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為ヶ井 強*; 田縁 俊光*; 柳生田 英徳*; 土屋 雄司*; Mohan, S.*; 谷口 智隆*; 仲島 康行*; 岡安 悟; 笹瀬 雅人*; 北村 尚*; et al.
Superconductor Science and Technology, 25(8), p.084008_1 - 084008_14, 2012/08
被引用回数:96 パーセンタイル:93.77(Physics, Applied)様々な高エネルギー粒子を鉄系超伝導体に照射し、臨界電流密度と磁束ダイナミクスへの影響を系統的に調べた。十分なエネルギー付与のできる粒子線照射ならば、銅酸化物高温超伝導体の場合と同様に、
の増加や磁束ダイナミクスの抑制に効果があることがわかった。一般に、
の増大は銅酸化物に比べて遙かに高い照射量まで持続する。照射効果の詳細はイオン種やエネルギーに依存するが、同種のイオンやエネルギーでもその効果は対象となる鉄系超伝導体ごとに異なる。重イオン照射によって作られる欠陥の相関性は不可逆磁化の角度依存性によって確かめられた。
高廣 克己*; 水口 友貴*; 川口 和弘; 一色 俊之*; 西尾 弘司*; 笹瀬 雅人*; 山本 春也; 西山 文隆*
Applied Surface Science, 258(19), p.7322 - 7326, 2012/07
被引用回数:3 パーセンタイル:14.09(Chemistry, Physical)SiO等の誘電体中に埋め込まれた銀(Ag)等の金属ナノ粒子は、非線形な誘電特性を示すことから非線形光学素子への応用が期待されている。本研究では、イオン注入法を用いてSi基板を熱酸化して形成したSiO
層(300nm)注入にAgイオン注入(加速電圧:350keV、照射量:0.37-1.2
10
ions/cm
)を行い、透過電子顕微鏡法,ラザフォード後方散乱法等を用いて、注入後の試料の構造評価を行った。その結果、注入Agイオンの投影飛程に相当する深さ近傍に直径25-40nmの銀ナノ粒子が、SiO
/Si界面には直径数nmの銀ナノ粒子が、それぞれ規則的に配列して形成されることがわかった。さらに、X線光電子分光,X線回折の測定結果から、これらのAgナノ粒子は、酸化及び硫化に対して耐性があり1.5年以上その構造が保たれることがわかった。
山口 憲司; 江坂 文孝; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 北條 喜一
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 37(2), p.245 - 250, 2012/06
シリサイド半導体の代表格である-FeSi
の薄膜をSi基板上に蒸着する際、蒸着前に低エネルギー(
1keV)イオンによる基板のスパッタ・エッチ(SE)処理を行うことが有効である。筆者らはこの方法でSi(100)基板上に
-FeSi
(100)の高配向膜を作製することに成功している。また、透過型電子顕微鏡による断面観察や、放射光を用いたX線光電子分光法並びにX線吸収分光法による表面化学状態の観察により、973Kで成膜した
-FeSi
薄膜は均質性が高いものの、イオン照射に由来する欠陥を含んでいることを明らかにした。筆者らは、さらに欠陥の少ない薄膜を得るために、より低入射エネルギーでのSE処理を行い、0.8keV(Ne
)まで入射エネルギーを下げても、従来の3keVでの処理と同程度の高配向性を有する
-FeSi
(100)薄膜が作製できることを示した。
笹瀬 雅人*; 山本 博之; 岡安 悟
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 272, p.318 - 321, 2012/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)イオンビームは薄膜作製において、基板処理,成膜,改質など種々の場面に広く利用される。これはそのエネルギーに応じて固体との相互作用が変化し、照射効果も大きく異なることによる。ここでは、環境に優しい将来の半導体材料として期待される鉄シリサイド薄膜に注目し、全く異なる二つのエネルギー領域で成膜・改質に応用した結果を紹介する。基板の表面処理に応用した例では、数keVのイオンビームを表面に照射することにより、化合物半導体薄膜の膜質向上につなげた。これは基板に適度な量の欠陥を生成することで相互拡散・反応を促進させるとともに、基板との結晶方位関係を一定に保つことに成功したものである。条件を最適化することにより、薄膜/基板界面を原子レベルで急峻なものとすることにもつなげた。また改質に応用した例では、100MeV程度の重イオンを照射して薄膜中にビームトラックを形成させ、半導体から金属への相転移により物性が変化することを見いだした。これらはいずれもイオンビームのエネルギーに応じた固体との相互作用を利用したものである。発表ではイオンビームの固体へのエネルギー付与量,阻止能,欠陥生成の深さ分布などと併せて議論を行う。
