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森下 一喜; 佐藤 匠; 大西 貴士; 関 崇行*; 関根 伸一*; 興津 裕一*
JAEA-Technology 2021-024, 27 Pages, 2021/10
有機物を含有したプルトニウムを含む核燃料物質(以下「有機物を含有した核燃料物質」という。)の場合、主にプルトニウムから放出される線が有機物を分解して水素ガス等を発生させることが知られている。このため、有機物を含有した核燃料物質を長期間、安全に保管するためには、有機物を除去しておく必要がある。また、炭化物及び窒化物燃料(以下「炭化物燃料等」という。)の場合は、空気中の酸素や水分と反応して発熱する可能性があることから、これらを保管する場合には安定な化学形である酸化物に転換する必要がある。有機物を除去するための処理条件に関して文献調査を行った結果、空気雰囲気中で950
C(1223.15K)以上に加熱することで熱分解され、除去できることを確認した。また、炭化物燃料等の酸化物への転換について熱力学的検討を行った結果、950
C以上での炭化物燃料等の酸化反応における平衡酸素分圧が空気中の酸素分圧2.1
10
Pa(0.21atm)よりも低くなり、酸化反応が進行することを確認した。このことから有機物を含有した核燃料物質の安定化処理として、空気雰囲気中で950
Cに加熱することにより、有機物を除去するとともに炭化物燃料等を酸化物に転換することとした。有機物の除去にあたっては、事前に有機物を模したエポキシ樹脂の薄板を空気雰囲気で加熱するモックアップ試験を実施し、加熱前後の外観の変化や重量の変化から、有機物が除去できることを確認した。その後実際の有機物を含有した核燃料物質等についても同様に安定化処理を実施した。
渡部 雅; 関 崇行*
Materials Science & Engineering B, 272, p.115369_1 - 115369_6, 2021/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、CeOの初期焼結挙動における酸素不定比性の効果を調査した。その結果、定比組成及び不定比組成における初期焼結は粒界拡散によって制御されていることがわかった。また、カチオン拡散の活性化エネルギーを初期焼結データから導出した。さらにカチオン拡散は単空孔機構によって生じることが示唆された。
飛田 実*; 原賀 智子; 佐々木 誉幸*; 関 晃太郎*; 大森 弘幸*; 河内山 真美; 下村 祐介; 石森 健一郎; 亀尾 裕
JAEA-Data/Code 2019-016, 72 Pages, 2020/02
日本原子力研究開発機構の研究施設等から発生する研究施設等廃棄物は、放射能レベルに応じて将来的に浅地中埋設処分される予定であり、埋設処分を開始するまでに、廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、研究施設等廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討に資するため、原子力科学研究所内で保管されているJRR-2、JRR-3及びホットラボから発生した放射性廃棄物から分析試料を採取し、放射化学分析を実施した。本報告書は、平成28年度から平成30年度に取得した25核種(H,
C,
Cl,
Co,
Ni,
Sr,
Nb,
Mo,
Tc,
Ag,
Sn,
I,
Cs,
Eu,
Eu,
U,
U,
U,
Pu,
Pu,
Pu,
Pu,
Am,
Am,
Cm)の放射能濃度データについて整理し、放射能濃度評価法検討のための基礎資料としてまとめたものである。
木原 義之; 田中 康介; 小山 真一; 吉持 宏; 関 崇行; 勝山 幸三
NEA/NSC/R(2017)3, p.341 - 350, 2017/11
MOX燃料の照射挙動におよぼすAm添加の影響を確認するため、高速実験炉「常陽」において照射試験(Am-1)を実施している。Am-1は短期照射試験と定常照射試験からなり、短期照射試験とその照射後試験は終了している。本報告では、照射燃料試験施設(AGF)で実施したAm-1用のAm-MOX燃料における遠隔製造の詳細な条件を述べるとともに、10分間及び24時間照射Am-MOX燃料の非破壊及び破壊照射後試験結果について紹介する。
関 晃太郎; 佐々木 誉幸*; 秋元 友寿*; 徳永 貴仁; 田中 究; 原賀 智子; 上野 隆; 石森 健一郎; 星 亜紀子; 亀尾 裕
JAEA-Technology 2016-013, 37 Pages, 2016/07
研究施設等廃棄物を対象に構築した簡易・迅速分析法にもとづき、福島第一原子力発電所構内で採取された瓦礫や植物などに適用可能な分析フローを作成し、その適用性について検討した。検討の結果、分析対象核種を高い回収率で、Srや
Csなどの核分裂生成物の影響を受けることなく、放射能濃度を定量が可能であることが確認できた。
田中 康介; 三輪 周平; 佐藤 勇; 廣沢 孝志; 関根 伸一; 関 崇行*; 所 大志郎*; 大林 弘; 小山 真一
JAEA-Research 2013-022, 62 Pages, 2014/01
原子力安全研究及び東京電力福島第一原子力発電所14号機の廃炉措置に向けた研究開発におけるニーズを踏まえ、シビアアクシデント進展解析コードの高度化を目的として、化学形及び燃料と被覆管、制御棒等との高温化学反応に着目した破損燃料からの核分裂生成物及びアクチニドの放出挙動評価のための研究が開始された。本研究の一環として、核分裂生成物の放出挙動に及ぼす燃料と被覆管との高温化学反応の影響を評価するための加熱試験手法を確立するとともに、核分裂生成物放出に関するデータの取得を目的として、溶融被覆管と照射済MOX燃料が反応する体系での核分裂生成物の放出試験を実施した。ジルコニアるつぼを用いて、溶融ジルカロイと照射済MOX燃料を最高温度2100
