領域を輸送され内側ダイバータ部に堆積する可能性が示唆された。

口頭

JT-60Uタングステン被覆ダイバータタイル導入に伴うタングステン再堆積分布の測定

福本 正勝*; 大塚 裕介*; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*; 逆井 章; 正木 圭; 新井 貴; 柳生 純一; 信太 祐二; 久保 博孝; et al.

no journal, , 

タングステンタイル付近のダイバータ領域(P8トロイダルセクション)を中心に、炭素繊維(CFC)タイル上のタングステンの再堆積分布を調べた。また、タングステンのトロイダル方向への輸送を調べるため、P8セクションからトロイダル方向へ約60度離れたダイバータ領域(P5トロイダルセクション)についても、タングステンの再堆積分布を調べた。測定はSEMとEDXを用いて、タイル表面からの点分析及び破断面の線分析(深さ方向分布)を行った。表面からの点分析を行った結果、P8セクションの外側ウィングとドームトップのタイル表面には、最大3%のタングステンの堆積が確認された。内側ウィングのタイル表面では、タングステンの堆積割合は0.1%以下であった。内側ダイバータでは、タイル表面近傍のタングステンの堆積割合は0.4%以下であったが、破断面の線分析から、内部にはこれよりも大きい堆積割合を持つ堆積層が存在することがわかった。一方、P5セクションでは、内側ダイバータと外側ウィングのタイル表面近傍におけるタングステンの堆積割合は、P8セクションの同じタイルと比べて少ないこともわかった。

口頭

JT-60U第一壁の水素同位体蓄積評価

吉田 雅史*; 田辺 哲朗*; 大矢 恭久*; 正木 圭; 信太 祐二; 林 孝夫; 佐藤 正泰

no journal, , 

JT-60U第一壁炭素材中への水素同位体蓄積総量及び深さ方向分布に関して、ボロン堆積薄膜の有無及びその水素蓄積へ影響を調べた。水素同位体蓄積総量に関してはTDS(昇温脱離法)を、また水素同位体蓄積深さ分布に関してはSIMS(二次イオン質量分析法)を用いて観察した。得られた結果は同装置において異なる場所を同実験方法で測定した過去のデータと比較した。TDSの結果によると、ボロン堆積のある試料からの水素放出量はかなり多く放出ピークが低温側になっている。逆に水素蓄積量はボロン堆積のない試料の方が少ない。これより、ボロニゼーションで作成されたボロン膜には作成時に取り込まれた重水素が残されており、JT-60Uの第一壁への水素蓄積量評価の際にはボロン堆積による影響を考慮する必要性を確認した。

口頭

Design of a movable material probe system for PWI study in JT-60SA

増崎 貴*; 時谷 政行*; 宮本 光貴*; 信太 祐二*; 上田 良夫*; 大野 哲靖*; 坂本 瑞樹*; 芦川 直子*; 仲野 友英; 伊丹 潔

no journal, , 

JT-60SA用に可動式の材料プローブシステムの設計案を提示した。このシステムは、マニピュレータ,ゲートバルブ,材料・計測器交換用の容器、及び真空排気ポンプから構成され、現在の案ではJT-60SAの下垂直ポートから材料プローブを挿入する仕様となっている。このシステムによって真空容器の中へ材料プローブと計測器を挿入することができ、それらを実験キャンペーン期間中に取り替えることも可能である。これによって、JT-60SAでプラズマ・壁相互作用の研究の貢献が期待できる。

口頭

高純度ボロン薄膜中に捕捉された重水素の脱離過程の速度論的解明

中畑 俊彦*; 大矢 恭久*; 吉河 朗*; 須田 泰市*; 小柳津 誠*; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 柳生 純一; 木津 要; 信太 祐二; et al.

no journal, , 

JT-60Uにて行われているボロニゼーションを模擬し、静岡大学のP-CVDにて膜調製を行った高純度ボロン膜に対して飽和量の重水素を照射した後、加熱とSIMS測定を繰り返し行い、膜中に捕捉された水素同位体放出過程に関する以下の知見を得た。673K, 773K, 873Kでの等温加熱実験の結果、膜中に捕捉された重水素は表面に偏在しており、表面での再結合反応を律速段階として放出していることがわかった。各加熱温度での等温加熱実験の結果と質量平衡方程式による解析により、各温度での実効的な再結合定数をそれぞれ算出し、実効的な活性化エネルギーを1.8$$pm$$0.02eVと決定した。この値は、Gaussian 03を用いた計算結果とH-H結合の生成エネルギーの関係から算出された値よりもわずかに大きい。この違いは膜内における拡散の影響と考えられる。一方、算出された活性化エネルギーをもとに数値解析した昇温脱離スペクトルのピーク位置が実験結果と一致することから、質量平衡方程式から算出された活性化エネルギーを用いて、実機における水素同位体の放出過程を模擬できることが期待される。