笹瀬 雅人*; 山本 博之; 倉田 博基*
Thin Solid Films, 520(9), p.3490 - 3492, 2012/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)イオン照射した表面は欠陥を多く含むことから、高配向な薄膜を成長させるための基板として用いることは適当でないと考えられてきた。しかしながらわれわれは、1keV程度のごく低エネルギーのイオンを照射したSi基板を用い、Feのスパッタ蒸着により界面の急峻で高配向な-FeSi
/Si(100)薄膜が得られることを見いだした。本研究では透過型電子顕微鏡を用いて得られた薄膜/基板界面を断面観察し、その構造を原子分解能で解析した。さらにより高いエネルギーで照射したSi基板を用いて成膜した試料との比較を行い、界面近傍における構造とその変化について議論した。
重田 達雄*; 笹瀬 雅人*; 遠藤 伸之*; 長友 仁郎*
平成22年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター年報,13, P. 73, 2011/10
新型転換炉原型炉施設「ふげん」の廃止措置においては、放射能レベルが比較的高い原子炉を水中解体することとしており、原子炉解体時における粉じんをいかに抑制していくかという点が、作業員等の被ばく低減を図るうえで重要となる。熱的切断であるレーザ切断は、切断速度が速く切断幅が狭いことから、工期の短縮化や二次廃棄物発生量の低減が望め、原子炉領域の解体作業へ適用する有力な工法の一つとして検討しているが、レーザ切断時の粉じん挙動に関する知見は得られていない状況にある。このため、今後の解体計画策定や作業員の被ばく低減に向けた検討に資するため、水中切断試験に先立って、気中雰囲気においてレーザ切断時の粉じん挙動試験を実施し、粉じん挙動の基礎データを取得し、切断速度,出力,切断対象材料の材質及び厚さ等の切断条件が気中浮遊物や落下固形物に与える影響を調査した。
為ヶ井 強*; 田縁 俊光*; 柳生田 英徳*; 仲島 康行*; 岡安 悟; 笹瀬 雅人*; 北村 尚*; 村上 健*; 神原 正*; 金井 保之*
Physica C, 471, p.777 - 780, 2011/00
被引用回数:6 パーセンタイル:28.03(Physics, Applied)粒子線照射前後でBa(FeCo
)
As
の磁化緩和を測定した。規格化緩和率Sは未照射試料ではセルフフィールド以下の低磁場で抑制される。重イオン照射ではこうした異常は大きく抑制されるが、イオン種やエネルギーに依存して弱く痕跡を残す場合もある。例えば陽子照射の場合は緩和率Sの低磁場異常は未照射試料と比較すると鈍ってはいるが残っている。これらの結果からSの低磁場での異常は欠陥によって抑えられ、その効果は円柱状欠陥のような相関性のある欠陥ではより顕著になることがわかる。
為ヶ井 強*; 土屋 雄司*; 田縁 俊光*; 仲島 康行*; 岡安 悟; 笹瀬 雅人*
Physica C, 470(Suppl.1), p.S360 - S362, 2010/12
被引用回数:1 パーセンタイル:6.00(Physics, Applied)単結晶Ba(FeCo
)
As
への重イオン照射効果を報告する。透過顕微鏡観察で円柱状欠陥が照射量の40%程度形成されることが確かめられた。磁気光学映像法およびバルク磁化測定から照射領域での臨界電流密度の大幅な増大が確認された。磁束クリープ緩和率は円柱状欠陥の導入で大きく制限される。Ba(Fe
Co
)
As
への重イオン照射効果を銅酸化物超伝導体と比較する。
仲島 康行*; 土屋 雄司*; 田縁 俊光*; 柳生田 英徳*; 為ヶ井 強*; 岡安 悟; 笹瀬 雅人*; 北村 尚*; 村上 健*
Physica C, 470(20), p.1103 - 1105, 2010/11
被引用回数:4 パーセンタイル:21.08(Physics, Applied)異なる重イオン照射によってCoドープBaFeAs
