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廣瀬 貴規; Sokolov, M. A.*; 安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*
Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S557 - S561, 2013/11
被引用回数:9 パーセンタイル:59.36(Materials Science, Multidisciplinary)The objective of this work is to investigate irradiation response in the joints of F82H. The joints of F82H were prepared using TIG welding, EB welding and Hot-Isostatic-Pressing (HIP). As for weld joints, mechanical specimens were cut out of weld-metal (WM), heat-affected-zone (HAZ). These specimens were irradiated in an instrumented irradiation capsule, RB-15J in HFIR at Oak Ridge National Laboratory. The irradiation temperature was controlled at 573 and 673 K using liquid lithium as a heating medium, and the irradiation dose was up to 6 dpa. Tensile tests after 573 K irradiation revealed that the hardening in WM and base metal (BM) are greater than 300 MPa. On the other hand, HAZ exhibits about half of that of the WM and BM. Since the HAZ is the weakest part in the joint even before irradiation, neutron irradiation significantly enhances the weakness of the HAZ and it could be in danger of local deformation at this region.
Kim, G.; 芝 清之; 沢井 友次; 井岡 郁夫; 木内 清; 中山 準平*
Proceedings of 2nd International Workshop on Structural Materials for Innovative Nuclear Systems (SMINS-2), p.273 - 279, 2012/12
In the present work, irradiation effects of high-purity Ni alloys were studied in terms of microstructural changes with respect to multi-ion irradiation by using JAEA triple-ion beam irradiation facility, TIARA. The alloys investigated are designed as the MA doped MOX fuel claddings for sodium cooled fast reactor and impurities, such as C, O, N, P, S were reduced less than 100 ppm in total to improve workability, irradiation embrittlement, inter-granular corrosion, and so on. Two types of alloys (Fe-40Ni-Cr-1.5Ti-1.5Al) with different Cr contents (20 or 25%) were used for the irradiation experiments. Single (Fe or Ni
), dual (single + He
), and triple (dual + H
) beam irradiation were conducted up to
50 dpa,
150 appmHe, and
1500 appmH at 825K to evaluate the effect of radiation damage and the effect of transmuted gaseous elements. Void swelling was evaluated and compared with type 316 stainless steel. Other microstructural features, such as precipitation stability, dislocation structures were also evaluated to discuss irradiation resistance.
