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錦野 将元; 佐藤 克俊; 長谷川 登; 石野 雅彦; 河内 哲哉; 今園 孝志; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 西村 博明*
X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.301 - 306, 2011/12
X線マイクロビームの細胞照射によるバイスタンダー効果の研究をはじめとする生物学の分野や、光子活性化療法やX線血管造影等の医療,医学分野において単色線パルスの有用性が認識されはじめており、レーザー駆動による単色X線源を実現することができれば、従来の大型放射光施設よりも格段に小型,安価で高輝度な光源として、生物学,医学分野をはじめとする諸分野へ大きな貢献をすることができる。本研究では、高輝度な単色X線パルス発生とその単色X線源を使った放射線生物学への応用研究への展開を目的としている。そこで、大阪大学大学院医学研究科・医用物理学講座及び大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと共同で超短パルスレーザーによって発生させたレーザープラズマX線及び、軟X線レーザーを利用したX線マイクロビーム照射装置の開発及び、その装置を用いたがん細胞における放射線生物影響に関する応用研究を行った。
佐藤 克俊; 錦野 将元; 沼崎 穂高*; 河内 哲哉; 手島 昭樹*; 西村 博明*
電気学会論文誌,C, 130(10), p.1800 - 1805, 2010/10
近年のレーザ技術の発展により、高強度超短パルスレーザが利用できるようになった。高強度超短パルスレーザを金属ターゲットに照射するとターゲット表面にプラズマが生成される。このプラズマから発生する高速電子と金属ターゲットの相互作用により制動X線と特性X線が発生する。このX線は、レーザプラズマX線と呼ばれており、従来のX線管や加速器を用いて発生させたX線と比較して、超短パルス, 高輝度, 単一エネルギー, 集光可能であるという特徴を持つ。この特徴は、X線マイクロビーム照射装置に最適である。現在、われわれはレーザプラズマX線源の医学,生命化学応用として細胞照射用X線マイクロビーム照射装置の開発と、がん細胞における放射線応答及びバイスタンダー効果に関する研究を行っている。本論文では、レーザプラズマX線マイクロビーム照射装置の概要、現在得られている細胞照射実験結果、レーザプラズマX線源の放射線生物学研究上での利点等について述べる。
佐藤 克俊; 錦野 将元; 岡野 泰彬*; 大島 慎介*; 長谷川 登; 石野 雅彦; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 西村 博明*
Radiation Research, 174(4), p.436 - 445, 2010/10
被引用回数:16 パーセンタイル:50.43(Biology)単色性,超短パルス性や空間コヒーレンス等の特徴があるレーザープラズマX線を用いた放射線生物影響研究の展開を行った。超短パルスレーザーを銅ターゲットに照射することにより8keV,ピコ秒程度のK殻特性X線パルスを発生させ、ポリキャピラリーX線レンズで集光、細胞照射可能な照射装置の開発を行った。レーザープラズマX線の吸収線量はガフクロミックフィルムを用いて行った。免疫蛍光染色法を用いて2Gyの照射を行ったときにがん細胞核内に生成するリン酸化H2AXとATMのフォーカス生成の確認を行いDNA2本鎖切断の確認を行った。また、それらの結果を医療用の線形加速器を用いて得られた結果と比較を行い、これまでのX線源と比較してレーザープラズマX線は放射線生物研究にとって有用性の高いX線源であることを示した。
錦野 将元; 佐藤 克俊; 長谷川 登; 石野 雅彦; 大島 慎介*; 岡野 泰彬*; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 西村 博明*
Review of Scientific Instruments, 81(2), p.026107_1 - 026107_3, 2010/02
被引用回数:22 パーセンタイル:67.83(Instruments & Instrumentation)放射線生物学研究に向けたレーザープラズマX線照射装置の開発を行った。超短パルスレーザーを銅ターゲットに照射することにより8.0keV, 1psのK殻特性X線パルスを発生させた。ポリキャピラリーX線レンズを用いてレーザープラズマX線を集光し、ヒト肺腺がん細胞A549に照射を行い放射線生物影響の確認を行った。X線照射終了30分後に抗H2AX抗体を用いた免疫蛍光染色法によりDNA二本鎖切断部位の検出を行った。免疫蛍光染色の結果、レーザープラズマX線の照射により誘発された
H2AXのフォーカス形成を確認した。X線集光径の縮小及び、X線発生効率の向上によりX線照射線量率を増加させ、癌細胞内の局所領域における超短パルスX線による放射線生物影響研究を展開していく予定にしている。
余語 覚文; 佐藤 克俊; 錦野 将元; 森 道昭; 手島 昭樹*; 沼崎 穂高*; 村上 昌雄*; 出水 祐介*; 赤城 卓*; 永山 伸一*; et al.