口頭

JT-60Uにおける$$^{13}$$CH$$_{4}$$ガスパフを用いた炭素輸送に関する研究

信太 祐二; 正木 圭; 新井 貴; 逆井 章; 宮 直之; 田辺 哲朗*

no journal, , 

プラズマ対向壁表面で損耗された炭素の輸送や再堆積機構の解明を目的として、$$^{13}$$Cをトレーサーとした$$^{13}$$CH$$_{4}$$ガスパフ実験が行われた。$$^{13}$$CH$$_{4}$$ガスを外側ダイバータ部からSOLプラズマ中に注入し、壁表面に堆積した$$^{13}$$Cを検出することによりポロイダル分布を明らかにしてきた。本研究では、ドームウイングタイルのトロイダル側面における$$^{13}$$C堆積状況を分析することにより、プライベート領域における炭素の輸送過程について考察した。内側及び外側ドームウイングタイルの下側では、ダイバータタイルへのプラズマの流れに対して上流側に面した側面で1$$sim$$2桁多く堆積していた。一方、ドームウイング上側の側面ではほとんど堆積していなかった。過去の分析により、タイル表面での堆積量はドーム上側に近づくにつれて大きく減少することが明らかになっており、上流側に面した側面における堆積分布とよく対応していた。これらから、ドーム部に堆積した$$^{13}$$Cは、ダイバータタイルで損耗され下流側に叩き出された中性粒子が堆積した、あるいはイオン化され下流に流れた後に堆積した可能性が考えられる。

口頭

LHDとJT-60Uにおけるボロン化壁の比較と運用方法の最適化

芦川 直子*; 西村 清彦*; 増崎 貴*; 相良 明男*; 大藪 修義*; 木津 要; 柳生 純一; 信太 祐二; 石本 祐樹*; 宮 直之; et al.

no journal, , 

LHD及びJT-60U真空容器内部に設置した照射サンプルをX線光電子分光装置(XPS)を用いて分析比較した。測定には、LHDで主放電6081ショット,ボロニゼイション3回に曝されたステンレス(SS316)サンプルを、また同様にJT-60Uポート内で主放電1896ショット,ボロニゼイション2回に曝された SS316サンプルを使用した。(1)LHDでは最表面において炭素が20%,酸素が45%であり、それ以降基板界面に至るまで80%のボロン膜が保持されている。JT-60Uでは最表面において炭素が60%であり、その後55%程度のボロン膜が保持されている。このようにLHDと比較すると、JT-60Uでは壁材による堆積層が顕著である。(2)JT-60Uでのボロン膜上の堆積層はトーラス方向に非均一であり、C1s及びO1sのXPSスペクトルピークシフトの結果においても場所により異なる傾向を示す。これはトーラス方向の酸素捕捉能力が非均一であることを示唆している。(3)ボロン膜厚は、LHDではグロー電極の位置に依存するが、JT-60Uではそのような傾向は見受けられなかった。理由の一つとして炭素堆積層がトーラス方向に非均一であることが支配的となっていると考えられる。(4)ボロン膜の厚みは実験サイクル中十分に保持されているため、ボロン化壁による酸素軽減効果はおもにボロン膜の最表面の特性に起因すると考えられる。

口頭

低エネルギー水素プラズマに曝された低放射化フェライト鋼の重水素保持・脱離挙動

鈴木 哲; 伊藤 達哉*; 信太 祐二*; 山内 有二*; 日野 友明*; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 秋場 真人

no journal, , 

低放射化フェライト鋼F82Hは核融合炉の第一壁の構造材料の候補材料の一つであるが、水素同位体の保持脱離挙動の把握に関しては、燃料密度制御や安全性の観点から重要であるにもかかわらず、まだ十分な評価は行われていない。本研究では、原子力機構にてダイバータプラズマを模擬した水素ビームを照射し、表面に損傷を与えたF82Hに対し重水素イオンを照射し、その保持脱離挙動を調べ、表面損傷との関係を明らかにした。その結果、水素イオン照射温度を変化させた場合、照射温度が室温から530Kまででは、重水素保持量に変化が見られなかったが、770Kでは重水素保持量が大幅に減少した。

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