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Yu, R.*; 北條 元*; 綿貫 徹; 水牧 仁一朗*; 溝川 貴司*; 岡 研吾*; Kim, H.*; 町田 晃彦; 榊 浩司*; 中村 優美子*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 137(39), p.12719 - 12728, 2015/10
被引用回数:34 パーセンタイル:69.76(Chemistry, Multidisciplinary)立方晶ペロブスカイトPbCrOが常温常圧において、鉛の価数に関する電荷ガラス状態であり、その結果、鉛の位置にランダムネスのある構造をとっていることを明らかにした。鉛の価数は2価と4価に価数分離しており、鉛の位置は、A-site中心からのシフトが3倍周期の縦波型変調を持つ2つの副格子で表される短距離秩序を持つことを明らかにした。加圧すると鉛-クロム間の電荷移動が生じ、それにより電荷ガラスが解消され、絶縁体-金属相転移が起こることも明らかにした。この圧力誘起の電荷ガラス融解が、PbCrOで知られていた大きな体積収縮を伴った立方晶-立方晶の同型構造相転移の起源であることが分かった。
Yu, R.*; 北條 元*; 岡 研吾*; 綿貫 徹; 町田 晃彦; 清水 啓佑*; 中野 紀穂*; 東 正樹*
Chemistry of Materials, 27(6), p.2012 - 2017, 2015/03
被引用回数:26 パーセンタイル:62.16(Chemistry, Physical)新しいPbTiO型ペロブスカイト化合物であるBiZnVOの合成に成功した。正方晶の軸比が1.26と大きな軸異方性を持ち、点電荷モデルから計算される分極はPbTiO型ペロブスカイト化合物のなかでは最大を示す。この化合物は圧力誘起構造相転移を起こし、6万気圧で分極のないGdFeO型構造へと変化する。
奈部谷 光一郎*; 村松 裕也*; 岡 研吾*; 中野 紀穂*; 北條 元*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 肥後 祐司*; 林 直顕*; 高野 幹夫*; et al.
Applied Physics Letters, 106(6), p.061912_1 - 061912_5, 2015/02
被引用回数:61 パーセンタイル:89.14(Physics, Applied)ほとんどの物質は温度が上昇すると、熱膨張によって長さや体積が増大する。光通信や半導体製造などの精密な位置決めが要求される局面では、このわずかな熱膨張が問題になる。そこで、昇温に伴って収縮する「負の熱膨張」を持つ物質によって、構造材の熱膨張を補償することが行われている。本研究において、室温付近で既存材料の2倍以上の大きさの「負の熱膨張」を示す酸化物材料を発見した。添加元素の量を変化させることで負の熱膨張が現れる温度域を制御できるほか、これまでの材料の問題点だった温度履歴が抑制されている。
Pyon, S.*; 工藤 一貴*; 松村 純一*; 石井 博文*; 松尾 元太*; 野原 実*; 北條 元*; 岡 研吾*; 東 正樹*; Garlea, V. O.*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 83(9), p.093706_1 - 093706_5, 2014/09
被引用回数:33 パーセンタイル:82.44(Physics, Multidisciplinary)The effects of lithium absorption on the crystal structure and electronic properties of IrSi, a binary silicide with a noncentrosymmetric crystal structure, were studied. X-ray and neutron diffraction experiments revealed that hexagonal IrSi (space group ) transforms into trigonal LiIrSi (space group ) upon lithium absorption. The structure of LiIrSi is found to consist of a planar kagome network of silicon atoms with Li and Ir spaced at unequal distances between the kagome layers, resulting in a polar structure along the c-axis. LiIrSi exhibited type-II superconductivity with a transition temperature of 3.8 K, displaying a structure type that no previous superconductors have been reported to have.
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10
被引用回数:167 パーセンタイル:97.29(Physics, Multidisciplinary)113番元素である113をBi標的にZnビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知であるDb及びLrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が113, Rg (Z=111), Mt (Z=109), Bh (Z=107), Db (Z=105)及びLr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。
東 正樹*; Chen, W.*; 関 隼人*; Czapski, M.*; Olga, S.*; 岡 研吾*; 水牧 仁一朗*; 綿貫 徹; 石松 直樹*; 河村 直己*; et al.
