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出井 俊太郎; 柴田 真仁*; 根岸 久美*; 杉浦 佑樹; 天野 由記; Bateman, K.*; Wilson, J.*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 武田 匡樹; et al.
Results in Earth Sciences (Internet), 3, p.100097_1 - 100097_16, 2025/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、セメントと泥岩の相互作用による化学的擾乱領域が形成され、岩盤中の核種移行特性に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、11年前に幌延深地層研究センターの140m調査坑道に施工されたセメント(普通ポルトランドセメント(OPC)および低アルカリ性セメント(LAC))と泥岩の界面における変質状態について調査した。複数の分析手法を組み合わせることで、セメントの溶解、方解石やC-(A-)S-H相などの二次鉱物の析出、モンモリロナイトの陽イオン交換、泥岩の空隙率の低下など、セメントと岩石の界面における主要な反応が特定された。また、空隙率の低下による拡散の低下や、変質した泥岩中の二次鉱物への取り込みによる収着の促進など、セメントと泥岩の相互作用が放射性核種の移行に及ぼす影響についても明らかになった。
山本 啓介; 中川 拓哉; 下条 裕人; 木島 惇; 三浦 大矢; 小野瀬 芳彦*; 難波 浩司*; 内田 広明*; 坂本 和彦*; 小野 千佳*; et al.
JAEA-Technology 2024-019, 211 Pages, 2025/02
日本原子力研究開発機構(以下、「JAEA」という。)核燃料サイクル工学研究所旧ウラン濃縮施設は、遠心分離法によるウラン濃縮技術を確立させるための技術開発を本格的に行う目的で建設された施設であり、単機遠心分離機の開発、遠心機材料の開発及び遠心機によるウラン濃縮処理を主に実施したG棟及びG棟に付属するH棟、遠心分離機の小規模カスケード試験を行っていたJ棟、遠心分離機の寿命試験を行っていたL棟、その他ウラン貯蔵施設、廃棄物保管施設、廃水処理施設など複数の施設で構成されていた。これらの施設におけるウラン濃縮技術開発は、開発技術の日本原燃(株)のウラン濃縮工場及びウラン濃縮技術開発センターへの技術移転が完了し、JAEAにおける技術開発の当初の目的が達成されたため、平成13年に終了した。廃水処理室は、昭和51年に建設され、旧ウラン濃縮施設で発生した放射性廃水の処理を行ってきたが、平成20年度に廃水処理室以外の施設に廃水処理設備が整備されて以降は、施設のバックアップ的な位置づけとして維持管理されてきた。さらに、昨今においては、他の施設における廃水処理の実績等からバックアップとしての必要性が無くなり、施設も建設後約48年が経過し、老朽化も進んでいたことから、施設中長期計画に基づき同施設を廃止措置することになり、令和3年11月から令和5年8月に内装設備の解体撤去を行った。本報告は令和5年9月から令和6年3月に行った管理区域解除のための放射線測定に係る実積と関連する知見をまとめたものである。
石川 諒尚; 田中 浩基*; 中村 哲志*; 熊田 博明*; 櫻井 良憲*; 渡辺 賢一*; 吉橋 幸子*; 棚上 裕生*; 瓜谷 章*; 鬼柳 善明*
Journal of Radiation Research (Internet), 65(6), p.765 - 775, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Biology)From the viewpoints of the advantage depths (ADs), peak tumor dose, and skin dose, we evaluated the effect of neutron beam properties, namely, the ratio between thermal and epithermal neutron fluxes (thermal/epithermal ratio), fast neutron component, and -ray component on the dose distribution. Several parameter surveys were conducted with respect to the beam properties of neutron sources for boron neutron capture therapy assuming boronophenylalanine as the boron agent using our dose calculation tool, called SiDE. The ADs decreased by 3% at a thermal/epithermal ratio of 20% - 30% compared with the current recommendation of
. The skin dose increased with the increasing thermal/epithermal ratio, reaching a restricted value of 14 Gy-eq at a thermal/epithermal ratio of
. The fast neutron component was modified using two different models, namely, the "linear model," in which the fast neutron intensity decreases log-linearly with the increasing neutron energy, and the "moderator thickness (MT) model," in which the fast neutron component is varied by adjusting the moderator thickness in a virtual beam shaping assembly. Although a higher fast neutron component indicated a higher skin dose, the increment was
at a fast neutron component of
Gy cm
for both models. Furthermore, in the MT model, the epithermal neutron intensity was
higher at a fast neutron component of
Gy cm
compared with the current recommendation of
Gy cm
. The
-ray component also caused no significant disadvantages up to several times larger compared with the current recommendation.
