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報告書

コールドクルーシブル誘導加熱法を用いた炉心酸化物溶融物中の成分偏析に関する研究(共同研究)

須藤 彩子; M$'e$sz$'a$ros, B.*; 佐藤 拓未; 永江 勇二

JAEA-Research 2023-007, 31 Pages, 2023/11

JAEA-Research-2023-007.pdf:3.61MB

東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所で形成された燃料デブリの臨界評価のためには、燃料デブリ中に含まれる成分の偏析傾向を把握することは非常に重要である。特に、燃料デブリ中で中性子吸収材としての役割を担うと考えられるFeおよびGdの分布状況は臨界性に大きな影響を与えると考えられる。本研究では炉心酸化物溶融物中の凝固過程におけるFeおよびGdの偏析傾向を解明するため、コールドクルーシブル誘導加熱法を用い炉心構成材料(UO$$_{2}$$、ZrO$$_{2}$$、FeO、Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$、模擬核分裂生成物(MoO$$_{3}$$、Nd$$_{2}$$O$$_{3}$$、SrO、RuO$$_{2}$$))、コンクリート主成分(SiO$$_{2}$$、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$、CaO)の溶融凝固試験を行った。本試験では、加熱中溶融試料を徐々に下部に引き抜くことによって、下部から上部に向かって凝固させることを実現した。元素分析の結果、Feは試験体中心付近で試験体下部の最大3.4倍濃縮することがわかった。FeOの初期組成、冷却速度、相分離の有無にかかわらず、すべての試験体でFeの試験体中心部付近への偏析が確認された。このことから、FeOは溶融物中で最終凝固領域に向けて偏析することが考えられる。一方、Gdは試験体中の試験体下部で試験体中心付近の最大2.6倍濃縮した。Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$は初期組成1at.%以上の場合、冷却速度、相分離の有無にかかわらず、すべての試験体で試験体下部への偏析が確認された。このことから、Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$は溶融物中に1at.%以上含まれる場合、初期に凝固する領域に偏析することが考えられる。一方、模擬核分裂生成物の顕著な偏析は確認されなかった。

論文

Direct ${it in-situ}$ temperature measurement for lamp-based heating device

墨田 岳大; 須藤 彩子; 高野 公秀; 池田 篤史

Science and Technology of Advanced Materials; Methods (Internet), 2(1), p.50 - 54, 2022/02

Despite a wide variety of its practical applications, handiness, and cost-effectiveness, the advance of lamp-based heating device is obstructed by one technical difficulty in measuring the temperature on a heated material. This difficulty originates in the combination of polychromatic light source and a radiation thermometer that determines temperature from radiation (i.e. light). A new system developed in this study overcomes this intrinsic difficulty by measuring exclusively the radiation from the heated material, allowing us to perform the direct and ${it in-situ}$ measurement of temperature in a light-based heating device (an arc image furnace). Test measurements demonstrated the reliability of temperature measurement using the developed system as well as its promising potential for the determination of emissivity at high temperature particularly in the infrared region.

論文

Experimental evaluation of Sr and Ba distribution in ex-vessel debris under a temperature gradient

須藤 彩子; 佐藤 拓未; 多木 寛; 高野 公秀

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.473 - 481, 2021/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:66.98(Nuclear Science & Technology)

ex-vessel debrisから冷却水へのSrおよびBa溶出挙動の把握は、福島第一原子力発電所における二次的ソースターム評価のため重要である。このメカニズムを理解するためには、ex-vessel debris中のSrおよびBaの分布状態に関する知見が必要となる。模擬コリウムとコンクリートの反応試験の結果、凝固したサンプル中に二層構造((A)上部表面領域のケイ酸ガラス相(((Si,Al,Ca,Fe,Zr,Cr,U,Sr,Ba)-O)リッチ層、(B)内部領域の(U,Zr)O$$_{2}$$相リッチ層)が観測された。SrおよびBaは(A)層に濃集した。((B)層の約1.7倍)熱力学解析により、(U,Zr)O$$_{2}$$相が、コンクリートを主成分とする液相中で2177$$^{circ}$$C付近で凝固することが予測された。その後、残りの液相がケイ酸ガラスとして凝固し、SrおよびBaはケイ酸ガラス相に優先的に溶け込むことがわかった。試験中、(U,Zr)O$$_{2}$$粒子はその高い密度により液相中で下方に沈み、ケイ酸ガラス相は表面層で凝固したことが考えられる。一方、SrおよびBaを含むケイ酸ガラスは水に溶けにくく、化学的に安定していることが予測される。

