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松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.
Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05
被引用回数:8 パーセンタイル:47.78(Multidisciplinary Sciences)fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。
Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 永野 正光*; 野口 英行*
Journal of Nanomaterials, 2012, p.528256_1 - 528256_9, 2012/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)シリコンポリマーは炭素ポリマーに比べてシグマ軌道間のエネルギー準位の差(バンドギャップ)が小さいため、理想的な一次元電導体として分子デバイスにおける電子配線としても注目されている。一次元ポリマー薄膜の電気伝導特性や光学特性などの電子物性は、固体表面におけるポリマーの配向に大きく依存する。そこで、真空蒸着法で作成した一次元状シリコンポリマー薄膜の配向を、直線偏光した放射光を用いたX線吸収微細構造法(XAFS)により調べた。高配向性熱分解グラファイト(HOPG)表面に蒸着したポリジメチルシラン(PDMS)のSi K-吸収端XAFSスペクトルに認められる2つのピークの強度は放射光の入射角により変化した。この入射角依存性を解析した結果、PDMS分子は、HOPG表面に平行に"寝ている"ことがわかった。これは、金属銅やインジウムスズ酸化物(ITO)表面においてPDMS分子は垂直に"立っている"というわれわれが依然報告した結果と全く反対であった。HOPG表面でのみポリマーが"寝る"という現象は、ポリマー中のCH結合とHOPG表面のパイ軌道との強い静電相互作用によると結論した。
Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 永野 正光*; 野口 英行*
Photon Factory Activity Report 2011, Part B, P. 159, 2012/00
直線偏光した放射光軟X線を用いたX線吸収微細構造法(NEXAFS)により、固体表面に蒸着した一次元状シリコンポリマーの配向を調べた。高配向性熱分解グラファイト(HOPG)表面に蒸着したポリジメチルシラン(PDMS)のSi K-吸収端NEXAFSスペクトルには明瞭な偏光依存性が観測された。この偏光依存性を解析した結果、PDMSはHOPG表面に平行に「寝ている」ことがわかった。これは金属銅やインジウムスズ酸化物(ITO)表面においてPDMS分子は垂直に「立っている」というわれわれが以前報告した結果と全く反対であった。このような表面による配向の違いを、表面の平坦性や基板-分子相互作用の大きさから議論した。
Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; 永野 正光*; 野口 英行*
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 181(2-3), p.242 - 248, 2010/08
被引用回数:5 パーセンタイル:30.60(Spectroscopy)有機分子やポリマーなど異方性分子の薄膜の電気的,光学的特性は、結晶構造や電子構造だけでなく、分子の配向にも大きく依存する。そこで放射光を用いて、導電性透明基板として用いられているインジウム・スズ酸化物(ITO)表面に蒸着したシリコンポリマーの分子配向を調べた。試料は、最も簡単なシリコンポリマーであるポリジメチルシラン(PDMS)を用いた。PDMSを電子衝撃加熱法によりITO表面に1層ずつ精密に蒸着し、直線偏光した放射光を用いてSi K-吸収端のX線吸収スペクトルを測定した。その結果、スペクトルの吸収ピーク強度に顕著な偏光依存性が認められた。これを解析した結果、ポリマーのSi-Si分子軸は表面に対して40度傾いていることがわかった。この角度は、表面に垂直に立ったポリマーがヘリカル構造をとったときの角度にほぼ一致する。以上の結果から、PDMSは自己組織化過程により、高度に配向することが明らかとなった。
