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Alimov, V.; 洲 亘*; Roth, J.*; 杉山 一慶*; Lindig, S.*; Balden, M.*; 磯部 兼嗣; 山西 敏彦
Physica Scripta, T138, p.014048_1 - 014048_5, 2009/12
被引用回数:129 パーセンタイル:95.23(Physics, Multidisciplinary)ヘリウムを加えた低エネルギー,高フルエンスの重水素プラズマで照射した再結晶タングステンについて、表面の形状変化,重水素保持量及び重水素の深さ方向分布を電子顕微鏡,昇温脱離法並びに核反応法を用いて調べた。重水素のみのプラズマで照射した場合、照射温度に依存したブリスタの形成が確認できた。また、重水素保持量は温度とともに上昇し、480Kで最大値となった後、減少することが明らかになった。一方、ヘリウムを5%加えた重水素プラズマで照射した場合、重水素保持量の顕著な低下,ブリスタの形成抑制が観察された。
田辺 哲朗*; 杉山 一慶*; 柴原 孝宏*; 広畑 優子*; 吉田 雅史; 正木 圭; 佐藤 正泰
Journal of Nuclear Materials, 390-391, p.705 - 708, 2009/06
被引用回数:8 パーセンタイル:48.11(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uのダイバータ領域,第一壁への軽水素(H),重水素(D),三重水素(T)のすべての蓄積状態をレビュー,壁の温度,再堆積層の有無等を勘案して、将来のDT炉において、DD放電による同位体置換がどの程度有効かを評価した。放電に使われた軽水素,重水素、及びDD反応で発生した三重水素それぞれが蓄積量,蓄積深さ分布が異なっており、その理由を検討した。これにより高エネルギーで入射する三重水素,NBI加熱パワーの低い軽水素,壁温度等の役割を定性的にではあるが、ほぼ明らかにすることができた。また、軽水素,重水素の蓄積量及び深さ分布及びそれらの壁温度による違いから、DD放電後のHH放電において重水素が軽水素によって置換されたことを明らかにし、その置換は壁温度によってかなり異なるものの、プラズマ対向面の表面では非常に有効であると結論した。
林 孝夫; 杉山 一慶*; Mayer, M.*; Krieger, K.*; 正木 圭; 田辺 哲朗*; 佐藤 正泰
Journal of Nuclear Materials, 390-391, p.667 - 670, 2009/05
被引用回数:1 パーセンタイル:9.99(Materials Science, Multidisciplinary)大気解放前に軽水素プラズマ放電に晒されていないJT-60U炭素タイルの重水素深さ分布をD(He,p)
He核反応分析法を用いて評価した。分析試料はW型ダイバータ及び第一壁領域の計8か所から採取した。核反応分析法における入射ビームのエネルギーは0.69
3.5MeVであった。最も重水素濃度が高かったのは第一壁のアウトボード側赤道面近傍であり、深さ16
mまでの重水素の面密度は1.9
10
D/m
であり、最大重水素密度はD/C=0.13であった。またダイバータ領域で重水素量が最も多かったのは、ドームトップタイルであり、深さ16
mまでの重水素の面密度は1.2
10
D/m
であり、最大重水素密度はD/C=0.09であった。今回測定した軽水素プラズマ放電に晒されていない試料は、軽水素放電ありの試料と比べて重水素量が約2
9倍多く、軽水素放電がプラズマ対向壁中の重水素(及びトリチウム)の除去に有効であることがわかった。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Nuclear Fusion, 47(11), p.1577 - 1582, 2007/11
被引用回数:14 パーセンタイル:44.14(Physics, Fluids & Plasmas)本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150
Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2
mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、8
10
atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(6
10
atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。
杉山 一慶*; 林 孝夫; Krieger, K.*; Mayer, M.*; 正木 圭; 宮 直之; 田辺 哲朗*
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.949 - 954, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:57.01(Materials Science, Multidisciplinary)プラズマ対向壁中へのトリチウムを含む水素同位体の蓄積は、ITER等次世代炉の第一壁設計において重要な課題となる。JT-60Uでは動作ガスとして軽水素(H),重水素(D)を用いていることから、本研究ではJT-60Uプラズマ対向壁タイル中に蓄積されたH, Dの水素同位体蓄積に関する知見を得ることを目的として分析研究を実施した。分析はJT-60Uの第一壁サンプルタイルをドイツのマックスプランク研究所に運んで実施した。高エネルギーHeビームを用いた反跳粒子検出法により、タイル試料の表面層(
