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池末 俊一*; 森田 英之*; 佐郷 ひろみ*; 横井 忍*; 山本 智彦
Proceedings of ASME 2023 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2023) (Internet), 10 Pages, 2023/07
When a cylindrical tank is excited by seismic waves, the motion of free liquid surface, called sloshing, may occur inside the tank. When the high-amplitude sloshing occurs, the free liquid surface collides with the roof of cylindrical tank, and the impulsive vertical load acts on the roof. In this study, the cause of this extremely large load was discussed by analyzing the CFD analysis result. As a result, it was showed that the previous weak roof collision deformed the liquid surface into a flat shape and the flat liquid surface collided with the roof. The phenomenon caused the extremely large load acting on the roof. From this result, it was clarified that the history of roof collision has a large influence on the vertical load acting on the roof.
細川 隆行*; 安江 歩夢*; Kim, J.*; 栗田 圭輔; 兼松 学*
コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集(CD-ROM), 22, p.113 - 118, 2022/10
本研究では、乾湿繰り返しを行ったコンクリートの水分状態が鉄筋腐食に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、その前段階として、乾湿繰り返しにおける乾燥程度の違いが相対含水率に及ぼす影響を検討した。加えて、水分移動の影響が大きいひび割れ部に関して解析を行った。実験結果より、試験体中央の鉄筋軸垂直方向10mm範囲において、6時間吸水後40Cの乾燥を42および90時間行った場合の相対含水率は、0
5%程度しか差が生じず、20
Cの乾燥を90および186時間行った場合、10
20%程度の差が生じた。また、ひび割れを有する試験体では、ひび割れ部における相対含水率は健全部と比較して、10
15%程度高くなった。
竹内 佑甫*; 東城 順治*; Yamanaka, T.*; 中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 近藤 恭弘; 北村 遼; 森下 卓俊; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.562 - 564, 2022/10
J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM実験のためのミューオンリニアックを開発中である。ミューオンリニアックは核磁気共鳴型電磁石を用いた小型ストレージリングに212MeVのミューオンビームを供給する。メッシュと円筒電極で構成される初段加速の後、ミューオンは4種類の高周波加速構造で加速される。ミューオンリニアックの設計を総合的に評価するために、General Particle Trackerコードを用いた全体シミュレーションを行った。さらに、加速器部品の様々な誤差を考慮したエラースタディーも行った。この論文ではこの全体シミュレーションの結果を述べる。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 二ツ川 健太*; Kawamura, N.*; 三部 勉*; 溝端 仁志*; 大谷 将士*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.275 - 278, 2022/09
J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM実験のための324MHz交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)試作機の大電力試験を行った。この試作機は一体型ドリフトチューブ構造を持つ実機IH-DTLの製作方法を検証するために作られた。40時間のコンディショニング後、88kWの電力を安定に投入できることを確認した。これは設計加速電圧3.0MV/mの10%増しに相当する電力である。さらに、3次元シミュレーションモデルの妥当性を検証するために、熱特性と周波数応答を測定した。この論文では、このIH-DTL試作機の大電力試験の詳細について述べる。
近藤 恭弘; 北村 遼; 不破 康裕; 森下 卓俊; 守屋 克洋; 高柳 智弘; 大谷 将士*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 深尾 祥紀*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.636 - 641, 2022/09
J-PARCにおいて、現代の素粒子物理学で最も重要な課題の一つである、ミューオン異常磁気モーメント、電気双極子モーメントを精密測定する実験のためのミューオンリニアック計画が進行中である。J-PARCミューオン施設からのミューオンはいったん室温まで冷却され、212MeVまで加速される。横エミッタンスは1.5mm mradであり、運動量分散は1%である。高速で規格化した粒子の速度で0.01から0.94におよぶ広い範囲で効率よく加速するため、4種類の加速構造が用いられる。計画は建設段階に移行しつつあり、初段の高周波四重極リニアックによるミューオン再加速はすでに2017年に実証済である。次段の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアックのプロトタイプによる大電力試験が完了し、ディスクアンドワッシャ型結合セルリニアックの第一モジュールの製作が進行中である。さらに円盤装荷型加速管の設計もほぼ終了した。本論文ではこれらミューオンリニアックの最近の進捗について述べる。
鷲見 一路*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 恵郷 博文*; 大谷 将士*; 齊藤 直人*; 三部 勉*; 吉田 光宏*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, p.012038_1 - 012038_6, 2022/07
ミューオンリニアック用円盤装荷型加速構造(DLS)がJ-PARCミューオンg-2/EDM実験のために開発中である。4つの加速勾配20MV/mのDLSにより、ミューオンが40MeVから212MeV(高速の70%から94%)に加速される。加速にしたがい円盤間隔が増加していく2592MHz準定勾配型TM01-2/3モードDLSを設計し、ミューオン速度と高周波の位相速度の位相スリップが2度以下となることを確認した。さらに、理想的な同期位相を同定し、全エミッタンス1.5
mm mrad、運動量分散0.1%(RMS)という要求を満たすことをシミュレーションにより確認した。
池末 俊一*; 森田 英之*; 石井 秀和*; 佐郷 ひろみ*; 横井 忍*; 山本 智彦
Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/07
When cylindrical tanks installed in the ground receive strong seismic waves, motion of the free liquid surface inside the tank called sloshing may occur. If the high-amplitude sloshing occurs and the waves collide with the tank roof, it may lead to accidents such as damage of the tank roof or outflow of internal liquid of the tank. Therefore the Predictive Evaluation Method is important. This paper describes that the evaluation method is reconstructed for improving these underestimation and overestimation. In this method, the impact pressure model is reconstructed by direct evaluation model of liquid spreading velocity focused on circumferential direction, which is derived from the simplified evaluation model of nonlinear sloshing liquid surface. The validity of this method was confirmed by comparing them with experiments. And future issues on the improvement of the method were clarified from the result.