単結晶に導入される円柱状欠陥の形成について報告する。200MeV Auイオン照射で円柱状欠陥が照射量の約40%形成されることを透過顕微鏡観察で確認した。磁気光学映像法およびバルク磁化測定から、臨界電流密度
は200MeV Auイオン照射と800MeV Xeイオン照射では増大するが200MeV Niイオン照射では変化しないことが明らかになった。また円柱状欠陥導入によって磁束クリープ速度が大きく抑制されることがわかった。これらの結果を銅酸化物超伝導体と比較した。
重田 達雄*; 天田 健一*; 笹瀬 雅人*; 遠藤 伸之*; 長友 仁郎*
平成21年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター年報,12, P. 78, 2010/10
新型転換炉原型炉施設「ふげん」の廃止措置においては、放射能レベルが比較的高い原子炉を水中解体することとしており、原子炉解体時における粉じんをいかに抑制していくかという点が、作業安全上重要となる。「ふげん」は、炉心を構成する圧力管(Zr-2.5%Nb合金),カランドリア管(Zry-2)にジルコニウム合金が使用されているが、これらの水中切断時における粉じん挙動データにかかわる知見が少ないことから、炉心を構成する材料の水中解体を模擬できる水中切断時粉じん挙動評価試験システムを構築し、粉じん挙動データを取得している。平成22年度は、21年度までに水中熱的切断の代表として実施してきたプラズマ切断工法に引き続き、水中機械切断の代表としてアブレイシブウォータージェット(AWJ)切断工法にて、圧力管,カランドリア管,上部圧力管延長管,炭素鋼及びステンレス鋼の平板材を対象とした切断試験を実施するとともに、プラズマ切断工法の追加試験として、ステンレス鋼,炭素鋼,アルミニウムの平板材を対象とした切断試験を実施し、切断時に発生した気中及び水中浮遊物,沈降固形物の重量測定や成分分析を行った成果を報告する。
笹瀬 雅人*
平成21年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター年報,12, P. 52, 2010/10
高速炉用炉心構造材の実用化段階の照射環境下(高温・高照射量)でのスエリング特性評価を目的とし、高エネルギーイオン照射と電子顕微鏡観察等を通じて、炉心構造材候補材料のスエリング挙動に関する研究を、平成18平成21年の研究期間で実施した。平成21年度研究として、照射損傷量をパラメータとし、10MeV炭素イオン及び3MeVヘリウムイオンを連続的に照射した構造材試料(PNC316, PNC1535, 9Cr-ODS鋼, 12Cr-ODS鋼、及び再結晶-ODS鋼)の照射挙動を透過型電子顕微鏡により評価した。その結果、次期候補材料であるPNC1535, 9Cr-ODS鋼において、250dpaの高損傷領域まで10%以下の低スエリング率に抑えることができ、耐スエリング特性に優れた材料であることが証明された。また、ステンレス鋼の組成,結晶中の転移が、スエリング特性に与える影響について系統的な評価・検討も合わせて行った。無転位試料である再結晶ODS鋼のスエリング挙動との比較から、材料中の転位がスエリング率を低下させていることを、定性的に明らかにした。
為ヶ井 強*; 田縁 俊光*; 土屋 雄司*; 仲島 康行*; 岡安 悟; 笹瀬 雅人*
Journal of Superconductivity and Novel Magnetism, 23(5), p.605 - 608, 2010/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)高品質の単結晶Ba(FeCo
)
As
の超伝導特性を幅広いキャリアドープ範囲に渡って調べた。適正ドープ単結晶(Tc
24K)の臨界電流密度
は5テスラ10K以下で10
A/cm
を超える値を示し、フィッシュテール効果が現れた。結晶中には多くの不純物を含んでいるにもかかわらず、結晶中を均一の超伝導電流が流れていることが磁気光学イメージ法で明らかになった。重イオン照射試料では円柱状欠陥による
の増大を示し、低温では未照射試料の5倍にも達し、ゼロ磁場2Kで6
10
A/cm
の値を示した。重イオン照射試料ではJcの増大に伴って磁束クリープ緩和率が減少した。
江坂 文孝; 山本 博之; 松林 信行*; 山田 洋一*; 笹瀬 雅人*; 山口 憲司; 社本 真一; 間柄 正明; 木村 貴海
Applied Surface Science, 256(10), p.3155 - 3159, 2010/03