芝 清之; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 酒瀬川 英雄; 實川 資朗
Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2895 - 2899, 2011/12
被引用回数:40 パーセンタイル:94.13(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト/マルテンサイト鋼F82Hの熱時効特性を400650
Cの温度範囲で、最長10万時間まで調べた。熱時効後のミクロ組織,析出物,引張特性,シャルピー衝撃特性等を調べた。Laves相は550
650
Cの温度範囲で、また、1万時間以上では550
650
Cの温度範囲でM
C炭化物が生成した。これらの析出物は特に550
650
Cの温度範囲で材料の靭性を大きく劣化させた。引張特性への時効の効果は大きくはなかったが、650
Cでは1万時間以上の時効で大きな軟化を示した。析出物の増加は延性にも影響を及ぼしたが、深刻な劣化ではなかった。析出物の増加は材料の靭性を大きく劣化させ、特に、650
Cでは結晶粒界への粗大なLaves相の析出によりDBTTが大きく上昇した。結晶粒界へのLaves相の析出は延性破壊時の吸収エネルギー(USE)も低下させ、シャルピー衝撃試験の結果から、F82H鋼の使用可能範囲は、550
Cで3万時間程度であることが明らかとなった。
谷川 博康; 芝 清之; Mslang, A.*; Stoller, R. E.*; Lindau, R.*; Sokolov, M. A.*; Odette, G. R.*; Kurtz, R. J.*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.9 - 15, 2011/10
被引用回数:126 パーセンタイル:99.58(Materials Science, Multidisciplinary)ITER建設の開始をうけ、原型炉にむけた研究開発はより具体的段階への移行が始まりつつある。この段階において開発の中心となる材料は、10年程度で工学設計活動に利用できるだけの十分な工学的バックグラウンドを有している材料でなければならない。この観点から、F82H、あるいはEUROFERといった低放射化フェライト鋼は、そのような要求を十分に満たすポテンシャルを有する唯一の材料といえる。そのことから、日欧協力「幅広いアプローチ」活動における国際核融合エネルギー研究開発センターにおける原型炉ブランケット材料工学開発における対象材料とされている。本論文では、特に材料製造技術,製作技術,検査試験技術、及び材料データベースの現状について総括する。また照射効果に関する近年の新しい知見についても総括する。
Kim, G.; 芝 清之; 沢井 友次; 井岡 郁夫; 木内 清
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1298, p.61 - 66, 2011/04
FaCT事業では、約250dpaの照射量に耐える燃料被覆管の候補材として9Cr系のODS鋼が選定されているが、粉末冶金に伴う製品の安定性や、再処理適合性の面での懸念も議論されている。本研究では、こういった懸念に対するバックアップ材料としての位置づけで、耐照射性とともに耐食性に優れる二種類('析出型とG相析出型)の超高純度高Ni合金(EHP合金)を選定し、その開発を進めている。開発材の耐照射性を確認するために、高速炉での核変換反応に伴うHeやHの生成量を模擬した高崎量子応用研究所TIARAのイオン照射実験を実施した。その結果、400
C照射では
'析出型合金,G相析出型合金ともに照射硬化を示したが、G相析出型合金の方が照射硬化量は大きかった。また、550
C照射によるスエリングは両合金ともに良好であったが、特にG相析出型合金では大型のボイドが形成されず、極めて耐スエリング性が高いということが明らかになった。
實川 資朗; 鈴木 一彦; 大久保 成彰; 安堂 正己; 芝 清之
Nuclear Fusion, 49(11), p.115006_1 - 115006_8, 2009/11
被引用回数:13 パーセンタイル:46.17(Physics, Fluids & Plasmas)400C以下では、しばしば大きな照射硬化と延性及び靭性低下を示すが、この強度特性変化の挙動を的確に評価し、設計法等での対応を行えば、低放射化フェライト鋼のITER-TBMへの利用には問題を十分に少なくできる。また、硬化及び伸びの変化は、照射量に対して飽和傾向を示すため、DEMO装置への適用可能性も期待できる。このために、照射による大きな強度特性変化に対応できる設計手法の開発が必須であること、照射下での低放射化フェライト鋼の巨視的な挙動モデルの構築が鍵となることが指摘できる。ここでは塑性(構成式)と繰返し軟化挙動のモデルについて検討を加える。併せて、微細組織変化の予測への微式的な照射挙動モデルの重要性及び熱処理による特性改善の可能性についても言及する。
谷川 博康; Sokolov, M. A.*; 澤畠 篤司*; 橋本 直幸*; 安堂 正己; 芝 清之; 榎本 正人*; Klueh, R. L.*
Journal of ASTM International (Internet), 6(5), 10 Pages, 2009/05