2
m)のH, Dの深さ分布及び定量分析を行った。プラズマ対向表面の深さ分布を見ると、表面近傍(
1
m)は主としてHが蓄積されており、Dがそれより少し深い部分より蓄積量が増加することが観測された。これはJT-60Uにおいて表面のトリチウム除去のために真空容器解放前(すなわち試料の取り出し直前)に実施されるH放電により、ごく表面にて、DとHとの同位体置換を生じた結果を示している。
林 孝夫; 杉山 一慶*; Krieger, K.*; Mayer, M.*; Alimov, V. Kh.*; 田辺 哲朗*; 正木 圭; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.904 - 909, 2007/06
被引用回数:11 パーセンタイル:60.02(Materials Science, Multidisciplinary)D(He, p)
He核反応分析法を用いてJT-60Uタイルを分析した。最も重水素濃度が高かったのは外側ドームウィングの排気スロット近傍であり、深さ16
mまでの重水素の面密度は
2.5
10
D/m
であった。ここではミクロンオーダーの堆積層がタイル表面に観察されており、共堆積により多量の重水素量が蓄積したと考えられる。また中性粒子ビーム入射加熱(NBI)に起因する重水素が外側ドームウィングやドームトップタイルに高粒子束で入射し、重水素蓄積に寄与していると考えられる。深さ分布については約2.5
mにD/C
0.05の緩やかなピークがあった。これは大気解放前にプラズマ対向壁からトリチウムを除去するための軽水素放電により表面近傍の重水素が軽水素に置換したためである。一方、第一壁領域では最も重水素量の多いところで
1.0
10
D/m
であった。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150
Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2
mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、8
10
atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(6
10
atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。
田辺 哲朗*; 杉山 一慶*; Coad, P.*; Bekris, N.*; Glugla, M.*; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 345(2-3), p.89 - 95, 2005/10
被引用回数:18 パーセンタイル:74.06(Materials Science, Multidisciplinary)JETのDT放電で利用されたMARKII-Aダイバータタイル上のトリチウムの蓄積を調べた結果及び、JT-60UのDD放電で使用されたダイバータタイルに蓄積されているトリチウムの表面分布及びSIMSによるH,Dの深さ分析結果を比較し、ITERにおけるトリチウムのインベントリー評価をするうえで、何が問題であるかを議論した。特に2つの装置におけるダイバータ構造の違い,タイル配置の違いなどを考慮しつつ、水素(H, D, T)の蓄積状況を比較することにより、ダイバータ構造及びタイル配置の最適化をはかれば、炭素の損耗を減らし、ひいてはトリチウムインベントリーを減らせることができることを示唆した。またJT-60Uの結果に基づき、黒鉛タイル表面の温度を500C以上にすることができれば、ITERのトリチウムインベントリーを大きく減らせることも明らかにした。
正木 圭; 杉山 一慶*; 林 孝夫; 落合 謙太郎; 後藤 純孝*; 柴原 孝宏*; 廣畑 優子*; 大矢 恭久*; 宮 直之; 田辺 哲朗*
Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.553 - 559, 2005/03
被引用回数:26 パーセンタイル:83.41(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、DD反応で生成されたトリチウム及び重水素のプラズマ対向壁への蓄積分布を評価し、真空容器内での水素同位体挙動を調べた。(1)プラズマ対向壁に蓄積されたトリチウムのIP及び燃焼法による測定と、損耗及び再堆積測定から以下の結果を得た。ドーム頂部でトリチウム濃度が最も高く、厚い堆積層が存在する内側ダイバータ部では低かった。(2)この結果とOFMC解析結果から、JT-60Uで得られたトリチウム分布は、DD反応で生成された高エネルギー(1MeV)トリチウムがリップルロスによりプラズマから損失し、エネルギーをあまり失うことなく壁に深く入射されたものであることが明らかとなった。(3)NRAによる重水素蓄積量測定結果では、プラズマ対向壁における重水素分布は、トリチウム分布と異なり、最も高い重水素蓄積量を示したドーム外側ウイングでもD/C0.05と低い値を示した。厚い堆積層の存在する内側ダイバータではさらに低く、D/C
0.01以下であった。いずれの結果も、共堆積により多くのトリチウムが残留するJETのトリチウム分布とは大きく異なり、JT-60Uプラズマ対向壁における水素同位体の挙動は、それぞれの粒子のプラズマ対向壁への入射分布及び壁(炉内構造物)温度の影響を受けていることを示すものである。
大矢 恭久*; 森本 泰臣*; 小柳津 誠*; 廣畑 優子*; 柳生 純一; 三代 康彦; 後藤 純孝*; 杉山 一慶*; 奥野 健二*; 宮 直之; et al.
