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小杉 佳久*; 後藤 真人*; Tan, Z.*; 菅 大介*; 礒部 正彦*; 吉井 賢資; 水牧 仁一朗*; 藤田 麻哉*; 高木 英典*; 島川 祐一*
Scientific Reports (Internet), 11(1), p.12682_1 - 12682_8, 2021/06
被引用回数:3 パーセンタイル:36.64(Multidisciplinary Sciences)固体における熱量効果はいくつか知られているが、気体の膨張圧縮を用いた手法に比べ、効率的で環境に優しい冷凍効果が実現できることが知られている。新規な熱量効果を開拓することは、今後の持続的社会の実現などの観点から重要である。本論文では、フェリ磁性体BiCuCr
O
が、一次相転移である電荷秩序温度190Kにおいて複数の熱量効果が重畳するマルチ熱量効果を示すことを発見した。この相転移温度に置けるエントロピー変化28.2J K
kg
は、外部磁場の変化(磁気熱量効果)によっても、圧力の変化(圧力熱量効果)によっても利用可能であることが分かった。断熱状態の温度変化は、外部磁場50kOeのとき3.9K、圧力4.9kbarのとき4.8Kであった。これらの結果は、効率的な冷凍が複数の手法によって行える系であることを示す。
水牧 仁一朗*; 藤井 将*; 吉井 賢資; 林 直顕*; 斎藤 高志*; 島川 祐一*; 魚住 孝幸*; 高野 幹夫*
Physica Status Solidi (C), 12(6), p.818 - 821, 2015/06
被引用回数:10 パーセンタイル:94.96新規強磁性体BaFeOの電子状態を、放射光による高エネルギー光電子分光とX線吸収分光により調べた。実験データおよび理論計算から、この物質は負の電荷移動エネルギーを持つ系であることを示した。すなわち、酸素2p電子のエネルギーが鉄3d軌道のエネルギーより高いため、酸素2p電子が鉄3d軌道を埋めやすい性質を持っている。通常の遷移金属酸化物では、酸素2p軌道のエネルギーは遷移金属3d軌道のそれより低いため、このようなことは起こらない。すなわち、BaFeO
は、通常の酸化物とは異なる性質を持つ。この性質の起源として、鉄3d軌道のクーロン反発力と、鉄3dと酸素2p軌道の強い混成であることを提案した。
水牧 仁一朗*; 吉井 賢資; 林 直顕*; 齊藤 高志*; 島川 祐一*; 高野 幹夫*
Journal of Applied Physics, 114(7), p.073901_1 - 073901_6, 2013/08
被引用回数:19 パーセンタイル:62.82(Physics, Applied)磁場誘起強磁性を示す新規ペロブスカイト鉄酸化物BaFeOの磁気熱量効果を調べた。この物質は、酸化物には珍しいFe
という高い価数の鉄イオンを含む。この系の基底状態は反強磁性であるが、0.3T以上の磁場により鉄スピンが強磁性転移を示す。キュリー温度は111Kである。磁気熱量効果測定から、磁化が温度及び磁場変化の両方において、ほぼ可逆的な変化をすることを見いだした。すなわちヒステリシスがないため、熱損失のない効率的な冷却が可能な物質である。放射光磁気円二色性測定から、この性質は、Fe
イオンが実際はFe
L(Lは酸素ホール)の状態となっており、この状態の磁気異方性が少ないことに起因する。冷却におけるエントロピー変化と冷却能力は、キュリー点近傍で5.8Jkg
K
及び172Jkg
と比較的大きかった。BaFeO
は希土類を含まず、熱媒体となる水に耐性があることから、新しい磁気熱量物質として提案できる。
Long, Y.-W.*; 川上 隆輝*; Chen, W.-T.*; 齊藤 高志*; 綿貫 徹; 中倉 勇太*; Liu, Q.-Q.*; Jin, C.-Q.*; 島川 祐一*
Chemistry of Materials, 24(11), p.2235 - 2239, 2012/06
被引用回数:35 パーセンタイル:70.12(Chemistry, Physical)Aサイト秩序ダブルペロブスカイト型酸化物のLaCuFe
O
は、昇温によって大きく体積が減少する1次相転移が生じ、それがCuとFeイオン間の電荷移動によって引き起こされていることが知られている。本研究では室温で加圧することによっても同様の相転移が起こることを明らかにした。加えて、高圧相の方が体積弾性率が低くなるという通常ではみられない性質を示すことも明らかとなった。
東 正樹*; Chen, W.*; 関 隼人*; Czapski, M.*; Olga, S.*; 岡 研吾*; 水牧 仁一朗*; 綿貫 徹; 石松 直樹*; 河村 直己*; et al.
