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大場 洋次郎; 伊藤 大介*; 齊藤 泰司*; 小野寺 陽平*; Parker, J. D.*; 篠原 武尚; 及川 健一
Materials Research Proceedings, Vol.15, p.160 - 164, 2020/02
溶融鉛ビスマス(LBE)は加速器駆動システム(ADS)や高速炉等の冷却材として研究が進められている。近年、エネルギー分析型中性子イメージングが、配管内におけるLBEの解析に有効であることが報告された。しかしながら、従来の手法は、固相のブラッグ回折によって生じる透過率の減少であるブラッグエッジの解析にとどまっており、液相の解析は行われていなかった。液相の散乱によっても透過率の減少が生じるはずであり、この成分を観測して解析できれば、熱流動の主役である液相の情報を得て、これをマッピングすることができるようになる。そこで、溶融状態のLBEのエネルギー分析型中性子イメージング測定を行った。その結果、振動等を含む特徴的な透過率スペクトルを観測した。この特徴は、溶融LBEの散乱プロファイルから計算した透過率スペクトルと一致していることから、透過率スペクトルに液相の散乱が反映されていることが明らかになった。
Phan, L. H. S.*; 大原 陽平*; 河田 凌*; Liu, X.*; Liu, W.*; 守田 幸路*; Guo, L.*; 神山 健司; 田上 浩孝
Proceedings of 12th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-12) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2018/10
燃料デブリベッドの自己平坦化挙動は、ナトリウム冷却高速炉(SFR)での炉心崩壊事故(CDA)の安全評価における主要現象の1つである。SIMMERコードはSFRのCDA解析のために開発され、安全評価のみならずCDA時の主要な伝熱流動現象の数値解析に適切に適用されてきた。しかしながら、SIMMERの流体モデルは、個々の粒子特性のみならず、粒子間の強い相互作用を表現することは困難である。この問題を解決するため、SIMMERの多流体モデルと粒子に対する個別要素法(DEM)とを結合させた新しい手法を開発し、多相流における流体と粒子との相互作用および粒子挙動を適切に評価することを試みてきた。本研究では、DEMと結合したSIMMERコードの多流体モデルを検証するため、円筒状の粒子ベッドにガスを吹き込んだ自己平坦化試験シリーズの数値シミュレーションを行った。さらに検証を進める必要があるが、シミュレーション結果と試験結果とは適切に一致し、デブリベッドの自己平坦化を評価する手法としての潜在的な可能性を示した。DEMと結合したSIMMERコードは、SFRで粒子ベッドに関する安全評価のための次世代の計算手法として期待される。
大場 洋次郎; 篠原 武尚; 佐藤 博隆*; 小野寺 陽平*; 廣井 孝介; Su, Y. H.; 杉山 正明*
Journal of the Physical Society of Japan, 87(9), p.094004_1 - 094004_5, 2018/09
被引用回数:1 パーセンタイル:11.31(Physics, Multidisciplinary)中性子小角散乱(SANS)は、ナノ構造の解析に有効な実験手法である。近年、中性子透過率に含まれるSANSの寄与を定量的に解析できる手法が開発され、中性子透過率スペクトルからSANSと同じくナノ構造情報が得られるようになった。これをパルス中性子透過イメージング実験に応用すれば、試料内のナノ構造の分布について高効率な2次元マッピングが可能になる。これを実現するためには、散乱中性子の検出器への入射を防ぐ必要がある。そこで本研究では、試料と検出器の間にソーラーコリメータを設置して散乱中性子を吸収、除去する方法を検討した。粒径の異なるシリカ微粒子を測定した結果、粒径によるSANSの違いを反映した中性子透過率スペクトルの違いを観測することに成功した。
河田 凌*; 大原 陽平*; Sheikh, Md. A. R.*; Liu, X.*; 松元 達也*; 守田 幸路*; Guo, L.*; 神山 健司; 鈴木 徹
Proceedings of 17th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-17) (USB Flash Drive), 14 Pages, 2017/09
Numerical simulations of various thermal-hydraulic phenomena with multiphase and multicomponent flows in postulated core disruptive accidents (CDAs) are regarded as particular difficulties in the safety analysis of liquid-metal cooled reactors. In a material relocation phase of CDAs, core debris may settle on the core-support structure and/or in the lower inlet plenum of the reactor vessel and then form the debris bed. In particular, the shape of debris bed is crucial for the relocation of molten core and heat-removal capability of the debris bed as well as re-criticality. In the present study, a hybrid numerical simulation method, which couples the multi-fluid model of the 3D fast reactor safety analysis code SIMMER-IV with the discrete element method (DEM), was applied to analyze sedimentation and bed formation behaviors of core debris. In the present study, 3D simulations were performed for a series of particle sedimentation experiments with gravity driven discharge of solid particles into a quiescent cylindrical water pool. The present simulation predicts the sedimentation behavior of mixed particles with different density or particle size as well as homogeneous particles. The simulation results on bed shapes and particle distribution in the bed agree well with the experimental ones. They demonstrate the fundamental applicability of the present hybrid method to solid-particle sedimentation and bed formation simulations.
