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中田 響*; 中山 梓介; 吉田 数貴; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*
Physical Review C, 110(1), p.014616_1 - 014616_8, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)これまでの研究で、反応や
反応の現象論的モデルに表面補正を導入することの重要性が明らかにされ、これらの知見は核データ評価の向上に大きく貢献してきた。しかし、
反応における表面補正の必要性についてはほとんど研究されていない。本研究では、
反応と
反応のエネルギースペクトルとその動径方向分布を1ステップの半古典歪曲波モデルにより計算した。その結果、
反応のエネルギースペクトルの動径方向分布は
反応のものに比べて原子核の外側の領域にシフトしていることが分かった。この知見に基づき、
反応の現象論的モデルに
反応よりも大きな表面補正を考慮したところ、
反応スペクトルの実験値をよく再現する計算値が得られた。この結果から、
反応の表面性は
反応よりも顕著であること、またそのために
反応には
反応よりも強い表面補正を導入すべきであることが分かった。
吉田 数貴; 茶園 亮樹*; 緒方 一介*
Physical Review C, 110(1), p.014617_1 - 014617_9, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)In the present work, we investigate the deuteron refraction effect in the exclusive () reactions. The refraction effect on the
elementary process is taken into account by the local semiclassical approximation to the distorted waves. The results are compared with those obtained with the asymptotic momentum approximation, which is standardly applied to the distorted wave impulse approximation framework. It is shown that the refraction effect drastically changes the energy sharing distribution of the
O(
)
N reaction at 101.3 MeV and gives a better agreement with experimental data.
緒方 一介*; 吉田 数貴; 茶園 亮樹*
Computer Physics Communications, 297, p.109058_1 - 109058_16, 2024/04
被引用回数:3 パーセンタイル:71.16(Computer Science, Interdisciplinary Applications)PIKOEは陽子による核子ノックアウト反応の三重微分断面積、四重微分断面積、ベクトル偏極分解能および残留核の運動量分布を計算するFortran 90の数値計算コードである。歪曲波インパルス近似を用い、歪曲波は量子力学に基づいて計算される。散乱粒子の運動学は相対論的に扱われ、その漸近状態は3体系の平面波極限と一致する。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:68.69(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
Li, P. J.*; Beaumel, D.*; Lee, J.*; Assi, M.*; Chen, S.*; Franchoo, S.*; Gibelin, J.*; Hammache, F.*; Harada, T.*; 延与 佳子*; et al.
Physical Review Letters, 131(21), p.212501_1 - 212501_7, 2023/11
被引用回数:14 パーセンタイル:91.25(Physics, Multidisciplinary)Beのクラスター構造を(
)反応を用いて調査した。三重微分断面積が実験的に測定され、Tohsaki-Horiuchi-Schuck-R
pke波動関数の方法や反対称化分子動力学を用いた歪曲波インパルス近似計算と比較した。実験データと理論計算の顕著な一致が確認され、
Beの比較的コンパクトな分子状態を確認した。
Shim, S.-I.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*
Journal of the Physical Society of Japan, 92(9), p.094201_1 - 094201_8, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)本研究では、歪曲波インパルス近似と平面波インパルス近似の断面積の比を計算し、核子ノックアウト反応とアルファノックアウト反応の断面積に対する吸収効果を系統的に調べた。また、標的原子核の質量数依存性や、ノックアウトされる粒子の一粒子軌道に対する依存性についても調査した。
中田 響*; 吉田 数貴; 緒方 一介*
Physical Review C, 108(3), p.034603_1 - 034603_8, 2023/09
被引用回数:3 パーセンタイル:64.77(Physics, Nuclear)重陽子による包括的反応の記述は原子核反応の観点からも核データの観点からも重要である。陽子による反応については、これまで半古典歪曲波近似(SCDW)による記述が用いられ、成功を収めてきた。本研究で我々はSCDWを重陽子入射反応に拡張した。原子核ポテンシャルによる重陽子の屈折効果は局所半古典近似を用いることで取り入れた。本研究により、反応の断面積データはいくつかの例外を除き、低移行エネルギー・前方散乱のデータをよく再現した。また、屈折効果を適切に取り入れることで角度分布が改善されることを示した。重陽子は強い歪曲効果を受けるため、この効果は陽子入射反応に比べて非常に大きいことが明らかとなった。
近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.
Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08
被引用回数:23 パーセンタイル:94.90(Multidisciplinary Sciences)非常に中性子が過剰な原子核Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核
Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて
Fからの1陽子ノックアウト反応によって
Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、
Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。
Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.
Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08
被引用回数:3 パーセンタイル:64.77(Astronomy & Astrophysics)Neからの1中性子除去反応を用いて、
Neの詳細な
線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、
Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。
Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:6 パーセンタイル:84.52(Astronomy & Astrophysics)Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
枝川 知温*; 吉田 数貴; 茶園 亮樹*; 緒方 一介*
Physical Review C, 107(5), p.054603_1 - 054603_7, 2023/05
被引用回数:11 パーセンタイル:94.75(Physics, Nuclear)陽子入射アルファノックアウト反応による残留核の有効偏極について、歪曲波インパルス近似に基づき研究した。ノックアウトされるアルファ粒子の原子核中での強い吸収効果によって、ノックアウト反応は強い反応領域依存性を持ち、したがってこの反応はアルファ粒子の軌道角運動量の第3成分に対する強い選択性を持つ。その結果、残留核のスピン偏極に対しても同様に強い選択性を持つことを示した。
Pohl, T.*; Sun, Y. L.*; Obertelli, A.*; Lee, J.*; Gmez-Ramos, M.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Cai, B. S.*; Yuan, C. X.*; Brown, B. A.*; et al.