Nature Communications (Internet), 2, p.347_1 - 347_5, 2011/06
被引用回数:338 パーセンタイル:99.04(Multidisciplinary Sciences)ペロブスカイト化合物BiLa
NiO
が、室温から120度の温度域で、温度上昇1度あたり100万分の82(-82
10
/度)という、マンガン窒化物を基本とする既存材料の3倍以上の負の線熱膨張係数を持つことを発見した。母物質のニッケル酸ビスマス(BiNiO
)は、ビスマス(Bi)の半分が3価、残りの半分が5価という、特異な酸化状態を持っている。この物質を加圧すると、ニッケル(Ni)の電子が一つ5価のビスマスに移り、ニッケルの価数が2価から3価に変化し、酸素をより強く引きつけるようになることがわかった。この際、ペロブスカイト構造の骨格をつくるニッケル-酸素の結合が縮むため、圧力の効果以上の体積収縮が起こる。さらに、ビスマスを一部ランタン(La)で置換すると、Bi
が不安定になり、昇温によって同様の変化を起こせることもわかった。この際にも、ニッケル-酸素結合の収縮に伴って、120度の温度範囲に渡り、約3%の体積収縮が起こる。この変化は徐々に起こるので、広い温度範囲に渡って連続的に長さが収縮する、負の熱膨張につながっている。
遠山 武則*; 斎藤 高志*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 島川 祐一*
Inorganic Chemistry, 49(5), p.2492 - 2495, 2010/01
被引用回数:25 パーセンタイル:71.75(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Aサイト秩序型ペロブスカイトYMnAl
O
が高圧で合成できた。この試料を放射光X線回折と放射光X線吸収分光を用いて評価した。A'サイトとMnサイトにはMn-Mnの交換相互作用に誘起される反強磁性相互作用があることがわかった。
Long, Y.*; 斎藤 高志*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 島川 祐一*
Journal of the American Chemical Society, 131(44), p.16244 - 16247, 2009/10
被引用回数:55 パーセンタイル:78.33(Chemistry, Multidisciplinary)近年、Aサイト秩序型ペロブスカイト酸化物AA'3B412で興味深い物性が数多く発見されている。これらは半導体的であり、反強磁性的な振る舞いを示す。AサイトにMnが入ったLaMnCy
O
, LaMn
Ti
O
が平面四配位構造を持ちながらMnの価数が+3から+1.67をとることがわかったので報告する。
Smirnova, O.*; 東 正樹*; 熊田 伸弘*; 草野 圭弘*; 松田 雅昌; 島川 祐一*; 武井 貴弘*; 米崎 功記*; 木野村 暢一*
Journal of the American Chemical Society, 131(23), p.8313 - 8317, 2009/05
被引用回数:120 パーセンタイル:91.74(Chemistry, Multidisciplinary)水熱合成によって得られたBiMn
O
(NO
)の中性子回折とFT-IR解析を行い、平坦なNO
層と二枚のPbSb
O
的ブロック層が交互に積層した新しい構造を有することを明らかにした。Mn
(
=3/2)は規則的なハニカム格子を構成し、帯磁率は2次元磁性を示す。また、ワイス温度が
257Kと高いにもかかわらず、磁気長距離秩序が0.4Kまで観測されなかった。これは、最近接と次近接相互作用の間の競合に起因する磁気フラストレーションによるものであると考えられる。
野尻 直喜; 半田 雄一*; 島川 聡司; 後藤 実; 金子 義彦*
日本原子力学会和文論文誌, 5(3), p.241 - 250, 2006/09
HTTRの環状炉心実験から過剰反応度の実験値と解析値のずれは最大で3%Dk/kに達することが明らかになった。このずれを改良するためにHTTR環状炉心のパラメータ解析を行った。炉心解析にはSRACコードシステムを用いた。解析の結果として、環状炉心の過剰反応度に以下のものが影響を与えることが明らかになった。(1)炉心拡散計算のメッシュ間隔,(2)燃料格子計算の黒鉛領域のメッシュ構造,(3)ブノアの非等方拡散係数。以前報告された有意に大きいずれは、改良した環状炉心モデルにより約1%Dk/kに減少した。
Belik, A. A.*; 飯久保 智; 樹神 克明; 井川 直樹; 社本 真一; 新高 誠司*; 東 正樹*; 島川 祐一*; 高野 幹夫*; 泉 富士夫*; et al.
