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論文

Recent results of beam loss mitigation and extremely low beam loss operation of J-PARC RCS

Saha, P. K.; 岡部 晃大; 仲野谷 孝充; 菖蒲田 義博; 原田 寛之; 田村 文彦; 沖田 英史; 吉本 政弘; 發知 英明*

Journal of Physics; Conference Series, 2420, p.012040_1 - 012040_7, 2023/01

To reduce high residual radiation at the RCS injection are caused by the foil scattering uncontrolled beam loss during injection period, a smaller size foil by minimizing the injection beam size has been successfully implemented at 700 kW operation. The new scheme also gives a significant beam loss mitigation at the collimator and 1st arc sections by reducing the beam halos. A beam loss mitigation of 30% has been achieved at the injection and 1st arc sections, while it is more than 50% at the collimator section. The residual radiation at 700 kW operation was thus measured to be significantly reduced, which at the injection and 1st arc sections are especially important due frequent access to these areas for regular maintenance works. The new scheme has also been successfully in service for 800 KW operation at present. It gives a very stable operation of the RCS and will also be tested for 1 MW operation in June 2022.

論文

有限な厚みをもつ2次元抵抗性壁面インピーダンス; その数学的構造と物理的意味

菖蒲田 義博

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.28 - 32, 2023/01

有限の厚みを持つ円筒形チャンバーの2次元抵抗性壁面インピーダンスは、スキンデプスがチャンバーの厚みより大きいとき、周波数に比例して減少する。一般に、この現象はビーム由来の電磁場がこの周波数領域でチャンバーから漏れ出すためと解釈されている。しかし、従来の式を援用する限り、抵抗性壁面インピーダンス、ビーム固有の空間電荷インピーダンス、チャンバーからの漏れ磁場の関係は明らかではない。本研究では、抵抗性チャンバーの外側に真空層を介して意図的に完全導体のチャンバーを導入するモデルを考えることで、ビームと抵抗性チャンバーの相互作用をより包括的に扱える物理イメージを提供した。抵抗性インピーダンスは、加速器のビーム不安定性源としてしばしば問題になるが、本研究により抵抗性インピーダンスとビームの空間電荷効果との関係があきらかになり、適切なシミュレーション法も明確になった。

論文

J-PARC MRにおけるイントラバンチ・フィードバックのシステム更新のための評価

吉村 宣倖*; 外山 毅*; 小林 愛音*; 中村 剛*; 岡田 雅之*; 菖蒲田 義博; 中家 剛*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.936 - 941, 2023/01

大強度陽子シンクロトロンJ-PARC Main Ring (MR)は現在の510kW ($$2.63times 10^{14}$$ ppp, MRサイクル2.48秒)から1.3MW ($$3.14times 10^{14}$$ ppp, 1.16秒)へと大強度化する予定である。大強度のビームは、それが引き起こすウェイク場や電子雲などによりビームの振動が不安定になるために、ビーム損失が発生する。これを抑制するためにビーム位置モニター(BPM), FPGA, ストリップラインキッカーを用いたintra-bunch feedback system (IBFB)がMRに設置されている。ビーム強度が増強されると横方向不安定性がさらに増大してビームを実験施設に安定供給する制限要因となることが予想される。現在、対策として今後1,2年でIBFBを新システムに更新して200MHzの高周波の振動にも対応させることが計画されている。今回、この事前調査として(100MHzまでの振動に対応した)現行システムのIBFBの性能限界を6月に行われたビーム試験でのデータをもとに評価した。

論文

J-PARC MR Eddy-current type septum magnet用ビーム結合インピーダンス対策の評価の進捗

小林 愛音*; 外山 毅*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博; 石井 恒次*; 冨澤 正人*; 竹内 保直*; 佐藤 洋一*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.19 - 23, 2023/01