論文

Segregation behavior of Fe and Gd in molten corium during solidification progress

須藤 彩子; Meszaros, B.*; Poznyak, I.*; 佐藤 拓未; 永江 勇二; 倉田 正輝

Journal of Nuclear Materials, 533, p.152093_1 - 152093_8, 2020/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:46.37(Materials Science, Multidisciplinary)

For a criticality assessment of the fuel debris generated by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident, knowing the segregation of neutron absorber materials, ${it i.e.}$, Gd, B, and Fe, in the fuel debris is necessary. Although B may mostly evaporate during melting, Fe and Gd are expected to remain in the molten corium. To understand the redistribution behavior of Gd and Fe during the solidification of the molten corium, solidification experiments with simulated corium (containing UO$$_{2}$$, ZrO$$_{2}$$, FeO, and Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$ with a small amount of simulated fission products such as MoO$$_{3}$$, Nd$$_{2}$$O$$_{3}$$, SrO, and RuO$$_{2}$$) were performed using a cold crucible induction heating method. The simulated corium was slowly cooled from 2,500$$^{circ}$$C and solidified from the bottom to the top of the melt. An elemental analysis analysis of the solidified material showed that the Fe concentration in the inner region increased up to approximately 3.4 times that in the bottom region. This suggested that FeO might be concentrated in the residual melt and that, consequently, the concentration of Fe increased in the later solidification region. On the contrary, the Gd concentration in the periphery region was found to be approximately 2.0 times higher than that in the inner region, suggesting the segregation of Gd in the early solidified phase. No significant segregation was observed for the simulated fission products.

論文

ウラン-ジルコニウム-鉄の混合溶融酸化物の凝固時偏析に関する基礎検討

須藤 彩子; 水迫 文樹*; 星野 国義*; 佐藤 拓未; 永江 勇二; 倉田 正輝

日本原子力学会和文論文誌, 18(3), p.111 - 118, 2019/08

炉心溶融物の凝固過程での冷却速度の違いは燃料デブリ構成成分の偏析に大きく影響する。偏析傾向を把握するため、模擬コリウム(UO$$_{2}$$, ZrO$$_{2}$$, FeO, B$$_{4}$$C, FP酸化物)の溶融/凝固試験を行った。模擬コリウムはAr雰囲気化で2600$$^{circ}$$まで加熱し、2つの冷却速度での降温を行った。(炉冷(平均744$$^{circ}$$C/min)および徐冷(2600$$^{circ}$$C$$sim$$2300$$^{circ}$$C:5$$^{circ}$$C/min、2300$$^{circ}$$C$$sim$$1120$$^{circ}$$C:平均788$$^{circ}$$C/min)元素分析により、炉冷条件および徐冷条件両方の固化後の試料中に3つの異なる組成を持つ酸化物相および1つの金属相が確認された。炉冷条件、徐冷条件ともにこれら3つの酸化物相へのFeO固溶度はおおよそ12$$pm$$5at%であった。この結果はUO$$_{2}$$-ZrO$$_{2}$$-FeO状態図におおよそ一致している。一方、徐冷条件での試料中に、Zrリッチ相の大粒形化が確認された。この相の組成は液相の初期組成と一致しており、遅い凝固中で液滴の連結が起こり、凝集したと評価した。

論文

Fundamental experiments on phase stabilities of Fe-B-C ternary systems

須藤 彩子; 西 剛史; 白数 訓子; 高野 公秀; 倉田 正輝

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1308 - 1312, 2015/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:73.52(Nuclear Science & Technology)

