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武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
青木 聡; 近藤 啓悦; 加治 芳行; 山本 正弘
Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.663 - 672, 2018/00
被引用回数:2 パーセンタイル:54.58(Materials Science, Multidisciplinary)本研究は、低炭素オーステナイトステンレス鋼の応力腐食割れ発生感受性に及ぼす長時間熱時効の影響を明らかにすることを目的とした。試料にはステンレス鋼の304Lおよび316Lを用いた。両ステンレス鋼とも20%の冷間加工(CW)を施し、その後288Cで14,000時間熱時効(LTA)を加えた。応力腐食割れ発生感受性の評価として、BWRを模擬した環境下ですき間付き定ひずみ曲げ試験(CBB)試験を実施した。304L CW + LTAは応力腐食割れ発生感受性を示さなかった。一方で、316Lの応力腐食割れ発生感受性は冷間加工と長時間熱時効が組み合わさることで増大した。これらの結果を理解するために、CWおよびLTAによって引き起こされる金属組織や機械的性質の変化、およびそれらと応力腐食割れ発生感受性との関係について議論した。
関 正之; 木原 義之; 皆藤 威二; 塚田 竜也*; 本木 和彦*; 平子 一仁*
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 5 Pages, 2011/12
原子力機構では、高速炉における集合体平均150GWd/tの燃焼度を達成するために、耐スエリング性と高温強度に優れた酸化物分散強化型被覆材(ODS鋼)の開発を進めている。ODS鋼の端栓溶接に際しては、従来のTIG溶接のような融接法では溶融部にポロシティーが生じて必要な溶接強度が得られないことから、固相溶接法の一つである加圧抵抗溶接法の開発を行っている。また、溶接部における残留応力の緩和のために溶接部熱処理装置及び溶接部の健全性確認のために超音波探傷装置の開発も合わせて実施している。本報告は、これら装置の特徴と溶接強度及び原子炉を用いた照射試験結果についてまとめて報告するものである。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:191 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
大久保 努; 大木 繁夫; 小倉 理志*; 大久保 良幸*; 小竹 庄司*
Proceedings of 2011 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '11) (CD-ROM), p.479 - 486, 2011/05
大型の日本型Na冷却高速商用炉を対象とした概念設計検討と関連する技術開発が、高速炉サイクル実用化研究開発(FaCT)プロジェクトの一環として実施されている。JSFRでは、次世代のプラント概念として、経済性確保や信頼性と安全性の向上のため、多くの革新技術を採用している。本論文では、JSFR炉心の概念設計検討の最新の結果について述べる。炉心設計における最も重要な点は、150GWd/tの高燃焼度の達成であり、このための被覆管としてODS鋼を想定している。増殖比に関しては柔軟性を有する設計としており、1.0から1.2程度の範囲に関して互換性を有する燃料集合体設計とすることを基本思想としている。また、軽水炉から高速炉への移行期において予想される幅広い燃料組成を想定している。これまでの設計研究から、直径10mm程度の太径の燃料棒を使用する高内部転換型炉心概念に基づいたJSFR炉心概念によって、上述の特性を含む設計目標や要求を満足できることが明らかになった。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:10 パーセンタイル:55.04(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
石森 健一郎; 亀尾 裕; 松江 秀明; 大木 善之*; 中島 幹雄; 高橋 邦明
Applied Radiation and Isotopes, 69(2), p.506 - 510, 2011/02
被引用回数:6 パーセンタイル:42.92(Chemistry, Inorganic & Nuclear)非金属性の低レベル放射性固体廃棄物を溶融処理して作製される溶融固化体中のCについて簡易・迅速な分析法を確立するために、試料分解法としてアルカリ融解を組合せた放射化学分析を検討した。熱中性子照射による
N(n,p)
