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渡辺 大剛*; 中馬 康晴*; 大谷 知未*; 柴本 宏*; 井上 和彦*; 笠原 直人
Nuclear Engineering and Design, 238(2), p.389 - 398, 2008/02
被引用回数:5 パーセンタイル:34.11(Nuclear Science & Technology)原子炉容器のナトリウム液面近傍では、炉容器軸方向に生じる温度勾配によって、熱応力が発生する。また、炉の起動時や停止時にナトリウムの液位が変動した場合、上記熱応力の繰返しが生じ、このような条件下でのラチェット挙動やクリープ疲労強度の明確化が高温構造設計上の重要課題となっている。この課題に取り組むため、ナトリウム液面近傍の負荷条件を模擬できる「液面近傍モデル試験装置」を作成し、構造物の熱ラチェット変形試験を行った。熱ラチェット挙動を明らかにするとともに、試験結果との比較により非弾性解析法の適用性を確認することができた。
若井 隆純; 青砥 紀身; 祐川 正之*; 伊達 新吾*; 柴本 宏
Nuclear Engineering and Design, 238(2), p.399 - 407, 2008/02
被引用回数:5 パーセンタイル:34.11(Nuclear Science & Technology)本研究では、高速炉構造用高クロム鋼の仕様及び材料強度基準の暫定案を提示する。靭性及び延性の改善を目的として、タングステンとモリブデンの比率を変化させた幾つかの仕様の高クロム鋼に対する材料強度試験や金属組織観察を行った。さらに材料特性に及ぼす熱処理条件の影響についても検討した。それらの結果に基づいて、延性や靭性を向上させるにはタングステン量は減じたほうが良いこと、熱処理条件の変更では長時間の材料特性の改善は難しいことを明らかにした。また、高速炉構造用高クロム鋼の暫定仕様を提示し、その仕様について材料強度基準暫定案を提示した。この材料強度基準暫定案は、高速炉プラントの設計研究において活用される。
磯部 展宏*; 祐川 正之*; 中山 康成*; 伊達 信悟*; 大谷 知未*; 高橋 由紀夫*; 笠原 直人; 柴本 宏*; 長島 英明*; 井上 和彦*
Nuclear Engineering and Design, 238(2), p.347 - 352, 2008/02
被引用回数:22 パーセンタイル:77.77(Nuclear Science & Technology)高速炉設計基準の高度化を目的として、ラチェット疲労条件におけるひずみ制限について検討した。ラチェット変形を与える期間を1000回とし、累積非弾性ひずみをパラメータとして疲労試験を行った。累積非弾性ひずみの増加に伴い、平均応力が上昇し、疲労寿命が低下したが、平均応力が25MPa以下のときは、疲労寿命の低下はほとんど無視できた。高速炉運転条件に対して安全側と考えられるラチェット期間1000回の条件では、平均応力25MPaに対応する累積非弾性ひずみは2.2パーセントであり、現行の設計基準におけるひずみ制限値(2パーセント)により、ラチェットによる疲労寿命低下も防止できると考えられる。
猪狩 敏秀*; 高尾 伸行*; 大谷 知未*; 柴本 宏; 笠原 直人
日本機械学会2006年度年次大会講演論文集, Vol.1, p.957 - 958, 2006/09
高速増殖原型炉の蒸気発生器管板は平板形状であったのに対して、実用炉には球形管板の採用が計画されている。球形管板の場合、構造解析上は3次元形状として扱う必要があり、原子力構造として現実的な設計手法が確立していないという課題がある。そこで、既存のASME Boiler and Pressure Vessel Code Sec.3 A-8000(1)の平板管板構造設計手法に関する知見を踏まえて、球形管板の構造設計手法を開発することを目的として本検討を行った。検討の結果、下記を明らかにした。(1)HCM12A(12Cr鋼)製球形管板の等価中実体の巨視的な弾塑性/クリープ挙動は、平管板に対する著者らの推定法を改良することで推定可能である。(2)球形管板の弾塑性ひずみ集中係数には角度依存性があり、鋭角になるほど大きい。(3)球形管板の部分孔空きモデルは、全体孔空きモデルと対応する非弾性挙動が得られ、その有効性が確認できた。(4)球形管板の孔無しセクタモデルは、孔縁部の応力推定法と組合せることで、全体孔空きモデルと対応する弾性挙動が得られ、簡易モデルとして有効である。
古橋 一郎*; 笠原 直人; 柴本 宏