沖田 将一朗; 櫻井 辰大*; 江崎 巌*; 都木 克之*; 中野 貴之*; 日野 正裕*
KURNS Progress Report 2023, P. 97, 2024/07
BGaN semiconductor neutron detectors are currently under development at Shizuoka University as promising compact and high-temperature resistant neutron detectors. In this experiment, we observe the pulsed detection signals for thermal neutron beams irradiated to the BGaN semiconductor neutron detectors installed on a high-temperature hot plate wih ambient temperatures of 300 Celsius degree. This experiment is performed in the cold neutron beam line (CN-3) in KUR, which has relatively low background noise and can irradiate low-energy neutrons for sensitive detection. As a result, clear pulsed detection signals were successfully found several times per hour for both detectors. These results suggest that BGaN semiconductor neutron detectors demonstrate the operability at around 300 Celsius degree at least.
櫻井 敬久*; 紅林 泰*; 鈴木 颯一郎*; 堀内 一穂*; 高橋 唯*; 堂下 典弘*; 菊地 聡*; 門叶 冬樹*; 岩田 尚能*; 田島 靖*; et al.
Physical Review D, 109(10), p.102005_1 - 102005_18, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)銀河宇宙線の永年変化は銀河の活動に密接に関係しており、局所的な銀河磁場・星間雲・超新星残骸の近くの環境が反映される。高エネルギー銀河宇宙線によって大気中で生成される高エネルギーミューオンは、深い地層まで透過し、岩石中に放射性同位体を生成する。Beや
Alのような長寿命の放射性核種は岩石中に蓄積されるため、高エネルギーミューオンの収量の長期変動、ひいては数百万年間の高エネルギー銀河宇宙線(GCR)の長期変動の調査に利用できる。本研究では、CERN SPSのCOMPASS実験ラインにて、160GeV/cの正ミューオンを合成石英プレートと花崗岩コアに照射して、岩石中の
Beと
Alの生成断面積を測定した。更に、ミューオンが直接起こす核破砕反応とミューオンが生成した二次粒子が引き起こす反応が、岩石中での長寿命核種の生成にそれぞれどの程度寄与するかを明らかにした。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:2 パーセンタイル:58.81(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:9 パーセンタイル:85.35(Astronomy & Astrophysics)Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
高橋 成雄*; 櫻井 大督*; 長尾 郁弥; 操上 広志; 眞田 幸尚
シミュレーション, 42(2), p.68 - 75, 2023/06
本稿では、事故後行われてきた地上および空中放射線モニタリングを通じて蓄積されてきた、空間線量率の時空間分布に関するデータから、放射性物質の沈着過程の理解や、除染作業による線量率低減度の評価に関する科学的知見を、視覚解析を通じて得ることができた事例を紹介する。また関連して、今後の原発事故からの復興の施策立案の一助となる重要な知見を効果的に得るための、今後の取り組みについての展望を図る。
高橋 成雄*; 操上 広志; 眞田 幸尚; 櫻井 大督*
ERAN2022年度成果報告書(インターネット), 1 Pages, 2023/04
本研究は、除染効果の多角的かつ定量的な評価を通じて、精度の高い除染効果評価技術の確立を目指すものである。試行的な解析により視覚解析技術の適用性を確認した。
Pohl, T.*; Sun, Y. L.*; Obertelli, A.*; Lee, J.*; Gmez-Ramos, M.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Cai, B. S.*; Yuan, C. X.*; Brown, B. A.*; et al.
Physical Review Letters, 130(17), p.172501_1 - 172501_8, 2023/04
被引用回数:12 パーセンタイル:88.25(Physics, Multidisciplinary)大きなフェルミ面非対称性を持つ陽子過剰なO原子核からの100MeV/nucleonでの陽子による陽子・中性子除去反応について報告した。この結果は、quasi-freeノックアウト反応、非弾性散乱、核子移行反応を含む複数の反応機構の定量的寄与を初めて示すものである。このようなエネルギー領域では通常無視される非弾性散乱と核子移行の寄与が、弱束縛陽子と強束縛中性子の除去反応断面積にそれぞれ約50%と30%寄与していることが示された。
Wallerberger, M.*; Badr, S.*; Hoshino, Shintaro*; Huber, S.*; Kakizawa, Fumiya*; 是常 隆*; 永井 佑紀; Nogaki, Kosuke*; 野本 拓也*; 森 仁志*; et al.
