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山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:6 パーセンタイル:84.97(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
Schury, P. H.*; 和田 道治*; 伊藤 由太*; Naimi, S.*; 園田 哲*; 三田 浩希*; 高峰 愛子*; 岡田 邦宏*; Wollnik, H.*; Chon, S.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 317(Part B), p.537 - 543, 2013/12
被引用回数:28 パーセンタイル:89.14(Instruments & Instrumentation)極短寿命の原子核の高精度質量測定を実現する目的のために、理化学研究所において多反射時間飛行法(MRTOF)による質量分析を実施した。とりわけ大きな興味の対象としているのはr過程元素合成や超ウラン原子核の質量測定である。このような原子核に対しては、MRTOFはこれまで伝統的に質量測定に使われてきたペニングトラップ法に比べてよりよいパフォーマンスを与えることができる。われわれはMRTOFが与える質量測定の相対精度がにまで達し、そして重く、短寿命な原子核に適用可能であることをいくつかの実例を示しながら紹介する。
園田 哲*; 和田 道治*; 富田 英生*; 坂本 知佳*; 高塚 卓旦*; 古川 武*; 飯村 秀紀; 伊藤 由太*; 久保 敏幸*; 松尾 由賀利*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 295, p.1 - 10, 2013/01
被引用回数:21 パーセンタイル:83.85(Instruments & Instrumentation)ガスセル中でのレーザー共鳴イオン化を用いた新しいタイプのイオン源を開発した。このイオン源は、ガスセル中に入射した放射性核種の原子を、レーザーでイオン化して、オンラインで質量分離するためのものである。このイオン源の特長は、ガスセルからイオンを引き出す出口に六極イオンガイドを付けて差動排気することにより、同位体分離装置を高真空に保ちながらガスセルの出口径を大きくした点にある。これによって、ガス中でイオン化されたイオンの引出し時間が短くなり、より短寿命の放射性核種の分離が可能となった。このイオン源は、理化学研究所の放射性イオンビーム施設(RIBF)で使用される予定である。
阿部 寛信; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 永崎 靖志; 新里 忠史; 浅妻 新一郎; 青木 勲; 石川 信行; 石川 浩康; 石崎 暢洋; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質により引き起こされた環境汚染に対し、原子力機構の「除染推進専門家チーム」は、福島県内の各市町村における除染活動の円滑な推進のための行政機関等への支援活動を実施している。平成23年度は、福島県内各市町村における除染計画の策定協力として、延べ321件、除染にかかわる技術指導・支援等として、延べ164件の要請に対応した。そのうち、除染活動によって発生する除去土壌等を保管する仮置場の設置等に関する支援活動では、仮置場の候補地について、地形,土壌,地質,水理,植生等に関する既存情報の整理及び現地調査を実施し、その結果に基づいて、おもに技術的な観点からの助言を行った。また、住民説明会においては、生活環境中に飛散している放射性物質を除去・収集し、一か所に集め、適切に保管することにより、住民の不必要な被ばくを防ぐことが仮置場の設置目的であることを念頭に、仮置場の保管・管理に必要な要件の解説など技術的観点からの説明・支援を実施した。
坂本 知佳*; 高塚 卓旦*; Sonnenchein, V.*; 富田 英生*; 園田 哲*; 三田 浩希*; 能任 琢真*; 足立 義貴*; 伊藤 主税; 前田 茂貴; et al.
no journal, ,
原子炉安全性評価のための高速中性子の長期化積算線量評価に有用なNbとNbの存在比測定に向けた核異性体選択的共鳴イオン化質量分析法の開発に向けて、チタンサファイアレーザーを用いた真空中でのNb共鳴イオン化実験を行った。中性子ドシメトリのためのNb微量分析に対し、注入同期Ti:Saレーザーを用いたRIMSを行うことを念頭に、Ti:Saレーザーを用いてNb共鳴イオン化を試みた結果、Nbの真空中共鳴イオン化を確認した。さらにTi:Saレーザーのスペクトル線幅を抑制した場合では、超微細分裂によるピークのゆがみも確認された。今後は二色二段のイオン化スキームを用いた共鳴イオン化実証実験を行う予定である。
住谷 正人; 池田 幸喜; 薗田 暁; 新里 忠史; 見掛 信一郎; 阿部 寛信; 井上 誠; 江口 和利; 小澤 政千代; 照沼 章弘; et al.
no journal, ,
原子力機構では、福島県において環境修復に向けた除染活動にかかわる取組みを実施している。本報告では、福島県内の各市町村が中心となって除染計画を策定し、除染を実施する区域(以下、「除染実施区域」という。)における除染計画策定協力や除染活動にかかわる技術指導・支援などの自治体支援の実績とそこから得られた教訓のうち、除染で発生した除去土壌等を一時保管するための仮置場を国有林に設置する際に行う除染関係ガイドラインとの整合性確認等について紹介する。
青木 勲; 浅妻 新一郎; 須藤 智之; 古宮 友和; 中村 暢彦; 内田 伸一; 小澤 政千代; 薗田 暁; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; et al.
no journal, ,
平成23年9月28日、内閣府・環境省からの要請により、原子力機構福島支援本部内に「福島除染推進(専門家)チーム」(以下「専門家チーム」と言う。)が発足し、汚染状況重点調査地域に指定された福島県内の各市町村における除染活動の円滑な推進のための支援活動を開始した。また、国直轄の除染事業を支援するため、平成24年2月1日に「除染活動推進員」を配置し、除染特別地域での除染技術指導、住民説明会や個別除染のための同意書取得等の支援活動を開始した。本報告では、専門家チームの広範囲にわたる除染推進活動について紹介する。
古川 純*; 山本 剛史*; 野田 浩希*; 佐藤 忍*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; et al.
no journal, ,
大気Micro-PIXE (particle induced X-ray emission)を用いた植物組織切片の元素分析手法の確立と、微量元素の生理学的機能の解明を目的に研究を進めている。今回は、植物体の構造維持に関与する不溶性の元素(Ca,Si)を残存させることができるパラフィン包埋法とTIARAの大気Micro-PIXE分析システムを用いた分析手法を考案し、通常及び遺伝子改変したイネの葉身の切片試料の分析に応用した。その結果、Caは葉身の内側、特に細胞と細胞の接着部分である中葉と呼ばれる部位に粒状に分布しており、Siは葉の表皮に一様かつ多量に分布するが葉身の内側には少量しか検出されなかった。CaもSiも細胞壁における構造維持が中心的な役割の一つとされており、これを支持する結果と考えられる。遺伝子改変されたイネ葉身の分析では、表皮のSi分布が不均一になり量も減っていたが、葉身の内側に存在する量は増加していた。また、Caの蓄積量が少ないはずの未成熟葉であっても葉身内部にCaの局在が認められた。このように、パラフィン包理法と大気Micro-PIXEによって元素局在の変化を解析することに成功し、遺伝子機能の変化や欠損が起こった際の植物の応答の詳細な解析が可能となった。