日本機械学会論文集,B, 72(721), p.2083 - 2090, 2006/09
火力,原子力等の高温プラントの構造設計での熱過渡応力評価の充実化に資するため研究を実施し、次の成果を得た。これらの成果は設計基準における熱応力評価線図として使え、実構造の高温構造設計の熱過渡応力評価に役立てられる。オンライン損傷モニタリングとしても活用できる。(1)両面で熱伝達を受ける平板の非定常熱伝導及び熱応力の理論解析を行い、各種線図を作成した。片面熱伝達に対する従来のHeisler線図,Mcneil-Brock線図等と比べ適用範囲が大幅に拡張された。(2)流体温度がステップあるいは線形変化した場合の温度及び熱応力の応答線図を作成した。任意時点の表面温度,板厚平均温度,表面応力,曲げ応力及びピーク応力を線図から求めることができる。(3)流体温度がステップ変化あるいはランプ変化した場合の熱応力最大値及びその時点を求める線図を作成した。ステップ変化がランプ変化に変わることによる熱応力低減率が線図から直接読み取れるようになった。(4)定常温度で規格化した無次元温度及び背面温度固定の定常熱応力で規格化した無次元熱応力
を導入した。これにより線図の読み取り精度が向上した。
井上 和彦*; 柴本 宏*; 高橋 健司; 生玉 真也*; 森下 正樹; 青砥 紀身; 笠原 直人; 浅山 泰; 北村 誠司
日本原子力学会誌, 48(5), p.333 - 338, 2006/05
我が国の発電用新型炉である高速増殖炉(FBR)の実用化には、経済性,安全性を同時に満足する合理的設計が要求される。高温・低圧で運転されるFBRは、冷却材温度変動によって生じる熱応力が緩和しやすい薄肉の構造が有利になるが、薄肉化を進めると剛性の低下によって耐震性が損なわれることから、耐熱荷重設計と耐震設計の調和がFBR構造設計の要諦となる。FBR実用化に向けては、プラントの建設コスト低減を目指して小型で簡素な機器設備が計画されている。この計画に対し、従来の設計手法では熱荷重と地震荷重による応力の両者が厳しくなり、構造成立性を見通すことが難しくなる。さらに、将来的には設計上想定すべき地震動が引き上げられる方向にある。そこで、これらに対処するため、熱応力に対する耐性に優れるFBR用高クロム鋼,高温で生じる非弾性変形解析法や熱荷重設定法を含む高温構造設計法,設計・製作・運転を包括的に最適化するシステム化規格、これに加え地震荷重による制約を解決する3次元免震技術の開発を進めた。本研究は、「FBRサイクル実用化戦略調査研究」において、有望プラント概念の2005年度提示を目的とし実施したものである。その中で、20002004年度実施の経済産業省受託研究「発電用新型炉技術確証試験」により、構造設計の実現性を見通しを示すために開発した技術成果を紹介する。これらの成果は、今後、検証データを蓄積し将来の規格・基準類化を促進するため暫定指針類として体系化した。
古橋 一郎*; 笠原 直人; 柴本 宏
JAEA-Research 2006-026, 178 Pages, 2006/03
高速炉機器の構造設計で必要となる熱過渡荷重のスクリーニング評価等に活用すべく、非定常熱過渡応力の評価線図策定に関して研究を行い下記の成果を得た。(1)両面で熱伝達を受ける平板の非定常時の熱伝導及び熱応力の理論解に基づき、評価線図を作成した。片面熱伝達に対する従来の工学線図と比較して適用範囲が大幅に拡張された。(2)流体温度がステップ変化あるいは線形変化した場合の非定常時の温度及び熱応力の線図を作成した。任意時点の表面温度,板厚平均温度,表面応力,曲げ応力及びピーク応力を線図から求めることができる。(3)定常温度で規格化した無次元温度及び背面温度固定の定常熱応力で規格化した無次元熱応力
を導入した。これにより線図の読み取り精度が向上した。(4)流体温度がステップ変化あるいはランプ変化した場合の熱応力最大値及び最大応力発生時点を求める線図を作成した。ステップ変化による熱応力最大値は背面温度固定の定常熱応力の2倍を超えないことが示された。熱応力最大値とその時点、また、ランプ変化/ステップ変化の熱応力低減率が線図から直接読み取れるようになった。(5)非定常時の温度及び熱応力の簡便なGreen関数を作成した。熱応力評価において実用上無視し得る短時間の背面温度を除き、温度及び熱応力を最大誤差1.4%の範囲で予測できる簡便なGreen関数が得られた。
祐川 正之*; 磯部 展宏*; 柴本 宏; 田中 良彦*; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 5 Pages, 2006/00
