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Kwon, H.*; 志賀 基之; 君塚 肇*; 小田 卓司*
Acta Materialia, 247, p.118739_1 - 118739_11, 2023/04
被引用回数:5 パーセンタイル:90.07(Materials Science, Multidisciplinary)機械学習によるモーメントテンソルポテンシャルを用いた経路積分シミュレーションから、体心立方格子金属(Nb, Fe, W)中の希薄水素の拡散係数を密度汎関数理論レベルの精度で推定した。この計算結果は、精度が高いと考えられるいくつかの実験結果と大いに一致した。また、実験結果と矛盾なく同位体効果を再現した。
久野 祐輔; 田崎 真樹子; 秋葉 光徳*; 安達 武雄*; 高嶋 隆太*; 尾本 彰*; 小田 卓司*; Choi, J.-S.*; 田中 知*
Proceedings of INMM 53rd Annual Meeting (CD-ROM), 10 Pages, 2012/07
原子力における多国間管理の歴史的変遷・経緯をレビューし分析するとともに、それに基づき、3Sのニーズ対応も含めた核燃料サイクルの多国間管理枠組みについて研究を行ったので、その概念について発表する。
清藤 一; 箱田 照幸; 花屋 博秋; 春山 保幸; 金子 広久; 山下 俊*; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 150, 2012/01
数十keV-EB発生器を用い、透明PI試料の照射を行った。試料を非破壊で(切削せずに)屈折率分布評価が行え、かつ試料表面及び屈折率の異なる層間の界面からの反射光を検出する特長を持つ分光エリプソメータを用いて定量化を試みた。その結果、波長域400-1600nmにおいて試料表面から20nm層分について、屈折率が照射前と比べて1MGyについては6%, 5MGyについては10%変化していることがわかった。しかし、表面から20nm以降の層については、照射前の屈折率とほぼ同じであった。これは、透明PI試料バルク中の照射により生じた屈折率勾配において、層間における屈折率差が小さいことが考えられる。これより、数十keV-EB照射試料の屈折率評価から、極表面層(20nm厚)における相対線量値については定量化できることが明らかとなった。
清藤 一; 松井 信二郎*; 箱田 照幸; 石川 昌義*; 春山 保幸; 金子 広久; 木村 純*; 小嶋 拓治
材料技術, 30(1), p.10 - 16, 2012/01
加速電圧110kVの電子加速器で得られるビーム取り出し窓からある距離における平面上の照射場について、最終的にはフィルム線量計で1点を測定することにより照射場の特性把握や工程管理をすることを目的に、(1)熱量測定による照射場全領域の吸収線量とモンテカルロ計算(PENELOPEコード)の比較、(2)放射線着色フィルム線量計による照射場領域の線量分布と(1)の結果に基づき補正した計算値との比較を行うことにより、実測及び計算の両方法を補間的に組合せた線量評価法を検討した。この結果、ビーム窓からの距離40mmにおける照射場(直径100mm)においては、アルミ吸収体(厚さ2-5mm)を用いた熱量計の測定値と計算値は照射場全領域の吸収線量値が4.0%以内で整合すること、2MeV電子線を用いて校正したフィルム線量計(FWT-60)による吸収線量分布測定結果は中心から直径0.5cmの応答の飽和領域を除き5.0%以内で整合することがわかった。言い換えると、実プロセスにおいてフィルム線量計により1点のモニター値が得られれば、照射場の特性把握や工程管理が可能である見通しが得られた。
久野 祐輔; 小田 卓司*; 田中 知*; 深澤 哲生*; 田邉 朋行*; 玉井 広史; 堀尾 健太*; 浜崎 学*; 篠原 伸夫*; 池田 悠太*
Proceedings of INMM 52nd Annual Meeting (CD-ROM), 10 Pages, 2011/07
核拡散のリスク評価観点から核拡散抵抗性の有意性について研究した。次世代の10種類の再処理技術について、現状の手法であるPUREXに対する相対的な違いについてGIF-PRPP手法を用いて評価を行った。また拡散リスクにおける抵抗性の有効性についても評価した。抵抗性の効果は各国の国情に左右されることがわかった。
広田 耕一; 箱田 照幸; 島田 明彦; 田口 光正; 木村 敦; 小嶋 拓治