BWRのシビアアクシデントでの制御棒ブレードの崩落進展理解のためには、燃料破損データベースを構築する必要がある。しかし制御棒の主成分であるFe-B-C系の相状態は、特にB, Cリッチな領域において未だ不確実な点が多い。本研究では制御棒ブレード崩落解析の基礎データとして、制御棒ブレードの溶融開始に影響すると考えられる共晶点付近の組成領域のFe-B-C合金3種を作製し、1073K, 1273Kの相状態解明のための試験を行った。XRD及びSEM-EDXの結果は、Fe$$_{0.68}$$B$$_{0.06}$$C$$_{0.26}$$の領域ではJAEA熱力学データベース(JAEA-DB)とは異なり、1273KでFe成分を多く含む相を持つことが明らかとなり、1273KでのCementite相の固溶範囲の再評価が必要であるとの知見を得た。また、溶融開始温度の測定結果から、熱力学解析では3種の合金の間で融解温度に約40Kの差が出ると予想されたが、本実験では、3種の合金すべてが約1400Kで溶融が開始したため、JAEA-DBではCementite相の生成自由エネルギーが過大評価されている可能性があることを明らかにした。

口頭

Fe-B-C合金の相状態に関する基礎試験

須藤 彩子; 白数 訓子; 西 剛史; 倉田 正輝

no journal, , 

BWRのシビアアクシデントでは初期に制御棒ブレードが崩落し、その後の燃料集合体の崩落進展に大きく影響する。本研究では制御棒ブレード崩落解析の基礎データとして、知見が十分に得られていない組成領域のFe-B-C合金3種を作製し、1073K, 1273Kの相状態の検討を行った。XRD及びSEM-EDXの結果から、Fe$$_{0.68}$$B$$_{0.06}$$C$$_{0.26}$$は1073K, 1273Kともにセメンタイト相(Fe$$_{3}$$(B,C))が主相であることがわかった。Fe$$_{0.68}$$B$$_{0.16}$$C$$_{0.16}$$は1073KでFe:B:C=89:5:6(at%)の組成比からなる化合物の単相、1273KではFe$$_{3}$$(B,C)が主相に変化した。Fe$$_{0.76}$$B$$_{0.06}$$C$$_{0.18}$$は1073KでFe$$_{23}$$(B,C)$$_{6}$$が主相であり、1273Kで主相がFe$$_{3}$$(B,C)に変化した。また、調製した全ての合金において融解温度は1400K付近であることを確認した。解析上では3種の合金の間で融解温度に約40Kの差が出ると予想されているが、本実験では、3種の合金すべてが1400K付近で溶解したため、融解温度近傍での熱力学データベース改良の指針を得ることができた。

口頭

Fe-B-C合金の相状態に関する基礎試験

須藤 彩子; 西 剛史; 白数 訓子; 倉田 正輝

no journal, , 

BWRのシビアアクシデントでは初期に制御棒ブレードが崩落するため、ブレードの溶融開始はその後の燃料集合体の崩落進展に大きく影響する考えられている。本研究では制御棒ブレード崩落解析の基礎データとして、制御棒ブレードの溶融開始に影響すると考えられる共晶点付近の組成領域のFe-B-C合金3種を作製し、1073K、1273Kの相状態解明のための試験を行った。XRD及びSEM-EDXの結果は、JAEA熱力学データベース(JAEA-DB)から解析したFe-B-C状態図の結果とおおよそ一致しているが、Fe$$_{0.68}$$B$$_{0.06}$$C$$_{0.26}$$の領域ではJAEA-DBとは異なり、1273KでFe成分を多く含む相を持つことが明らかとなり、1273KでのCementite相の固溶範囲の再評価が必要性であるとの知見を得た。また、溶融開始温度の測定結果から、熱力学解析では3種の合金の間で融解温度に約40Kの差が出ると予想されたが、本実験では、3種の合金すべてが1400K近傍で溶融が開始したため、JAEA-DBではCementite相の生成自由エネルギーが過大評価されている可能性があることを明らかにした。