非クリープ設計域の拡張による許容応力の拡大及び設計手順の簡素化のため、NC(Negligible Creep)カーブを用いたクリープ設計域の合理的な設定法について検討した。この結果、国産の材料データに基づき、6種類の高速炉用の鋼種について、応力レベル1.5Sm時のNCカーブを設定した。従来の高温構造設計基準では、一定の温度上限値を用いて、非クリープ域を保守的に制限していた。実用高速炉で使用予定の316FR鋼,12Cr-Mo鋼は特に優れた材料特性を有しており、NCカーブを用い非クリープ設計域の拡大を図る効果が大きい。本クリープ設計域の合理的な設定法はFDS暫定案に採用された。NCカーブを用いることにより通常時、比較的低温で用いられる機器の低温設計が可能となる。
渡辺 大剛*; 中馬 康晴*; 大谷 知未*; 柴本 宏; 井上 和彦*; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 7 Pages, 2006/00
繰返し熱荷重を受ける高速炉の高温機器において、熱ラチェットによる破損防止は重要課題である。ラチェット挙動を明らかにするため、構造モデル試験が計画された。熱ラチェット現象を理解するうえでひずみ測定は重要であるが、高温下では従来のひずみゲージによる測定は困難である。このため、2つのレーザービームを用いたレーザースペックル法が構造物モデルのひずみを測定するために開発された。このシステムは原子炉の実際の運転状態を模擬した熱ラチェット試験に適用された。単軸試験結果との比較を通じ、レーザースペックル法が確証された。構造物モデル試験の測定データは、高速炉機器のひずみ予測法を記載している非弾性設計解析に関するガイドラインを検証するために用いられた。
柴本 宏; 長島 英明; 井上 和彦; 笠原 直人; 神保 雅一*; 古橋 一郎*
Proceedings of 2005 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition (CD-ROM), 0 Pages, 2005/08
実用高速炉は、設計合理化に伴い荷重条件が厳しくなっており、合理的な荷重緩和が望まれている。高速炉では熱荷重が支配的荷重であるが、熱荷重の設定法に関しては設定の難しさ等に起因して従来、基準化されてはいなかった。(なお、近年、軽水炉に配管の高サイクル熱疲労に関しては指摘化されている)このため、熱荷重設定法の開発を進め、現在、策定作業が進められている実用高速炉用の高温構造設計基準(FDS)の一環として、"熱荷重設定に関するガイドライン"を策定することとした。本ガイドラインには系統熱過度荷重の設定法及びサーマルストライピング荷重の設定法に関して記載する。系統熱過度荷重に関しては実験計画法を導入した合理的な評価法を提案・ガイドライン化し、荷重設定の合理化が図れるようにした。サーマルストライピング荷重に関しては4ステップから成る評価体系を導入した。提案した周波数応答関数法の活用(第4ステップ)により荷重設定の一層の合理化が図れる。
長島 英明; 柴本 宏; 井上 和彦; 笠原 直人; 定廣 大輔*
Proceedings of 2005 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition (CD-ROM), 0 Pages, 2005/08
原子力機器の設計に採用されている「解析による設計」では、外力と釣り合う1次応力と内力成分である2次応力とを分類した上で構造物中の応力を制限するため、評価断面設定が困難な機器構造の1次応力評価法が望まれている。1次応力には応力の再配分が生じない特徴があることに着目したGLOSS(Generalized Local Stress Strain)法を拡張し、弾塑性解析を用いて比較的容易に1次応力を分類・評価できる方法を2次元構造に適用し、その適用性の可能性を検討した。
笠原 直人; 中村 協正; 伊藤 啓; 柴本 宏; 長島 英明; 井上 和彦
Transactions of 18th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-18), p.1131 - 1140, 2005/08