J-PARCのメインリングでは、デバンチ工程でビームの縦方向の不安定性による密度変調が発生する。これは電子雲の発生につながり、これが横方向のビーム不安定性を引き起こす。この原因として特に、数百MHzに及ぶ縦方向のインピーダンスが関係しているとされ、個々の装置の低インピーダンス化対策が進められている。今年新たに設置された渦電流式セプタムマグネットは、シミュレーションの結果、インピーダンスが大きいことが判明した。現在、テーパーを設置する空間的余裕がない場所にも適用できるよう、SiCを搭載したフランジによるインピーダンスの低減を検討している。本報告では、まず実機で使用するSiCの特性の測定結果を示す。その後、その結果を入力にしたインピーダンスのシミュレーション結果とワイヤー法による測定結果を比較する。最後に、インピーダンスの測定結果を入力にしてビームへの影響について評価する。

論文

Design and actual performance of J-PARC 3 GeV rapid cycling synchrotron for high-intensity operation

山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:68.2(Nuclear Science & Technology)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。

論文

Measurements of radiation fields from a ceramic break

菖蒲田 義博; 外山 毅*; 吉本 政弘; 畠山 衆一郎

Proceedings of 13th International Particle Accelerator Conference (IPAC 22) (Internet), p.1663 - 1666, 2022/07

シンクロトロンでは、様々な目的でセラミックブレークが使用されている。例えば、J-PARCの3GeVシンクロトロンでは、入射ラインのマルチワイヤープロファイルモニター(MWPM)の間に挿入し、ビームに伴う壁電流がMWPMに影響するのを完全に防いでいる。一方、ビームインピーダンスやセラミックブレークからの放射場を抑制する観点からは、セラミックブレークの内面を窒化チタンでコーティングしたり、コンデンサで覆ったりすることが望ましいと考えられる。本報告では、コンデンサの有無によるセラミックブレークからの放射場とビームプロファイルを測定し、セラミックブレークが測定に与える影響について検討した。

論文

Impedance reduction by a SiC-loaded flange and its application to the J-PARC main ring septum magnet

小林 愛音*; 外山 毅*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博; 石井 恒次*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1031, p.166515_1 - 166515_12, 2022/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

現在、大強度陽子加速器施設(J-PARC)のメインリングでは、ビームパワーの増強が進められている。大強度ビーム実現のためには、ビームパワーを制限するビーム不安定性の低減と、その発生源であるビーム結合インピーダンスの低減が不可欠である。3次元シミュレーションコード(CST studio suite)によれば、現在のセプタム電磁石は大きなインピーダンスになる。今回、このセプタム電磁石は、より高い繰り返し回数に対応するため新型の電磁石に置き換える予定なので、これにあわせてインピーダンスの低減法を考案した。一般的に、テーパー管を使うことでインピーダンスは低減されることが知られているが、実際に設置するには空間的に非常に強い制限をうける。そこで、セプタム電磁石のフランジに銅板とSiCを取り付けることで、簡単にしかも効果的にインピーダンスを低減できる手法を考案した。これにより、新型セプタム電磁石の縦方向インピーダンスは対策をしない場合と比べて1%に減少し、ビーム安定条件が大きく改善した。この方法は、フランジに省スペースで設置できるため、本来の電磁石の発生磁場に影響を与えることなく、インピーダンスを低減できる。また、ビームパイプの形状に関係なく幅広く適応できる。

論文

Two-dimensional resistive-wall impedance with finite thickness; Its mathematical structures and their physical meanings

菖蒲田 義博

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2022(5), p.053G01_1 - 053G01_44, 2022/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)

