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山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 仲野谷 孝充; 畠山 衆一郎; 吉本 政弘; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.277 - 281, 2023/01
J-PARC 3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)は物質生命科学実験施設(Materials and Life science experimental Facility: MLF)および主リング(Main Ring: MR)に最大1MW相当のビームを供給している。RCSは改良を重ねつつ徐々にビーム出力を上げていき、2015年に1MW相当の試験運転に成功した。その後、供用運転としても段階的にビーム出力を増加しながら、1MWの連続運転試験を断続的に行ってきたが、2020年6月に二日間の連続運転試験を実施した際には、最終的に冷却水温度が上昇し、機器の温度を下げることが出来なくなりインターロックが発報する事態となった。その後冷却水設備の熱交換器の洗浄を実施し、2022年6月に再度1MWビーム連続運転試験を行った。2022年6月の試験時は猛暑日となり、熱交換器の性能は改善されていたにも関わらず、1MWでは運転を継続できなかった。一方、600kWであれば猛暑日であっても運転できることを確認した。
山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:7 パーセンタイル:72.25(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
山本 風海; 畠山 衆一郎; Saha, P. K.; 守屋 克洋; 岡部 晃大; 吉本 政弘; 仲野谷 孝充; 藤来 洸裕; 山崎 良雄; 菅沼 和明
EPJ Techniques and Instrumentation (Internet), 8(1), p.9_1 - 9_9, 2021/07
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は最大1MWの高出力陽子ビームを中性子ターゲットに供給している。稼働率を向上し実験成果の最大化を図るために、RCSではさまざま運転パラメータの履歴を記録しているが、そのデータのうち入射効率と入射ビームラインの磁石を冷却している冷却水温度が同期していることを発見した。RCS入射時に、入射負水素(H)ビームは炭素薄膜を通過し陽子に変換されるので、入射効率が変動しているという事は陽子への変換効率が冷却水温度に依存していることを示している。ビーム形状,薄膜の条件等から、入射ビームのフォイルへの入射位置が0.072mm程度振動していて、それが磁石磁場の変動に換算して1.6310となることを求めた。この値は、単純に磁石が冷却水の温度変動に従って伸び縮みするとして評価した結果とファクタ程度で一致し、変換効率の変動の主要因は磁場変動であることが確認できた。
山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 畠山 衆一郎; 發知 英明; 吉本 政弘; et al.
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.209 - 213, 2020/09
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は物質生命科学実験施設および主リングに最大1MW相当のビームを供給する目的で建設された。J-PARCでは運転開始よりビーム調整と機器の改良を進めており、供用運転として段階的にビーム出力を増加しながら、設計最大出力である1MWの連続運転試験を断続的に行ってきた。これまで実施してきた1MW連続運転試験の結果から、RCSはビームを精度よくコントロールしており、ビーム損失は連続運転の妨げとならないことが確認できた。しかし一方で、ビームを加速する高周波空胴に余裕が無いため、引き続き増強を進める必要があることが判明した。また、2020年6月以降の気温と湿度が高い条件下では、冷却水の供給温度が上がり、機器の冷却が十分にできず運転できないことも判明した。今後は、これらの問題点の改善を進める。
藤来 洸裕; 菅沼 和明; 山崎 良雄
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1162 - 1164, 2019/07
J-PARC RCS(Rapid Cycling Synchrotron)冷却水設備では、電磁石,加速空胴などの熱源機器に冷却水を供給している。装置へ供給される冷却水の温度は、屋外に設置されている冷却塔にて27Cになるように冷却塔ファンを回し冷却している。2015年4月にある冷却塔ファンのベアリングユニットから異音がしていた。そのベアリングユニットを分解し軸受を切断してみたところ、プーリー側の軸受にはフレーキング痕や内輪の軌道面の中心より上に接触痕があることが分かった。なぜプーリー側の軸受にのみ特有の傷がついたのか調べることにした。プーリー側の軸受はファンが回る際に発生する上下の動きと併せてファンベルトによって横方向へ引っ張られている。プーリー側はこれらの振動や荷重が加わったことで特有の傷がついたと推測した。また、軸受がグリス密閉式でグリスの入れ替えができない構造となっており、フレーキングによる剥離物が軸受内に残った状態で運転したため、小さな傷がその剥離物によって広がってしまったと考えられる。そこで以上の問題点を考慮し冷却塔ファンの安定運転のために上下,横方向の振動や荷重に耐えグリスを密閉式ではなく定期的に交換することができるベアリングユニットを新たに製作することにした。本発表では、新しく製作したベアリングユニットの構造と初期の振動値等のパラメータについて報告する。