坂口 佳史; 吉良 弘; 奥 隆之; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 酒井 健二; 中村 充孝; 相澤 一也; 新井 正敏; 能田 洋平; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 294(1), p.012017_1 - 012017_7, 2011/06
被引用回数:2 パーセンタイル:64.95(Physics, Applied)A polarized He neutron spin filter has been applied to polarization analysis on the small-angle neutron scattering spectrometer SANS-J-II at JRR-3. Measurements were taken on silver behenate, which has several coherent peaks in the small-angle region with a background of spin incoherent hydrogen scattering. Here we demonstrate that the coherent and spin incoherent scattering were successfully separated by the polarization analysis using the He spin filter on the instrument.
柳衛 宏宣*; 熊田 博明*; 中村 剛実; 東 秀史*; 生嶋 一朗*; 森下 保幸*; 篠原 厚子*; 藤原 光輝*; 鈴木 実*; 櫻井 良憲*; et al.
Proceedings of 14th International Congress on Neutron Capture Therapy (ICNCT-14) (CD-ROM), p.157 - 160, 2010/10
In the treatment of hepatocellular carcinoma (HCC), only 30 % patients can be operated due to complication of liver cirrhosis or multiple intrahepatic tumours. Tumour cell destruction in BNCT is necessary to accumulate a sufficient quantity of B atoms in tumour cells. In this study, we prepared BSH entrapped WOW emulsion by double emulsifying technique using iodized poppy-seed oil (IPSO), BSH and surfactant, for selective intra-arterial infusion to HCC, and performed the neutron dosimetry using CT scan imaging of HCC patient. The B concentrations in VX-2 tumour obtained by delivery with WOW emulsion was superior to those by conventional IPSO mix emulsion. In case of HCC, we performed the feasibility estimation of 3D construction of tumor according to the CT imaging of a patient with epithermal neutron mode at JRR-4. Normal liver biologically weighted dose is restricted to 4.9 Gy-Eq; the max., min. and mean tumour weighted dose are 43.1, 7.3, and 21.8 Gy-Eq, respectively, in 40 minutes irradiation. In this study, we show that B entrapped WOW emulsion could be applied to novel intra-arterial boron delivery carrier for BNCT.
近澤 佳隆; 木曽原 直之; 菱田 正彦; 藤井 正; 此村 守; 荒 邦章; 堀 徹*; 内田 昌人*; 西口 洋平*; 新部 信昭*
JAEA-Research 2006-049, 75 Pages, 2006/07
高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究の一環として750MWe電気出力のナトリウム冷却中型炉の検討が実施されている。本検討ではナトリウム冷却中型炉の2次主循環ポンプに電磁ポンプを採用した場合の流量522m/minの大容量電磁ポンプの概念設計を実施した。電磁ポンプの構造及び仕様は160m/minの試験において実証されたダブルステータALIP(Annular Linear Induction Pump)型を参考に設定し、流量及び揚程をナトリウム冷却中型炉の仕様にした場合の寸法及びコイル仕様への影響評価を行った。安定性については電磁流動解析コードEAGLEにより2次元r-z体系における電磁流動解析を実施してRemSを評価した結果1.08と160m/min試験で確認された安定運転範囲RemS1.4以内にあり、圧力脈動についても揚程の3%以下程度と評価される。内部構造の成立性については、本電磁ポンプはコイルを冷却材流路ダクトに押し付けてナトリウムにより冷却しているため、コイルの温度及びナトリウムダクトへの押付力維持に関する評価を行い成立していることを確認した。また、電磁ポンプの電源構成及び保守補修性の検討及び課題の整理を行った。
村上 勤; 菱田 正彦; 木曽原 直之; 早船 浩樹; 堀 徹; 藤井 正; 内田 昌人; 近澤 佳隆; 宇野 修; 三枝 利家; et al.
