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蓬田 匠; 大内 和希; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
Scientific Reports (Internet), 14, p.14945_1 - 14945_11, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所3号機建屋滞留水中の固形分の多数の粒子状物質の中から、核種を含有する微粒子の検出を試みた。核種濃度の異なる、トーラス室と主蒸気隔離弁室の2か所から採取した試料について分析を行った。大部分の核種は10m以上の固形分に存在していた。SEM-EDXを用いる元素分析により、mサイズのUを主成分とする微粒子を検出した。また、アルファトラック法により検出した粒子では、粒径100m程度までの鉄粒子上に核種が分布する様子を観測できた。3号機滞留水中におけるUやその他の核種の存在形態が明らかになった。
鷹尾 康一朗*; 大内 和希; 小松 篤史; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
European Journal of Inorganic Chemistry, 27(14), p.e202300787_1 - e202300787_7, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)UO/UOの1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルアミド([emim]TfN)イオン液体中での電気化学的挙動を研究し、劣化ウランをレドックスフロー電池の電極活物質として利用するために、UO/UOの酸化還元可逆性を達成するために何が必要かを明らかにした。結果として、Cl存在下の[emim]TfN中において、グラッシーカーボンを作用電極として用いUO/UOの酸化還元反応の可逆性を得ることに成功した。また、溶質の拡散性を向上させるために、補助分子溶媒であるN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で希釈した。Clを含む50:50v/vの[emim]TfN-DMF液体電解質中で[UOCl] + e = [UOCl]の可逆的酸化還元反応を示すことに成功した。
大内 和希; 原賀 智子; 廣瀬 和生*; 黒澤 結香*; 佐藤 義行; 渋川 雅美*; 齋藤 伸吾*
Analytica Chimica Acta, 1298, p.342399_1 - 342399_7, 2024/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)従来の高線量試料分析法では被ばくリスクが高く、大量の二次放射性廃棄物が発生することから、放射線放出量を低減できる迅速な分析法が強く望まれている。このニーズに取り組むため、我々は液体シンチレーションカウンティングと2点検出によるキャピラリー過渡的等速電気泳動(ctITP)を組み合わせたSr定量法を開発した。これは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸(DOTA)-Sr錯体を1回の操作で分離・分画する方法である。高線量の放射性試料をマイクロリットルレベルで取り扱うことができ、従来のイオン交換法よりも大幅に高速であるこの方法により、実高線量廃棄物中のSrを選択的に定量した。ctITPにおける濃縮・分離の成功は、Sr-DOTA錯体が解離不活性であることに起因する。
佐々木 悠人*; 佐野 亜々留; 佐々木 新治; 岩本 信之; 大内 和希; 北辻 章浩; 高木 直行*; 前田 茂貴
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(4), p.509 - 520, 2024/04
被引用回数:4 パーセンタイル:87.43(Nuclear Science & Technology)Acは医薬品向け放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、Ac製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、Raの中性子照射によるAc製造量評価、RaからAcを効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、「常陽」での照射からPIE施設への移送、化学処理の経過時間による減衰並びに核反応断面積及び解析の不確かさを考慮しても十分なAc製造が可能なこと及びDGAレジンを吸着材として用いることにより、Ra及び照射により生成が予想される不純物を除去しAcを単離できる見通しについて報告する。また、医療側のニーズを踏まえた製造量についても報告する。
大内 和希
放射化学, (49), p.3 - 7, 2024/03
本記事では、溶液内反応の基礎研究として、ウランの酸化状態の変化に伴う析出反応の解明とイオン液体-有機混合溶媒中のウラン(IV)塩化物の電気化学的挙動について紹介する。また、微少量試料の定量分析法への応用的研究として、マイクロ化学チップやポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いるアクチノイドの分離手法の開発について紹介する。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