被引用回数:16 パーセンタイル:55.81(Chemistry, Physical)放射光を用いたX線光電子分光法(XPS),X線吸収分光法(XAS)を用い、イオンビームスパッタ蒸着法により作製した-FeSi
薄膜の表面化学状態及び深さプロファイルを非破壊的に解析した。873
1173Kで成膜した試料についてXPS測定を行った結果、基板温度973Kでは、励起エネルギー(分析深さ)の減少とともにSiO
及びSiO
に起因するピークの割合が増加することを明らかにした。この結果から、最表面に1nm以下のSiO
層が、さらにその直下にSiO
層が形成されていることを確認した。また、XASによるFe-L吸収端測定では、873Kで成膜した場合には未反応のFe、1173Kでは
-FeSi
の存在する可能性が示唆された。
山本 博之; 江坂 文孝; 松江 秀明; 笹瀬 雅人*
ぶんせき, 2009(11), p.612 - 618, 2009/11
あらゆる物質について元素・化学結合・量・位置に関する情報が「その場」において瞬時・非破壊・高精度・簡易、さらに再現性よく得られれば、それは分析の終点とも言える。もしそのような情報に到達すれば、物質の現時点を明らかにできるだけでなく、「未来」を精度よく判断,予測することにもつながる。近年の材料作製技術の進捗についてはよく知られている通り、原子レベルの細工が可能となってきている。当然これらの作製技術に対応する分析技術も必要となる。本稿では、「量子ビーム」を利用した幾つかの分析の現状、特に表面から内部にいたる非破壊プロファイリングを中心に紹介するとともに、これと相補的に用いることにより情報の精度・正確さを向上させるために用いられる実験室規模の各種励起源による解析についても記述した。これらの現状をもとに、量子ビームと分析の将来を展望した。
重田 達雄*; 天田 健一*; 笹瀬 雅人*; 遠藤 伸之*; 長友 仁郎*
平成20年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究成果報告集,11, P. 87, 2009/11
新型転換炉原型炉施設「ふげん」の廃止措置においては、放射能レベルが比較的高い原子炉を水中解体することとしており、原子炉解体時における粉塵をいかに抑制していくかという点が、作業安全上重要となる。「ふげん」は、炉心を構成する圧力管(Zr-2.5%Nb合金),カランドリア管(Zry-2)にジルコニウム合金が使用されているが、これらの水中切断時における粉塵挙動データが少ないことから、炉心を構成する材料の水中解体を模擬できる水中切断時粉塵挙動評価試験システムを構築し、粉塵挙動データを取得している。2009年度は、2008年度に実施した圧力管とステンレス鋼管を対象とした水中熱的切断試験に引き続き、カランドリア管を対象とした試験及び試験体形状にかかわる影響調査試験を実施し、気中及び水中への粉塵移行率は、圧力管やステンレス鋼管と同様に切断速度とプラズマガス種の影響が大きいことがわかった。
笹瀬 雅人*
平成20年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究成果報告集,11, p.75 - 77, 2009/11
高速増殖原型炉「もんじゅ」の高度化炉心に対応する炉心構造材の候補材料である高Niステンレス鋼(以下PNC1535)について、加速器イオン照射によるスエリング特性を明らかにするために、イオン照射試験を行った。10MeV炭素イオン及び3MeVヘリウムイオンを連続的に照射したPNC1535の照射挙動を透過型電子顕微鏡により評価した。はじき出し損傷量を100dpaで一定とし、照射温度を450Cから650
Cまで変化させ、PNC1535の照射試料のスエリングピーク温度を調べた。この結果、ピーク温度650
Cでスエリング率は0.48%であった。この値は非常に低く、本試料が耐スエリング特性に優れた材料であることを確認した。また、タンデム加速器を使用する本実験システムの再現性を確認する試験を行った。さらに、同じく候補材料であるODS鋼の組成、結晶中転移密度について、高分解能透過型電子顕微鏡によるナノ組織の動的観察からスエリング特性について系統的な評価・検討も併せて行った。無転位試料である再結晶ODS鋼のスエリング挙動との比較から、材料中の転位密度がスエリング率を低下させていることを明らかにした。
大場 弘則; 鈴木 裕*; 江坂 文孝; 田口 富嗣; 山田 洋一; 山本 博之; 笹瀬 雅人*; 横山 淳