菅沼 和明; 廣木 文雄; 伊藤 崇; 山崎 良雄
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.846 - 848, 2019/07
J-PARCリニアックの冷却水システムは、流量変動が発生し安定運転の妨げになっていた。冷却水の汚濁が流量変動を引き起こす原因であることを突き止め、循環ポンプの仕様変更と冷却水の汚濁を低減する対策を実行し、流量変動を収束させた。しかしながら、発生源の抑制は未解決である。これまでの調査から、汚濁は微量金属の混入で、冷却水に精製水を使用することによる銅への浸食と腐食によって起こることが判明している。精製水を使用し無酸素銅を多用する加速器特有の問題かもしれない。加速器に使用する冷却水は、放射線の影響を抑えるために不純物を極力排除した精製水を使用している。一方、加速空洞及び電磁石を製作する部材には、伝熱に優れている銅の使用や加工精度に優れている鉄を多用している。また、加速器は高電圧、大電流を使用する必要があり、工業用水や水道水の使用では、安定運転へのリスクが伴う。一般的な設備の冷却水に銅を使用する場合、防食剤を使用することで、腐食を抑制できるが、前述したとおり、加速器は、放射線場,高電圧の環境であり防食剤の使用が制限される。本報告では、J-PARCリニアック冷却水設備における微量金属混入の調査について報告する。
藤来 洸裕; 菅沼 和明; 山崎 良雄
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.816 - 818, 2018/08
J-PARC 3GeVシンクロトロン冷却水設備では、冷却水循環ポンプなどの回転機器の保守管理を行っている。保守管理の一部であるグリス補給は、メーカーの推奨の周期でグリスを補給していたが、補給を行う時期より早いタイミングでベアリング部から異音が聞こえることがあった。異音が発生してからでは、ベアリングに損傷を与えてしまうためグリスの補給周期を変える必要がある。そこで、グリスの減りで発生する異音がどのタイミングで起きるのか、振動センサーが取り付けてある一次系循環ポンプ(ビームライン電磁石等冷却系)の値を詳細に調査することにした。本発表では、測定した振動データとグリスの補給周期について報告する。
Saha, P. K.; 原田 寛之; 金正 倫計; 三浦 昭彦; 吉本 政弘; 岡部 晃大; 菅沼 和明; 山根 功*; 入江 吉郎*; Liu, Y.*; et al.
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.806 - 810, 2018/08
To ensure stable operation of J-PARC RCS at 1 MW beam power and beyond, an alternative H stripping injection method other than using stripper foil has to be implemented. A short life time of the foil due to foil degradation caused by high intensity beam irradiation as well as an extremely high residual radiation at the injection area caused by the foil beam scattering beam loss are two serious issues not only to maintain a long-term stable operation, but also for the facility maintenance. The laser stripping of H holds the promise of overcoming and eliminating the above issues, as it has no lifetime issue as well as completely nondestructive. To establish and develop the new method for the RCS operation, a POP (proof-of-principle) demonstration of 400 MeV H stripping by using only laser has to be carried out first. The progress status of the POP experiment, which includes recent beam study and simulation results for the H beam manipulations to reduce the laser power is presented.