JNC TY9400 2004-014, 78 Pages, 2004/07
本報告書は、平成15年度に実施したNa冷却大型炉設計研究の成果をまとめたものである。平成15年度の設計研究では、平成14年度に成立性に係わる課題としてあげられていた安全性、構造健全性及び熱流動に関する成立性評価を行い、その結果に基づきNa冷却大型炉のプラント概念を見直した。また、フェーズⅡの中間評価を行うために、経済性評価、開発目標に対する達成度等を評価し、中間とりまとめに必要なデータを整備した。
菱田 正彦; 村上 勤; 木曽原 直之; 藤井 正; 内田 昌人; 早船 浩樹; 近澤 佳隆; 堀 徹; 三枝 利家; 宇野 修; et al.
JNC TY9400 2004-012, 97 Pages, 2004/07
プラント概念構築として、平成14年度に構築したプラント全体概念(単機出力75万kWeの4モジュール構成)に基づいて、高内部転換型炉心、直管2重管蒸気発生器、EVST方式燃料取扱設備を採用した機器設計を行い、プラント全体概念を具体化した。概念の構築にあたっては、Na弱点克服のための方策検討、軽水炉並のISI&Rの検討も実施した。更に、成立性評価として、構築した中型モジュール炉に対して、主要な事象の安全評価を実施するとともに、構造健全性及び熱流動に関する主要な課題、特に、直管2重管SG及びPRACSを内蔵するIHX上部プレナムの製作性、構造健全性等の評価を行い、中型モジュール炉概念の成立性見通しを得た。また、フェーズIIの中間評価を行うため、経済性評価、開発目標に対する達成度等を評価し、中間とりまとめに必要なデータを作成した。
木曽原 直之; 惣万 芳人; 西口 洋平; 此村 守
JNC TN9400 2003-090, 76 Pages, 2003/10
実用化戦略調査研究で概念設計を進めているナトリウム冷却FBRでは、建設コスト削減の観点から、中間熱交換器(IHX)の内部に1次系主循環ポンプを挿入し、一つの容器内に収容する方式を採用している。この1次系主循環ポンプ組込型中間熱交換器は中心軸にポンプ、その周囲にIHX伝熱管を配置し、1次・2次ナトリウムの流路形成やポンプ・IHX隔壁のため、多数のシュラウドから構成されている。 ポンプとIHXはそれぞれ別の床でその重量を支持されており、また両者はベローズで接続されているため構造的には分離している。しかし、ポンプの回転振動が内在するナトリウムなどを通じてIHX側に伝達し、伝熱管とその支持板との間でフレッティング摩耗が発生する可能性がある。そこで、機器内部のシュラウドを全て梁と仮定したビーム振動解析モデルや、詳細なシェル振動解析モデルを作成し、伝熱管摩耗量の予備的な評価や解析モデルの精度の検討を行ってきた。しかし、この機器の内部構造は複雑であり、解析的な手法ではその振動伝達経路を明らかにすることはできず、試験による解析モデルの検証は不可欠である。そこで、ポンプ回転振動の発生と振動伝達を明らかにするため、750MWeナトリウム冷却炉のポンプ挿入型IHXを1/4縮尺で模擬して、ナトリウムの代わりに水を用いた振動試験体を製作した。この試験体は管束部などを除いて、機器全体をできるだけ忠実に縮小化したものである。試験体内部のシュラウドや隔壁など各所に設定された加速度センサーにより、ビーム振動やシェル振動を測定することで、振動モードやポンプ振動に対する応答挙動を評価できるようになっている。 本試験装置は、平成14年度までにポンプを除くIHX本体の製作を完了し、平成15年度は加振器をポンプの代わりに設置して振動試験を開始した。また、平成16年度までにポンプとその水循環系を製作し、平成17年度にはIHX本体にポンプを組み込んで、水を循環させた実際のポンプ運転条件による試験を行う予定である。
木曽原 直之; 菱田 正彦; 新部 信昭; 堀 徹; 藤井 正; 内田 昌人; 近澤 佳隆; 三枝 利家; 宇野 修; 惣万 芳人; et al.