C核反応を利用して作製した
C含有模擬溶融固化体の分析を行い、燃焼法を用いる従来の分析法と結果を比較した。アルカリ融解を用いる本法において模擬溶融固化体から
Cを精度よく定量的に回収されたことから、従来法よりも
Cを効率的に分離することができ、溶融固化体の分析法として優れていることがわかった。
稲垣 八穂広*; 酒谷 圭一*; 山村 由貴*; 三ツ井 誠一郎; 野下 健司*; 三浦 吉幸*; 兼平 憲男*; 越智 英治*; 椋木 敦*; 千葉 保*
第7回再処理・リサイクル部会セミナーテキスト, p.136 - 137, 2011/01
これまでの静的溶解試験では、ガラス溶解に伴い反応溶液の液性が変化するため、任意の液性一定条件での測定評価が困難であった。本研究では、我が国の模擬ガラス固化体であるJAEA-P0798ガラス及びJNFL-KMOCガラスについて、新たに考案したマイクロチャンネル流水試験法を用いた任意の液性一定条件での溶解試験を行い、ガラスの本質的特性の一つである初期溶解速度(: 反応溶液中シリカ濃度がゼロの条件でのガラス溶解速度)を精密に測定し、その温度依存性,pH依存性を体系的に評価した。その結果、いずれのガラス試料についても
は温度とともに増大し、各温度においてpHに関してV字型の依存性を示すことがわかった。
石森 健一郎; 大木 恵一; 高泉 宏英; 亀尾 裕; 大木 善之*; 中島 幹雄
JAEA-Technology 2007-065, 20 Pages, 2008/01
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所内で発生する非金属の低レベル放射性雑固体廃棄物から作られる溶融固化体を放射化学分析する際に必要となる標準試料を作製するため、溶融固化体を模擬した標準試料の調製法を検討した。模擬雑固体廃棄物を想定して非放射性のコンクリートとFeOの混合粉末を使用してるつぼへの充填条件及び昇温条件を変えて溶融試験を行い、溶湯がるつぼから溢れない最適な条件を決定した。また混合粉末に安定同位体トレーサーとしてCsを添加して1600Cの電気炉で溶融試験を行ったところ、溶融固化体の塩基度を低くすることで揮発しやすいCsも固化体中に残存することがわかった。以上の検討で得られた最適な溶融条件で溶融することで、
線放出核種
Np,
Am,
Cmを含有する溶融固化体標準試料を作製できた。放射能分析により決定した各核種の放射能濃度は
Npは0.188
0.001Bq/g、
Amは0.368
0.004Bq/g、
Cmは0.402
0.01Bq/gであった。
川村 賢二*; Parrenin, F.*; Lisiecki, L.*; 植村 立*; Vimeux, F.*; Severinghaus, J. P.*; Hutterli, M. A.*; 中澤 高清*; 青木 周司*; Jouzel, J.*; et al.
Nature, 448(7156), p.912 - 916, 2007/08
被引用回数:354 パーセンタイル:96.61(Multidisciplinary Sciences)気候変化に関するミランコヴィッチ理論は、氷期-間氷期のサイクルが北半球の高緯度域における夏期の日射量の変化によって駆動されると提唱している。本論文では、ドームふじとボストーク基地の氷床コアに閉じ込められた空気中の酸素分子と窒素分子の存在比をもとに、過去36万年に渡って南極大陸に起こった気候変化の新しい年代情報を示す。この比は、この地域の夏期の日射量の代理指標であるため、気候記録と軌道パラメーターの間の位相差を仮定する必要なしに、軌道チューニングによってコア年代を構築することが可能である。この正確な年代をもとに、氷床コアから得られた気候記録と日射量変化の間の位相関係を調べることができる。その結果、軌道要素変動の時間スケールにおける南極大陸の気候変化は北半球の日射量変化よりも数千年遅れていたことと、過去4回の退氷期における南極気温と大気中二酸化炭素濃度上昇は北半球の夏期の日射量が上昇する位相で起こったことが示された。これらの結果は、北半球の夏期の日射量が過去4回の退氷期のきっかけとなったとするミランコヴィッチ理論を支持している。
佐藤 聡; 山内 通則; 西谷 健夫; 伊尾木 公裕; 飯田 浩正; 片岡 良之
JAEA-Technology 2006-032, 91 Pages, 2006/03
国際熱核融合実験炉ITERでは、NBIダクトの構造及び熱水力設計のために、プラズマ近傍に設置されるNBIダクト内壁の熱負荷分布が重要である。その熱負荷は、NBIダクト壁中の核発熱とプラズマからの制動輻射やライン輻射によるNBIダクト内壁表面の表面熱流束からなり、MCNP-4CコードとFENDL-2ライブラリーを使用して3次元モンテカルロ輸送計算によりその分布を評価した。その結果、中性子及び線による核発熱率は、プラズマに面する壁,プラズマに面しない壁ともに最大で5