竹内 佑甫*; 東城 順治*; 中沢 雄河*; 近藤 恭弘; 北村 遼; 森下 卓俊; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; et al.
Proceedings of 13th International Particle Accelerator Conference (IPAC 22) (Internet), p.1534 - 1537, 2022/06
ミューオンg-2/EDM実験がJ-PARCで計画されており、そのための線形加速器を開発中である。ディスクアンドワッシャ型加速空洞が中エネルギー部に使用され、ミューオンが加速周波数1.296GHzで高速の0.3から0.7まで加速される。試験セルの加工、ロー付けによる接合を行った結果、ワッシャの位置ずれがあったので治具類の改良を行うこととした。また、低電力測定も行い、予想される電磁場分布が得られた。本論文ではこれらの結果について報告する。
Barucci, M. A.*; Reess, J.-M.*; Bernardi, P.*; Doressoundiram, A.*; Fornasier, S.*; Le Du, M.*; 岩田 隆浩*; 中川 広務*; 中村 智樹*; Andr, Y.*; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.211_1 - 211_28, 2021/12
被引用回数:21 パーセンタイル:81.33(Geosciences, Multidisciplinary)MMX赤外線分光計(MIRS)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のMMXミッションに搭載されているイメージング分光計である。MIRSは他の4つのフランス研究所との協力、フランス国立宇宙研究センター(CNES)の協力と財政支援、およびJAXAと三菱電機(MELCO)との緊密な協力によりパリ天文台で開発されている。この装置はMMXの科学的目的を完全に達成するべく設計されている。MIRSはフォボスとダイモスの表面組成の分析およびサンプリングサイトの選択時に使用される組成診断スペクトル機能を含む近赤外線スペクトルマップ機能をリモートで提供する。MIRSはまた、火星の大気、特に雲,塵,水蒸気などの空間的時間的変化についても観測を行う予定である。
池末 俊一*; 森田 英之*; 石井 秀和*; 佐郷 ひろみ*; 横井 忍*; 山本 智彦
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 8 Pages, 2021/07
本論文では、円筒形タンクの非線形スロッシング条件に対して、屋根に作用する垂直荷重と側壁に作用する水平荷重を評価できる新しい方法を提案した。この方法は、過去の研究で提案された液面レベルと速度の簡略化された方程式と、既存のモデルから変更された新しい圧力モデルの組み合わせである。この方法は簡略化された方程式で構成されているため、CFD解析のような長い計算時間は必要ない。この方法の有効性は、CFDおよび試験と比較することによって確認した。そして、その結果から、この方法の改善に関する今後の課題が明らかとなった。
辻 智之; 杉杖 典岳; 佐藤 史紀; 松島 怜達; 片岡 頌治; 岡田 翔太; 佐々木 紀樹; 井上 準也
日本原子力学会誌ATOMO, 62(11), p.658 - 663, 2020/11
日本原子力研究開発機構ではバックエンド関連の研究・技術開発として、原子力施設の廃止措置や安全で環境負荷低減につながる低レベル放射性廃棄物の処理処分技術開発と、地層処分の基盤的研究開発を進めてきた。これらバックエンドに関する原子力機構の研究・技術開発のうち、原子力施設の廃止措置や低レベル放射性廃棄物の処理処分技術開発の最前線を紹介する。
須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; 北村 遼; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(2), p.022804_1 - 022804_7, 2020/02
被引用回数:2 パーセンタイル:21.19(Physics, Nuclear)低エネルギー、低インテンシティーミューオンビームのビーム進行方向のバンチ幅を測定するための破壊的モニターを開発した。このバンチ幅モニター(BWM)は、1つずつのミューオンを高い分解能で測定するためにマイクロチャンネルプレートを用いている。それに加え、タイミングウオークを抑制するために、コンスタントフラクションディスクリミネータ回路を用いている。時間分解能は精密パルスレーザーを用いて65psと測定された。この分解能は、J-PARC E34実験で要求される性能を満たしている。我々は、このBWMを用いて、高周波四重極リニアックによって加速された負ミューオニウムイオンのバンチ幅を測定した。バンチ幅5411nsと測定することに成功した。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 岩下 芳久*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012054_1 - 012054_7, 2019/12