KEK Proceedings 2023-2, p.132 - 137, 2023/11
放射性廃棄物処分時の安全評価対象核種であるZr-93分析の簡易化法として、溶液化が困難な固体試料に含まれるZr同位体をレーザーアブレーション(LA)-ICP-MSで分析する固体同位体希釈質量分析法(固体IDMS)を検討した。固体放射性廃棄物を模擬した分析試料(模擬固体試料)に固体状のスパイク(同位体参照固体)を添加して作製したIDMS用試料をLA-ICP-MSにより同位体比測定し、固体IDMSの成立性を調べた。その結果、溶解操作を経ずに模擬固体試料中のZr同位体の定量分析が固体IDMSにより可能であることが実証でき、溶液化が困難な放射性廃棄物中Zr-93の新規分析法として実現できる見込みが得られた。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
分析化学, 72(10.11), p.441 - 448, 2023/10
高レベル放射性廃棄物(HLW)等の処分時の安全評価対象核種のひとつであるZr-93のICP-MS定量分析をより迅速化する手法として、Zrを選択的に固相抽出した試料をそのままレーザーアブレーション(LA)してICP-MSで定量分析する技術開発を行った。DGAレジンにZrのみを吸着させる新規Zr固体試料調製法により、試料調製時間を従来よりも大幅に短縮した。Zr固体試料をLA-ICP-MS測定するための最適なレーザー照射条件を検討した。開発した手法をHLW模擬試料中のZr同位体定量に適用した結果、IDMSにより求めた同位体定量値は試料の元素濃度から求めた含有量と不確かさの範囲で一致したため、実際の放射性廃棄物試料中のZr-93についても同様の手順で定量できる見込みを得た。
大内 和希; 松村 大樹; 辻 卓也; 小林 徹; 音部 治幹; 北辻 章浩
RSC Advances (Internet), 13(24), p.16321 - 16326, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:20.85(Chemistry, Multidisciplinary)電気化学水晶振動子マイクロバランス、インピーダンススペクトル及びX線吸収微細構造測定の結果から、ウラニルイオン(UO)の還元に伴う析出物の化学状態変化を明らかにした。UOの還元に伴い、(1)Uの不均化によりUが生成する。(2)UはU水酸化物として析出物を形成し、(3)最終的に水酸化物より大きな電気抵抗を持つU酸化物に変化する析出機構が提案される。
岩瀬 裕希*; 赤松 允顕*; 稲村 泰弘; 坂口 佳史*; 森川 利明*; 笠井 聡*; 大内 啓一*; 小林 一貴*; 酒井 秀樹*
Journal of Applied Crystallography, 56(1), p.110 - 115, 2023/02
被引用回数:4 パーセンタイル:83.25(Chemistry, Multidisciplinary)光応答性材料の重要性が高まる中、光照射によって引き起こされる構造変化とその機能との相関を解析することは極めて重要である。このような構造解析には小角散乱(SAS)が有効であるが、SASによって1nm以下のスケールで局所的な分子構造形成や分子反応を定量的に捉えることは困難である。そこで本研究では、光応答性物質における非平衡現象の構造解析を目的として、紫外可視光照射装置、紫外可視分光光度計から構成される新しい試料環境を開発し、中性子小角・広角散乱装置(TAIKAN)に設置することで中性子小角散乱と紫外可視光吸収の同時測定を実現した。この測定手法を用いることで、光応答性分子であるアゾベンゼンを修飾した陽イオン性界面活性剤が水溶液中で形成するミセルが紫外可視光照射によって構造変化する様子をその場観察することを可能とした。その結果、本測定手法によりミセル構造の変化と分子配置の変化の相互作用に関する直接的な情報を提供することが示された。
山縣 和仁*; 大内 和希; 丸茂 和樹*; 半田 友衣子*; 原賀 智子; 齋藤 伸吾*
Inorganic Chemistry, 62(2), p.730 - 738, 2023/01
被引用回数:3 パーセンタイル:61.82(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ネプツニルイオン(NpO)に対し解離不活性な錯体を見出すため、蛍光プローブ化学ライブラリーの中からポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いる速度論的手法により、安定なNpO錯体の選抜を試みた。フルオレセイン修飾フェナントロリン-2,9-ジカルボン酸錯体は、自己解離速度定数810 sと非常に解離不活性であることを見出した。この速度定数は、これまで報告されているNpO錯体の解離速度より100万倍遅い。この特異性を利用しPAGEによるNpO錯体の蛍光検出を試みたところ、検出限界68pmol dm(17fg)の極微量検出を達成した。模擬使用済み核燃料及び高レベル放射性廃棄物試料への適用にも成功した。
蓬田 匠; 秋山 大輔*; 大内 和希; 熊谷 友多; 東 晃太朗*; 北辻 章浩; 桐島 陽*; 河村 直己*; 高橋 嘉夫*