口頭

Fundamental experiments on phase stabilities of Fe-B-C ternary systems

須藤 彩子; 西 剛史; 白数 訓子; 高野 公秀; 倉田 正輝

no journal, , 

BWRのシビアアクシデントでは初期に制御棒ブレードが崩落するため、ブレードの溶融開始はその後の燃料集合体の崩落進展に大きく影響すると考えられている。本研究では制御棒ブレード崩落解析の基礎データとして、制御棒ブレードの溶融開始に影響すると考えられる共晶点付近の組成領域のFe-B-C合金3種を作製し、1073K, 1273Kの相状態解明のための試験を行った。XRD及びSEM-EDXの結果は、JAEA熱力学データベース(JAEA-DB)から解析したFe-B-C状態図の結果とおおよそ一致しているが、Fe$$_{0.68}$$B$$_{0.06}$$C$$_{0.26}$$の領域ではJAEA-DBとは異なり、1273KでFe成分を多く含む相を持つことが明らかとなり、1273KでのCementite相の固溶範囲の再評価が必要であるとの知見を得た。また、溶融開始温度の測定結果から、熱力学解析では3種の合金の間で融解温度に約40Kの差が出ると予想されたが、本実験では、3種の合金すべてが約1400Kで溶融が開始したため、JAEA-DBではCementite相の生成自由エネルギーが過大評価されている可能性があることを明らかにした。

口頭

Oxidation behavior and some material properties of sintered (U,Zr)O$$_{2}$$ specimens

高野 公秀; 西 剛史; 須藤 彩子

no journal, , 

福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに向けた性状把握研究の一環として、デブリの主要成分である(U,Zr)O$$_{2}$$の焼結体試料(U含有率7種)を作製し、物性と高温酸化挙動のデータを取得した。投下熱量計により測定した比熱とレーザーフラッシュ法により測定した熱拡散率から、1073Kまでの熱伝導率の温度依存性と組成依存性を評価した他、室温でのマイクロビッカース硬度計による微小硬さと高抵抗率計による電気抵抗率を取得し、それぞれの組成依存性を整理した。一方、デブリ生成時の炉内酸素分圧による酸化挙動を評価するため、焼結体試料を3種の酸化条件下で等温保持し、生成相とO/(U+Zr)比を分析した。(U,Zr)O$$_{2+y}$$となる超化学量論組成領域では、U含有率が高い程O/(U+Zr)比は大きくなるが、固溶体中のO/U比は一定でU含有率及び結晶系に依存しないことを見いだした。一方、斜方晶のU$$_{3}$$O$$_{8}$$が生じるような高酸化条件下では、U$$_{3}$$O$$_{8}$$とZrO$$_{2}$$の固溶体の他に2種類の斜方晶(U含有率0.4及び0.15)が生成するすることを新たに見いだし、これら3相が安定に存在する条件を明らかにした。

口頭

模擬MCCI生成物の調製と性状評価,1; アーク溶解による溶融固化試料中の生成相と微小硬さ

高野 公秀; 小野澤 淳; 須藤 彩子

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故で生じた燃料デブリの取り出しに向けた性状把握研究の一環として、格納容器底部での炉心溶融物とコンクリートの反応(MCCI)を模擬した試料を調製し、生成する相とそれらの微小硬さを調べた。ステンレス鋼, 金属Zr, (U,Zr)O$$_{2}$$等の炉心溶融物構成成分とコンクリートの種々の組成の混合物を成型し、アルゴン雰囲気下でアーク溶解により溶融固化し、模擬MCCI生成物とした。生成する相は、還元剤として作用する金属Zrの初期含有率が大きく影響する点に着目し、セラミック相、コンクリート由来酸化物相、金属相に大別して生成相の傾向を整理した。マイクロビッカース硬度計による微小硬さの測定結果から、(U,Zr)O$$_{2}$$にコンクリート由来のCaOが固溶することで硬さが増すことを明らかにした。

口頭

模擬MCCI生成物の調製と性状評価,2; コンクリートとの界面付近の性状

須藤 彩子; 小野澤 淳; 高野 公秀

no journal, , 

MCCI生成物の性状評価のため、コンクリート上でステンレス鋼, ZrO$$_{2}$$, Zr, (U,Zr)O$$_{2}$$等の炉心材料を局所集光加熱により溶融させ、コンクリートとの界面付近での反応生成物と熱劣化の状態を調べた。コンクリート上で(U$$_{0.5}$$Zr$$_{0.5}$$)O$$_{2}$$粉末の成型体を加熱したところ、先ず成型体の溶融が始まり、次いで伝熱により溶融したコンクリートと液相で混ざり合った。固化後に縦方向に切断し、断面を金属顕微鏡及びSEM/EDXで観察したところ、成型体部分は概ね元の形状を保っているものの、溶融固化した(U,Zr)O$$_{2}$$粒子とケイ酸ガラスの2相から成っていることがわかった。前者にはCaO及び微量のFe及びMg酸化物が固溶していた。後者のガラス中には少量のZrとUが溶け込んでいた。一方、元の成型体の下端に相当する部分は、(U,Zr)O$$_{2}$$の破砕粉は溶融していないものの、UとZrを含有したケイ酸ガラスが上部から下部へと下がってきていることを確認した。なお、コンクリートの溶融界面より下は、セメント部分の脱水により非常に脆くなっていた。