Physical Review Letters, 130(17), p.172501_1 - 172501_8, 2023/04
被引用回数:11 パーセンタイル:88.84(Physics, Multidisciplinary)大きなフェルミ面非対称性を持つ陽子過剰なO原子核からの100MeV/nucleonでの陽子による陽子・中性子除去反応について報告した。この結果は、quasi-freeノックアウト反応、非弾性散乱、核子移行反応を含む複数の反応機構の定量的寄与を初めて示すものである。このようなエネルギー領域では通常無視される非弾性散乱と核子移行の寄与が、弱束縛陽子と強束縛中性子の除去反応断面積にそれぞれ約50%と30%寄与していることが示された。
茶園 亮樹*; 吉田 数貴; 緒方 一介*
Physical Review C, 106(6), p.064613_1 - 064613_10, 2022/12
被引用回数:5 パーセンタイル:64.05(Physics, Nuclear)新奇なクラスター現象として、原子核表面での重陽子的なpnクラスターが興味を持たれている。これまでに良く知られたアルファクラスター現象は、アルファ粒子は強く束縛した一つの粒子として扱えるため、ノックアウト反応でその存在を確認することができる。一方で重陽子は弱束縛で脆いため、重陽子ノックアウト反応はアルファノックアウト反応と同様には扱えない。本研究では、陽子・中性子およびノックアウト反応の残留核の3体系を連続状態離散化チャネル結合法により記述し、終状態相互作用による重陽子の分解・再形成効果を取り入れた。その結果、重陽子の基底状態と分解状態間の干渉効果は大きく、分解効果を取り入れることはこの反応の記述に必須であることを示した。
Elekes, Z.*; Juhsz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:34.70(Physics, Nuclear)Vと
Vの低励起準位構造を初めて探索した。
Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、
Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。
Vについては4つ、
Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2
状態とfirst 9/2
状態からの崩壊と決定された。
Vについては、(
,
)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
Enciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12
被引用回数:14 パーセンタイル:84.80(Physics, Multidisciplinary)230MeV/nucleonでの
Caからの中性子ノックアウト反応が
線分光と行われ、
と
軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は
の閉殻と整合し、Ca同位体での
と
閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から
と
軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での
軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:6 パーセンタイル:75.27(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*
Few-Body Systems, 63(1), p.4_1 - 4_6, 2022/03
被引用回数:1 パーセンタイル:16.95(Physics, Multidisciplinary)重陽子加速器を用いた大強度中性子源が理工学分野だけでなく医療応用に対しても提案されている。このような施設の設計には、重陽子入射反応に関する高精度かつ広範な核データが要求される。しかしながら、実験データのみを用いてこの要求を満たすことは困難である。そのため、実験データを内外挿して必要な核データを完備するために、理論計算が重要な役割を果たす。こうした状況の下、我々は重陽子入射反応用の計算コードDEURACSを開発している。本研究では、DEURACSの計算値を様々な実験値と比較することにより本コード内の理論モデルの妥当性を検証するとともに、重陽子入射反応を精度良く予測する上で分解過程の考慮することがいかに重要かを示す。
吉田 数貴; Atkinson, M. C.*; 緒方 一介*; Dickhoff, W. H.*
Physical Review C, 105(1), p.014622_1 - 014622_7, 2022/01
被引用回数:3 パーセンタイル:46.68(Physics, Nuclear)Dispersive optical model (DOM)波動関数をこれまでの(,
)反応解析に適用し、(
,
)反応解析との整合性を確認した。DOM波動関数を歪曲波インパルス近似に適用し、
Ca(
,
)
Kデータを解析した結果、
軌道の陽子の分光学的因子は0.5660となり、これはDOMによる(
,
)解析の結果で得られた0.71より有意に小さい。この不整合は原子核内での
-
散乱の記述に改善が必要であることを示唆している。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; et al.
Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10
被引用回数:9 パーセンタイル:73.68(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰Clの励起状態を
Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から
Clの基底状態が
であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。
Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。
中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(7), p.805 - 821, 2021/07
被引用回数:28 パーセンタイル:96.31(Nuclear Science & Technology)重陽子加速器を用いた高エネルギー中性子源の利用が様々な応用に対して提案されている。こうした中性子源の設計研究に資するため、Li,
Be,
Cに対する200MeVまでの重陽子核データライブラリJENDL/DEU-2020を開発した。JENDL/DEU-2020のデータの評価は、計算コードDEURACSを用いて特に中性子生成データに注意を払って行った。また、本評価に利用するに当たり、DEURACSにいくつかの改良を行った。評価データの検証はモンテカルロ輸送計算コードによるシミュレーションを通じて行った。その結果、JENDL/DEU-2020に基づくシミュレーション値は入射エネルギー200MeVまでの範囲で中性子生成に関する実験データを良く再現することが分かった。このことから、本ライブラリは多様な重陽子加速器中性子源の設計研究に大きく貢献すると期待される。