Cまで加熱して反応させる試験を実施し、核分裂生成物であるCsの放出速度を評価した。また、放出挙動評価に資する基礎データ取得の一環として、加熱後試料の組織観察や元素分布測定等を行った。試験結果を先行研究の結果と比較・検討した結果、本試験手法を用いることにより、溶融被覆管と照射済燃料が反応する体系における核分裂生成物の放出試験が実施できることを確認した。また、FP放出の基礎データに加え、溶融被覆管と照射済燃料との反応挙動及び反応時におけるUとPu及びFPの随伴性に関する基礎データを得た。
永井 泰樹; 橋本 和幸; 初川 雄一; 佐伯 秀也; 本石 章司; 園田 望; 川端 方子; 原田 秀郎; 金 政浩*; 塚田 和明; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 82(6), p.064201_1 - 064201_7, 2013/06
被引用回数:41 パーセンタイル:85.63(Physics, Multidisciplinary)A new system proposed for the generation of radioisotopes with accelerator neutrons by deuterons (GRAND) is described by mainly discussing the production of Mo used for nuclear medicine diagnosis. A prototype facility of this system consists of a cyclotron to produce intense accelerator neutrons from the
C(d,n) reaction with 40 MeV 2 mA deuteron beams, and a sublimation system to separate
Tc from an irradiated
MoO
sample. About 9.7 TBq/week of
Mo is produced by repeating irradiation on an enriched
Mo sample (251g) with accelerator neutrons three times for two days. It meets about 10% of the
Mo demand in Japan. The characteristic feature of the system lies in its capability to reliably produce a wide range of high-quality, carrier-free, carrier-added radioisotopes with a minimum level of radioactive wastes without using uranium. The system is compact in size, and easy to operate; therefore it could be used worldwide to produce radioisotopes for medical, research, and industrial applications.
甲 昭二; 木下 尚喜; 田中 孝幸; 桑原 潤; 関 武雄
第24回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.9 - 12, 2011/07
日本原子力研究開発機構青森研究開発センターに設置されているタンデトロン加速器質量分析装置(JAEA-AMS-MUTSU; High Voltage Engineering Europa製Model 4130-AMS)は、最大加速電圧3MVのタンデム型加速器に放射性炭素(C)及び放射性ヨウ素(
I)同位体比測定用のビームラインが取り付けられている。本発表では、平成22年度の運転及び維持管理状況について報告する。
田中 孝幸; 甲 昭二; 木下 尚喜; 関 武雄
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書,22, p.169 - 173, 2011/03
日本原子力研究開発機構青森研究開発センターにある加速器質量分析装置(JAEA-AMS-MUTSU)は、1997年に設置され、放射性炭素については、1999年から定常運転を開始した。放射性炭素測定は、2010年度、1,053試料測定し、定常測定以来、10,342試料測定した。2006年度からは外部利用者が利用可能な供用施設となり、多くの利用者によりさまざまな研究活動に利用されるようになっている。本講演では、JAEA-AMS-MUTSUの現状について報告する。
田中 孝幸; 甲 昭二; 木下 尚喜; 鈴木 崇史; 桑原 潤; 関 武雄
第13回AMSシンポジウム報告書, p.129 - 132, 2011/01
日本原子力研究開発機構青森研究開発センターにある加速器質量分析装置(JAEA-AMS-MUTSU)は、平成9年に設置され、C測定については平成11年、
