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渡辺 智; 石岡 典子; 関根 勉*; 工藤 博司*; 下村 晴彦*; 村松 久和*; 久米 民和
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 266(3), p.499 - 502, 2005/11
被引用回数:9 パーセンタイル:53.19(Chemistry, Analytical)Xe内包フラレノール[Xe@C(OH)及びXe@C(OH)]を骨がんの治療薬へ応用することを目指し、Xe内包フラレノールを高収率で合成できる方法を開発した。同位体分離器を用いたイオン注入法で作製したXe内包フラーレンをオルト-ジクロロベンゼンに溶解し、水酸化テトラブチルアンモニウムと水酸化カリウム水溶液を加えてXe内包フラレノールを合成した。最終的に純水で抽出したXe内包フラレノールの回収率は、Cで40%、Cで23%であった。合成したXe内包フラレノールの生理食塩水中での安定性を調べた結果、5日間経過しても安定であることを確認し、医学への応用が可能であることを示した。
渡辺 智; 石岡 典子; 下村 晴彦*; 村松 久和*; 久米 民和
JAERI-Review 2003-033, TIARA Annual Report 2002, p.262 - 263, 2003/11
骨がんの治療薬として可能性を持つXe内包フラロールの医学応用を目的とし、OH基の付加反応を用いるXe内包フラロールの製造法を開発した。Xe内包フラーレンを含んだオルト-ジクロロベンゼン溶液に触媒である水酸化テトラブチルアンモニウムを加え、OH基の元になる水酸化カリウム溶液と攪拌して付加反応をさせ、Xe内包フラロールを製造した。フラロールの生成は、赤外分光分析により1050cmにC-Oの吸収が存在することから確認した。Xe内包フラロールの生成は、HPLCで分析し、生成したフラロールにXeが内包していることを確認した。これらのことから、Xe内包フラロールの製造に本法は有効であることが明らかとなった。
渡辺 智; 石岡 典子; 下村 晴彦*; 村松 久和*; 関根 俊明
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.399 - 402, 2003/05
被引用回数:8 パーセンタイル:50.24(Instruments & Instrumentation)イオン注入によるXe内包フラーレンの生成の最適条件を調べることを目的とし、Xe内包フラーレンの生成率のイオン注入量及び注入エネルギー依存性について調べた。Ni基盤上に蒸着したフラーレンをターゲットとし、同位体分離器によりXeを30,34及び38keVでイオン注入した。Xeのイオン注入量は110~110個/cmとした。照射後のターゲットをオルト・ジクロロベンゼンに溶解した後、HPLC分析によりXe内包フラーレンの生成率を求めた。この生成率は、イオン注入量及び注入エネルギーの増加とともに減少することがわかった。これは、一度生成したXe内包フラーレンが、後から注入されるXeイオンによって壊されて無定形炭素化するためと結論付けた。
渡辺 智; 石岡 典子; 関根 俊明; 長 明彦; 小泉 光生; 下村 晴彦*; 吉川 広輔*; 村松 久和*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(3), p.495 - 498, 2003/03
被引用回数:11 パーセンタイル:59.38(Chemistry, Analytical)イオン注入法による放射性原子内包フラーレンの生成の可能性を調べることを目的として、内包原子としてXeを用い、イオン注入法によるXe内包フラーレンの生成を行った。Ni基盤上に蒸着したCまたはCをターゲットとし、同位体分離器によりXeを40keVでイオン注入した。照射後のターゲットをo-ジクロロベンゼンに溶解した後、HPLCカラムに通し、溶出液中のCまたはCをUV検出器で、Xeの放射能をGe検出器でそれぞれ測定した。得られた溶離曲線に、XeとCまたはCとのピークの強い相関が見られたことから、Xe内包フラーレンが生成していると結論付けた。また、Xeピークにテーリングが見られた。このテーリングは、空のフラーレンからのXe内包フラーレンの単離の可能性を示した。