高速炉の実用化には、信頼性と経済性に優れたプラントシステムの開発が不可欠である。そのため、核燃料サイクル開発機構と日本原子力発電は、共同でこのような要件を満たすプラント像の創出に向け、「FBRサイクル実用化戦略調査研究」を実施している。そのなかで、高温,低圧,肉薄構造等高速炉の特性を考慮した合理的な構造設計技術の確証及びそれらを踏まえた構造設計基準体系の確率が、経済性を向上させるうえでの枢要課題の一つとして摘出されている。これを受けて、実用化高速炉のプラント機器の特徴を活かし、合理的な設計を可能とする「実用化高速炉構造設計基準(略称FDS=Fast Reactor Structural Design Standard)策定のための研究開発を実施している。主要開発課題は、機器の使用条件に応じて合理的健全性評価を行うための「破損クライテリアの高度化」,高温機器の非弾性変形を精度よく評価するための「非弾性設計解析に関するガイドライン」,及び高温低圧条件での支配荷重を設定するための「熱荷重設定に関するガイドライン」の整備である。平成16年度に本研究に関するMET受託研究が終了したことから、これまでの進捗を報告する。
森下 正樹; 青砥 紀身; 笠原 直人; 浅山 泰; 井上 和彦*; 柴本 宏*; 田中 良彦*
JNC TY9400 2004-025, 984 Pages, 2004/08
核燃料サイクル開発機構(JNC)と日本原子力発電(原電)では,安全性と経済性こ優れた実用高速炉プラント概念の構築を目的として「高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究」を実施している。ここでは,高温構造設計の高度化,新材料の採用,ならびに3次元免震が経済性向上のためのシステム改善方策の枢要技術として挙げられている。そこで,JNCと原電は,平成12年度より,高温構造設計手法高度化と3次元免震開発に関する共同研究を開始した。本報告書はそのうち,高温構造設計手法高度化に関する平成15年度の成果をとりまとめたものである。なお,本成果のなかには,原電が経済産業省より受託し,JNCがその実施に協力した,高速増殖炉技術確証試験の成果が含まれている。本研究は,その内容を(1)実用化構造設計基準,(2)新材料の基準化,及び(3)システム化規格,の3つのスコープに整理して進めた。本年度の成果を要約すると,以下のとおりである。 (1)実用化構造設計基準の検討 -破損クライテリアの高度化に関し,合理的な試験方法によりラチェット疲労試験を継続した。クリープ設計域設定法,1次応力の影響評価法の適用性について検討評価した。 -非弾性設計解析に関する指針に関し,保守的な設計用電中研モデルも採用することとし開発に着手した。負荷履歴の影響に関する解析評価,非弾性解析に対応した保守的なクリープ疲労損傷評価法の開発を行った。指針検証のため構造物モデル試験を継続した。本指針の策定方針,記載頃目も検討した。 -熱荷重設定に関する指針に関し,サーマルストライピング評価法など合理的な熱荷重設定法の指針化検討を進めた。厳しめの熱荷重・高応力部位を把握するスクリーニング手法を開発し,妥当性を確認した。 (2)新材料の基準化の検討:-候補仕様材(W中添加,W無添加)について,長時間時効を含む各種強度特性試験,微視的組織観察,析出相の組成分析等を体系的に実施し,その結果を既存火力用の12Cr鋼データと比較評価して,FBR用材料として適切と考えられる組成範囲を提案した。 -上記候補仕様材に対する溶接侯補材及びそれを用いたTIG溶接継手について,時効前後の硬さ試験,衝撃・引張特性を評価する短時間強度試験を実施し母材と遜色ない特性を有してしていることを確認した。-材料強度基準試案に含まれる基礎的材料特性こついて調査を行い,FBR構
笠原 直人; 安藤 昌教; 伊藤 啓; 田中 良彦; 柴本 宏; 井上 和彦
2004 ASME/JSME PVP Conference, p.25 - 32, 2004/07
高速炉の実用化には、安全性と経済性に優れたプラントシステムの開発が不可欠である。そのため、核燃料サイクル開発機構と日本原子力発電は、共同でこのような要件を満たすプラント像の創出に向け、「FBRサイクル実用化戦略調査研究」を実施している。そのなかで、高温、低圧、薄肉構造等高速炉の特性を考慮した合理的な構造設計技術の確証及びそれらを踏まえた構造設計基準体系の確立が、経済性を向上させるうえでの枢要課題の一つとして摘出されている。これを受けて、実用化高速炉のプラント機器の特徴を活かし、合理的な設計を可能とする「実用化高速炉構造設計基準(略称 FDS:Fast Reactor Structural Design Standard)策定のための研究開発を実施している。主要開発課題は、機器の使用条件に応じて合理的健全性評価を行うための「破損クライテリアの高度化」、高温機器の非弾性変形を精度よく評価するための「非弾性設計解析に関する指針」、及び高温低圧条件での支配荷重を設定するための「熱荷重設定に関する指針」の整備である。