被引用回数:7 パーセンタイル:94.55(Physics, Particles & Fields)J-PARC E34実験用の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)を開発している。このIH-DTLはミューオンを0.34MeVから4.5MeVまで加速周波数324MHzで加速する。さらに、交換収束法を用いるため、横方向の収束が電場のみでなされ、磁場収束に比べて収束力が弱い。そのため、入射マッチングが重要になる。そのためプロトタイプを製作し、ビーム特性を検証する計画である。この論文では、IH-DTLプロトタイプのためのチューナーやカップラーの開発、特に低電力測定結果について述べる。
大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 的場 史朗*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 山崎 高幸*; 長谷川 和男; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012067_1 - 012067_6, 2019/12
被引用回数:3 パーセンタイル:78.02(Physics, Particles & Fields)負ミューオニウムはそのユニークな性質から様々な科学の分野で応用される可能性がある。1980年代に真空中で初めて生成されて以来、仕事関数の低い物質を用いて負ミューオニウム生成効率を高めることが議論されてきた。アルミナセメントの構成物質であるC12A7は良く知られた絶縁体であるが、電子をドープすることで導体として振舞うことが近年発見された。このC12A7エレクトライドは2.9eVという比較的低い仕事関数を持ち、負イオン生成効率を示すと期待されている。本論文では、従来用いていたアルミニウム、C12A7エレクトライド、さらにステンレスターゲット用いた負ミューオニウムイオン生成効率の比較について述べる。測定された生成率は10/sであり、現状セットアップではエレクトライドにおいても大きな生成率向上は確認されず、表面状態をより注意深く整える必要であることが推定される。また、生成された負ミューオニウムの平均エネルギーに材質依存はなく、0.2
0.1keVであった。
中沢 雄河*; Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 河村 成肇*; 北村 遼; Kim, B.*; Ko, H. S.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 937, p.164 - 167, 2019/09
被引用回数:3 パーセンタイル:28.69(Instruments & Instrumentation)再加速された熱ミューオンビームを用いたミューオンの異常磁気モーメント及び電気双極子モーメント精密測定実験用のミューオンリニアックを開発中である。このリニアックのためのUV光駆動の負水素イオン源を開発した。ミューオン加速実験の前にこのイオン源を用いたビームラインの調整を行った。加速ミューオンの分別に必要な偏向電磁石の磁場強度を負水素ビームを用いて確認することができた。このイオン源はミューオンビームラインのコミッショニングに広く用いることができる。
四塚 麻衣*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 下村 浩一郎*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.814 - 817, 2019/07
ミューオンの異常磁気能率(g-2)は新物理の兆候が期待されている物理量であり、実験値と標準理論の予測値の間には現在3以上の乖離が確認されている。J-PARC E34実験では独自の手法による精密測定を目指しており、主要な系統誤差を削減するために低エミッタンスビームを使用する。これは、熱エネルギーまで冷却したミューオンを、速度に応じた複数段階の線形加速器を用い212MeVまで再加速することによって生成する。実験の要求から加速中のエミッタンス成長を抑える必要があるため設計値実現には異なる加速器間でのビームマッチングが重要であり、実際のビームプロファイル測定に基づいて行われる必要がある。時間方向の測定に使用するモニターには、加速位相の1%である30
40psに相当する精度が要求されている。また、イオン源開発初期のビーム強度が低い段階でも使用可能でなければならないため、ミューオン1つに対して感度を持つ必要がある。この2つの要求を満たすため、高い感度を持つマイクロチャンネルプレートと、波高依存性の削減により高時間分解能の達成が可能であるCFD回路を用いたモニターの開発を行った。また、性能評価のためにテストベンチの構築を行い、ピコ秒パルスレーザーをMCP表面に照射した際に起こる光電効果によって生成した光電子を用い、時間分解能65psの評価値を得た。本発表では、テストベンチによるモニターの性能評価結果を報告する。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩下 芳久*; 岩田 佳之*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 須江 祐貴*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.404 - 407, 2019/07