Software X (Internet), 21, p.101266_1 - 101266_7, 2023/02
被引用回数:22 パーセンタイル:91.53(Computer Science, Software Engineering)有限温度の多体量子系におけるグリーン関数の情報をスパースモデリング技術を用いて効率的に圧縮するsparse-irというパッケージを開発したことを報告する。このパッケージを用いることで、一粒子グリーン関数であれば数十個の情報でグリーン関数の全領域での松原振動数依存性を計算することが可能となる。発表代表者の永井はこのソフトウェアの応用例を示すために、このパッケージを使うことで超伝導状態のシミュレーションが精度よくできることを示した。今後、このパッケージを使うことで、重元素化合物などの強相関電子系の物性を精度よく計算することが可能となる。
Elekes, Z.*; Juhsz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:3 パーセンタイル:32.42(Physics, Nuclear)Vと
Vの低励起準位構造を初めて探索した。
Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、
Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。
Vについては4つ、
Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2
状態とfirst 9/2
状態からの崩壊と決定された。
Vについては、(
,
)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
Enciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12
被引用回数:18 パーセンタイル:84.65(Physics, Multidisciplinary)230MeV/nucleonでの
Caからの中性子ノックアウト反応が
線分光と行われ、
と
軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は
の閉殻と整合し、Ca同位体での
と
閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から
と
軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での
軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:7 パーセンタイル:67.20(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
草野 完也*; 一本 潔*; 石井 守*; 三好 由純*; 余田 成男*; 秋吉 英治*; 浅井 歩*; 海老原 祐輔*; 藤原 均*; 後藤 忠徳*; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.159_1 - 159_29, 2021/12
被引用回数:7 パーセンタイル:39.36(Geosciences, Multidisciplinary)PSTEPとは、2015年4月から2020年3月まで日本国内の太陽・地球惑星圏に携わる研究者が協力して実施した科研費新学術領域研究である。この研究枠組みから500以上の査読付き論文が発表され、様々なセミナーやサマースクールが実施された。本論文では、その成果をまとめて報告する。
高橋 成雄*; 櫻井 大督*; 佐々木 美雪; 宮村 浩子; 眞田 幸尚
Visual Computer, 37(12), p.3039 - 3050, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Computer Science, Software Engineering)2011年の福島原子力発電所事故は、大気汚染の可能性に対するエアロゾル対策を提案する上で、放射性物質の沈着プロセスの重要性に対する認識を高めた。しかし、複雑な地形における放射性物質の沈着プロセスを特定することは困難な場合がある。本論文では、地形データとの視覚的相互作用を利用して、放射性堆積プロセスを特定するためのアプリケーション研究成果を紹介する。本アプリケーションは、空間位置と空間線量率との対応を、関連する属性とともに視覚的に調査し、ペアワイズ属性の散布図を構成することによって、散布図上に地形領域を投影し、属性の特定のパターンをインタラクティブに見つけることがでる。本研究では、事故後の福島原子力発電所周辺の取得した空間線量率分布データに対して、アプリケーションの適用を実施した。本論文の可視化技術は、異なる堆積プロセスに由来する汚染領域を明確に区別し、堆積プロセスの解明に役立つ。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; et al.
Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10
被引用回数:10 パーセンタイル:72.28(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰Clの励起状態を
Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から
Clの基底状態が
であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。
Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。
Browne, F.*; Chen, S.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; Calvet, D.*; et al.
Physical Review Letters, 126(25), p.252501_1 - 252501_7, 2021/06
被引用回数:12 パーセンタイル:67.42(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIビームファクトリーにて、中性子過剰核Scからの1陽子ノックアウト反応によって
Caを生成し、そのエネルギー準位と反応断面積をガンマ線分光および不変質量分光によって得た。その結果を歪曲波インパルス近似による核反応計算と大規模殻模型による核構造計算を組み合わせた理論値と比較した。実験の準位と断面積は理論計算によってよく再現された。
Caの正パリティ状態については、基底状態の生成断面積が励起状態のものに比べて圧倒的に大きいという結果が得られた。これは、
Scでは中性子魔法数34が消滅し
Caではその魔法数が存在するというこれまでの知見と一見矛盾するが、対相関による分光学的因子のコヒーレンスから理解することができる。
Juhsz, M. M.*; Elekes, Z.*; Sohler, D.*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; 大塚 孝治*; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physics Letters B, 814, p.136108_1 - 136108_8, 2021/03
被引用回数:7 パーセンタイル:58.46(Astronomy & Astrophysics)(,
)反応と
線分光を用いて
Arの束縛状態と非束縛状態の核構造研究を行った。実験結果と殻模型計算を比較することで、2つの束縛状態と6つの非束縛状態を決定した。
Arの束縛状態を生成する反応断面積が小さいことから、これは中性子数32, 34の顕著なsub-shell closureが存在している確かな証拠と解釈できる。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Men
ndez, J.*; 緒方 一介*; Schwenk, A.*; 清水 則孝*; Simonis, J.*; et al.
Physical Review C, 102(6), p.064320_1 - 064320_9, 2020/12
被引用回数:13 パーセンタイル:74.01(Physics, Nuclear)理化学研究所RIBFにおいて、=32同位体である
Arの低励起構造を陽子・中性子ノックアウト反応,多核子剥離反応,陽子非弾性散乱と
線分光によって調査した。すでに知られていた2つに加えて、3
状態の候補を含む5つの状態を新たに確認した。
coincidenceによって得られた準位図は
模型空間での殻模型計算やカイラル2体・3体力による第一原理計算と比較した。陽子・中性子ノックアウト反応断面積の理論との比較により、新たに発見された2つの状態は2
状態であり、また以前に4
とされていた状態も2
であることが示唆された。