Applied Physics Letters, 94(18), p.181502_1 - 181502_3, 2009/05
被引用回数:106 パーセンタイル:94.66(Physics, Applied)We report the demonstrated irradiation effect of laser-accelerated protons on human cancer cells. (living) A549 cells are irradiated with quasi-monoenergetic proton bunches of 0.8-2.4 MeV with a single bunch duration of 15 ns. Irradiation with the proton dose of 20 Gy results in a distinct formation of
-H2AX foci as an indicator of DNA double-strand breaks generated in the cancer cells. This is a pioneering result in view of future investigations on the radiobiological effects of laser-driven ion beams. Unique high-current and short-bunch features make laser-driven proton bunches an excitation source for time-resolved determination of radical yields.
錦野 将元; 岡野 泰彬*; 佐藤 克俊*; 長谷川 登; 石野 雅彦; 大島 慎介*; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 西村 博明*
no journal, ,
高輝度な単色X線パルスの開発とともに、その単色X線源を使った生物学や医学分野への応用研究を目的としている。レーザー駆動単色X線を用いた生物学分野への応用実験の検討を行い、レーザー駆動単色X線の特徴である単色性・空間コヒーレンス・短パルス性・高輝度を活かした応用として、「レーザー駆動高輝度X線マイクロビーム装置の開発」を行い、その装置を用いた「放射線腫瘍学への展開」を目的として研究を開始した。初期実験としてレーザープラズマX線による細胞照射を行い、放射線影響を確認した。今後、単一細胞照射可能なレーザー駆動高輝度X線マイクロビーム装置の設計及び開発を行っていく予定である。
錦野 将元; 石野 雅彦; 長谷川 登; 河内 哲哉; 佐藤 克俊*; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 大島 慎介*; 岡野 泰彬*; 西村 博明*
no journal, ,
超短パルス・高強度レーザー技術の進展により高輝度・単色なレーザー駆動X線パルスの研究開発が進められている。現在、レーザー駆動単色X線源による応用研究への展開が期待されており、その特徴である単色性・空間コヒーレンス・短パルス性・高輝度を活かした生物学分野への応用実験の検討を行った。今回、レーザー駆動単色X線による放射線影響を確認することを目的とした「レーザー駆動高輝度X線マイクロビーム装置の開発」と、その装置を用いた「放射線腫瘍学への展開」に関する研究を開始した。初期実験としてレーザープラズマ線による細胞照射を行い、レーザープラズマX線による放射線影響を確認した。今後は単一細胞照射可能なレーザー駆動高輝度X線マイクロビーム装置の設計及び開発を行っていく予定である。
余語 覚文; 佐藤 克俊*; 錦野 将元; 森 道昭; 手島 昭樹*; 沼崎 穂高*; 村上 昌雄*; 小倉 浩一; 匂坂 明人; 織茂 聡; et al.
no journal, ,
高強度レーザー-プラズマ相互作用を用いて、最大エネルギー約2.5MeVの陽子線を発生させ、これを培養状態(in-vitro)のヒト肺腺がん細胞に照射して、その生物学的効果を評価した。H2AX免疫蛍光染色法によるDNA損傷評価を行った結果、陽子線20Gyを照射したサンプルに対して、DNA2本鎖切断の発生を示す結果を得た。講演では、レーザー駆動陽子線の特徴についても議論する。
余語 覚文; 佐藤 克俊*; 錦野 将元; 森 道昭; 手島 昭樹*; 沼崎 穂高*; 村上 昌雄*; 小倉 浩一; 匂坂 明人; 織茂 聡; et al.