Rocco, M. L. M.*; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Journal of Vacuum Science and Technology A, 24(6), p.2117 - 2121, 2006/11
被引用回数:10 パーセンタイル:36.86(Materials Science, Coatings & Films)軟X線照射による固体表面での選択的化学反応の機構を明らかにすることを目的とし、固体表面に凝縮したチオフェン分子にイオウ1s吸収端近くの放射光X線を照射したときの脱離イオンとオージェスペクトルを測定した。S 1s励起による主な脱離イオン種としてはH, S、及びSの3種類が観測された。Hイオン強度のX線エネルギー依存性を測定したところ、二次電子強度のそれと類似していることから、Hイオンの脱離はX線照射によって生じる二次電子の効果によるものであることがわかった。一方、Sの脱離強度は、内殻共鳴吸収ピークよりも3eV高いエネルギーで増大することを見いだした。種々のX線エネルギーにおけるオージェ電子スペクトルを測定した結果、3eV高いエネルギーでの脱離は、S 1s軌道からRydberg状態へ共鳴励起された電子がオージェ遷移の間、Rydberg状態に留まることによって引き起こされることを明らかにした。
Uddin, M. N.*; 下山 巖; 関口 哲弘; Nath, K. G.*; 馬場 祐治; 永野 正光*
JAEA-Research 2006-034, 72 Pages, 2006/06
イオンビーム蒸着法によりホウ素,炭素,窒素からなる二次元薄膜(B-C-Nハイブリッド薄膜)を合成し、その電子構造と立体構造を放射光を用いた内殻分光法により調べた。B-C-Nハイブリッド薄膜は、種々の温度で高配向性熱分解グラファイト(HOPG)表面にボラジンガスの放電により生成したプラズマを蒸着させることにより合成した。薄膜の構造はX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収端微細構造法(NEXAFS)によりその場観察した。XPS測定の結果、薄膜中のホウ素,炭素,窒素原子はB-C, B-N, B-C-Nなど種々の結合状態をとることがわかった。B-C-Nハイブリッドは高温で作成するほど効率よく生成し、ホウ素の濃度が低い領域ではB-C-N結合をもつ薄膜の生成が支配的になることを明らかにした。NEXAFSスペクトルには、B 1s軌道から的性格を持つ価電子帯の非占有軌道への共鳴吸収によるピークが明瞭に観測された。このピークの偏光依存性を調べた結果、ホウ素の濃度が低い領域においてグラファイトと同様な配向性をとる二次元状のB-C-Nハイブリッド薄膜が安定に存在することを明らかにした。
Uddin, M. N.*; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Nath, K. G.*; 永野 正光*
Journal of Applied Physics, 99(8), p.084902_1 - 084902_5, 2006/04
被引用回数:4 パーセンタイル:16.85(Physics, Applied)六方晶グラファイトと同様の構造を持つホウ素-炭素-窒素系ハイブリッド薄膜の作成条件の検討と構造解析を行った。試料は、配向性グラファイト表面にベンゼン状の有機分子であるボラジン(BNH)イオンプラズマを注入することにより作成した。表面の構造は、X線光電子分光法(XPS)及び直線偏光した放射光を用いたX線吸収微細構造法(NEXAFS)によりその場観察した。XPS測定の結果、作成したB-C-N薄膜中のホウ素原子は、B-C, B-N, B-C-Nなどさまざまな結合状態をとることがわかった。ホウ素K-吸収端のNEXAFSスペクトルには、B 1s軌道から価電子帯の*軌道及び*軌道への共鳴吸収ピークが明瞭に認められた。このことは、ホウ素原子が、となりの原子とsp2結合を形成することを示唆している。800Cにおいて作成したB-C-N薄膜のホウ素K-吸収端のNEXAFSスペクトルにおけるB 1s*共鳴吸収ピークは、グラファイトのC 1s*共鳴吸収ピークと同様の偏光依存性を示した。この結果から、六方晶グラファイトと同様の配向性を持つB-C-Nハイブリッド薄膜が安定に存在することを明らかにした。