I測定については平成15年から定常運転を開始した。平成18年度からは外部利用者が利用可能な供用施設となり、多くの利用者によりさまざまな研究活動に利用されるようになっている。本講演では、JAEA-AMS-MUTSUの現状を報告する。施設供用制度開始から5年間は、平成21年度を除き、順調に測定数を増加させた。しかし、平成21年度の測定数の減少は、制御システムの更新により、約1.5か月間、加速器を停止させたこと、検出器のアンプの故障により、数か月間、
C測定が不可能であったことによるものである。現在は、問題も解消し、
C及び
Iともに順調に測定している。
田中 孝幸; 甲 昭二; 木下 尚喜; 鈴木 崇史; 桑原 潤; 関 武雄
第23回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.113 - 116, 2010/11
日本原子力研究開発機構青森研究開発センターにある加速器質量分析装置(JAEA-AMS-MUTSU)は、平成9年に設置され、C測定については平成11年、
I測定については平成15年から定常運転を開始した。平成18年度からは外部利用者が利用可能な供用施設となり、多くの利用者によりさまざまな研究活動に利用されるようになっている。本講演では、平成21年度のJAEA-AMS-MUTSUの現状を報告する。平成21年度の試料測定数は、
C測定を480試料、
I測定を677試料測定した。この測定数は、平成20年度より712試料少なかった。測定数の減少は、制御システムの更新により、約1.5か月間、加速器を停止させたこと、検出器のアンプの故障により、数か月間、
C測定が不可能であったことによるものである。現在は、問題も解消し、
C及び
Iともに順調に測定している。
大島 貴幸; 藤田 隆明; 関 正美; 川島 寿人; 星野 克道; 柴沼 清; Verrecchia, M.*; Teuchner, B.*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.620 - 624, 2010/08
JT-60SA計画では、日欧に分散する原子力機構とEUがCADを使用し、調達機器の設計が進められている。CADデータは、機器ごとにファイルサーバで管理されるが、それらを共通のデータとして扱うには、日本の実施機関である原子力機構のイントラとは物理的に切り離されたJT-60SA用の独立ネットワークを日欧間で構築することとした。このたび、VPN暗号化技術を使い、ネットワークセキュリティを維持しつつ、低価格で、機動性の高いネットワークを目指して開発を進め、2009年7月に、那珂とEUガルヒンとの間でVPN通信を開通させた。設計統合の進捗に合わせて、日欧のネットワークインフラの共有化を段階的に構築していく予定である。さらに、JT-60SAの運転開始時には、BA活動を同センターで展開するIFERCプロジェクトと協力して、六ヶ所サイトからJT-60SAへの遠隔実験参加の試験を行うことが計画されており、また、JT-60SA実験時には、EUから大規模な実験データへアクセスすることも想定する必要があることから、今後は、遠隔実験参加にかかわる技術開発への貢献も視野に入れ開発を進める。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Nuclear Fusion, 49(8), p.085001_1 - 085001_7, 2009/07
被引用回数:18 パーセンタイル:57.92(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)装置のジャイロトロンにおいて、1.5MW, 1秒間(110GHz)の出力が得られた。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電流の実時間制御によって0.4MW, 30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW, 5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
JT-60Uの電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置のジャイロトロン開発において、1.5MW,1秒間(110GHz)の出力を得ることに成功した。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電圧の実時間制御によって0.4MW,30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW,5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
小林 貴之; 森山 伸一; 関 正美; 澤畠 正之; 寺門 正之; 藤井 常幸
Plasma and Fusion Research (Internet), 3, p.014_1 - 014_3, 2008/03
高性能プラズマ閉じ込め実験において、電子サイクロトロン加熱電流駆動のため高出力ジャイロトロンが用いられる。現在のトカマク実験においては、0.1秒から数秒の高出力発振が必要とされるが、これまで1.5MWレベルでは0.1秒以下の発振しか達成されていなかった。日本原子力研究開発機構では、最新のJT-60Uジャイロトロンを用いて、1.5MWレベルの出力で1秒以上の発振を目指した発振実験を行った。その結果、1.5MW/1秒の発振が、パラメータの精細な調整により得られた。本論文では、1.5MW/1秒発振実験の初期的な実験データと今後のジャイロトロン改造の計画について記述する。
牛草 健吉; 関 昌弘; 二宮 博正; 乗松 孝好*; 鎌田 裕; 森 雅博; 奥野 清; 柴沼 清; 井上 多加志; 坂本 慶司; et al.