no journal, ,
高強度レーザー駆動による、MeVエネルギー陽子線の細胞照射装置を開発した。レーザー駆動加速では、陽子線と同時に、X線,電子線が発生するため、照射装置は永久磁石による分別装置を備えている。また、生きた培養状態(in-vitro)の細胞に対して陽子線を照射するために、培養液の圧力を1気圧に保ったままの状態で細胞をカプセルに密封して、これを真空中に導入する装置を開発した。このほか、発表では20Gyのレーザー駆動陽子線を照射したヒト肺腺がん細胞の照射効果についても紹介する。
錦野 将元; 佐藤 克俊*; 大島 慎介*; 長谷川 登; 石野 雅彦; 河内 哲哉; 岡野 泰彬*; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 西村 博明*
no journal, ,
超高強度レーザーによる高輝度な超短パルス単色X線の開発とともに、超短パルス単色X線を利用した放射線生物学や医学分野への応用を目指している。レーザー駆動単色X線の特徴である単色性・空間コヒーレンス・短パルス性・高輝度を活かした応用として「レーザー駆動高輝度X線ビーム装置の開発」を行い、その装置を用いた「放射線生物学への展開」を目的とした研究を開始した。初期実験としてレーザープラズマX線照射によって癌細胞に発生するDNAの2本鎖切断やコロニー計測法による生存率の確認等の放射線影響を確認した。今後は、単一細胞照射可能な超短パルスレーザー駆動高輝度X線マイクロビーム装置の設計及び開発を行っていく予定である。
佐藤 克俊*; 錦野 将元; 岡野 泰彬*; 長谷川 登; 石野 雅彦; 大島 慎介*; 沼崎 穂高*; 河内 哲哉; 手島 昭樹*; 西村 博明*
no journal, ,
レーザープラズマX線を用いたマイクロビーム装置により、X線を癌細胞に照射することにより発生するDNA二本鎖切断を検出した。ターゲットとしてCuフォイルを用い、レーザーの照射により8KeV K殻特性X線を発生させ、ポリキャピラリーX線レンズを用いてX線を集光し細胞へ照射した。X線スポットの確認のためにガフクロミックフィルムEBTを用いた。がん細胞株としてヒト肺腺がん細胞株A549を用い、照射終了30分後に抗-H2AX抗体, 抗リン酸化型ATM抗体を用いた免疫蛍光染色法によりDNA二本鎖切断部位を検出した。レーザープラズマX線の線量はレーザー1ショットあたり0.12mGyであった。免疫蛍光染色の結果、レーザープラズマX線の照射により誘発された
-H2AX及びリン酸化ATMのフォーカス形成が確認された。フォーカス陽性細胞は直径約600から900ミクロンの範囲に存在しており、この範囲はガフクロミックフィルムEBTの濃度変化から求めたX線スポットサイズとほぼ同等であった。今後はX線集光径を縮小し、X線発生効率の向上により線量率を増加させ、がん細胞の細胞内局所領域における放射線影響研究を展開する。
佐藤 克俊; 沼崎 穂高*; 錦野 将元; 余語 覚文; 河内 哲哉; 手島 昭樹*; 大道 博行
no journal, ,
超短パルス高強度レーザーによって生成されるX線や陽子線をがん細胞株に照射し、誘発される放射線影響を解明することを目的とする。レーザー駆動X線(90eV, 8KeV)及び陽子線(約2MeV)をがん細胞株A549に照射した結果、照射部位における-H2AXフォーカス(DNA二本鎖切断部位)が確認された。レーザー駆動放射線源は、従来のX線管や加速器と比べて超短パルス,単色,高輝度という特徴を持つ。この新しい放射線源を放射線医学に応用し、放射線生物学における物理,化学的過程に迫る放射線影響の解明や治療用陽子線加速器の小型化を目指す。
錦野 将元; 佐藤 克俊; 石野 雅彦; 長谷川 登; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 大島 慎介*; 西村 博明*
no journal, ,
レーザープラズマX線源は、従来のX線管や加速器と比べて超短パルス,単色,高輝度という特徴を持つ。そこで超短パルス高強度レーザーによって生成されるレーザープラズマX線(8keV)やX線レーザー(90eV)をがん細胞株に照射し、誘発される放射線生物影響の解明を目的として、レーザープラズマX線マイクロビーム装置の開発を行った。レーザープラズマX線の実験では、銅フォイルを用いてK殻特性X線を発生させ、ポリキャピラリーX線レンズを用いてX線を集光し細胞へ照射した。X線レーザーの実験では球面鏡を用いてX線を集光し細胞へ照射した。がん細胞株としてヒト肺腺がん細胞株を用い、照射終了後に抗H2AX抗体,抗リン酸化型ATM抗体を用いた免疫蛍光染色法により二本鎖切断部位を検出した。免疫蛍光染色の結果、レーザープラズマX線の照射により誘発された