7MW/m
、プラズマからの制動輻射及びライン輻射による表面熱流束は、プラズマに面する壁で0.17
0.18MW/m
、プラズマに面しない壁で0.02
0.03MW/m
となった。一方、真空容器内圧力抑制系の真空境界として取り付けられている圧力逃し用破裂盤は、圧力抑制系の中性子ストリーミングにより放射化し、ITER停止時の保守作業を困難にする恐れがある。簡易ストリーミング計算と放射化計算によりその放射化レベルを評価した結果、圧力抑制系の構造を1辺1.2m以上の矩形断面とし、圧力抑制系の第1脚が3m以上、配管の屈曲数が1回以上あれば、保守作業時に破裂盤周辺の空間線量率を制限値である10
Sv/hより低くできることがわかった。
下村 安夫; 常松 俊秀; 山本 新; 丸山 創; 溝口 忠憲*; 高橋 良和; 吉田 清; 喜多村 和憲*; 伊尾木 公裕*; 井上 多加志; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 78(Suppl.), 224 Pages, 2002/01
日本,米国,欧州,ロシアの4極の協定に基づき、1992年7月に開始されたITER工学設計活動(ITER-EDA)は、ITER建設の判断に必要な技術的準備を整え、2001年7月に9年間の活動を完了した。本件は、ITER工学設計活動において完成された最終設計報告書の物理及び工学設計の成果を簡潔にまとめたものである。
稲垣 嘉之; 藤本 望; 元木 保男; 伊与久 達夫; 丸山 創; 塩沢 周策
JAERI-M 90-223, 30 Pages, 1990/12
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心支持板は、炉心及び炉心支持黒鉛構造物の鉛直方向の荷重を直接支持する機能を有し、その上部にある炉床部断熱層により、炉心内の高温冷却材(約950C)からの熱伝導を低減するとともに、その下面を低温冷却材(約400
C)で冷却して、制限温度を超えない構造としている。炉心支持板下面の冷却材流路には、1次ヘリウム配管、補助ヘリウム配管及び多数の支持板支持柱等の構造物がある。これらの構造物は、冷却材を偏流させる可能性があり、その結果として炉心支持板にホットスポットが生じる可能性がある。炉心支持板下面の冷却材の流動を明らかにするために、3次元熱流体解析コードSTREAMを用いて解析を行なった。更に、その解析結果から得られた流速分布より、炉心支持板の温度分布を解析した結果、ホットスポットが発生するような偏流が生じないことを確認した。
近藤 啓悦; 青木 聡; 山下 真一郎; 加治 芳行; 山本 正弘
no journal, ,
低炭素オーステナイト系ステンレス鋼のSCC発生感受性に及ぼすBWR炉内運転温度での長時間熱時効影響を評価した。冷間加工したSUS316L材に対して288C、14000時間の長時間熱時効を施し、すきま付き定ひずみ曲げ試験(CBB試験)によるSCC発生感受性試験を実施した結果、熱時効により発生感受性が高まる結果が得られた。CBB試験後の試験片表面観察の結果、未熱時効試料と熱時効試料では形成される表面すべり線に違いが確認され、長時間熱時効によって塑性変形が局所化する可能性が示唆された。
石橋 良*; 廣坂 和馬*; 山名 哲平*; 柴田 昌利*; 佐々木 政名*; 安田 賢一*; 根本 義之; 檜木 達也*
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)材料製被覆管を用いた燃料は、高温での安定性に伴う事故耐性が期待される一方、沸騰水型原子炉(BWR)で使用するためには多くの技術課題が残っている。その優れた耐熱性を活かし、BWRの構造と運転条件に適用させるため、SiC被覆管の要素技術の開発に取り組んでいる。その中で、耐食被覆および端栓接合のための技術を重点的に開発してきた。講演では詳細を紹介する。
石森 健一郎; 大木 恵一; 亀尾 裕; 高泉 宏英; 中島 幹雄; 大木 善之*; 磯貝 啓介*
no journal, ,
雑固体廃棄物をプラズマ溶融して制作した溶融固化体の放射能評価技術開発の一環として、線放出核種
C分離法を検討した。本報で検討したアルカリ溶融法を適用することで、溶融固化体から
Cを効率よく回収することが可能となり、従来法よりも優れた
C分離分析法を構築できた。
大久保 努; 大木 繁夫; 小倉 理志*; 大久保 良幸*
no journal, ,