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 井上 峻介*; 佐藤 篤*; 菅沼 和明; 山根 功*; 金正 倫計; 入江 吉郎*
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.811 - 815, 2018/08
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すことで、ビーム自身が散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。加えて、大強度出力ではビームの衝突時の熱や衝撃による膜の破壊が生じる。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命による制限が懸念される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案した。その原理実証実験に向けて、レーザーシステムの開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。
菅沼 和明; 廣木 文雄; 伊藤 崇; 山崎 良雄
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.309 - 311, 2018/08
本件は、2017年夏に完全解決した冷却水設備における流量低下問題の改善報告である。J-PARCリニアックの前段空洞であるDTL及びSDTL用の循環冷却水の流量が、1週間かけて3%程度低下する現象が長年続いていた。この冷却水の流量低下によって、空洞に取り付けた流量計の低流量接点を動作させ、加速器の運転のみならずJ-PARC全体の運転を停止させていた。この流量低下の現象は発現から約9年が経過しており、抜本的な対策が望まれていた。本発表では、流量低下の解決の糸口となった着目点を整理し述べる。2017年夏にポンプの仕様変更を決断し、ポンプの入れ替えを行い冷却水流量の低下は皆無となった。J-PARC加速器のみならず、J-PARC全体の安定運転に絶大な貢献を果たした。
菅沼 和明; 廣木 文雄; 伊藤 崇; 山崎 良雄
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.871 - 873, 2017/12
J-PARCリニアック冷却水設備のひとつである設備名称RI4の全体流量減少の原因は、水の汚濁と汚濁によるポンプ性能の変化であると考えられる。全体流量減少の対策として、循環ポンプの追加設置による南北配管の送水分離を実施した。その結果、流量減少に一定の改善が見られた。また、追加措置前のポンプ構成でも流量減少が現れず、これは、冷却水の入れ替えにより汚濁が薄まり、ポンプ性能が安定したことが理由と考えられる。ポンプ追加措置と同時に、冷却水中の浮遊物の調査も実施した。その結果、冷却水中にCu, Fe, Niなどが検出された。検出されたCuについてはメジアン径を測定した。本発表では、冷却水中の浮遊物の調査報告およびリニアック安定運転のために行うべき対策について報告する。
原田 寛之; 山根 功*; Saha, P. K.; 菅沼 和明; 金正 倫計; 入江 吉郎*; 加藤 新一
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.684 - 688, 2017/12
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり円形加速器に入射し大強度陽子ビームを形成している。この手法は大強度ビームを形成できる反面、周回する陽子ビームが膜へ繰返し衝突し散乱され、ビーム損失が生じ残留線量となる。また、衝突時の熱付与や衝撃による膜の変形が生じている。これらは、大強度陽子ビームの出力や運転効率を制限する可能性がある。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜に代わる新たな荷電変換入射が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案し研究開発を進めている。この新たな入射方式の実現には、現存より2桁高い平均出力のレーザーが必要となるため、レーザーを再利用する形で連続的にビームへの照射を可能とする「高出力レーザー蓄積リング」の開発を目指している。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発を行う高出力レーザー蓄積リングを説明する。加えて、現在の開発状況を報告する。
藤来 洸裕; 菅沼 和明; 山崎 良雄
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.874 - 876, 2017/12
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)は、RF装置、電磁石および電源などの装置が数多くある。これらの装置は運転時に17MWの電力を使い、そのうち多くは熱エネルギーとなっている。よって加速器の運転には、冷却水設備が必要不可欠であり、その安定性は、加速器の稼働率を左右する。最近、冷却水設備の重要な部品である冷却塔ファンのベアリングユニットが故障した。今回の事象は、J-PARC全体の運転停止につながる。今回故障の原因を調べるために、ベアリングユニットの振動測定及びベアリングを切断し観察した。振動測定の結果、ベアリングの傷の有無で振動周波数に違いがあることが分かった。またベアリングを分解した際、外輪に傷がついていた。この傷はフレーキング痕という傷であることが分かった。
菅沼 和明; 廣木 文雄; 伊藤 崇; 山崎 良雄
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.304 - 306, 2016/11
加速空洞用冷却水設備は、以前より流量が減少する事象が見受けられ冷却水の流量低下によって警報が発報し、加速器全体の運転を停止させることがある。警報発報から復旧までに時間を費やすため早急な対策が望まれており、J-PARC加速器全体で取り組む課題となっている。われわれは、リニアック空洞のRFQからSDTLまでの冷却水設備である設備名称RI4系について、以前から現象が確認されている冷却水設備のバッファタンクの水位変動と、冷却水全体流量の変動の関連について再度注目してみた。同時に、冷却水設備の運転データから新たな情報の有無を調べた。冷却水の全体流量の減少原因について、運転データと関連づけながら仮説を立ててみる。
菅沼 和明; 下山 暢善*; 米久 直幸*; 滝 幸奈*; 金正 倫計
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.686 - 688, 2015/09