相対論的ビームが、抵抗性のチャンバーを通過する場合を考える。この時、ビームは抵抗性インピーダンスをチャンバーに誘起するが、スキンデプスがチャンバー厚より大きい場合、インピーダンスは周波数に比例して減少する。この現象は一般に電磁場がチャンバーから漏れていると解釈される。しかし、古典的な抵抗性インピーダンスの式では、スキンデプスがチャンバー厚を超えたときに壁電流が漏れ場に変換される様子を動的に表現できていないため、チャンバー上の壁電流とチャンバーからの漏れ場の関係が不明である。そこで、抵抗性インピーダンスを並列回路モデルで表現し直しなすことで、この現象に動的なイメージを提供している教科書もあるが、この式にはいくつかの欠点がある。本研究では、基礎的な立場からそれらの式を見直し、相対論的ビームに対する抵抗性インピーダンスについて、より適切で厳密な物理描像を与えることを試みた。加えて、非相対論的ビームに対する縦方向インピーダンスと横方向抵抗インピーダンスについても見直しをおこなった。

論文

TiN付きセラミックブレイクを利用した壁電流モニター

菖蒲田 義博; 外山 毅*

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.75 - 79, 2021/10

金属製のチャンバーに挟まれた短いセラミックのリングを「セラミックブレイク」と呼ぶ。陽子シンクロトロンの偏向電磁石付近では、外部磁場によってチャンバーに生じる渦電流の影響を緩和するためセラミックブレイクを挿入する。また、陽子ビームの一部がチャンバー表面に衝突することで生じる電子の二次放出を抑制するため、このセラミックの内面は、薄いTiNを施されることもある。陽子シンクロトロンで大強度ビームを実現するために、このようなセラミックブレイクが作るビームのインピーダンスは精力的に研究されてきた。現在、このインピーダンスは、TiNの抵抗、放射損失項、およびセラミックが作る容量項の並列回路で近似できることが分かっている。この時、TiNの厚さが薄くなるとインピーダンスが高くなる。それは、スキンデプスがTiNの厚さより大きくても、壁電流は主にTiNを流れ続けるからである。これは、セラミックブレイクのインピーダンスが、広帯域で周波数に大きく依存しないことを意味している。したがって、薄いTiNを施したセラミックブレイクを使うと縦方向のビーム形状をモニターすることができる。本報告では、主に理論と測定の観点から上記の原理の実証試験結果を説明する。

論文

J-PARC MRのFXセプタムとFXキッカーのインピーダンスの評価と対策

小林 愛音*; 外山 毅*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博; 石井 恒次*

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.287 - 291, 2021/10

加速器を構成する要素のビーム結合インピーダンスの影響の見積もりと対策は、それにより引き起こされるビームの集団効果を抑制し、ビーム強度を上げるために不可欠である。J-PARC main ring (MR)は現在の最高強度515kW ($$2.8 times 10^{14}$$ ppp, MR cycle 2.48 sec)から750kW ($$2.03 times 10^{14}$$ ppp, 1.3sec)、さらには1.3MW ($$3.33 times 10^{14}$$ ppp, 1.16 sec)と大強度化する計画であり、不安定性をはじめとした集団効果によるビームロスの低減は必須である。大きなインピーダンスを持つと考えられている個々の装置のうち、FXセプタムとFXキッカーをCSTシミュレーションでモデル化し、縦および横方向のインピーダンスの見積もりを行った。特に大きな値となったインピーダンスについては、それが発生するウェイク場を減衰させる方法を検討した。FXセプタムについては、SiCをウェーク場の減衰器として追加することでインピーダンス低減を目指すように設計し、かつ発生する熱等が実用的かどうか調べ、製作を行なっている。インピーダンスの実測定は夏から秋に行う予定である。ここではシミュレーション過程およびインピーダンスのビームへの影響の見積りを報告する。

論文

伸長ワイヤー法による縦方向結合インピーダンス測定値の因果律による吟味

外山 毅*; 小林 愛音*; 菖蒲田 義博

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.666 - 669, 2021/10

J-PARC MRにおいて、遅い取出しモードのフラットトップでデバンチ時にマイクロバンチ構造が発生し問題となっている。一方、速い取出しモードのフラットトップで縦方向位相空間でのバンチ操作・整形によりピーク電流を低減する方法が議論されている。ここでもマイクロバンチ構造発生の可能性が問題となってくる。これらのマイクロバンチ構造(マイクロウェーブ・インスタビリティ)発生の原因を明らかにして、対策を講じるための第一歩として、J-PARC MRのビーム結合インピーダンスを評価している。本報告では、その中で、J-PARC MRの主要な機器(キッカー,セプタム,RF空洞)に関するビーム結合インピーダンスの伸長ワイヤー法による測定結果を示す。特に、取得した縦方向インピーダンスの実部と虚部のヒルベルト変換(因果律)の確認によるデータの信頼性評価について述べる。

