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中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 畑山 明聖*; 柴田 崇統*; 山本 崇史*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; et al.
Fusion Engineering and Design, 96-97, p.616 - 619, 2015/10
被引用回数:12 パーセンタイル:69.86(Nuclear Science & Technology)JT-60SAのプラズマ加熱および電流駆動装置として利用する世界最大の負イオン源では、要求値となる22Aの大電流負イオンビームの100秒生成を目指している。そのためには、40cm110cm(全1000穴)のビーム引出面積から生成されるビームの一様性を改善する必要がある。そこで、負イオンビームの親粒子である水素原子および水素イオンをより一様に生成するために、磁場分布・高速電子分布計算結果および実験結果に基づいて、従来の横磁場構造からテント型磁場構造を基にした新たな磁場構造に改良した。これにより、全プラズマ電極に対する一様な領域は、従来よりも1.5倍まで改良し、この一様な領域からJT-60SAの要求値を満たす22Aのビーム生成を可能にした。このときのビーム電流密度は210A/mであり、これはITERの負イオン源にて要求される200A/mをも満たすビーム生成に成功した。
小島 有志; 梅田 尚孝; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 秋野 昇; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063006_1 - 063006_9, 2015/06
被引用回数:41 パーセンタイル:89.45(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構では、JT-60SAやITERで利用する中性粒子入射装置の開発に向けて、大型高エネルギー負イオン源による100秒を超える負イオン生成・加速の実証を目指した研究を進めている。まず、JT-60SA用負イオン源の負イオン生成部のプラズマ閉じ込め用磁石配置を変更することにより、生成されたプラズマの密度分布を一様化することに成功した。これにより、引出領域の83%から一様な負イオンビームを生成し、これまでの最高値17Aを大きく超える32Aの負イオン電流を1秒間引き出すことに成功した。この磁場配位とこれまでに開発した長時間負イオン生成用温度制御型プラズマ電極を適用し、さらに負イオン電流のフィードバック制御手法を用いることにより、15Aの大電流負イオンビームを100秒間維持することに成功した。これは、JT-60SAの定格の68%の電流に相当し、パルス幅は定格を満たしている。また、ITER用高エネルギー加速器の開発に向けては、負イオンビームが加速途中で電極に衝突して生じる熱負荷を低減するだけでなく、負イオンと同時に引き出される電子を熱的に除去することが重要であった。今回、冷却構造を改良することにより従来の5倍の電子熱負荷を許容できると共に、残留磁場で偏向する負イオンビームの軌道制御機構を組み合わせて、新しい引出部を開発した。その結果、700keV、100A/mの負イオンビームを従来の7倍以上長いパルス幅である60秒間維持することに成功した。
秋野 昇; 遠藤 安栄; 花田 磨砂也; 河合 視己人*; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 小島 有志; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
JAEA-Technology 2014-042, 73 Pages, 2015/02
日欧の国際共同プロジェクトであるJT-60SA計画に従い、JT-60実験棟本体室・組立室及び周辺区域に設置されている中性粒子入射加熱装置(NBI加熱装置)の解体・撤去、及びその後の保管管理のための収納を、2009年11月に開始し計画通りに2012年1月に終了した。本報告は、NBI加熱装置の解体・収納について報告する。
小又 将夫; 清水 達夫; 大関 正弘; 小島 有志; 花田 磨砂也
JAEA-Technology 2014-041, 50 Pages, 2015/01