J-PARCミューオンg-2/EDM精密測定実験を実現するためのミューオン線形加速器の1つであるAPF方式IH-DTLのプロトタイプでは、ミューオンを=0.08から0.15まで加速するために運転周波数324MHzが採用された。加速性能を満たすためには60kWの高周波電力を投入する必要がある。ビーム電流はほぼゼロかつデューティーが0.25%と低いことから、構造を単純化するために一台のRF入力カップラーを介して電力を投入する。カップラーは同軸導波管をベースに設計し、空洞との整合にはループアンテナを用いる。ループアンテナを空洞に挿入した場合、インピーダンス不整合や空洞内の電磁場歪みにより、加速性能が低下する恐れがある。電磁場歪みを抑制するためにループアンテナの挿入量を必要最低限にしつつ、空洞との電力反射が最小(VSWR(電圧定在波比)
1)となるようにループアンテナを最適化する必要がある。我々はループを最適化するためのテストカップラーを用いた低電力試験を行うことで、VSWR=1.01かつ電磁場歪みを7%以内に抑制するループ形状を確認した。本発表では、テストカップラーによるループアンテナの最適化の結果を報告すると共に、実機カップラー開発に向けた高周波窓の設計について述べる。
安田 浩昌*; 飯沼 裕美*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 須江 祐貴*; 中沢 雄河*; 的場 史朗*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.371 - 375, 2019/07
基礎的な物理量の一つであるミューオンの異常磁気モーメント(g-2)は理論的および実験的にも高精度に求められることから、理論を検証するためにも重要な物理量である。ブルックヘブン国立研究所で行われた先行実験により、標準模型による計算値と実験による測定値との間に3以上の乖離があることがわかった。これは、標準模型を超えた物理を示唆しており、より高精度な測定により検証する必要がある。J-PARC muon g-2/EDM実験では、低エミッタンスなミューオンビームを用いることで、先行実験における主要な系統誤差要因を抑制することができる。一方で、高強度なミューオンビームを利用するため、検出器などによる時間応答性の系統誤差が発生する。本研究では、加速低速部でのスピン反転を行うことで可能なスピン反転解析法により、時間応答性由来の系統誤差抑制を目指す。現在、スピン反転装置の候補としてWien-filter型を検討しており、概念設計を行い、現状のシミュレーションではx方向及びy方向のエミッタンス増大がそれぞれ64%と56%であるが、さらなる電場の改良により46%と2%まで抑えられる可能性があることを見出した。本講演ではミューオンスピン反転装置の設計・開発状況について報告する。
須江 祐貴*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 四塚 麻衣*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 下村 浩一郎*; 二ツ川 健太*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.55 - 60, 2019/07
本論文では、RFQによって89keVまで加速されたミューオンのバンチ長測定について述べる。ミューオンの性質の詳細測定のための、4種類の加速構造を持つリニアックがJ-PARCにおいて開発中である。2017年に、RFQを用いたミューオン加速の実証と横方向プロファイル測定が行われた。次の課題は、次段の加速器のアクセプタンスとビーム整合するために必要な縦方向のビームモニタである。このために、マイクロチャンネルプレートを用いた新しい縦方向ビームモニタを開発中である。このモニタは加速周波数324MHzの1%に相当する時間分解能である30から40psを目標にしている。2018年10月に、RFQによって89keVまで加速された負ミューオニウムイオンのバンチ長測定に成功した。測定されたバンチ長は、0.540.13nsであった。
尾上 博則; 小坂 寛*; 松岡 稔幸; 小松 哲也; 竹内 竜史; 岩月 輝希; 安江 健一
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 26(1), p.3 - 14, 2019/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価は、処分施設閉鎖後、数万年以上に及ぶ時間スケールを対象として実施される。そのため、長期的な自然現象による影響を考慮した地下水の流速や移行時間といった地下水流動状態の長期変動性の評価技術の整備は重要な技術開発課題である。本研究では、長期的な自然現象のうち隆起・侵食による地形変化や気候変動に着目し、それらに対する地下水流動状態の変動性を、複数の定常解析結果に基づく変動係数で評価可能な手法を構築した。岐阜県東濃地域を事例とした評価手法の適用性検討の結果、過去100万年間の地形変化や涵養量の変化による影響を受けにくい地下水の滞留域を三次元的な空間分布として推定した。本評価手法を適用することで、地層処分事業の評価対象領域において、地形変化や気候変動に対する地下水流動状態の変動性が小さい領域を定量的かつ空間的に明示することができる。さらに、岐阜県東濃地域における事例検討結果を踏まえて、外挿法を用いた地下水流動状態の変動性の将来予測の基本的な考え方を整理するとともに、将来予測手法の適用可能な時間スケールについて考察した。