H2AX及びリン酸化ATMのフォーカスとよばれるスポットの形成が確認された。
錦野 将元; 佐藤 克俊; 石野 雅彦; 長谷川 登; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 大島 慎介*; 西村 博明*
no journal, ,
超高強度レーザーによる高輝度な超短パルス単色X線の開発とともに、超短パルス単色X線を利用した放射線生物学や医学分野への応用を目指している。レーザー駆動単色X線の特徴である単色性・空間コヒーレンス・短パルス性・高輝度を活かした応用として「レーザー駆動高輝度X線ビーム装置の開発」を行い、その装置を用いた「放射線生物学への展開」を目的とした研究を開始した。初期実験としてレーザープラズマX線照射によって癌細胞に発生するDNAの2本鎖切断やコロニー計測法による生存率の確認等の放射線影響を確認した。今後、単一細胞照射可能な超短パルスレーザー駆動高輝度X線マイクロビーム装置の開発を行っていく予定である。
錦野 将元; 佐藤 克俊; 石野 雅彦; 長谷川 登; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 大島 慎介*; 西村 博明*
no journal, ,
レーザープラズマX線源は、従来のX線管や加速器と比べて超短パルス,単色,高輝度という特徴を持つ。そこで超短パルス高強度レーザーによって生成されるレーザープラズマX線(8keV)やX線レーザー(90eV)をがん細胞株に照射し、誘発される放射線影響の解明を目的として、レーザープラズマX線マイクロビーム装置の開発を行った。レーザープラズマX線の実験では、銅フォイルを用いてK殻特性X線を発生させ、ポリキャピラリーX線レンズを用いてX線を集光し細胞へ照射した。X線レーザーの実験では球面鏡を用いてX線を集光し細胞へ照射した。がん細胞株としてヒト肺腺がん細胞株を用い、照射終了後に抗H2AX抗体,抗リン酸化型ATM抗体,抗リン酸化型DNA-PKcs抗体を用いた免疫蛍光染色法により二本鎖切断部位を検出した。免疫蛍光染色の結果、レーザープラズマX線の照射により誘発された
H2AX,リン酸化ATM及び、リン酸化DNA-PKcsのフォーカスとよばれるスポットの形成が確認された。
錦野 将元; 佐藤 克俊; 石野 雅彦; 長谷川 登; 加道 雅孝; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 岡野 泰彬*; 大島 慎介*; et al.
no journal, ,
近年の超高強度レーザーの開発により、高輝度の単色X線パルスの発生が実現しつつある。一方で、X線マイクロビームの細胞照射によるバイスタンダー効果の研究をはじめとする生物学の分野や、光子活性化療法やX線血管造影等の医療,医学分野において単色X線パルスの有用性が認識されはじめており、レーザー駆動による単色X線源を実現することができれば、従来の大型放射光施設よりも格段に小型,安価で高輝度な光源として、生物学,医学分野をはじめとする諸分野へ大きな貢献をすることができる。本研究では、高輝度な単色X線パルス発生とともに、その単色X線源を使った生物学や医学分野への応用研究への展開を目的としている。そこで、大阪大学大学院医学研究科・医用物理学講座及び大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと共同で超短パルスレーザーによって発生させたレーザープラズマX線及び、軟X線レーザーを利用したX線マイクロビーム照射装置の開発及び、その装置を用いた放射線生物影響に関する応用研究を進めている。講演では、今超短パルスレーザープラズマX線の持つ超短パルス,高輝度,単色エネルギー,高空間コヒーレンスであるという特徴を活かしたがん細胞における放射線生物影響研究を展開について発表を行う。
錦野 将元; 佐藤 克俊; 長谷川 登; 石野 雅彦; 河内 哲哉; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*; 西村 博明*
no journal, ,