関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.*; Uddin, M. N.*
Journal of Physics; Condensed Matter, 17(36), p.5453 - 5466, 2005/09
被引用回数:1 パーセンタイル:5.93(Physics, Condensed Matter)ハロゲン置換,NCO-基置換した有機シリコン化合物について、その凝集試料のSi K吸収端近傍におけるX線吸収スペクトル(NEXAFS)測定とその偏光依存性測定を行い、その電子状態及び分子配向性、特に配向性が発生する機構を明らかにした。凝集表面において分子間の双極子-双極子相互作用により反平行配置を取りやすく、それが系全体の平均配向として現れること、正四面体型分子に近い構造の場合ほど最密充填構造をとり水平配向度が高くなる傾向があるなどのことが明らかとなった。また、スペクトルの蒸着速度依存性測定から動力学的要因によっても分子軸配向が影響を受けることを明らかにした。
Uddin, M. N.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 永野 正光*
Journal of Vacuum Science and Technology A, 23(3), p.497 - 502, 2005/05
被引用回数:40 パーセンタイル:77.47(Materials Science, Coatings & Films)B-C-Nハイブリッドは新奇半導体材料として注目されており、これまでさまざまな合成方法が試みられてきた。しかし合成された試料の多くはグラファイトと窒化ホウ素(BN)の混晶とともにさまざまな化合物を含み特定の結晶構造をもった単一成分の合成に成功した例はまだない。したがって合成方法の開発はまだ発展段階にある。われわれはイオン注入法を用いてその合成を試み、生成物のキャラクタリゼーションをX線光電子分光法(XPS)を用いて行った。イオン注入の供給ガスとしてはボラジン(BNH)を用い、室温,600C、及び850Cの3つの温度でグラファイトにイオン注入を行った。各温度におけるさまざまなイオンフルエンスで測定されたXPSスペクトルにおいてB-C, B-N, N-C、及びB-C-N結合形成が観測された。これらの結合状態は基板温度とイオンフルエンスに大きく依存し、B-C-Nハイブリッド成分が高温,低フルエンスにおいて成長したことから、温度・フルエンスによりB-C-Nの組成を制御することが可能であることを示した。
Uddin, M. N.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Nath, K. G.; 永野 正光*
Applied Surface Science, 241(1-2), p.246 - 249, 2005/01
被引用回数:8 パーセンタイル:36.48(Chemistry, Physical)類似化合物であるグラファイトと六方晶窒化ホウ素はそれぞれ半金属と絶縁体であって電子構造は全く異なる。これにより両者のハイブリッド材料(B-C-Nハイブリッド)半導体的性質を持つことが期待されている。われわれはB-C-Nハイブリッドを合成するためにグラファイトにボラジン(BNH)をイオン注入することによりB-C-Nハイブリッド合成を試みた。実験は高エネルギー加速器研究機構放射光施設で行った。室温及び、YAGレーザーで600Cに加熱したグラファイトに3keVに加速したボラジンのプラズマをさまざまなフルエンスで打ち込み、B原子周囲の化学結合状態について光電子分光法(XPS)を用いて調べた。室温,600CでのB1s XPSスペクトルはともにB-C, B-N, B-C-N結合に由来するさまざまな成分を示したが、各成分の強度比は温度とフルエンスに大きく依存した。特にB-C-Nに帰属されるピークは室温で合成した試料に比し600Cで合成した試料において大きく成長し、ドミナントな成分になることが確認された。この結果によりB-C-Nハイブリッドは高温でのイオン注入により優先的に合成されることを示した。
家村 一彰*; 大谷 俊介*; 鈴木 洋*; 武田 淳一*; 町田 修一*; 田辺 邦浩*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 関口 雅行*; 金井 保之*; et al.