田中 良彦; 柴本 宏; 井上 和彦; 笠原 直人; 安藤 昌教; 伊藤 啓
2004ASME/JSME PVP Conference, p.53 - 60, 2004/07
高速炉の特徴を考慮すると、設計に非弾性解析を導入して構造に生ずるひずみを合理的に評価した上で、その値が許容値を下回るようなプラント設計を行うことができれば、高度な安全性及び経済性を両立できる可能性が高い。そこで実用高速炉のための新しい構造設計基準(FDS)開発の一環として、非弾性解析による設計を実現するために必要となる"非弾性設計解析に関する指針案"の開発を進めている。現在までに次のとおり同指針案の基本的考え方を定めた。(a)実挙動のノミナル値よりもむしろ保守的な解析結果を得ることを重視する。(b)適用範囲を明確に定義する。また、解決すべき5課題を摘出し、下記のとおりに着手している。1)指針の適用範囲;設計上重要な2箇所を設定した 2)構成則の選定;2直線近似の移動硬化則(降伏曲面移動量補正オプション有り)を選定した 3)負荷履歴効果が解析結果に及ぼす影響の保守的な見積もり;履歴の影響を保守側に抱絡する方法を検討中である 4)非弾性解析に適したラチェット及びクリープ疲労損傷評価法;ひずみ解析値の保守性を活用した評価法を暫定した 5)解析の品質検査及び一般則に対する補足の役目を果たす例題;2)4)の検討過程の試解析を基に例題を作成する
此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.
JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06
ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。
古橋 一郎*; 柴本 宏; 笠原 直人
JNC TN9400 2004-013, 118 Pages, 2003/11
FBR構造設計における熱過渡応カスクリーニング法の開発を目的に以下の研究を実施した。 ・熱伝達係数一定条件下の線形熱応力問題に適用されてきたGreen関数(以下 G関数と略記)を、熱伝達係数が変化する非線形熱応力問題に適用するための近似非線形評価式を提案した。 ・IHXのスカート構造および管板構造の過渡熱応力詳細解析を実施した。 ・従来の上限線形解析(上限熱伝達係数を使用した線形熱応力解析)を実施し上限G関数を求めた。 ・平均的な熱伝達係数を使用した中間線形解析および下限熱伝達係数を使用した下限線形解析を実施し、中間G関数および下限G関数を求めた。 ・上限G関数を用いて従来手法による簡易評価を行った。 ・上限G関数、中間G関数および下限G関数を用いて提案手法による評価を行った。 これらにより以下のような結果が得られた。 ・スカート構造のように単一流体の熱過渡により熱応力が生じるケースては従来手法による評価が安全側であり有効であることが確認された。ただし過大評価となる場合が多いことが確認された。 ・管板構造のように複雑な構造形状で複数流体の熱過渡により応力が生じるケースでも従来手法は概ね安全側であり有効であることが確認された。 ・ただし複雑な構造形状で複数流体系の場合は、熱伝達係数を大きくすると長時間側の熱応力が小さくなり、従来手法が安全側とならない部位があり得ることが確認された。 ・提案手法は詳細解析をよく近似できることが確認された。 これらの結果を踏まえ、従来手法と提案手法を調和させた「熱過渡応カスクリーニング法」の試案を作成した。
森下 正樹; 青砥 紀身; 笠原 直人; 浅山 泰; 佐賀山 豊*; 井上 和彦*; 柴本 宏*; 田中 良彦*
JNC TY9400 2003-001, 644 Pages, 2003/05
核燃料サイクル開発機構(JNC)と日本原子力発電(原電)では、安全性と経済性に優れた実用高速炉プラント概念の構築を目的として「高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究」を実施している。ここでは、高温構造設計の高度化、新材料の採用、ならびに3次元免震が経済性向上のためのシステム改善方策の枢要技術として挙げられている。そこで、JNCと原電は、平成12年度より、高温構造設計手法高度化と3次元免震開発に関する共同研究を開始した。本報告書はそのうち、高温構造設計手法高度化に関する平成14年度の成果をとりまとめたものである。なお、本成果のなかには、原電が経済産業省より受託し、JNCがその実施に協力した、高速増殖炉技術確証試験の成果が含まれている。