Proceedings of 12th International Conference on Radiation Curing in Asia (RadTech Asia 2011) (Internet), p.108 - 109, 2011/06
電子線によるVOC処理において最も困難なプロセスに、VOCの電子線照射によって生成する副産物の処理がある。この副産物を完全に酸化するため、オゾン分解触媒である二酸化マンガン触媒を導入した。この触媒は、照射により生成するオゾンを分解して活性酸素を発生させ、これにより副産物を酸化することができる。そこで、ガス処理専用の電子加速器と二酸化マンガンを備えたハイブリットVOC処理装置用いてトルエンとキシレンの混合ガスを処理したところ、11kGyでVOCを完全に無機化することができた。また、電子線によるダイオキシン類分解に関する研究では、高浜クリーンセンターの実ガス1,000m/hを用いてパイロット試験を行った。その結果、14kGyで排ガスに含まれるダイオキシン類の90%以上を分解することができた。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 成田 正*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
IEEE Transactions on Industry Applications, 44(6), p.1950 - 1956, 2008/11
被引用回数:3 パーセンタイル:34.09(Engineering, Multidisciplinary)塗料工場からの換気ガス中に含まれるキシレンなどの電子ビーム(EB)照射による分解処理技術の開発のために、EB照射と触媒であるAg担持TiOを併用して、キシレンやその照射副生成物の分解を促進する触媒設置条件を明らかにするととともに、触媒表面上の酸化反応を定量した。その結果、照射空間の下流への触媒導入により、照射副生成物のCOへの選択的な酸化が認められ、特にAg担持量が5wt%以上の場合に最大のCO生成量が得られることがわかった。さらに、非照射空間における副生成物の酸化反応では照射由来のOから解離した活性酸素が照射副生成物の酸化分解に関与している可能性があることを明らかにした。
Ostapczuk, A.*; 箱田 照幸; 島田 明彦; 小嶋 拓治
Plasma Chemistry and Plasma Processing, 28(4), p.483 - 494, 2008/08
被引用回数:16 パーセンタイル:53.34(Engineering, Chemical)石炭火力発電所からの排ガス中に含まれる典型的な多環芳香族有機物として、ナフタレンやアセナフテンの電子ビームプラズマによる分解挙動を調べた。その結果、ナフタレン及びアセナフテンの分解のG値はそれぞれ1.66及び3.72であり、分解生成物としてはCOやCOに加えてベンゼン環を1個有する芳香族有機物が生じることを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 島田 明彦; 成田 正*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
Radiation Physics and Chemistry, 77(5), p.585 - 590, 2008/05
被引用回数:8 パーセンタイル:48.77(Chemistry, Physical)当グループでは、塗料工場からの換気ガスに含まれる芳香族有機物を電子ビーム照射により分解除去する技術の開発を進めている。電子ビーム照射した汚染空気には、ガス中では有機物とほとんど反応しないオゾンが残存していることから、本研究では、このオゾンを活性化するとともに、この活性酸素により芳香族有機化合物やその照射生成物を酸化分解する技術の開発に着手した。具体的には、オゾンを活性化する方法としてオゾンの分解能力の高い二酸化マンガンを選定し、電子ビーム照射したキシレン含有空気をこの触媒に通じることにより、キシレン及び照射生成物の触媒酸化反応について調べた。その結果、触媒上でオゾンが解離して生じた活性酸素により、照射生成物のみを選択的に二酸化炭素にまで分解でき、またオゾンの分解量と同量の二酸化炭素が生成することがわかった。さらに、二酸化炭素となる照射生成物は、ギ酸などの低級な有機物であることを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
Plasma Chemistry and Plasma Processing, 28(1), p.25 - 37, 2008/02