Physical Review A, 64(6), p.062709_1 - 062709_14, 2001/12
被引用回数:6 パーセンタイル:35.48(Optics)私たちは、HeイオンとBa原子の低エネルギー衝突において、2電子捕獲で生成したHe原子2電子励起状態から自動電離によって生成した放出電子スペクトルを測定した。測定は、40から20 keVの衝突エネルギーで、0度電子分光学によって行なわれた。2電子励起状態からの自動電離による電子スペクトルは、He(2lnl)からHe(1s)n2及びHe(3lnl)からHe(2s or 2p)n3が観察された。スペクトル中のライン・ピークは、理論計算値と電子スペクトルを比較することにより識別された。DとFといった比較的高い角運動量の2電子励起状態が、著しく作成されたことで、中性なHe原子と光子,電子,イオン衝突による励起状態とは、異なる生成であるということがわかった。大きなnの値を持ったRydberg準位が、He(2lnl)及びHe(3lnl)の両方で、高い頻度で観察された。
家村 一彰*; 鈴木 洋*; 大谷 俊介*; 武田 淳一*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 関口 雅行*; 金井 保之*; 北澤 真一; Tong, X. M.*; et al.
Atomic Collision Research in Japan, No.25, p.42 - 43, 1999/11
われわれは、Heとアルカリ土類金属(Mg,Ca,Sr,Ba)の40keV低速衝突によって、2電子捕獲により生成したHe(2ln'l',3ln'l',4ln'l')2電子励起状態からの放出電子のスペクトルの実験結果を示す。Ba標的では、3lnl'が大きく、2lnl'は小さく、Mg標的では3lnl'が小さく2lnl'は大きく、Xe標的ではいずれのピークもほとんど現れなかった。この標的の違いによるピークの形は、標的原子の第1及び第2イオン化エネルギーの和に依存するものと考えられることがわかった。
Ali, M.; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Li, Y.; 山本 博之
Photon Factory Activity Report 1998, P. 36, 1999/11
シリコン単結晶に低エネルギー窒素イオンを注入し、表面に生成したSiN(0x4/3)層の電子構造をX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収端微細構造法(XANES)により測定した。Si 1sのXPSスペクトルによると、窒素注入量が10atoms/cmのオーダーでは、中間組成をもつSiN(x=1,2,3)がいったん生成するが、10atoms/cm以上では、化学量論組成をもつSiN層に移行する。しかし、XPSより深い領域の電子構造を反映する電子収量法によるSi K-吸収端のXANESスペクトルでは、この物質層にも依然として非化学量論組成をもつSiN(x=1,2,3)が含まれていることがわかった。注入後の試料を800Kまでアニールすることにより、これらの中間層は消え、完全にSiN層に変化することが明らかとなった。
関口 哲弘; 馬場 祐治; Li, Y.; Ali, M.
Photon Factory Activity Report 1998, Part B, P. 67, 1999/11
放射光のX線エネルギーを変化させることにより特定の元素の内殻電子準位を選択的に励起することができる。これは、例えば、ディジタル・エッチング(薄膜吸着光照射(反応)薄膜吸着…を単分子レベルで進行させようというアイデア)に応用できる可能性がある。本研究では表面励起とバルク励起の選択性を見積もるため、シリコン(Si)基板上にイオウ(s)化合物((CHS))を吸着させた系に対し、基板(Si 1s)励起と吸着種(S 1s)の内殻励起により引き出される解離反応を調べた。放射光照射により生じるイオン脱離生成物を四重極質量分析により検出した。結果としてはイオウ原子イオンがあるイオウ内殻共鳴励起で生じ、基板Si励起では検出限界以下という大きな選択性が観測された。励起される吸着分子の数は歴される基板原子数に比べ数桁も小さいにもかかわらず、生成収量は大きいという非常に高い選択性が示された。
北澤 真一; 市村 淳*; 武田 淳一*; 田辺 邦宏*; 町田 修一*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 家村 彰*; F.Currel*; 大谷 俊介*; et al.