口頭

炉心溶融物とコンクリートの界面での生成反応物

須藤 彩子

no journal, , 

MCCI生成物の性状評価のため、コンクリート上でステンレス鋼, ZrO$$_{2}$$, Zr, (U,Zr)O$$_{2}$$等の炉心材料を局所集光加熱により溶融させ、コンクリートとの界面付近での反応生成物と熱劣化の状態を調べた。コンクリート上で(U$$_{0.5}$$Zr$$_{0.5}$$)O$$_{2}$$粉末の成型体を加熱したところ、先ず成型体の溶融が始まり、次いで伝熱により溶融したコンクリートと液相で混ざり合った。固化後に縦方向に切断し、断面を金属顕微鏡及びSEM/EDXで観察したところ、成型体部分は概ね元の形状を保っているものの、溶融固化した(U,Zr)O$$_{2}$$粒子とケイ酸ガラスの2相から成っていることがわかった。前者にはCaO及び微量のFe及びMg酸化物が固溶していた。後者のガラス中には少量のZrとUが溶け込んでいた。一方、元の成型体の下端に相当する部分は、(U,Zr)O$$_{2}$$の破砕粉は溶融していないものの、UとZrを含有したケイ酸ガラスが上部から下部へと下がってきていることを確認した。なお、コンクリートの溶融界面より下は、セメント部分の脱水により非常に脆くなっていた。

口頭

温度勾配下での炉心材料/コンクリート系反応生成物

須藤 彩子

no journal, , 

MCCI生成物の性状評価のため、コンクリート上でステンレス鋼, Zr, (U,Zr)O$$_{2}$$等の炉心材料を局所集光加熱により溶融させ、コンクリートとの界面付近での反応生成物と熱劣化の状態を調べた。コンクリート上で(U$$_{0.5}$$Zr$$_{0.5}$$)O$$_{2}$$粉末の成型体を加熱したところ、先ず成型体の溶融が始まり、次いで伝熱により溶融したコンクリートと液相で混ざり合った。固化後に縦方向に切断し、断面を金属顕微鏡及びSEM/EDXで観察したところ、成型体部分は概ね元の形状を保っているものの、溶融固化した(U,Zr)O$$_{2}$$粒子とケイ酸ガラスの2相から成っていることがわかった。前者にはCaO及び微量のFe及びMg酸化物が固溶していた。後者のガラス中には少量のZrとUが溶け込んでいた。一方、元の成型体の下端に相当する部分は、(U,Zr)O$$_{2}$$の破砕粉は溶融していないものの、UとZrを含有したケイ酸ガラスが上部から下部へと下がってきていることを確認した。なお、コンクリートの溶融界面より下は、セメント部分の脱水により非常に脆くなっていた。

口頭

Reaction experiment on core melt concrete interface under temperature gradient

須藤 彩子; 小野澤 淳; 高野 公秀

no journal, , 

MCCI生成物の階層構造及びその到達温度の評価のため集光加熱試験をおこなった。(U$$_{0.5}$$Zr$$_{0.5}$$)O$$_{2}$$粉末(No.1)及び(U$$_{0.5}$$Zr$$_{0.5}$$)O$$_{2}$$/Zr/SS316L/B$$_{4}$$C(No.2)粉末をそれぞれ直径10mmのタブレット状に成型し、直径25mmの円柱状のコンクリート上に設置し、アルゴンガス雰囲気で集光加熱を行った。固化後に縦方向に切断し、断面を金属顕微鏡及びSEM/EDXで観察したところ、No.1試料においては成型体部分は概ね元の形状を保っているものの、成型体内部では反応し、溶融固化した(U,Zr)O$$_{2}$$粒子とケイ酸ガラスの2相から成っていることがわかった。前者にはCaO及び微量のFe及びMg酸化物が固溶していた。後者のガラス中には少量のZrとUが溶け込んでいた。一方、元の成型体の下端に相当する部分は、(U,Zr)O$$_{2}$$の破砕粉は溶融していないものの、UO$$_{2}$$とZrO$$_{2}$$を含有したケイ酸ガラスが侵入してきていることが確認できた。No.2試料においてはNo.1試料と同様の相に加えて、SS由来のFe-Cr系酸化物の析出が確認できた。