被引用回数:22 パーセンタイル:63.60(Engineering, Chemical)塗料工場からの換気ガスに含まれる芳香族有機化合物の分解、並びに分解生成物の選択的なCOへの酸化を目的として、電子ビーム照射と触媒との併用による換気ガスの無害化処理技術の開発を進めている。本研究では、水溶性を有する副生成物の酸化促進を目的として、数十ppmvのキシレンを含む空気に線量10kGyで電子ビーム照射し、照射空間あるいは非照射空間に導入した親水性表面を有するTiO触媒との併用によるキシレンやその照射生成物の酸化分解挙動を調べた。この結果、TiOを非照射空間に導入することにより高濃度のCOが得られ、この濃度は触媒を併用せずに線量17kGyで照射した場合と同程度であることがわかった。さらに、TiOと同形状の触媒作用を有しないステンレス球を用いて行った照射実験の結果との比較から、照射及び非照射空間におけるTiO表面上の酸化反応を定量した。
島田 明彦; 箱田 照幸; 小嶋 拓治; 田久保 剛*; 岩崎 達行*; 木下 忍*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 60, 2007/02
ホルムアルデヒド(HCHO)とメタノール(CHOH)を含む空気、いわゆるホルマリンガスは、薫蒸殺菌に使用した後の排出のためにその短時間での無害化処理が求められており、電子ビーム(EB)の応用を検討した。90-1230ppmvのHCHOと30-340ppmvのメタノール(CHOH)を含む空気を5-80kGyで電子ビーム照射し、吸収線量と照射後の残存HCHO濃度を測定した結果から、初期HCHO濃度とこれを10ppmvに減少させるために必要な線量の関係を求めた。HCHO初期濃度を[HCHO](ppmv)とし、必要な線量をD(kGy)とすると、CHOHを含む場合は、D=-4.210[HCHO]+1.210[HCHO]-1.2、CHOHを含まない場合は、D=-3.810[HCHO]+1.010[HCHO]-1.0の関係が得られた。これらに基づいて、部屋の容積,初期濃度,加速器仕様をパラメータとして、CHOHを含む場合のHCHO含有空気をEB処理するために要する時間を算出する式を導出した。これから、EB処理プロセスは、従来の熱触媒法に比べて処理時間を1/4程度にできることがわかった。
広田 耕一; 田口 光正; 箱田 照幸; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 59, 2007/02
ごみ焼却施設である高浜クリーンセンターから排出される1000m/hの排ガスに電子ビーム照射し、排ガス中のダイオキシン類を分解する試験を行った。その結果、所期の目的であった90%以上の分解率がダイオキシンでは12kGy、フランでは16kGyでそれぞれ得られた。この吸収線量の相違の原因を突き止めるため、同族体別にダイオキシン及びフランの分解挙動を調べた。その結果、ダイオキシンはおもに排ガスへの照射により生成するOHラジカルにより酸化分解しているのに対し、フランは照射後4塩素化同族体の濃度が増加したことなどから、おもに脱塩素反応を起こしていることを明らかにした。また、経済性評価を行い、既存施設に付設する場合現在普及しているバグフィルター法に比べ、電子ビーム法は7%程度年間コストを低く抑えることができることがわかった。
島田 明彦; 箱田 照幸; 小嶋 拓治
Journal of Chemical Engineering of Japan, 39(9), p.980 - 986, 2006/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Chemical)ホルムアルデヒド(HCHO)とメタノール(CHOH)を含む空気(いわゆるホルマリンガス)は、薫蒸殺菌に使用した後の排出のためにその短時間無害化処理が求められており、短時間大量処理に有効な電子ビーム(EB)を用いた方法を検討した。901200ppmvのHCHOと30340ppmvのCHOHを含む空気を580kGyで電子ビーム照射し、照射後の残存HCHO濃度を測定し、この結果から、初期HCHO濃度[HCHO](ppmv)とこれを10ppmvに減少させるために必要な線量(kGy)の関係式として、=-4.210[HCHO]+1.210[HCHO]-1.2が得られた。さらに、これをもとにして、300keV, 30mAのEB発生器を用いて、1200ppmvのHCHOと340ppmvのCHOHを含む2000mの空気のEB処理に要する時間を算出すると、熱触媒法では、23日であるが、約13時間に短縮できることがわかった。