X線マイクロビームの細胞照射によるバイスタンダー効果の研究をはじめとする生物学の分野や、光子活性化療法や線血管造影等の医療,医学分野において単色線パルスの有用性が認識されはじめており、レーザー駆動による単色X線源を実現することができれば、従来の大型放射光施設よりも格段に小型,安価で高輝度な光源として、生物学,医学分野をはじめとする諸分野へ大きな貢献をすることができる。本研究では、高強度レーザーを用いた高輝度単色X線パルス発生として、軟X線レーザーとレーザプラズマKa線の2種類のX線光源を開発し、その単色X線源を用いた放射線生物学への応用研究としてマイクロビーム照射装置の開発を行った。マイクロビーム照射装置は、それぞれ軟X線集光素子を用いて培養細胞集団程度の大きさに集光を行い、マイクロメーターレベルの制御可能なステージを組合せてあり、大気中の培養細胞にX線照射可能である。大阪大学大学院医学研究科・医用物理学講座及び大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと共同で軟X線マイクロビーム照射装置の開発及び、がん細胞への放射線生物影響に関する応用研究を行った。
佐藤 克俊; 錦野 将元; 沼崎 穂高*; 河内 哲哉; 手島 昭樹*; 西村 博明*; 松浦 成昭*
no journal, ,
近年、細胞レベルでの放射線生物影響研究を実施するために粒子線やX線を用いたマイクロビーム照射装置の開発研究が行われている。マイクロビーム照射装置によって細胞に放射線を照射すると周囲に存在する直接照射を受けていない細胞において放射線照射されたかのような影響(バイスタンダー効果)が引き起こされる。このバイスタンダー効果のメカニズムの解明について研究が進められているが、詳細なメカニズムは未だ解明されていない。今回、大阪大学大学院医学研究科・医用物理学講座及び大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと共同で軟X線マイクロビーム照射装置の開発を行い、がん細胞におけるバイスタンダー効果に関する放射線生物影響の研究を実施した。X線照射した周辺細胞におけるバイスタンダー効果を確認するために軟X線マイクロビーム照射後における周辺細胞での細胞周期を制御するp53遺伝子の活性を確認した。
佐藤 克俊; 錦野 将元; 沼崎 穂高*; 河内 哲哉; 手島 昭樹*; 西村 博明*
no journal, ,
レーザープラズマX線源は、既存のX線発生装置と比較して超短パルスX線であり、パルスあたりの輝度が高いという特徴をもつ医学,生命科学分野への応用が期待されている光源である。レーザープラズマX線の医学応用の第一歩として、これまでわれわれはレーザープラズマX線及び軟X線レーザーを用いた細胞照射用マイクロビーム照射装置を開発し、これを用いてがん細胞の放射線応答について研究してきた。レーザープラズマX線としてTi:sapphireレーザーを銅(Cu)ターゲットに集光させることにより発生するプラズマから放出されるCuのK線(8keV)を、また、軟X線レーザーとして、ダブルターゲット方式により発生させたニッケル様銀レーザー(90eV)を用いた。がん細胞株としてヒト肺腺がん細胞株A549を用い、レーザープラズマX線及び軟X線レーザーを照射することにより発生するDNA二本鎖切断を、免疫蛍光染色法により評価した。
錦野 将元; 佐藤 克俊*; 河内 哲哉; 西村 博明*; 沼崎 穂高*; 手島 昭樹*
no journal, ,
高強度短パルスレーザーを物質に集光照射することにより発生したプラズマ中では、レーザープラズマ相互作用の結果、数10100keVの温度を持つ高速電子が発生する。この電子は真空中に膨張し高速イオンを発生させるとともに、ターゲット内部に侵入し、制動放射X線や内殻電離に伴う特性X線を発生する。これらのX線はレーザープラズマX線と呼ばれ、短パルス,点光源,準単色エネルギーなど、従来の光源に見られない特徴を持ったコンパクト光源として、科学技術からバイオメディカル,産業応用に至るさまざまな分野に応用を広めつつある。このような光源の特徴は、X線マイクロビームの生成に最適であるため、われわれはレーザープラズマX線源の医学生命化学応用として細胞照射用X線マイクロビーム照射装置の開発とがん細胞における放射線応答に関する研究を実施している。このようなレーザープラズマX線マイクロビーム照射装置について紹介する。