口頭

MCCI生成物中の海水塩・FP等の化学形

須藤 彩子

no journal, , 

平成27年度から進めているMCCI生成物の性状評価のため、主な炉心材料であるステンレス鋼、Zr、(U,Zr)O$$_{2}$$等に加え、より実際的な系として模擬FP、可燃性毒物、海水塩を加えた試料をコンクリート上で局所集光加熱により溶融させ、コンクリートとの界面付近での反応生成物と熱劣化の状態を調べた。コンクリート上でZrO$$_{2}$$/Zr/SUS316L/B$$_{4}$$C/GdO$$_{1.5}$$/PMG/海水塩粉末の成型体を加熱したところ、先ず成型体の溶融が始まり、次いで伝熱により溶融したコンクリートと液相で混ざり合った。固化後に縦方向に切断し、断面を金属顕微鏡及びSEM/EDXで観察したところ、成型体部分は概ね元の形状を保っているものの、溶融固化した(Zr,Gd,Fe,Ca)O$$_{2}$$粒子と炉心成分を含むケイ酸ガラスの2相から成っていることがわかった。一方、元の成型体の下端に相当する部分は、敷粉に使用したZrO$$_{2}$$の破砕粉は溶融していないものの、炉心成分を含有したケイ酸ガラスが上部から下部へと下がってきていることを確認した。また、合金粒子(30Fe-29Ru-21Ni-9Mo-5Pd-4Rh)の析出も確認できた。合金粒子表面に薄いCr-Fe-O被膜があり、さらに外側にはZr酸化物が伸びていることから、合金粒子内から一番酸化されやすいZrが先に酸化され失われ、次いで酸化されやすいCr, Feの順に合金粒子から流出した過程が推測できる。なお、コンクリートの溶融界面より下は、セメント部分の脱水により非常に脆くなっていた。

口頭

燃料デブリの性状把握(28'A),3; 二酸化物模擬デブリ相状態への少量固溶元素の影響

高野 公秀; 小野澤 淳; 須藤 彩子

no journal, , 

福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに向けた性状把握研究の一環として、酸化物デブリの主成分である(U,Zr)O$$_{2}$$に希土類(RE), Fe, Caの酸化物を少量固溶させた模擬デブリを作製し、相, 酸化状態, 微小硬さへの影響を調べた。Feが数mol%固溶することにより、Uリッチな立方晶とZrリッチな正方晶とがミクロンサイズで微細に入り混じった二相分離組織が生成する。Caの固溶は、亜化学量論組成領域において、Zrリッチな正方晶を立方晶に安定化し、組成の異なる二相の立方晶が生じる。GdやNd等の希土類元素の固溶は、U$$_{3}$$O$$_{8}$$とZrO$$_{2}$$の斜方晶の固溶体が生じるような酸化条件下でも、(U,Zr,RE)O$$_{2+x}$$で表される超化学量論組成の二酸化物が安定に存在する温度領域が低温側に広がることを明らかにした。また、不定比領域への酸化と上記元素の固溶は、いずれも微小硬さを増大させる方向に作用することがわかった。