Journal of the Vacuum Society of Japan, 52(6), p.292 - 295, 2009/07
濃縮Siの中性子照射による
Si
Pの核変換を利用した半導体デバイスの創製研究及び同位体組成制御材の物性評価のために、Si
F
の赤外多光子解離反応により同位体濃縮したSiF
ガスからSi薄膜の作製実験を行った。成膜方法はプラズマCVDであり、反応ガスにはSiF
及びH
を用い、Arで希釈,混合した後チャンバー内に導入した。基板に石英又はSi単結晶ウェーハを用いた。生成膜の評価はX線回折装置,SEM/EDX,二次イオン質量分析計で行った。まず、13.6MHz高周波加熱平行平板電極型CVD装置を用いた場合、H
/SiF
流量比2
10とし、基板温度を室温
500
Cにして成膜し、これらの条件下ではアモルファス薄膜であることがわかった。次に、2.45GHzマイクロ波加熱リモート型CVD装置を用いて、H
/SiF
流量比を25、基板温度を350
750
Cで成膜を試み、結晶性のSi薄膜を作製することができた。どちらの成膜装置においても、生成膜中にはFはほとんど含まれず、ほぼ原料ガスの濃縮度と同じ同位体組成であった。
山本 博之; 江坂 文孝; 笹瀬 雅人*
Proceedings of Asia Steel International Conference 2009 (DVD-ROM), 5 Pages, 2009/05
X線光電子分光法(XPS)において励起源として放射光を用いた場合、励起源のエネルギーが可変であることを利用して分析深さを変化させ、非破壊的に深さプロファイルを得ることが可能となる。本研究ではステンレス鋼の初期酸化層について放射光を用いたXPSにより解析を行った。この結果、400C以上(大気中)の酸化条件では一般にステンレス鋼の酸化被膜に見られるCrの濃縮が確認されたが、200
C
400
Cの酸化ではこれとは逆に表面にFeの酸化膜が生じていることが明らかとなった。この結果は、ステンレス鋼の初期酸化において、極表面では一旦Feの酸化膜が形成され、その後Crの濃縮が生じる傾向が確認された。
永田 晋二*; 笹瀬 雅人*; 高廣 克己*; 土屋 文*; 井上 愛知; 山本 春也; 四竈 樹男*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(8-9), p.1514 - 1517, 2009/03
被引用回数:9 パーセンタイル:52.95(Instruments & Instrumentation)Zr基金属ガラスの構造変化及び微細結晶化に及ぼすイオンビーム照射効果について調べた。ZrAl
Ni
Cu
からなる厚さ2mmの板状試料と薄膜試料に対して、室温のもとMg, P, Au及びBiイオンを100
500keVの範囲で、最大2
10
ions/cm
まで照射した。X線回折を用いて照射試料の結晶構造を観察した結果、照射による長周期構造変化は見られなかった。Mgイオン照射した試料以外ではTEM観察によってfcc-Zr
Cuの析出を観察することができた。また、Auイオンを照射した試料ではX線光電子分光法によりAu-Zr又はAu-Cu金属間化合物の形成が認められた。これらの結果から、イオン照射は、金属ガラスの長周期構造にあまり影響を与えないが、金属間化合物の析出を促進させる効果があり、その効果は重イオンであるほど顕著であることが明らかになった。
笹瀬 雅人*; 山口 憲司; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Journal of Physics; Conference Series, 100, p.042016_1 - 042016_4, 2008/00
被引用回数:3 パーセンタイル:75.68(Nanoscience & Nanotechnology)従来までの研究により、Si基板へのイオン照射による表面処理が鉄シリサイドの高品質な薄膜成長に有効であることを見いだしてきた。これらの研究の過程において、しばしば成膜後の膜中には基板界面に沿った形で欠陥集合体が観察される。観察された欠陥は成膜時の熱処理により拡散し集まったものと思われるが、これらの挙動が明らかになれば効果的な欠陥の抑制や除去方法が明らかとなるだけでなく薄膜としての品質向上にもつながることが期待される。本研究においては各種イオン照射条件にて作製した基板を、透過型電子顕微鏡を用いた薄膜の断面観察によって欠陥の生成及び変化に関する検討を行った。これらの結果から、イオン照射により生じる欠陥が、鉄シリサイド薄膜生成に及ぼす影響について議論する。