本研究は、その内容を(1)実用化構造設計基準、(2)新材料の基準化、及び(3)システム化規格、の3つのスコープに整理して進めた。本年度の成果を要約すると、以下のとおりである。(1)実用化構造設計基準の検討 -実用化構造設計基準(FDS)に要求される最新の設計ニーズに照らし、実用高速炉合理化設計に貢献できる見通しがある項目、設計概念の成立性判断に必要な項目を優先して検討することとし、フェーズIIの研究方針を明らかにした。-破損クライテリアの高度化に関して、合理的なラチェット疲労試験方法を計画立案し、試験に着手した。また合理的なクリープ領域設定法であるNCカーブに関し、適用条件を拡張した。-非弾性解析指針に関し、策定方針、必要記載項目を明確にし、解析法の適用性を検討した。-熱荷重評価法に関し、事例集化を進めた。またサーマルストライピング荷重想定法に関して、熱応力の周波数伝達関数の高度化と、それに基づく疲労損傷評価法の検討を行った。(2)新材料の基準化の検討 -強度特性改善が期待できる12Cr候補仕様材について、中短時間材料試験を実施すると共に、低ひずみ範囲におけるクリープ疲労試験を行った。-候補仕様材(W中添加、W無添加)について、TIG溶接継手施工法を提案した。-新材料に求められる基準化条件について検討すると共に、新材料選定の指標となるパラメータについて検討した。(3)システム化規格の検討 -システム化規格開発の方向性検討に資するため、エキスパートパネルを設置し、典型的な構造を念頭に置いた例題を設定した上で、システム化規格WGで検討を進めた。
森下 正樹; 青砥 紀身; 笠原 直人; 浅山 泰; 佐賀山 豊*; 堂崎 浩二*; 柴本 宏*; 田中 良彦*
JNC TY9400 2002-025, 889 Pages, 2003/01
核燃料サイクル開発機構(JNC)と日本原子力発電(原電)では、 安全性と経済性に優れた実用高速炉プラント概念の構築を目的として「高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究」を実施している。ここでは、高温構造設計の高度化、新材料の採用、ならびに3次元免震が経済性向上のためのシステム改善方策の枢要技術として挙げられている。 そこで、JNCと原電は、平成12年度より、高温構造設計手法高度化と3次元免震開発に関する共同研究を開始した。本報告書はそのうち、高温構造設計手法高度化に関する平成13年度の成果をとりまとめたものである。なお、本成果のなかには、原電が経済産業省より受託し、JNCがその実施に協力した、高速増殖炉技術確証試験の成果が含まれている。 本研究は、その内容を(1)システム化規格、(2)実用化構造設計基準、及び(3)新材料の基準化、の3つのスコープに整理して進めた。本年度の成果を要約すると、以下のとおりである。 (1)システム化規格 -本年度設置したシステム化規格ワーキンググループ(WG)でシステム化規格開発の枠組みと方向性について行った。 -WGで裕度交換の定義を検討し、有望な裕度交換の方法論3案(破損確率に直接結びつく方法、2次モーメント法を応用する方法、目標信頼度と技術的選択肢の組み合わせに応じて設計係数を細分化して設定する方法)の提案を行った。 -システム化規格の技術的方法論を支える要素技術(荷重条件、材料、破損、確立論的強度評価、検査技術、リスク技術)について例題検討や文献調査を実施した。 (2)実用化構造設計基準 -実用化構造設計基準の基準体系上の課題を解決する為の工夫として4つの提案(「温度と圧力による設計区分」、「破損様式毎の評価法」、「階層・モジュール化構造」、「強度評価
柴本 宏; 田中 良彦; 笠原 直人; 伊藤 啓; 井上 和彦
GENES4/ANP2003, 120 Pages, 2003/00
実用化戦略調査研究において概念設計を進めている実用高速増殖炉は、経済性の向上を目指し、機器・配管の小型・簡素化、革新的機器概念の採用、系統数消滅などにより、設計合理化を図っている。本設計概念を成立させ、構造健全性を確証するため、設計評価用の実用高速増殖炉構造設計基準(FDS)が必要で、研究開発を進めている。具体的には、破損クライテリアに関し、合理的なクリープ設計領域の設定法の開発、ラチェットひずみが強度に影響を及ぼす限界を明確にするための試験を行っている。また、設計用の非弾性解析手法を確立し、FDSに関連した非弾性解析指針を策定することとしている。非弾性解析手法の検証等を目的とした構造物モデル試験も行っている。更に、熱荷重緩和設計に資するべく、合理的で見通しの良い熱荷重想定法の開発を進めている。これらの研究課題の概要とその取り組み状況について報告する。