Chemistry of Materials, 18(3), p.798 - 803, 2006/02
被引用回数:272 パーセンタイル:98.64(Chemistry, Physical)BiCoOの結晶構造と磁気構造を、T=5
520Kで測定した粉末中性子回折データのリートベルト解析によって決定した。BiCoO
は測定したすべての温度範囲で、BaTiO
, PbTiO
と同形の結晶構造である。BiCoO
は絶縁体で、ネール温度470Kである。この反強磁性秩序に対して、伝播ベクトルk=(1/2, 1/2, 0)のモデルを提案した。このモデルではCo
イオンの磁気モーメントが、c軸方向には平行に、ab面内には反強磁性的に整列している。つまり反強磁性秩序したab面がc軸方向に強磁性的に積み重なり、C型の反強磁性磁気構造を形成している。精密化された磁気モーメントの値は5Kで3.24
, 300Kで2.92
である。またBiCoO
の化学量論比からのずれがないことが確認された。BiCoO
は大気中、720K以上ではCo
O
とBi
CoO
に分解する。
水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 齊藤 高志*; 東 正樹*; 島川 祐一*; 高野 幹夫*; 魚住 孝幸*
no journal, ,
希土類Niペロブスカイト酸化物(RNiO)は温度により金属絶縁体(MI)転移を示す。本研究ではこの機構を明らかにするためにR=PrのRNiO
を対象とし、Ni-L吸収端において共鳴X線発光分光測定(RXES)及びX線吸収測定(XAS)を行った。その結果はMI転移機構には、Ni-3d電子状態が強くかかわっていることを示唆している。
齊藤 高志*; Lon, Y.*; 水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 島川 祐一*
no journal, ,
近年、Aサイト秩序型ペロブスカイト酸化物AA'3BO
において興味深い物性が数多く発見されている。今回は、A'サイトにMnを持つ化合物LaMn
B
O
(B=V,Cr,Ti)について、その物性を報告する。これらはいずれも半導体的であり、反強磁性的な振る舞いを示す。また平面四配位構造を持つMnイオンの価数に関する軟X線吸収分光の結果も併せて報告する。
水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 魚住 孝幸*; 井上 暁*; 河合 正徳*; 市川 能也*; 島川 祐一*
no journal, ,
本研究では無限層鉄酸化物SrFeOのFeの3d電子構造と結晶構造の異方性の相関を明らかにするために、SrFeO
単結晶薄膜を用いて、Fe-L, O-K吸収端においてX線吸収測定(XAS)及びX線発光分光(XES)測定を行った。XAS及びXES両スペクトルに明瞭な偏光及び配置依存性が見られた。これは、Fe-3d電子構造の異方性を示している。
水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 魚住 孝幸*; 市川 能也*; 島川 祐一*
no journal, ,
無限層構造鉄酸化物SrFeO結晶構造は2次元性が強い。またFeは2価をとり、局所的な対称性はD4hである。われわれは異方的な結晶構造を反映したFeの3d電子構造の異方性を明らかにするために、Fe-L、O-K吸収端においてX線吸収測定及びX線発光分光測定を行い、Fe-3dとO-2pの混成による電子構造の異方性を見いだしたので報告する。
水牧 仁一朗*; 吉井 賢資; 林 直顕*; 齊藤 高志*; 島川 祐一*; 竹内 弥生*; 高野 幹夫*
no journal, ,
BaFeOは六方晶ペロブスカイト構造を持ち、含まれる鉄イオンは4+の高酸化数を持つ。この系は高温高圧下で合成され、ネール温度が160K近傍の反強磁性体とされてきた。ところが最近、低温酸化法を用いるとBaFeO
が正方晶となり、酸化物には珍しい強磁性体となることが発見された。本研究では、この物質の詳細な磁気特性の解明と応用面での可能性も検討するため、本系の磁気熱量効果と放射光を用いた電子状態測定の結果を報告する。