Atomic Collision Research in Japan, (24), p.70 - 72, 1998/00
我々は、理研や東大田無のECRイオン源を用いて低エネルギー(数10keV)のHe様多価イオンと、希ガスの衝突による2電子移行で生成するBe様イオンを放出電子分光によって測定してきた。理論計算によってそのスペクトル中のピークを同定し、電子の1重項状態、3重項状態を調べた。標的原子がHeのときは、1重項のみが現れ、Neのときは、3重項状態が主に現れ、Arのときには、1重項、3重項がともに現れる傾向があるということがわかった。
北澤 真一; 田辺 邦浩*; 町田 修一*; 松井 靖幸*; 井田 勇人*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 家村 一彰*; F.Currell*; 大谷 俊介*; et al.
Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 31(14), p.3233 - 3243, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:47.42(Optics)我々は、2電子励起状態からの放出電子スペクトルを実験的に測定した。その2電子励起状態は、A+BA(nln'l')+BA+e+Bという過程により生成された。本研究では入射イオンAとしてNを用い、標的粒子Poとして希ガス原子(He,Ne,Ar)を用いた。放出電子のエネルギースペクトルのピークの準位を同定することにより生成される準位を調べ、エネルギー依存性なども調べた。その結果、標的粒子がHeの場合には、1重項の3lnl'状態が多く生成され、Ne,Arの場合には、3重項の状態が支配的であることがわかった。また、エネルギー依存性を25keV,70keV,50keV,100keVの衝突エネルギーで比較することにより特定のピークの増減が確認され、その定性的な評価を与えた。
町田 修一*; 武田 淳一*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 家村 一彰*; 大谷 俊介*; 鈴木 洋*; 北澤 真一; 関口 雅行*
Atomic Collision Research in Japan, Progress Report, (23), p.36 - 37, 1997/00
Cイオンとアルカリ土類原子(Mg,Ca)の衝突により放出される電子の分光が、東京大学原子核科学研究センターのHyper ECRイオン源を用いて行われている。この実験の主目的は衝突によって生じたCC1snln'l')イオンの2電子励起状態を同定することである。C+Ma,Ca,H衝突によって生じたCC1snln'l')の2電子励起状態からの放出電子スペクトルが得られて、それを基に考察がなされている。本報告は、この研究の現況報告である。
北澤 真一; 家村 一彰*; 大谷 俊介*; 小出 美知*; 鈴木 洋*; 関口 雅行*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 町田 修一*
Phys. Scr., T73, p.207 - 208, 1997/00
被引用回数:2 パーセンタイル:30.11(Physics, Multidisciplinary)He様イオン(OとN)と希ガス原子(He,Ne,Ar)の衝突によって生じる電子のエネルギースペクトルは、高い分解能の0度オージェ電子分光によって測定された。これらの多価イオンは、5~25kVの電位差で、ECRイオン源から衝突チェンバーへ導入される。測定される電子は、標的と2電子移行衝突によって生じた2電子励起Be様イオンから放出される。2電子励起状態の3重項は、O-NeとN-Ar衝突によって選択的に生成された。
町田 修一*; 武田 淳一*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 家村 一彰*; 小出 美知*; 大谷 俊介*; 鈴木 洋*; 北澤 真一; 関口 雅行*; et al.
Atomic Collision Research in Japan, No.22, 0, p.49 - 50, 1996/00
我々は現在O,Cとアルカリ土類原子の衝突によって形成されるBe様イオンの2電子励起状態1snln´l´からの放出電子を放出角0°で測定する実験を行っている。今回はO-Ca,C-Caの衝突実験を行い、放出電子のエネルギースペクトルを測定した。
北澤 真一; 大谷 俊介*; 高柳 俊暢*; 関口 雅行*
INS-J-182, 0, p.274 - 276, 1995/09
多価イオンと原子・分子の衝突における多電子移行のメカニズムを調べるために、2電子移行衝突で放出される二次電子のエネルギー分光を行った。入射イオンとしてN、O、Neなど、また標的粒子としてHe、N、Ar、O、Nなどを用いた。放出された電子を0°方向で計測し、そのエネルギースペクトルにより移行した電子の準位を同定した。標的粒子の電子が一重項状態、三重項状態にあることによる2電子移行過程の違いを解明した。