論文

A Possible modification of ceramic chambers in the injection area at the RCS in J-PARC

菖蒲田 義博; 神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 柳橋 享*; 古徳 博文*

Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.3205 - 3208, 2021/08

J-PARCのRCSの入射部では、セラミックチェンバー上のコンデンサー付きの銅ストライプ(RFシールド)と外部磁場の相互作用により、チェンバー内の磁場が変調する。したがって、この磁場の変調とビームの振動が共鳴を起こすとビームロスが発生する。今回、この磁場の変調を抑制する一つの案として、銅のストライプがチャンバーを螺旋状に覆っている場合について考えた。そして、試験的なチェンバーをベークライトで製作し、コンデンサーにかかる電圧を測定することで、間接的に磁場の変調の様子を数値的,実験的に調べた。一方で、このようなチェンバーが作るビームのインピーダンスへの影響についても、数値的実験的に調査した。結果、螺旋状の銅ストライプは低周波側でインピーダンスの虚部を増大させるが、RCSのビームの不安定化の主原因となっているキッカーインピーダンスに比べれば、小さくできることを明らかにした。

論文

1.2-MW-equivalent high-intensity beam tests in J-PARC RCS

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011018_1 - 011018_6, 2021/03

J-PARC RCSは、2019年7月に、1MWの連続(10.5時間)運転に成功したところである。高出力かつ安定な利用運転を実現するためには、1.2$$sim$$1.5MW相当の更に高いビーム強度でのビームの振る舞いを精査することが必要になるため、RCSでは、2018年の10月と12月に1.2MW相当の大強度試験を実施した。当初は、1$$%$$程度の有意なビーム損失が出現したが、チューンや横方向ペイント範囲を最適化することで、そのビーム損失を10$$^{-3}$$レベルにまで低減することに成功した。また、数値シミュレーションでその実験結果を精度良く再現することにも成功している。本発表では、実験結果と計算結果の詳細比較からビーム損失の発生や低減のメカニズムを議論する。また、近い将来実施予定の1.5MW相当の大強度ビーム加速の実現に向けた取り組みも紹介する。

論文

Titanium nitride-coated ceramic break for wall current monitors with an improved broadband frequency response

菖蒲田 義博; 外山 毅*

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(9), p.092801_1 - 092801_18, 2020/09

AA2020-0422.pdf:1.49MB

 被引用回数:1 パーセンタイル:18.07(Physics, Nuclear)

加速器では渦電流を抑制するためセラミックブレイクと呼ばれる絶縁体のリングを挿入する。セラミックブレイクにはセラミック単体のものと内側をTiNで15nm程度コーティングしたタイプのものがあるが、ビームに付随する壁電流がセラミックブレイクを通過する時、壁電流がどのように放射場や変位電流を誘起するかは自明ではない。われわれは、壁電流はビームのエネルギーロスが最小化するようにその形態を変異していくことを理論的に解明してきた。そして、TiNが15nmと極めて薄く、スキンデプスがTiNの厚みを超えるような場合、壁電流はDC電流としてTiNを流れ続けることを明らかにした。これは、TiNが15nmと極めて薄い場合、ビームの壁電流が広帯域に渡り周波数依存性をもたなくなることを意味する。この性質を利用すると壁電流を測定するだけで、ビームの形状を直接測定できるようになる。加速器でよく使われるストリップライン電極を用いた測定では、その低周波での特性からビームの微分波形が誘起されるので、セラミックブレイクを使った結果は従来とは著しく異なる。本論文では、このようなモニターが動作する理論的裏づけと測定による実証を行なった。