原子力ハンドブック, p.906 - 1029, 2007/11
原子力ハンドブックの第VIII章核融合の研究開発において、核融合炉の概念,炉心プラズマ物理と炉心制御技術,国際熱核融合実験炉(ITER)計画,核融合ブランケット技術,核融合燃料循環処理技術,核融合炉用材料技術,核融合動力炉概念とシステム工学課題について、研究の現状を解説する。
佐藤 勇; 関 崇行*; 石 洋平; 門藤 健司; 吉持 宏; 田中 健哉
JAEA-Research 2007-013, 63 Pages, 2007/03
Am-MOX燃料は、空気中にてその重量が比較的速やかに増加する。重量増化速度は、初期O/M比に強く依存し、初期O/M比が低い方が早い。ところが、Amをほとんど含まない燃料においても同様の挙動が見られたことから、Amの影響以外にも原料粉の差も影響する挙動があり、MOXにも同様の挙動が見られる。重量変化の最中のX線回折ピークを観察したところ、有意な変化が生じており、上記の重量変化がO/M比の変化による結晶学的なものであることがわかった。O/M比変化速度は、雰囲気の水分濃度に依存している。雰囲気の水分濃度を極めて低く抑えること(例えば、1ppm以下)でO/M比変化を抑制できることを示した。格子定数のO/M比依存性に関してはAm(IV)の存在を仮定するより、Am(III)とU(V)の存在を仮定した方がO/M比=2.00付近におけるO/M比依存性をうまく説明できる可能性を示した。
吉持 宏; 石 洋平; 関 崇行*; 門藤 健司; 関根 伸一*; 小山 真一
サイクル機構技報, (28), p.9 - 20, 2005/09
3%及び5%のAmを添加したMOXペレット(Am-MOX)の遠隔操作による製造技術を開発した。大洗工学センターの照射後燃料試験室のホットセル内に系統的に機器を設置し、できる限りホットセル外部から自動で制御可能なシステムとした。UOペレットとそれに続くPuO
ペレット製造試験を通して、ボールミル時間、プレス及び焼結条件など、Am-MOXペレット製造に関する基本的な条件の絞り込みを行った。続いて、5%のAm-MOXペレット製造には、5%水素-95%アルゴン雰囲気中2000ppmの水分加湿条件下において1700
C,3時間の焼結条件が最適であることを把握した。さらに、この加湿雰囲気は、降温中に800
Cで停止することが重要であることがわかった。
三輪 周平; 逢坂 正彦; 吉持 宏; 田中 健哉; 関 崇行*; 関根 伸一*
JNC TN9400 2005-023, 43 Pages, 2005/04
高酸素ポテンシャルを有するAm含有MOX燃料の焼結に及ぼす酸素ポテンシャルの影響について実験的評価を実施した。粉末冶金法により成形体を作製し、焼結時の酸素ポテンシャルをパラメータとして焼結試験を実施し、(UPu
Am
)O
について密度測定、金相観察及びEPMAによる元素分布測定を実施した。 焼結時の降温時1700
、800
及び150
において加湿の停止により酸素ポテンシャルを低下させた焼結体においては、800
にて酸素ポテンシャルを低下させた焼結体において高密度且つ良好な組織の焼結体が得られた。1700
及び150
にて酸素ポテンシャルを低下させた焼結体においてはクラックが生じた。 酸素ポテンシャルをそれぞれ-520 kJ/mol、-390 kJ/mol及び -340 kJ/molで焼結した焼結体においては、かさ密度は-520 kJ/mol
-390 kJ/molの範囲で酸素ポテンシャルの増加に伴って増加する傾向であるが、-390 kJ/mol近傍のある酸素ポテンシャル以上の雰囲気で焼結した焼結体においては密度が低下した。組織観察及び画像解析の結果、密度の低下は酸素ポテンシャルの違いによる気孔構造に起因することが明らかとなった。これは高酸素ポテンシャルを有する(U,Gd)O
と類似した挙動であり、この機構を参考にU、Pu及びAmの酸素ポテンシャルによる原子拡散の変化の観点から、それら各元素の挙動変化が気孔構造変化に及ぼす影響について考察を行い、(U
Pu
Am
)O
の焼結挙動について解釈を行った。尚、酸素ポテンシャルの違いによる結晶粒径及びU、Pu及びAmの均質性の違いは見られなかった。 1500
、1600
及び1700
で焼結したAm含有MOX焼結体においては高密度で良好な組織の焼結体が得られ、焼結温度を低く抑えられる可能性が示された。
逢坂 正彦; 三輪 周平; 門藤 健司; 小崎 葉子; 石 洋平; 吉持 宏; 関 崇行*; 関根 伸一*; 石田 貴志*; 田中 健哉
JNC TN9400 2005-002, 40 Pages, 2005/03
最大5%のAmを含有する(U,Pu,Am)Oの相状態を、X線回折、金相観察及びDTAにより実験的に評価した。格子定数は、Am濃度またはO/M比とともに増加する傾向を示したが、その度合いは(U、Pu)O
と異なっていた。金相写真による組織観察結果から、O/M=1.98付近で大幅な組織変化が観察された。同じくO/M=1.98以上において、(U,Pu)O
には無い多くのDTAピークが観察された。これらの結果について、AmをIII価とし、等価量のUがⅤ価に酸化されるという仮定を立て、解釈を試みた。その結果、格子定数のAm濃度依存性は、各元素のイオン半径を用いたモデルにより良好に再現することができた。またO/M=1.98付近の組織変化は、各元素の原子価状態に依存することが示唆された。以上から、(U,Pu,Am)O
中のAmはIII価で存在するであろうことが示された。