JNC TY9400 2003-015, 103 Pages, 2003/09
実用化戦略調査研究フェーズIにおいて、経済性目標を初めとする設計要求を満足する可能性のある有望なNa冷却中型モジュール炉概念として、アドバンスト・ループ型炉が抽出された。本報告書は、フェーズIIの2年目である平成14年度に実施したNa冷却中型モジュール炉設計研究の成果をまとめたものである。大型炉において採用したコストダウン方策及び共用効果を取込んだ平成13年度の設計結果では経済性目標である建設コスト20万円/kWeをわずかに下回り、目標を達成したものの、その達成度に余裕はない。そのため、更なるコストダウンを目指して平成13年度の成果に基づきNa冷却中型モジュール炉概念の再構築を行った。再構築に際し、モジュールあたりの電気出力を50万kWeから75万kWeに上昇させ、モジュール数を3から2に変更した。また、崩壊熟の除去を完全自然循環でできる特徴を生かして非常系の電気設備容量を極小とし、小型ガスタービンを採用した。この再構築したプラント概念について設備・機器の具体化を進めるとともに、成立性評価及び経済性評価を実施した。その結果、経済性目標を満足し、概念成立性に関する基本的な見通しを有するNa冷却中型モジュール炉のプラント概念を構築した。また、経済性向上の可能性を有する2次系簡素化プラントの検討、電磁ポンプを2次系に使用した場合の検討、燃料取扱設備の検討も行った。今後は、要素試験の成果等を適宜反映しつつ予備的概念設計を進め、プラント基本概念を明確化するとともに、概念成立性の見通し、経済性目標達成見通しを確たるものとして行く計画である。
木曽原 直之; 菱田 正彦; 新部 信昭; 堀 徹; 藤井 正; 内田 昌人; 近澤 佳隆; 三枝 利家; 宇野 修; 惣万 芳人; et al.
JNC TY9400 2003-014, 52 Pages, 2003/09
本報告は、実用化戦略調査研究フェーズIIの2年目である平成14年度に実施したNa冷却大型炉設計研究の成果をまとめたものである。平成14年度の設計研究では、平成13年度の成立性に係わる課題としてあげられていた安全性、構造健全性及び熱流動に関する成立性評価を行い、その結果に基づきNa冷却大型炉のプラント概念を見なおした、主要設備の基本仕様を明確化し、経済性評価を実施した。 本研究の結果、経済性目標(建設コスト20万円/kWe以下、等)を満足し、概念成立性に関する基本的な見通しを有するNa冷却大型炉のプラント概念が構築された。
川崎 遥平*; 福田 宏樹*; 八木澤 真*; Granata, G.*; 所 千晴*; 小原 義之
no journal, ,
人形峠鉱山廃水が流入する鉱さいたい積場に対して、3次元化学反応を考慮した地圏流体解析により流入水と各種溶存物質の挙動を解析した。特に、鉄とヒ素について酸化速度式および吸着モデルを導入することにより、高い再現性を得た。
川崎 遥平*; Granata, G.*; 所 千晴*; 小原 義之
no journal, ,
Arsenic in mine wastewater is an important issue in environmental research. In this study, to better understand the phenomena involved in the removal of arsenic from wastewater, the dynamic behavior of arsenic in Ningyo-toge Mill Tailings Pond was investigated. By utilizing geosphere fluid modeling software (GETFLOWS), we first reproduced the overall area flow through the advection-dispersion of non-reactive silicate ion with assuming the groundwater inlet. Following this, the total concentrations of arsenic and iron were reproduced by including in the advection-dispersion model, the first order kinetics for the oxidation of As(III) and of Fe(II) by the dissolved oxygen, whose concentration was set according to data previously obtained by sampling and analysis. Based on the natural oxidation of Fe(II) to Fe(III) and subsequent precipitation of Fe(III) as ferrihydrite, the adsorption of As(V) or As(III) on ferrihydrite was also included in the simulation by considering a surface complexation model with Langmuir mechanism. The profile concentrations of As(III) and Fe(II) determined by simulations were found to be in good agreement with the values measured on the field. The results also highlighted that the natural purification of Ningyo-toge Mill Tailing Pond is natural oxidation of iron and arsenic with consequent adsorption on ferrihydrite.