2025年頃の実証炉の実現に向けて、先進ループ型ナトリウム冷却高速炉(JSFR:Japan Sodium-cooled Fast Reactor)の出力75及び50万kWe炉心概念に関する設計検討を進めている。本報では、その全体概要として、現状を報告する。実証炉の概念検討においては、炉心の設計目標,要求及び条件として、150万kWe級のJSFR実用炉と同一の設定を行っている。炉心を構成する燃料集合体や燃料棒の設計も、それらの実証という観点に基づき、基本的に同一のものとすることを基本方針としている。また、燃料組成に関しては、実用炉で想定しているMA含有燃料組成に加え、2025年頃の燃料サイクルの状況を踏まえ、現行の軽水炉使用済燃料再処理から得られる高除染U-Pu組成も想定した条件を設定している。これまでの炉心設計検討の結果、上記の設計条件を満足する炉心設計が可能との見通しを得るとともに、想定した燃料組成の幅に起因する炉心特性の変動幅を把握した。
大原 高志; 安達 基泰; 清水 瑠美; 栗原 和男; 玉田 太郎; 黒木 良太; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 津田 栄*
no journal, ,
不凍タンパク質(AFP)は生体内で氷の表面に結合することで氷結晶の成長を抑制し、体液の凝固点を下げる働きを持つタンパク質である。北海道沿岸に生息するナガガジの体内では多数の3型AFP(nfeAFP)のアイソフォームが発現しており、これらはSP型及びQAE型に分類される。どちらも氷表面に結合する機能は有するが、氷結晶の成長を抑制する能力はQAE型の方がはるかに高い。そこでわれわれは、SP型であるnfeAFP6とQAE型であるnfeAFP8に注目し、両者の間でアミノ酸配列が異なる部分についてnfeAFP6とnfeAFP8のキメラ体4種類と、nfeAFP6の配列をnfeAFP8のものに置換したnfeAFP6変異体8種類を調製し、nfeAFP6のAla19一箇所のみをValに置換したnfeAFP6 A19V変異体がQAE型と同様の氷結晶成長抑制作用を持つことを見いだした。さらにnfeAFP6 WT及びA19V変異体の両者について単結晶X線構造解析を行い、両者の水和構造の違いを明らかにするとともに、nfeAFP6 WTの中性子構造解析からこの部分の水和水が水分子同士で水素結合ネットワークを形成していることを見いだした。このネットワークがnfeAFP6 WTと氷結晶との相互作用を阻害していると考えられる。
加治 芳行; 青木 聡; 近藤 啓悦; 山本 正弘
no journal, ,
低炭素ステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)発生感受性に及ぼす長時間熱時効の影響をすき間付曲げ(CBB)試験を用いて検討した。用いた材料は、溶体化及び冷間加工した304Lと316L対炭素ステンレス鋼を288度で4000時間熱時効したものを用いた。SCC発生感受性は、288C、BWR模擬高温水中における1000時間のCBB試験により評価した。CBB試験結果により、冷間加工し長時間熱時効した316Lステンレス鋼のみで高いSCC発生感受性が見られた。その原因を材料の機械的特性、冷間加工材料特性、ミクロ組織及び塑性変化等の観点から検討した。その結果、粒界近傍での偏析が認められなかったことから、低温鋭敏化が原因ではないことが分かった。本発表では、その他に考えられる要因の検討結果について述べる。
清水 瑠美; 松本 富美子; 新井 栄揮; 大原 高志; 安達 基泰; 玉田 太郎; 黒木 良太; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 津田 栄*
no journal, ,
不凍タンパク質(AFP)は、氷の表面に結合することで氷結晶の成長を抑制し、体液の凝固点を下げる働きを持つタンパク質である。AFPは、非常にユニークな機能を持つことから、食品,医療などさまざまな分野での産業利用が期待されている。北海道沿岸に生息するナガガジの体内では多数のアイソフォームが発現しており、これらはSP型及びQAE型に分類される。われわれは、活性が低いSP型のnfeAFP6と活性が高いQAE型のnfeAFP8の間で、アミノ酸配列が異なる部分に着目し、キメラ体4種類と部位特異的変異体14種類を大腸菌発現系により調製して、氷結晶成長抑制活性を比較した。その結果、nfeAFP6の分子表面に存在するAla19一か所のみをValに置換したnfeAFP6 A19V変異体がQAE型と同様の高い氷結晶成長抑制作用を持つことを見いだした。さらに氷結晶の成長抑制活性と分子構造の安定性の相関を検討するために、各変異体の構造安定性を円偏光二色性の温度依存性から比較した。その結果、nfeAFP6 A19V変異体の構造安定性は、野生型よりも低く、その他の変異体に関して活性の強さと構造安定性に相関は見られなかった。よって、変異型AFPの不凍活性変化は、その安定性の変化に由来するのではなく、変異部位の導入によって、水和構造を変化させたからであると考えられる。