F82Hに代表される低放射化フェライト鋼の靱性評価には、現在マスターカーブ法(MC法)が用いられているが、この手法は破壊起点が一様に分布していることを前提としている。一方、近年の研究より、MC法の許容値以下の値で破断したF82HではアルミナとTa酸化物の複合介在物が破壊起点に存在することが示されてきた。本研究では、複合介在物が鋼中に不均一に分布すること,低温では割れやすくなることが、靱性値に影響を与え、MC法による靱性値推定に影響を与えている可能性を示した。
谷川 博康; 廣瀬 貴規; 芝 清之; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 芹澤 久*; 川人 洋介*; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 幸野 豊*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1471 - 1476, 2008/12
被引用回数:78 パーセンタイル:97.95(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は、核融合ブランケットシステムに用いられる構造材料の第一候補材として知られている。日本で開発が進められている低放射化フェライト鋼F82Hは、高温強度と溶接性を重視して成分調整が計られた鋼である。そのデータベースは、存在する低放射化フェライト鋼のうちで最も充実している。本論文は、F82Hの開発状況をレビューし、近年の日本における研究開発から示されたITER-TBM製作に向けた技術的課題を整理し示すことを目的とする。
廣瀬 貴規; 芝 清之; 榎枝 幹男; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1185 - 1189, 2007/08
被引用回数:20 パーセンタイル:79.03(Materials Science, Multidisciplinary)23.5MPa, 280C
550
Cの超臨界圧水中で低放射化フェライト/マルテンサイト鋼F82Hを対象とした低ひずみ速度引張試験を実施した。この結果、F82Hの超臨界圧水中での応力腐食割れ感受性は極めて低いことが明らかとなった。また、超臨界圧水中におけるF82H鋼の重量は放物線則に従って増加することが明らかとなった。
中村 博雄; 井田 瑞穂; 千田 輝夫; 芝 清之; 清水 克介*; 杉本 昌義
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1543 - 1548, 2007/08
被引用回数:2 パーセンタイル:19.07(Materials Science, Multidisciplinary)IFMIFは核融合炉の候補材料の照射のための加速器型強力中性子源である。中性子は、液体リチウム中で発生し、背面壁を通して放出される。背面壁は、ステンレス鋼316又は低放射化フェライト鋼F82Hであり、YAGレーザーによりリップシールを用いて、ターゲットアセンブリに取付けられる。背面壁は、中性子損傷率が年間あたり50dpa、核発熱が1立方cmあたり最大25Wという、厳しい条件下で使用され、熱構造設計が重要課題の一つである。熱応力は、ABAQUSコードで評価した。許容応力値は、300Cの耐力値を用いた。ステンレス鋼の場合、最大熱応力は、許容値の164MPaを超えていたが、F82Hの場合は、許容値の455MPa以下であった。この結果から、背面壁材としてF82Hが推奨される。
安堂 正巳; Li, M.*; 谷川 博康; Grossbeck, M. L.*; Kim, S.-W.; 沢井 友次; 芝 清之; 幸野 豊*; 香山 晃*
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.122 - 126, 2007/08
被引用回数:15 パーセンタイル:71.27(Materials Science, Multidisciplinary)F82HといくらかのJLF-1鋼の照射下クリープが、HFIRで照射されたヘリウム加圧チューブを用いて、5dpaまでの範囲で測定が行われた。これらのチューブはヘリウムによって、0から400MPaの内圧フープストレスを照射温度条件にて付与されたものである。照射後の200MPaのフープストレスからのF82HとJLF-1の結果は、非常に小さいクリープ歪となった(0.15%以下)。これらの鋼の照射クリープレートは200MPaまでは負荷応力に対してほぼ線形を示した。しかし、より高い応力レベルでは、これらのクリープレートは、非線形となることが示された。また300CでのF82HとJLF-1のコンプライアンス係数は非常に小さい値となることがわかった。これらの結果はITERのブランケット設計活動への材料データベースの一部として寄与するものと期待される。
安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; 實川 資朗; 幸野 豊*; 香山 晃*; Li, M.*; Stoller, R. E.*
日本金属学会誌, 71(7), p.559 - 562, 2007/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0本研究では、各種低放射化フェライト鋼の小型圧力管試験片を用い、5dpa, 300/500CまでHFIRで照射された圧力管の径変化を測定することにより、照射下クリープデータの解析を行った。300