超伝導コイルを用いた臨界プラズマ試験装置JT-60 Super Advanced(JT-60SA)のプラズマ加熱及び電流駆動を担う中性粒子入射装置においては、負イオン源1台あたり500keVのビームエネルギーで、22Aの負イオン電流を100秒間安定に生成することが要求されており、これまでの3倍以上の長時間運転が必要である。この長時間の大電流負イオンビームを実現するため、実機負イオン源及び実機電源設備を用いた長パルス負イオン源試験装置を建設し、長パルスの負イオンビーム生成に向けた技術開発を行っている。今回、負イオン源を長時間安定に制御するための装置を開発した。同装置においては、汎用の 計算機とProgrammable Logic Controller (PLC)を、用途や処理時間に応じて分散・配置して、電源機器を制御すると共に各種測定データを収集する分散型制御システムを採用した。開発した制御装置をJT-60負イオン源の試験運転で使用し、負イオンビームを、JT-60SAの仕様である100秒間の間、安定に引出すことに成功しており、本制御システムがJT-60SAで利用できる見通しを得た。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B314_1 - 02B314_4, 2014/02
被引用回数:15 パーセンタイル:54.93(Instruments & Instrumentation)負イオン中性入射装置では、JT-60SAにて要求される22Aの大電流を生成するために、負イオン源内の負イオンビームの一様性を改善する必要がある。本研究では、イオン源の磁場構造を従来のカスプ磁場配位からテント型磁場配位に改良した。磁場構造を改良することによって、負イオンビームの一様性を負イオンの生成効率を劣化させることなく、10%以下に改善することができた。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 8(Sp.1), p.2405146_1 - 2405146_4, 2013/11
本研究では、JT-60負イオン源の端部から引き出される負イオンビームの密度が低い原因を明らかにするために、負イオン源内での負イオン生成の元となる水素イオン及び水素原子の密度分布を静電プローブ及び分光計測にて調べた。またフィラメントから電子の軌道分布を計算コードにて求めた。その結果、負イオンビームの密度が低くなる原因は、電子のBgrad Bドリフトによって負イオンが非一様に生成されるためであることがわかった。また、負イオンビームが電子数の多い端部では高密度の負イオンを、電子数の少ない反対側の端部では低密度の負イオンを引き出すために歪んでしまい、接地電極に当たっていることも明らかとなった。
廣木 章博; 佐藤 裕一*; 長澤 尚胤; 太田 朗生*; 清藤 一; 山林 尚道*; 山本 幸佳*; 田口 光正; 玉田 正男; 小嶋 拓治
Physics in Medicine & Biology, 58(20), p.7131 - 7141, 2013/10
被引用回数:18 パーセンタイル:56.24(Engineering, Biomedical)New polymer gel dosimeters consisting of 2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA), triethylene glycol monoethyl ether monomethacrylate (TGMEMA), polyethylene glycol 400 dimethacrylate (9G), tetrakis (hydroxymethyl) phosphonium chloride as an antioxidant, and gellan gum as a gel matrix were prepared. They were optically analyzed by measuring absorbance to evaluate a dose response. The absorbance of the polymer gel dosimeters that were exposed to Co-rays increased with increasing dose. The dosimeters comprising HEMA and 9G showed a linear increase in absorbance in the dose range from 0 to 10 Gy. The dose response depended on the 9G concentration. For others comprising HEMA, 9G, and TGMEMA, the absorbance of the polymer gel dosimeters drastically increased above a certain dose, and then leveled off up to 10 Gy. The optical variations in these polymer gel dosimeters were also induced by X-irradiation from Cyberknife radiotherapy equipment. Furthermore, the exposed region of the latter polymer gel dosimeter exhibited a thermo-responsive behavior.