論文

J-PARC MRにおける横方向ビーム不安定性の抵抗性壁効果の影響の調査

小林 愛音*; 外山 毅*; 菖蒲田 義博; 中村 剛*; 佐藤 洋一*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.684 - 688, 2020/09

J-PARC main ring (MR)速い取り出し運転において、ベータトロンチューンシフトやビーム不安定性を発生させるなど、横方向インピーダンスはビームに強い影響を与える。その見積もりと対策はビーム強度を現在の$$3.3times 10^{13}$$ ppb$$ times$$ $$ 8$$バンチから$$4.4 times 10^{13} $$ppb $$times$$ $$ 8$$バンチとする大強度運転に向けて不可欠である。この研究ではインピーダンス源の特定のための調査を行なった。MRの横方向の主要インピーダンス源は抵抗性壁効果と考えられているが、水平方向には他にキッカー等のインピーダンスがあるため、ここでは他のインピーダンスの寄与が小さいと考えられる垂直方向についてビーム試験を行なった。試験ではマルチバンチビーム不安定性の成長率を、チューンを変えることによりインピーダンスが応答する周波数を変えて測定し、それを抵抗性壁効果の模型と比較することによりインピーダンスを同定することとした。シングルバンチ不安定性の寄与は、バンチ数を変えてバンチ電流を増減させ、かつバンチ内振動の測定を行い確認した。ここでは解析手法やシミュレーションとの比較についても報告する。

論文

長距離ウェーク場を含む不均等蓄積したビームの集団不安定性のIIRフィルターを用いた解析

外山 毅*; 小林 愛音*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.689 - 692, 2020/09

J-PARCの様な大強度ビーム加速器では、ビームが発するウェーク場がビームに働き不安定な運動を引き起こす。これがビーム損失の原因の1つとなり、ビーム強度の増強に制限を与える。不安定性の理論的計算のほとんどは、リングに対称に蓄積されたバンチを対象にしているが、J-PARC MRでは9個のRFバケツに対して8個のバンチが不均一に蓄積され、解析が難しくなっている。シミュレーションにおいても、壁抵抗によるウェーク場は長距離で生き残るので計算が簡単ではない。例えば、J-PARC MRでは、壁抵抗のウェーク場は減衰時間1ms(200ターン)程度と積もられている。この様なウェーク場に対して、ビーム振動からキックへの伝達関数をIIR(infinite impulse response)フィルターで近似すると、数ターン前までの履歴情報のみで計算可能となる。それは、壁抵抗ウェーク場が、$$exp(-alpha s)$$の形の重ね合わせで表現でき、線形系を記述するIIR filterで表すことができるためである。この方法は、一般の線形系のウェーク場に適用可能である。ここでは、Rigid bunchモデルの場合の計算法を報告する。

論文

J-PARC 3-GeV RCS; 1-MW beam operation and beyond

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; et al.

Journal of Instrumentation (Internet), 15(7), p.P07022_1 - P07022_16, 2020/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:30.17(Instruments & Instrumentation)

RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化がビーム出力を制限する最大の要因となる。RCSでは、高精度の計算モデルを構築し、数値シミュレーションと実験を組み合わせたアプローチでビーム損失の低減に取り組んできた。数値シミュレーションと実験の一致は良好で、計算機上で再現したビーム損失を詳細に解析することで実際の加速器で起こっている現象を十分な確度で理解することが可能になっただけでなく、それを低減するためのビーム補正手法を確立するのに数値シミュレーションが重要な役割を果たした。ハードウェアの改良と共に、こうした一連のビーム力学的研究により、1MW設計運転時のビーム損失を10$$^{-3}$$レベルにまで低減することに成功している。本発表では、1MW調整時に直面したビーム損失について、発生メカニズムや解決手法をレビューすると共に、最近行った1.2MW試験の実験結果を報告する。また、最後に、数値シミュレーションを用いてRCSの限界ビーム強度を議論する。