Inorganic Chemistry, 61(50), p.20206 - 20210, 2022/12
被引用回数:5 パーセンタイル:47.50(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、U(VI)が(IV)に還元される時の中間体や、長期安定性をもつU(V)化合物の特異的な物性に関する研究が注目されている。しかし、U(V)の電子状態を詳細に分析した例は少ない。本研究では、U(V)の化合物のFeUO中のU(V)の電子状態を高エネルギー分解能蛍光検出(HERFD)-X線吸収端微細構造分光法(XANES)によって調べた。X線発光分光器を用いて取得したFeUO中のUのL端HERFD-XANESスペクトルから、従来のXANESスペクトルにはないピーク分裂をはじめて観測することができた。理論計算によるXANESスペクトルのシミュレーションの結果、このピーク分裂が良く再現でき、6d軌道の分裂によるものであることが明らかになった。この発見により、環境中で従来検出が困難であったU(V)の検出が容易になると期待され、環境科学をはじめとした幅広い分野での応用が期待される。
山中 高光*; 平尾 直久*; 中本 有紀*; 三河内 岳*; 服部 高典; 小松 一生*; Mao, H.-K.*
Physics and Chemistry of Minerals, 49(10), p.41_1 - 41_14, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:11.61(Materials Science, Multidisciplinary)MnFeO固溶体の磁性と結晶構造を高温高圧下で中性子回折と放射光メスバウアー分光によって調べた。MnFeOスピネルのフェリ磁性-常磁性転移は100C、正方晶-立方晶転移は180Cで起こり、これら2つの転移は直接関連していないことが分かった。構造相転移の転移温度は圧力とともに減少する。メスバウアー分光と中性子回折から、四面体サイトでのFeの占有率が圧力とともに増加することがわかり、MnFeO相は逆スピネルに近づくことが示唆された。磁気構造解析により、MnFeOとMnFeOの常磁性とフェリ磁性の構造を明らかにした。これらのスピネルはそれぞれ18.4GPaと14.0GPaで斜方高圧相に変化し、Mn含有量の増加とともに転移圧力が低下することがわかった。
蓬田 匠; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.7191_1 - 7191_10, 2022/05
被引用回数:7 パーセンタイル:58.33(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所2号機トーラス室滞留水に含まれる線放出核種の存在形態を、走査型電子顕微鏡X線検出(SEM-EDX)やアルファトラック法により分析した。SEM-EDXによる観察の結果、Uを主成分とするサブm数mサイズの粒子を複数同定できた。これらの粒子はZrなどの燃料被覆管や構造材を構成する元素を含んでいる。また、同じ粒径フラクションの固形分に含まれるU同位体比(235/238)は、原子炉燃料のそれと一致した。このことから、U粒子は原子炉に由来し、これが微細化したものであることを示している。アルファトラック分析により同定した核種含有粒子は、粒径数10m~数100mのサイズであり、SEM-EDXの元素分析の結果、鉄を主成分としていた。核種の物質量は極わずかであることから、Pu, Am, Cm等が鉄粒子上に付着する形態であると考えられる。分析した滞留水中の固形分試料では、Uと他の核種の存在形態が異なる場合があることが明らかになった。
大内 和希; 塚原 剛彦*; Brandt, A.*; 武藤 由樹*; 生田目 望*; 北辻 章浩
Analytical Sciences, 37(12), p.1789 - 1794, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:4.87(Chemistry, Analytical)安全かつ廃棄物削減のための分離技術の開発として、陰イオン交換樹脂を充填したマイクロチップカラムを用いて、ウラン(U)の分離プロセスのスケールダウンを試みた。マイクロ流路を適切に設計することによって理想的なUの分離性能が得られた。実試料としての海水に適用し海水中Uの濃度の定量に成功したことから、本研究で作製したマイクロチップカラムが十分な実用性を有している。また、一般市販品のカラムを用いたU分離と比較して、カラムサイズは1/5000未満まで縮小することに成功した。
大内 和希; 小松 篤史; 鷹尾 康一朗*; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
Chemistry Letters, 50(6), p.1169 - 1172, 2021/06
被引用回数:2 パーセンタイル:11.15(Chemistry, Multidisciplinary)ウランを電極活物質として用いるレドックスフロー電池を構築するためにイオン液体-DMF混合溶媒中での塩化ウラン(IV)の電気化学挙動を調べた。結果としてレドックスフロー電池のアノード反応として利用可能である準可逆なU/U対を見出した。
原賀 智子; 大内 和希; 佐藤 義行; 星野 仁*; 田中 玲*; 藤原 隆司*; 黒川 秀樹*; 渋川 雅美*; 石森 健一郎; 亀尾 裕; et al.