Nature Communications (Internet), 2, p.347_1 - 347_5, 2011/06
被引用回数:359 パーセンタイル:99.09(Multidisciplinary Sciences)ペロブスカイト化合物BiLaNiOが、室温から120度の温度域で、温度上昇1度あたり100万分の82(-8210/度)という、マンガン窒化物を基本とする既存材料の3倍以上の負の線熱膨張係数を持つことを発見した。母物質のニッケル酸ビスマス(BiNiO)は、ビスマス(Bi)の半分が3価、残りの半分が5価という、特異な酸化状態を持っている。この物質を加圧すると、ニッケル(Ni)の電子が一つ5価のビスマスに移り、ニッケルの価数が2価から3価に変化し、酸素をより強く引きつけるようになることがわかった。この際、ペロブスカイト構造の骨格をつくるニッケル-酸素の結合が縮むため、圧力の効果以上の体積収縮が起こる。さらに、ビスマスを一部ランタン(La)で置換すると、Biが不安定になり、昇温によって同様の変化を起こせることもわかった。この際にも、ニッケル-酸素結合の収縮に伴って、120度の温度範囲に渡り、約3%の体積収縮が起こる。この変化は徐々に起こるので、広い温度範囲に渡って連続的に長さが収縮する、負の熱膨張につながっている。
松田 敬子*; 西岡 孝明*; 木下 賢吾*; 川端 猛*; 郷 信広
Protein Science, 12(10), p.2239 - 2251, 2003/10
被引用回数:10 パーセンタイル:17.10(Biochemistry & Molecular Biology)蛋白質のスーパーファミリーの分類はアミノ酸配列,グローバルフォード,部分構造または機能などさまざまな基準でなされている。私達はグローバルフォールドと機能の関係だけでスーパーファミリーを定義できるかどうか調べた。はじめに、ベーターシートのトポロジーにもとづいて蛋白質のドメインを分類した。そして、分子進化の過程においてベーターシートの両端にストランドが1本だけ付加あるいは削除されて新しいベーターシートが作り出された、という仮定をしてベーターシート間の類縁関係を定義することにした。このベーターシート間の類縁関係に基づいて、あるドメインが他のドメインに進化するのに必要な進化的イベントの数が2つのドメイン間の距離を表すように、蛋白質ドメインのネットワークを構築した。その後、core chemical functionが既知であるATP関連ドメインについてネットワーク上にマップした。解析の結果、ネットワーク上に分布したドメインは20個強の分離したクラスターを形成した。この結果は20個強のATP結合蛋白質のスーパーファミリーは各々独立に分子進化の過程で創成されたことを示している。このようにドメインのグルーバルフォールドと機能を保存しながら進化したことが、今日みられる蛋白質の構造と機能の関係が生まれた原因である。
中野 紀穂*; 奈部谷 光一郎*; 東 正樹*; 岡 研吾*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 上田 茂典*
no journal, ,
高圧合成法で合成したペロブスカイト酸化物BiNiOは、AサイトのBiが電荷不均化したBiBiNiOについてBiとNiの価数の決定を行うために、X線吸収分光と硬X線光電子分光によってBiとNiの価数の測定を行った。SXRDパターンのRietveld解析より、0.05x0.15の試料では三斜晶から斜方晶への構造相転移に伴って体積収縮がおきることが分かった。また、BiPbNiO(0.175x0.25)では、BiBiの電荷不均化の融解と、Bi-Niの電荷移動は独立に起こることが明らかになった。
松原 慎一郎*; 今岡 健悟*; 碇本 岩男*; 小川 伸太*; 衛藤 将生*; 川崎 信史
no journal, ,
高速増殖炉の炉心槽内に設置された炉心構成要素には、定格出力時の照射変形(スエリング, 照射クリープ)等により、燃料交換時においても残留変形が生じている。その変形による摩擦力を考慮した炉心構成要素の挿入・引抜き性について検討した結果の概要を紹介する。
Yu, R.*; 岡 研吾*; 北条 肇*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 森 大輔*; 稲熊 宜之*; 東 正樹*
no journal, ,
本研究ではPbSrCrOの物性に対するドーピングと温度効果を調べた。圧力による絶縁体-金属相転移が観察された。またXPS測定からPbとCrの価数を決定した。さらにX線吸収分光スペクトルでは、Sr含有量の増加ともにCrの価数は3価から4価へ変化することが示された。
Yu, R.*; 岡 研吾*; 北条 肇*; 東 正樹*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 稲熊 宜之*; 森 大輔*
no journal, ,
本研究ではPbSrCrOの物性にドーピングと温度効果を調べた。Sr含有量の増加に伴って、x=0.2で、2つのフェーズが共存し、x=0.6で単相になることがわかった。また、温度減少に伴う異常体積変化はx=0.2から0.5で最大になることがわかった。さらにX線吸収分光スペクトルでは、Sr含有量の増加ともにCrの価数は3価から4価へ変化することが示された。
綿貫 徹; 水牧 仁一朗*; Kim, H.*; Yu, R.*; 町田 晃彦; 榊 浩司*; 中村 優美子*; 岡 研吾*; 東 正樹*
no journal, ,
PbCrOは、平均構造は単純立方晶だが、A-siteにランダムネスを持つ構造をとる。従来、このランダムネスはPb欠損サイトに関するものであり、Pb欠損があることによって生じると報告されていた。我々は、Pb欠損のない試料を作製し、X線2体分布関数法により局所構造を調べたところ、Pb欠損がなくてもランダムネスは存在し、それがPbシフトに起因するものであることを明らかにした。つまり、PbCrOが本質的に「A-siteガラス」構造をとる物質であることが明らかになった。
綿貫 徹; 町田 晃彦; Kim, H.*; 榊 浩司*; 中村 優美子*; Yu, R.*; 東 正樹*; 岡 研吾*; 水牧 仁一朗*
no journal, ,
SPring-8の原子力機構ビームラインBL22XUでは高速PDF測定の整備を行なってきた。高エネルギー放射光と大面積2次元検出器との組合せにより、高Qまでのデータをサブ秒から数秒で取得できる。鉛系ペロブスカイト酸化物PbCrOに適用した結果、この物質が、鉛のシフトに関してランダムネスのある「A-siteガラス構造」状態であり、かつ、他の測定と組合せて、鉛の価数に関する「電荷ガラス」状態であることを明らかにした。