論文

New design of vacuum chambers for radiation shield installation at beam injection area of J-PARC RCS

神谷 潤一郎; 古徳 博文; 菖蒲田 義博; 高柳 智弘; 山本 風海; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 三木 信晴*

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012172_1 - 012172_7, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における一つの課題はビーム入射部における高放射線レベルである。これはビームが荷電変換膜により散乱され、周辺機器が放射化されることが原因である。入射部での作業時の被ばくを低減するために放射線遮蔽体が必要であるが、現在の入射部では遮蔽体を設置する場所が非常に限られている。そのため、ビーム入射点のチタン製真空容器および周辺のシフトバンプ電磁石, セラミックス製ビームパイプを新しく設計し、有効な遮蔽体が設置できる空間を確保する検討を進めている。ビーム入射点の真空容器は断面を円型から矩形へ変更し、ビーム方向の長さを長くする設計とした。大気圧による真空容器の内部応力解析を行い、材料強度に対して十分に低い応力であることを明らかにした。セラミックスビームパイプは、抵抗を有したRFシールドを設置することでパルス磁場による誘起電圧をダンピングできる設計とした。これにより、新しい入射部の系では非対称となるバンプ電磁石による誘起電圧のビームへの悪影響を取り除くことができる。本報告では入射部遮蔽体設置に関わるこれらの真空機器の改造について発表する。

論文

Coupling impedance of the collimator without RF-Shields at the RCS in J-PARC

菖蒲田 義博; 岡部 晃大; 神谷 潤一郎; 守屋 克洋

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012113_1 - 012113_7, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.07

大強度を目指す加速器では、電子雲と電磁場によるビームの不安定化を防ぐことが重要である。そのため、加速器の真空容器の表面にある穴はすべてTiNの薄膜を付着させたRFシールドで塞ぐのが一般的である。TiNは電子雲を抑制するために、RFシールドは電磁場を抑えるため利用される。しかし、真空中でコリメータの穴をTiNの薄膜を付着させたRFシールドで塞ぐと、RFシールドそのものが機械的に壊れてしまうことがわかった。それは、真空中でTiNの摩擦係数が増大するためである。そこで、我々はコリメータの穴がビーム長に比べて十分短いことに注目し、RFシールドをコリメータから外すことにした。そして、シミュレーションによる計算とネットワークアナライザーによるS行列の測定で、新たに誘起される電磁場の影響を確かめることにした。結果、電磁場のビームに与える影響が無視できることがわかり、実際の運転でそれが可能であることが確認された。

論文

J-PARC RCSにおけるビーム力学的研究とビーム損失の低減

發知 英明; 原田 寛之; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 吉本 政弘

加速器, 16(2), p.109 - 118, 2019/07

RCSのようなMW級の大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化がビーム出力を制限する最大の要因となる。RCSでは、ビーム損失の原因となる様々な効果(空間電荷効果,非線形磁場,フォイル散乱等)を取り込んだ高精度の計算モデルを構築し、数値シミュレーションと実験を組み合わせたアプローチでビーム損失の低減に取り組んできた。計算と実験の一致は良好で、計算機上で、実際に発生したビーム損失を十分な精度で再現できたことは画期的なことと言える。数値シミュレーションで再現したビーム損失を詳細に解析することで、実際の加速器で起こっている現象を十分な確度で理解することが可能になっただけでなく、それを低減するためのビーム補正手法を確立するのに数値シミュレーションが重要な役割を果たした。ハードウェアの改良と共に、こうした一連のビーム力学的研究により、1MW設計運転時のビーム損失を10$$^{-3}$$という極限レベルにまで低減することに成功している。本稿では、ビーム増強過程で問題になったビーム損失について、その発生機構や解決方法を報告すると共に、その際に数値シミュレーションが果たした役割について具体例を挙げて紹介する。

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