箱田 照幸; 迫 利浩*; 島田 明彦; 石田 恒雄*; 小嶋 拓治
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 79(5), p.731 - 737, 2006/05
被引用回数:5 パーセンタイル:26.65(Chemistry, Multidisciplinary)キシレンは空気中では電子ビーム照射により酸化分解し、ガス状及び粒子状物質を生成する。本研究では、キシレンの分解無害化処理において問題となるこの粒子状生成物の成分を明らかにするために、捕集した粒子状生成物を水素含有アルゴンガス中で150Cまで昇温しガス化(昇温脱離)させ、ガス化した成分を大気圧イオン化質量分析装置により分析した。その結果、温度が120C以上において、質量数が139-203uの範囲で質量数16uごとの周期を有する成分のピークが観測された。この周期質量は酸素の原子量と一致することから、155-203uの質量数範囲の成分は質量数139uの成分に酸素原子が結合した成分であると推定された。さらに、極微小ではあるものの質量数が392uの成分が観測された。この質量数は、炭素間結合を維持した状態でキシレン1分子が最大限酸化された成分の分子量よりも大きいことから、複数のキシレンの分解生成物が反応してこのような高分子量の成分が生じた可能性がある。
箱田 照幸; 島田 明彦; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 75(3), p.392 - 402, 2006/03
被引用回数:3 パーセンタイル:24.07(Chemistry, Physical)有害な芳香族有機物を含む空気に電子ビームを照射し浄化しようとすると、分解生成物としてガス状有機物のほかに平均粒径が数十nmの有害な粒子状物質が生成する。酸化分解しにくいこの粒子状の生成物は、照射場で高濃度なイオンにより帯電でき、さらにその後に外部電場によりガス相から除去することが可能である。そこで本研究では、電子ビーム照射空気に外部電場がある場合及びない場合での空気中に含まれた初期濃度10及び30ppmvのキシレンからの粒子状生成物の帯電率,粒径分布や極性について調べた。その結果、粒子状生成物の個数濃度及び体積濃度換算での帯電率は、キシレンの初期濃度や吸収線量によらずに、外部電場がない場合それぞれ31-37%と48-55%であり、また900V/cmの外部電場がある場合には48-55%と91-93%となることが明らかとなった。本研究結果からEB照射によりキシレンとガス状分解生成物を分解し、さらに照射場に900V/cmの電場を付与することにより粒子状生成物の全重量濃度の90%以上を帯電しかつ照射後の電場で捕集・除去できること、すなわち、ガス中の総有機炭素濃度を5%以下に低減できることが示された。
箱田 照幸; 後藤 均*; 島田 明彦; 越智 雅文*; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 75(3), p.375 - 383, 2006/03
被引用回数:8 パーセンタイル:49.43(Chemistry, Physical)芳香族有機物を含む空気に電子ビーム照射を行うと、芳香族有機物が酸化分解してガス状の有機物のほかに粒子状有機物が生じる。従来の150-300keVの電子ビームを用いた研究では、照射場から分析装置までの距離が離れているために、その間に粒子同士の結合が生じ、初期濃度や吸収線量の増加に伴って粒子の平均粒径が増加する問題点があった。そこで本研究では、照射場と粒子分析装置との配管距離を短くできる、最大加速電圧が55kV、最大照射電流が0.5mAの電子ビーム発生器を組み込んだ照射装置を開発して、この問題の解決を図った。この装置を用いて、初期濃度10及び30ppmvのキシレンを含む空気に電子ビームを照射し、粒子状生成物の炭素換算での収率、その粒子の個数及び体積換算での粒径分布を調べた。この結果、吸収線量範囲2-10kGyにおいて、分解したキシレンの49-52%が粒子状生成物であること、一方ガス状有機物は吸収線量の増加に伴い36-26%に減少し、その分CO及びCO濃度が増加することがわかった。また、粒子状生成物の個数濃度換算での平均粒径は初期濃度が10及び30ppmvの場合で、それぞれ27.5-28.8及び28.7-31.9nmであり、また体積濃度換算での平均粒径はそれぞれ51.7-53.4及び58.5-65.3nmであった。初期濃度や吸収線量によらずに、個数及び体積濃度換算それぞれでほぼ一定の平均粒径が得られたことは、照射場から分析装置の間で粒子同士の結合が抑制されたことを意味しており、この結果は本電子ビーム発生器の利用により初めて取得可能となった。