口頭

燃料デブリの性状把握(28'A),4; 集光加熱による模擬MCCI試料中の生成相の評価

須藤 彩子; 高野 公秀; 小野澤 淳

no journal, , 

MCCI生成物の性状評価のため、炉心材料に、模擬FP, 可燃性毒物, 海水塩を加えた試料をコンクリート上で局所集光加熱により溶融させ、コンクリートとの界面付近での反応生成物と熱劣化の状態を調べた。コンクリート上に少量の海水塩を敷き、その上に(U$$_{0.5}$$,Zr$$_{0.5}$$)O$$_{2}$$/Zr/SUS316L/B$$_{4}$$C/GdO$$_{1.5}$$/PGMの成型体を設置し加熱したところ、先ず成型体の溶融が始まり、次いで伝熱により溶融したコンクリートと液相で混ざり合った。固化後に縦方向に切断し、断面を金属顕微鏡及びSEM/EDXで観察したところ、完全に溶融した上層部分では、ケイ酸ガラス中に(U,Zr)O$$_{2}$$がデンドライト状に固化した組織が観察され、(U,Zr)O$$_{2}$$には希土類(Gd)及びコンクリート由来のCaが固溶するほか、微量のFe, Cr, Mg, Alが固溶していた。一方ケイ酸ガラス中には炉心成分のU, Zr, Gd, Fe, Cr等が溶解していた。さらに、酸化せずに残存した粒子状金属の析出も確認できた。この粒子はFe-Ni-Mo-Ru-Rh-Pd系合金が2$$sim$$3相できており、SUS由来のCrが全量酸化するような酸化条件化でも、Moと白金族元素はFe, Niとの合金として比較的安定に残存していることがわかった。海水塩成分は、大部分は蒸発してベルジャー内面に付着したが、合金粒内にFeS型の硫化物生成が確認された。

口頭

Characterization of core melt concrete interface region examined by light concentrating heating technique

須藤 彩子; 高野 公秀; 小野澤 淳

no journal, , 

MCCI生成物の性状評価のため、ZrO$$_{2}$$, Zr, (U,Zr)O$$_{2}$$, ステンレス(SS), B$$_{4}$$C等の炉心構成材料をコンクリート上で局所集光加熱により溶融させ、コンクリートとの界面付近での反応生成物と熱劣化の状態を調べた。直径10mmのディスク状に成型した炉心構成材料をコンクリート上に設置し、最大3kWのランプで加熱し、コンクリートとともに溶融させた。固化後に縦方向に切断し、断面をXRD及びSEM/EDXで観察した。試料は(a)溶融固化した(U,Zr)O$$_{2}$$粒子およびUが溶解したケイ酸ガラス、(b)Uが溶解したケイ酸ガラス、(c)比均質溶融コンクリート、(d)熱劣化コンクリートの4層から成ることが確認できた。一部、Fe-Cr-Ni系の合金析出物も確認できた。Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$(可燃性毒物およびFP)、Mo-Ru-Rh-Pd合金(FP)、海水塩を加えた系での試験も行ったところ、希土類Gdは(U,Zr)O$$_{2}$$粒子及びケイ酸ガラスどちらにも固溶することがわかった。さらに、Mo, 白金族元素およびFe, Ni, Crが酸化せずに残存した合金粒子の析出も確認できた。海水塩成分由来の生成物として、FeS型の硫化物が合金中に確認された。

口頭

Phases and morphology in the simulated MCCI products prepared by arc melting method

高野 公秀; 小野澤 淳; 須藤 彩子

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故で生成した、炉心溶融物とコンクリートの反応生成物(MCCI生成物)の取出しに向けた性状把握のため、アーク溶解の手法により実験室規模で種々の模擬MCCI生成物を調製し、断面の生成相と凝固組織を観察・分析するとともに、各生成相の微小硬さデータを取得した。出発物質として、ステンレス鋼, 炭化ホウ素, 金属ジルコニウム, (U,Zr)O$$_{2}$$, 希土類酸化物, 白金族合金等の炉心成分とコンクリートの粉末を用いた。アーク溶解により、模擬MCCI生成物は酸化物部分と金属質部分に大きく分離する傾向を示し、生成する各相の傾向は、初期混合物中のコンクリート/Zr比で整理できることが分かった。これは、主要な酸化要因がコンクリートの熱分解で放出される水分である一方、金属ジルコニウムが強力な還元剤として作用するためである。各生成相の硬さは、コンクリート由来のケイ酸ガラスが7GPa程度、(U,Zr,Gd,Ca)O$$_{2}$$コリウムが13-15GPa程度であるのに対し、最も硬いのは、ホウ素が酸化されずに残存した際に金属質部分に析出するホウ化物で、最高で25GPa程度であった。

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