花田 磨砂也; 小島 有志; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.835 - 838, 2011/10
被引用回数:13 パーセンタイル:69.42(Nuclear Science & Technology)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射装置(NBI)と1基の負イオンNBIを用いて、合計30MWの重水素原子を100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIにおいては、1基あたり1.7MW, 85keVの重水素原子の入射に向けて、既存の正イオンNBIの電源の一部や磁気シールドを改造する設計を進めている。電源に関しては設計をほぼ完了し、改造機器の仕様を決定した。磁気シールドに関しては工学設計をほぼ完了し、今後、製作設計を開始する予定である。500keV, 10MW入射が要求されている負イオンNBIにおいては、同装置の心臓部である負イオン源の開発を強力に進めている。負イオン源内の真空絶縁を改善することによって、負イオン源の耐電圧を従来の400kVから設計電圧である500kVに大幅に改善した。加えて、イオン引き出し面積の約20%を用いたビーム生成実験において、2.8A, 500keVの水素負イオンビーム生成に成功した。本結果は1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。開発に加えて、設計・調達においても、500kV加速電源の改造設計を完了し、2010年度から調達を開始する。
花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 椛澤 稔; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.536 - 544, 2011/09
被引用回数:7 パーセンタイル:84.66(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射(NBI)装置と1基の負イオンNBI装置を用いて、合計30-34MWの重水素中性粒子ビームを100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIに関しては、JT-60SAの設計値である1基あたり2MW, 85keVの重水素中性粒子ビームの入射を達成している。その際、イオン源やイオンダンプ等のビームライン機器は、100秒入射が要求されるJT-60SAで既存の装置を改造することなく再使用できる見通しを得ている。また、10MW, 500keV入射が要求されているJT-60SAの負イオンNBI装置のための開発においては、500keV, 2.8Aの水素負イオンビーム生成に成功している。これは、1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。今後、実験装置を整備し、負イオンの100秒間生成のための開発研究を実施する予定である。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Nuclear Fusion, 51(8), p.083049_1 - 083049_8, 2011/08
被引用回数:51 パーセンタイル:88.18(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60NNBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されていることが大きな問題であった。そこで、負イオン源内の真空絶縁距離を調整し、単段の要求性能を超える各段200kVを保持することに成功した。この結果を踏まえて負イオン源を改良し、従来よりも短いコンディショニング時間で500kVの印加に成功し、設計値である490kVを加速電源の限界である40秒間絶縁破壊することなく保持することにも成功した。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施し、従来410keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。また、486keVのビームでの負イオン電流値は18m離れたカロリーメーターで2.8A(84A/m)が得られた。通常、過度のギャップ長延長はビーム光学の劣化を引き起こすが、今回のギャップ長ではビーム光学の大きな劣化がないことを計算及び実験で確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、加速電極の間隔を拡げて、負イオン源内の最短の真空絶縁距離である支持枠角部の電界集中を低減した結果、単段の要求性能を超える200kVを保持することに成功し、設計指標となっていた大型の負イオン源では小型電極よりも6から7倍程度長い真空絶縁距離が必要であることが明らかになった。その理由として電極の面積が100倍異なることだけでなく、1080個もある電極孔や支持枠等の局所電界の電界分布が影響していることが小型電極の実験結果から予測される。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施した結果、従来420keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。ギャップ長を増加させたことによりビーム光学が劣化して電極熱負荷が増大することが懸念されたが、今回のギャップ長の範囲ではビーム光学の劣化がないことを確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
花田 磨砂也; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 小又 将夫; 小島 有志; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.208 - 213, 2010/08
原子力機構では、JT-60SAに向けた負イオンNBI装置の開発及び設計を進めている。特に、開発に関しては、500keV, 22Aの重水素負イオンビームの生成に向けて、既存のJT-60負イオン源を改良し、JT-60負イオンNBI装置に取り付けて、試験を行っている。現在、開発の最優先課題である負イオン源の高エネルギー化を精力的に進めている。負イオン源内の電極間のギャップ長を従来よりも伸張することによって、イオン源に印加可能な加速電圧を従来の400kVから要求性能である500kVまで改善した。加えて、イオン引き出し領域の1/5を用いて、世界に先駆けて、500keV, 3Aの高エネルギー水素負イオンビームの生成に成功した。負イオン源の高エネルギー化と並行して、JT-60SAにおける100秒入射に向けて、既設のJT-60負イオンNBI装置の長パルス化を図った。負イオン源内の電極熱負荷を従来より20%低減し、同装置の限界である30秒入射を実現した。その結果、入射時間とパワーの積である入射エネルギーは世界最大値80MJに到達し、プラズマの高性能化に大きく貢献した。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
国府田 信之; 楠 剛; 渡邊 雅範; 小島 正男*; 近藤 眞
UTNL-R-0426, p.5_1 - 5_9, 2003/03
昭和63年まで原研の試験・研究炉の使用済燃料は再処理のため主に米国等の再処理工場に輸送してきたが米国内の事情により平成元年以降中止された。その後、米国政府は1996年に決定された「外国研究炉使用済燃料に関する核不拡散政策の決定」に基づき、米国籍のウランを使用した外国研究炉の使用済燃料等の引き取りを1996年5月より開始した。原研は、平成9年2月、米国エネルギー省との間に使用済燃料の引取契約を締結し、平成9年度から使用済燃料の対米輸送を開始した。以降毎年度1回の対米輸送を実施している。本発表では、これまで実施してきた研究炉使用済燃料の対米輸送について、その現状と安全管理の取り組みを中心に発表する。
山下 照雄; 正木 敏夫; 児嶋 慶造; 塩月 正雄; 伊藤 俊行*; 大野 勇*; 松本 史朗*
no journal, ,
高レベル放射性廃液のガラス固化溶融炉について長寿命化を図る目標温度分布を設定し、それらの実現性を解析及び実験により評価した。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; 大関 正弘; et al.