C, 5dpaにおいては、周応力と歪量の関係は各鋼類似の傾向となった。周応力300MPa以下までは、照射クリープ歪はほぼ一定の割合で増加した。また、より高い応力条件(400MPa)では、急激な歪量の増加が見られた。最も歪量が大きかったのは周応力400MPaのJLF-1鋼であり、0.24%となった。この原因のひとつとして、JLF-1鋼の照射前の強度が低かったことが考えられる。またボロン,マンガン添加材については、今回の条件では無添加鋼と比べて、特に顕著な相違は見られなかった。500
C, 5dpa照射材においては、高応力側の試験片は破損していたが、おおむね150MPa以下では周応力と歪の関係は直線関係にあることがわかった。
谷川 博康; 芝 清之; 廣瀬 貴規; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 香山 晃*
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/03
ITER-TBMの具体的設計を基準として、製作及び許認可取得に向けた準備状況についてF82H鋼を対象にレビューを行い、F82H鋼の優位性を示すとともに、他の低放射化フェライト鋼との共通課題の分析を行い、近々に行われるべき共同研究の提案を行った。本論文ではITER建設活動の本格化を見込んで、より具体的なTBM設計に対応した材料問題についてITER運転条件から材料課題の分析を行った。原型炉に向けた課題として、最近の成果から明らかになった析出物安定性,熱処理効果,Ta効果について報告する。
澤畠 篤司; 谷川 博康; 芝 清之; 榎本 正人*
日本金属学会誌, 71(2), p.244 - 248, 2007/02
被引用回数:1核融合炉用構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼F82Hの重要な課題の一つとして照射脆化の問題がある。現在、脱酸剤として添加したAlがTaと介在物を形成すること、介在物が靱性低下の原因となっていること、またTiが靭性低下を招くことが明らかになりつつある。そこでTiの靭性低下の原因と介在物形成との関係を調べるために、Tiをなるべく含んでいない高純度材と一般純度材のF82鋼を用いてシャルピー衝撃試験,微細組織観察・分析(FE-SEM)を行った。高純度材,低純度材ともにAlO
とTa
O
の複合介在物, Al
O
を含まないTa
O
介在物が観察された。また、複合介在物のTa
O
部分にはTi, Vが含まれており、一般純度材の介在物は全体的にTiのEDSピークが高かった。また、高純度材には1
m以下のTa
O
介在物が多く、一般純度材で多く見られた複合介在物はほとんどなかった。シャルピー衝撃特性は高純度(-64
C)が一般純度材(-16
C)よりも低いDBTTを示すことから、不純物元素であるTiの低減は複合介在物を減少と、良好な衝撃特性を得るには有効な手段であると考えられる。
中田 隼矢; 谷川 博康; 芝 清之; 駒崎 慎一*; 藤原 幹夫*; 幸野 豊*; 香山 晃*
日本金属学会誌, 71(2), p.239 - 243, 2007/02
被引用回数:4 パーセンタイル:31.91本研究では、靱性の改善などを目的に製作されたF82H mod3について、靱性改善などの処理がクリープ強度へ及ぼす影響について検討を行った。F82H mod3のクリープ試験を行った結果、F82H IEA-heatと比べ、高応力短時間側の試験結果では著しい強度低下が認められた。これは、低放射化と高純度化の観点から窒素量を減じた(mod3:0.0014%, IEA-heat:0.0060%)ことが要因として考えられる。一方で、負荷応力を下げると破断時間が大幅に長時間側にシフトする傾向が確認された。この結果より、長時間側では両鋼の強度差はほとんどなくなるものと考えられる。両鋼の析出物を抽出残差法によって解析した結果、IEA-heatでは高温域の試験後に析出物が減少しているものの、mod3では析出物の量はほとんど変わらなかったことが確認された。これら、析出物とクリープ特性の関係について検討を行った。
中田 隼矢; 駒崎 慎一*; 中島 基樹*; 幸野 豊*; 谷川 博康; 芝 清之; 香山 晃*
日本金属学会誌, 70(8), p.642 - 645, 2006/08
被引用回数:4 パーセンタイル:19.22スモールパンチ(SP)試験では、これまで原子力材料の分野で延性脆性遷移温度(DBTT)や靱性の評価などが行われてきた。われわれの研究で、SP試験を改良したSPクリープ試験によって、核融合炉構造材料である低放射化フェライト鋼F82H及びJLF-1の非照射環境でのクリープ特性を評価できることを報告している。今回、SPクリープ試験と同様にF82H及びJLF-1について、非照射環境にて室温と高温域(823923K)でSP試験を行った結果、標準の高温引張試験結果と良好な相関関係が成立っていることを新たに明らかにした。両試験結果の間には、次のような関係式、
=1.5
+96,
=0.37
+85が成立つことがわかった。ここで、
と
はそれぞれSP試験にて局部変形が開始する荷重とその最大荷重である。また
と
は引張試験により得られた降伏強度と引張強度である。これらの関係には、鋼種及び温度の明瞭な依存性は認められなかった。以上の結果より、SP試験法によってこれまで報告されてきた靱性やクリープ特性だけではなく、高温引張強度も評価できることがわかった。
若井 栄一; 實川 資朗; 富田 英樹*; 古谷 一幸; 佐藤 通隆*; 岡 桂一朗*; 田中 典幸*; 高田 文樹; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; et al.