笠原 三紀夫*; Ma, C.-J.*; 奥村 智憲*; 小嶋 拓治; 箱田 照幸; 田口 光正; 酒井 卓郎; 小原 祥裕
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.293 - 295, 2006/01
雲の特性を明らかにするために、神石の鉄-銅鉱山にある巨大垂直坑道を用いて人工雲の発生実験を行った。この個々の雲粒子の物理的化学的特徴を、京都大学における顕微分析とTIARA施設におけるマイクロPIXE分析を用いて調べた。雲粒子のサイズ, その分布, 粒子個数濃度、及び粒子中の塩素の分布状態変化の粒子サイズ依存性にかかわる実験結果から、雲の成長過程を明らかにした。
箱田 照幸; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 74(5), p.302 - 309, 2005/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)内面積に対する体積比(S/V)が異なる照射容器中にクロロエチレンを含む空気を封入し、異なる線量率で電子ビーム及び線照射を行い、クロロエチレンの連鎖分解反応やその停止反応を調べた。その結果、線量率が高い電子ビーム照射の場合には、アルキル過酸化ラジカル同士の反応のみが連鎖停止反応として生じていることがわかった。これに対して、線量率が低い線照射、あるいは大きなS/V値を有する照射容器を用いた場合には、連鎖停止反応としてアルキル化酸化ラジカル同士の反応に加えて、このラジカルの照射容器壁への付着による反応も寄与していることが明らかとなった。
Olivares, R.*; 小田 卓司*; 大矢 恭久*; 田中 知*; 土谷 邦彦
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.765 - 768, 2005/11
被引用回数:9 パーセンタイル:52.95(Nuclear Science & Technology)チタン酸リチウム(LiTiO)は、核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材の第1候補材として有望視されている。LiTiOからのトリチウム放出挙動を把握するため、表面における水素同位体の状態や水分の吸脱着特性を明らかにする必要がある。このため、LiTiO表面での水分吸脱着特性,水素同位体の化学状態及び表面の酸化還元状態を調べた。その結果、前処理を施していない試料に対してArスパッタリングを行ったLiTiO表面は、LiとOが選択的にスパッタされ、Li組成比の減少,TiのTiへの還元が観察された。その後の加熱実験では、473K以上の温度からTiの酸化及びLi空孔の回復が起こり、673Kで完全になる。一方、加熱後の水蒸気曝露により、水は解離吸着した。以上より、LiTiO表面のLi及びOの空孔は、HOの吸着を起こすこと、LiTiO表面はTiOに近い状態であることがわかった。
箱田 照幸; 花屋 博秋; 金子 広久; 宮下 敦巳; 小嶋 拓治
Radioisotopes, 54(6), p.161 - 168, 2005/06
電子の媒質中での3次元的な挙動を計算できるモンテカルロ電子輸送コード(EGS4-SPGコード)を用いて、300keVの電子ビーム(EB)照射空気中のエネルギーフルエンス率値を計算により求めた。その計算の妥当性の評価のため、計算結果とカロリメータによる実測値と比較した。この結果、空気中の深度に対する計算値は、照射容器の電子入射窓から4.516.2cmの距離における実測値に1.3%の誤差範囲内で一致した。また計算結果から、照射容器の電子入射窓からの距離が4.5cm以上では各フィラメント下でのエネルギーフルエンス率分布の重なり合いが十分となり、フィラメントに対するカロリメータの検出器位置によらずに均一なエネルギーフルエンス率分布が得られることがわかった。一般的に、300keV以下のEB照射空気中のエネルギーフルエンス率の実測は困難である。しかし、例えば一つの位置の比較であっても、このように計算と実測の整合性をとることにより、同形式の照射ジオメトリについては、計算によりエネルギーフルエンス率分布を評価することが可能であることがわかった。