Analytica Chimica Acta, 1032, p.188 - 196, 2018/11
被引用回数:13 パーセンタイル:45.89(Chemistry, Analytical)放射性試料中のアクチノイドイオンを安全、迅速、高感度に分析するため、蛍光プローブを用いたキャピラリー電気泳動法による分析法を開発した。本研究では、化学ライブラリーを用いて、アクチノイドイオンの検出に必要となる蛍光プローブを選択し、大環状および非環状の多座配位骨格を有するプローブ群を整備した。アクチノイドのうち、ウラニルイオンに対して、4座の配位骨格を有する蛍光プローブを用いることにより、従来のキャピラリー電気泳動法の検出限界(ppmレベル)を大幅に改善し、pptレベルの検出限界を達成するとともに、実際の放射性廃液試料の分析に適用できることも示した。
大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩; 山本 正弘
ECS Transactions, 75(27), p.51 - 57, 2017/01
被引用回数:1 パーセンタイル:36.69(Electrochemistry)本研究では、電気化学水晶子マイクロバランス(EQCM)を用いてウランの原子価変化に伴う4価ウランの電解析出反応を調査した。弱酸性溶液中で6価ウランの還元反応のEQCM測定を行ったところ、4価ウランの析出物が電極表面に観測された。析出挙動、析出のpH依存性および析出物の酸化電位から、析出機構を推定した。析出は3段階で進行し、析出開始までの誘導過程では、不均化反応により生成した4価ウランが、4価ウラン水酸化物の核を形成する。核が形成すると析出物は成長し始める(成長過程)。この過程では、電極表面の析出物が5価から4価ウランへの反応を触媒し、還元電流と析出速度の一時的な増大が観測される。電極表面が析出で覆われると還元および析出反応が一定速度で進行する(状態変化過程)。この過程では、4価ウラン水酸化物がより安定な状態であるウラン酸化物へ変化する。
佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 石橋 和樹*; 沖野 友哉*; 山内 薫*; 足立 純一*; 柳下 明*; 矢澤 洋紀*; 神成 文彦*; 青山 誠; et al.
Europhysics News, 42(5), P. 10, 2011/09
Heガスに、XUV領域のイオン化断面積が既知である水素分子のガスを混合することによって、Heの2光子イオン化断面積の波長依存性を実験的に検証した結果について解説する。
佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 石橋 和樹*; 沖野 友哉*; 山内 薫*; 足立 純一*; 柳下 明*; 矢澤 洋紀*; 神成 文彦*; 青山 誠; et al.
Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 44(16), p.161001_1 - 161001_5, 2011/08
被引用回数:38 パーセンタイル:83.31(Optics)Heガスに、XUV領域のイオン化断面積が既知である水素分子のガスを混合することによって、Heの2光子イオン化断面積の波長依存性を実験的に示した。
大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩
no journal, ,
本研究では、U析出物の反応性に関する知見を得るために、電極表面に電解析出したU(IV)析出物の重量の時間変化及びU析出物の状態変化が触媒作用に及ぼす影響について調査した。重量の時間変化から、電解析出したU(IV)析出物は酸化溶出により減少することが分かった。また、時間経過により異なる状態のU析出物を電極上に形成させ、Uの還元・析出速度を測定したところ、時間が経過したより安定な状態の析出物の方が触媒作用が大きいことが分かった。