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.285 - 296, 2005/08
被引用回数:46 パーセンタイル:93.66(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化マルテンサイト鋼F82Hの照射硬化と脆化に及ぼすHe生成効果とその生成量依存性を引張試験片(SS-3)と破壊靭性試験片(0.18DCT)を用いて評価した。中性子照射はJMTR炉にて250Cで約2.2dpaまで行った。本研究ではHeを材料中に生成させるためにボロン10を添加した。He生成量を変数にするため、ボロン10とボロン11の配合比(0:1, 1:1, 1:0)を変えて、ボロン添加総量を60mass ppmに揃えた3種類の添加材を作製し、照射前後の特性を比較してボロンの化学的な効果を最小限に抑えた。また、これらの試料での生成He量は約5, 150, 300appmである。一方、ボロンの効果を完全に排除した50MeVのサイクロトロン照射実験も行った。この方法ではボロンを添加しないF82H鋼を用い、直径3mm,厚さ0.3mmのTEM片に約120
Cで約85appmのHeを均一に注入した後、スモールパンチ試験によって強度特性を評価した。この弾き出し損傷量は約0.03dpaであった。これらの試験結果から中性子照射後の降伏応力と最大引張応力はHe生成量の増加に伴ってやや増大した。また、中性子照射後の延性脆性遷移温度(DBTT)は40
Cから150
Cの範囲にあり、He生成量の増加に伴って高温にシフトした。また、サイクロトロンHe照射法によっても同様のHeによるDBTTシフト効果が確認できた。
若井 栄一; 佐藤 通隆*; 大久保 成彰; 沢井 友次; 芝 清之; 實川 資朗
日本金属学会誌, 69(6), p.460 - 464, 2005/06
被引用回数:1本研究ではFe-8Cr-2W-0.1C系のマルテンサイト鋼F82Hに約60ppmのBを添加させた材料と約60ppmのBと約200ppmのNを複合添加させた材料を作製し、その微細組織と強度特性を評価した。これらの鋼材中のBの偏析を防ぐために、熱処理に関しては950Cまたは1000
Cで約10分間焼ならしを行った後、水中に急冷するなどの措置を施した。その後、約780
Cで30分間焼きもどしを行った。これらの熱処理後、各試料の微細組織観察やSIMSによるBやNの分布測定を行うとともに、引張試験とシャルピー衝撃試験等を行った。B添加材とB+N複合添加材の引張特性は添加していない材料とほぼ同一であったが、衝撃試験では無添加材に比べて空冷したB添加材の延性脆性遷移温度(DBTT)が70
C程度上昇するとともに、ボロンの分布の局在化がSIMSによって観察された。焼きならし温度から急冷したB添加材のDBTTの上昇量は30
C程度になり、ボロンの局在化の度合いも減少した。一方、BとNを複合添加した材料ではDBTTの上昇がなく、Bの局在的な偏りがさらに減少した。また、酸化物や窒化ボロンは観察されなかった。
田口 富嗣; 實川 資朗; 佐藤 道隆*; 松川 真吾*; 若井 栄一; 芝 清之
Journal of Nuclear Materials, 335(3), p.457 - 461, 2004/12
被引用回数:11 パーセンタイル:56.56(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉用構造材料の候補材料である、F82H鋼及び2%Ni添加F82H鋼の照射後引張試験を室温で行った。F82H及び2%Ni添加F82Hは、米国オークリッジ国立研究所のHFIR炉において、300Cで最大20dpaまで照射された。引張試験中、継続して試料のネッキング部分の画像をビデオカメラで記録した。これら画像及び荷重変位曲線から、試料の真応力-真歪曲線を求め、中性子照射による試料の硬化挙動を評価した。その結果、欠陥導入型の硬化が照射によりおもに生じたが、300
Cで照射されたF82Hにおいては、同じflow stressレベルでは、歪硬化に対して強く影響を及ぼさないことを明らかにした。しかしながら、2%添加F82Hでは、照射が歪硬化に強く影響を及ぼすことがわかった。
廣瀬 貴規; 芝 清之; 沢井 友次; 實川 資朗; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.324 - 327, 2004/08
被引用回数:54 パーセンタイル:95(Materials Science, Multidisciplinary)核融合発電実証プラントにおける増殖ブランケット製作技術開発の一環として、製造プロセスにおける熱履歴が低放射化フェライト鋼の材料特性に及ぼす影響について評価を行った。低放射化フェライト鋼に対して、熱間等方圧加圧(HIP)相当の熱履歴与えたところ、0.04%のTaを含むF82H鋼は1313K以上のHIP相当熱処理により結晶粒の粗大化が認められたが、F82H-0.1%Ta添加材では粒成長が抑制された。これは粒成長が粒界の移動を阻害する炭化物(TaC)の溶解によるものであることを示唆している。より高温における接合を考慮した場合、1373K以下での熱処理では、炭化物の分布状況に起因する熱処理以前の粒径の影響が残っていることから、接合処理後の細粒化には、均質化及びTaCの溶解温度以下での焼きならしの2段階の熱処理が必要である。F82H鋼においては、1423K以上における均質化、並びにTaC溶解温度以下(1243K)での焼きならし処理により、加工を伴うことなく結晶粒度7程度の細粒組織が得られることを確認した。