no journal, ,
世界最大のビーム引出面積を有する大型JT-60負イオン源では、ビームの一様性改善がJT-60SAの要求値である22Aの大電流の負イオン生成のための重要課題である。本研究では、従来の横磁場配位からテント型方式を基にした新たな磁場配位に改良した。これにより、非一様な負イオン生成の原因であった、プラズマ生成に必要な高速電子の偏在化を改善した。その結果、負イオンの一様な領域を、従来の磁場配位では全プラズマ電極の45%であったものを、中央3枚の電極にあたる60%にまで改善し、JT-60SAにて要求される22Aのビーム生成に成功した。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 平塚 淳一; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
no journal, ,
ITERやJT-60SAといった核融合炉用負イオン源では、1mを超える大面積の引出領域から負イオンビームを安定かつ一様に生成することが要求されている。そこで、ITER用負イオン源(1280孔)とほぼ同数の孔数を有し、引出領域が1m0.5mのJT-60負イオン源(1080孔)を用いたビームの一様生成試験を実施した。その結果、JT-60負イオン源の従来の磁場構造をテント型構造に改良することで、ビームの一様性を従来よりも20%改善した。さらに、その一様な領域から32Aビーム生成を実証した。これは、ITER負イオン源の孔数で換算すると、約38Aに匹敵し、ITERの要求値である40Aのビーム生成の見通しを得ることができた。
片野 誠*; 市村 真*; 山口 裕資*; 茂木 ゆき美*; 室 大志*; 大内 敏昭*; 大石 洵也*; 佐藤 翔一*; 石川 正男; 森山 伸一; et al.
no journal, ,
非等方な速度分布を持つプラズマ中では、自発的に波動が励起され、その非等方性を緩和しようとする。プラズマ中心部で発生した核融合反応生成イオンが大きなバナナ軌道を描き周辺部に到達したとき、周辺部プラズマの分布関数の裾野に正の勾配を持つ集団を形成する(Bump on tail分布)。本研究ではJT-60Uにおいて、ICRF領域の自発励起波動であるICE(Ion Cyclotron Emission)の実験結果と、局所近似の熱いプラズマ分散式を解くことによる波動励起を評価し、ICE励起機構に関して議論を行う。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 平塚 淳一; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
no journal, ,
JT-60SA負イオン源では、JT-60SAにて要求される大電流負イオンビームの長時間生成を達成するための研究課題の一つであるビームの一様性改善を進めている。これまでに従来の磁場構造からテント型磁場構造を基にした新たな磁場構造を用いることで、一様な負イオンビーム生成が可能となった。それと同時に、負イオン生成効率が向上するとともに電子の引出抑制効率が劣化した。本研究ではこれらの原因を解明するために、磁場構造と負イオンの親粒子である水素イオン、原子および電子との関係を調べた。その結果、新たな磁場構造を用いることで生じたフィルター磁場強度の減少によって、水素イオンや原子のプラズマ電極への流入量が増大し、負イオン生成効率が向上したことが分かった。他方、この減少により、プラズマ電極近傍での電子密度が増大して、電子の引出抑制効率が劣化することも分かった。ただし、5枚すべての引出電極の電子による熱負荷は一様で、引出電極の設計の範囲内であった。以上の結果より、改良後の磁場構造が有用であることが分かった。今後この磁場構造を用いて22A、100秒負イオンビーム生成を目指す。