本報告は、J-PARC 3GeV Rapid Cycling Synchrotron(RCS)の出射キッカーシステムに使用のセラミック抵抗器の電気抵抗測定に関するものである。キッカー電源に使用するセラミック抵抗器は、使用環境および高い印加電圧によって電気抵抗の値に変化を生じることが散見される。本抵抗器は、その使用方法により油中で使用されている。この抵抗値変化の原因として、抵抗器表面に塗布している耐油性膜に亀裂が発生し、油がセラミック抵抗器に浸入することが考えられる。そこで筆者らは、あえて塗装膜の無い抵抗器を油中に浸し、セラミック抵抗器の油中環境下での電気抵抗の計測を行った。油に浸した抵抗器は抵抗値が増加するが、一定時間を経過すると安定した抵抗値が得られる。この抵抗器をJ-PARCのキッカー電源の励磁エネルギーの終端抵抗として使用することを想定している。
菅沼 和明; 富樫 智人; 渡辺 真朗; 金正 倫計
Proceedings of 4th International Particle Accelerator Conference (IPAC '13) (Internet), p.678 - 680, 2014/07
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、物質生命科学施設(MLF)や50GeVメイン加速器のビーム利用者に陽子ビームを供給している。RCSで181MeVから3GeVに加速され、MLFやMRに陽子ビームを送り出している。この送り出し用機器にキッカーシステムがある。2008年の12月より、ユーザーへの供給が開始されたが、キッカーシステムにおいて多くのトラブルが発生した。特にスイッチング素子であるサイラトロンの問題が発生し、当初、ユーザー運転に対する停止率が、13%にも上った。運転経験と独自の努力で、ビームの停止率を0.5%以下を達成した。
菅沼 和明; 富樫 智人; 金正 倫計
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.870 - 872, 2014/06
J-PARC 3GeVシンクロトロン用キッカーテストスタンドでサイラトロンCX2004Xの検査を開始した。CX2004Xは現在使用中のCX1193Cに比べ重水素ガスの充填量が多く長寿命化が見込まれている。長寿命化の可能性を調べるため重水素ガスタンクに付随するヒーターの電圧-電流の関係を調べた。結果、CX1193Cとはヒーターの特性が異なるものの、ヒーターの結線の変更のみで寿命の延長が可能となると考えられ、サイラトロンの保守時間の低減に貢献できる見通しを得た。
荻原 徳男; 菅沼 和明; 引地 裕輔; 西川 雅章; 柳橋 亨; 神谷 潤一郎; 金正 倫計
Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(5), p.159 - 162, 2013/05
Kicker magnets are used to kick out the accelerated beam to the transport lines in the RCS of the J-PARC. A high voltage is applied to kickers for a short period, so they must be installed in a vacuum to prevent discharge. Therefore, it is important to reduce the outgassing of water vapor from the ferrite cores. This time, we have decided to construct the reserve magnets with very low outgassing at high-voltage discharge. First of all, the thermal desorption behavior of the ferrite was investigated by thermal desorption spectroscopy (TDS). TDS spectra show two peaks of water vapor: at 150C and 300C. Carbon dioxide is rather largely emitted with the peak around 275C and then decreases with the temperature. From these results, the ferrite cores were vacuum-fired at 450C for 48 h. Then the good properties for the magnetic cores were confirmed. And now the performances of the kicker magnet are examined.
富樫 智人; 渡辺 真朗; 菅沼 和明; 高柳 智弘; 植野 智晶; 谷 教夫; 渡辺 泰広; 金正 倫計
Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.471 - 473, 2012/08
J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、3GeVに加速した陽子ビームの取り出しに、サイラトロンを採用したキッカー電磁石電源を採用しており年間約5,000時間の連続運転が行われている。連続運転を開始した2009年1月の運転では、約13%であった停止率もサイラトロンの適切なconditioning並びに運転維持管理方法の確立により2012年現在では停止率も0.5%以下で推移しており安定な運転を継続維持している。本稿では、RCSにおけるサイラトロンの運用に関する統計と、運転維持管理方法について報告する。
渡辺 真朗; 林 直樹; 菖蒲田 義博; 菅沼 和明; 高柳 智弘; 富樫 智人; 外山 毅*
Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.3629 - 3631, 2012/05
J-PARC 3GeV RCSは安定運転が要求されるが、繰り返し25ppsの24時間運転開始直後はキッカー電源のサイラトロンの不安定動作による多くのトラブルが生じた。だが、2010年10月には不具合が改善した。2011年3月11日の東日本大震災後に入出射電磁石・電源・ケーブル・バスダクトの健全性を確認した。測定・確認をした結果、特に不具合はなかった。今後RCSはビームパワー1MWを達成させる必要がある。キッカーのインピーダンスはその他のインピーダンス源のなかで一番大きい。われわれは電源に抵抗と新規開発したダイオードを接続することでインピーダンスを下げ、誘起電圧が減少することが確認できた。これにより、加速器を安定に運転することが可能となった。