大場 洋次郎; 伊藤 大介*; 齊藤 泰司*; 小野寺 陽平*; Parker, J. D.*; 篠原 武尚; 及川 健一
no journal, ,
パルス中性子の利用技術の発展に伴い、ブラッグエッジ解析に代表されるように、中性子透過率測定による中性子散乱成分の解析が可能になり、その結晶材料の中性子イメージングへの応用が広がってきている。しかしながら、液体やアモルファスの中性子回折による中性子透過率の減少については、これまで注目されていなかった。そこで、溶融鉛ビスマスの中性子透過率スペクトルを測定し、中性子回折による減少成分の解析に取り組んだ。中性子透過率スペクトルにおける減少成分は、中性子回折プロファイルの積分と考えられることがわかった。過去の文献に基づいて溶融鉛ビスマスの中性子回折プロファイルから中性子透過率スペクトルを計算した結果、実験的に得られた中性子透過率スペクトルを定性的によく説明することができた。講演では、より定量的な解析に向けた議論や実験的な取り組みについても説明する。
清原 圭太*; 村川 英樹*; 杉本 勝美*; 久保 洋平*; 栗田 圭輔; 飯倉 寛; 浅野 等*
no journal, ,
ミニチャネル・直交流路気化器内の沸騰二相流を、中性子ラジオグラフィと外壁を透明壁に置き換える方法の2つの方法で可視化した。
熊田 高之; 能田 洋平; 橋本 竹治; 小泉 智; 石川 法人; 大原 宏太
no journal, ,
軽水素に対する中性子の干渉性散乱長は、試料中における軽水素の核スピン偏極度に強く依存する。動的核スピン偏極(DNP)法により、フリーラジカル近傍の軽水素核スピンを選択的に偏極した試料からは、核スピン偏極の、つまりフリーラジカルの空間分布を反映した中性子小角散乱(SANS)パターンが得られる。われわれはこのDNP-SANS法を用いて、放射線照射により固体試料中に生じた化学損傷の空間分布(スパー,トラックの構造)を決定できないかと考え研究を行っている。本発表ではその研究目標に向けた、2周波数マイクロ波を用いた時間分解型SANSシステムの構築と、イオンビーム照射によって生じたトラック内のフリーラジカルを用いたDNP研究について発表する。
鷲山 幸信*; 天野 良平*; 前田 英太*; 横山 明彦*; 西中 一朗; 高橋 成人*; 篠原 厚*; 渡辺 茂樹; 石岡 典子
no journal, ,
放射性同位体の核医学利用のため、大阪大学と原子力機構高崎量子応用研究所(高崎研)のサイクロトロン施設における30MeV Heを用いたBi(He, 2n)At反応で放射性同位体Atの製造と利用の研究を開始した。加えてAtのサイクロトロン施設からの遠隔地利用のためのRn/Atジェネレータの研究を原子力機構原子力科学研究所タンデム加速器施設において実施している。これらAtの核医学利用を目指したAt化学研究とRn/Atジェネレータ研究の研究成果、ならびに日本における放射性同位体の核医学利用の現状を紹介する。
河田 凌*; 大原 陽平*; 藤本 拓矢*; 西田 智*; 守田 幸路*; Guo, L.*; 田上 浩孝; 鈴木 徹
no journal, ,
高速炉の炉心損傷事故時に炉心外に流出しデブリとなって堆積する炉心物質の移行挙動を解析するために、多流体モデルに個別要素法を組み込んだハイブリッド解析手法を開発し、混合粒子堆積挙動の解析によってモデル化手法の基本的な妥当性を検証した。
川崎 遥平*; Granata, G.*; 所 千晴*; 小原 義之
no journal, ,
坑廃水中の砒素は環境研究において重要な課題である。本研究では坑水からの砒素除去の現象をより深く理解するため、人形峠鉱山の夜次鉱さいたい積場における砒素の動的挙動を調査した。はじめに地圏流体シミュレーター(GETFLOWS)を利用して、想定した地下水流入による非反応性のケイ酸塩イオンの移流拡散を通して、領域全体の流れの再現を行った。続いて、前述の移流拡散モデルに、水酸化鉄としてのFe(III)の沈殿平衡と併せてAs(III)とFe(II)の酸化に対する一次速度則を組み込むことにより砒素と鉄イオンの全濃度を再現した。最後に、あらかじめ行った吸着バッチ試験によって実証された表面錯体生成モデルを考慮することにより、As(V), As(III)の水酸化鉄への吸着がシミュレーションに組み込まれた。本研究の結果はFe(II)からFe(III)への自然酸化とそれに伴う水酸化鉄としてのFe(III)の沈殿を強調した。さらに、沈殿物としての水酸化鉄は吸着による強い砒素除去能力を示した。また、坑水中のAs(III)のAs(V)への酸化と砒素とリン酸塩の競合吸着がたい積場における砒素の自然除去において主要な役割を果たすことを示した。