Physica Scripta, T108, p.57 - 62, 2004/00
JT-60Uにおいて両側排気時期に使用された外側ダイバータタイル中の水素同位体挙動をSIMS,XPS,SEMを用いて調べた。その結果、タイル中央部分では水素同位体濃度が低 く、タイル両側で高いことがわかった。下側排気ポート近くで水素同位体濃度が最も 高く、この部分に多く観察される再堆積層中に存在している可能性が示唆された。タイル中央部では再堆積層に替わってエロージョンが支配的である。放電時にタイル表面温度が上昇し、水素同位体の多くが除去されたと推察できる。一方、上部ではタイル中央部ほどストライクポイントの頻度が少ないことから、表面に重水素放電後に実施した水素放電による水素が滞留している。また、タイル内部のカーボンファイバー上に再堆積層が存在しており、表面はエロージョンが支配的であるが、内部の堆積膜中には水素同位体が存在している可能性が示唆された。これらの結果より、外側ダイバータ部では主にエロージョンが支配的であるが、ストライクポイントの頻度が少ない場所において再堆積層が存在し、その内部に水素同位体が存在していること,タイル表面における水素同位体挙動はタイルの温度,損耗の効果,ストライクポイントの位置・頻度に大きく影響を受けること等が明らかとなった。
正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; 宮 直之
日本原子力学会和文論文誌, 2(2), p.130 - 139, 2003/06
JT-60UのW型ダイバータ及び第一壁タイル内に残留したトリチウムをイメージングプレート法及び燃焼法により測定した。両者の測定結果は良い一致を示し、ドーム頂部で最もトリチウム濃度が高く、運転時の表面温度が高いダイバ-タ部では低い値を示した。タイル表面の堆積層の厚さを、走査型電子顕微鏡による断面観察により測定した結果、トリチウム分布と堆積層との相関は認められなかった。DD反応で生成される高エネルギートリトンの軌道損失を、軌道追跡モンテカルロコードで計算した結果、計算結果とイメージングプレート法及び燃焼法によるトリチウム分布の測定結果はよく一致した。また、計算結果と燃焼法測定結果との比較から、ダイバータターゲットタイルに取込まれたトリチウムは、タイル表面の温度上昇により放出されたことがわかった。これらのことから、JT-60Uのダイバ-タ及び第一壁タイルのトリチウム分布は、DD反応で生成される高エネルギートリトンのトロイダル磁場リップルによる損失を反映し、生成時のエネルギーが損失されずに壁に深く入射されていることがわかった。さらに、ダイバ-タタ-ゲットにおいては、タイル表面温度上昇の影響を受け、トリチウムが放出されていることがわかった。
正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 宮坂 和孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; et al.
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.514 - 518, 2003/03
被引用回数:56 パーセンタイル:94.67(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム残留量の評価及び吸蔵過程の解明のために、JT-60U W型ダイバータタイルにおけるトリチウム分布を、イメ-ジングプレ-ト技術(TIPT)及び燃焼法により測定した。その結果、発生したトリチウムの約10%がダイバータ領域に残留し、そのトリチウム濃度は、ドーム頂部及び外側バッフル板タイルで高く(60 kBq/cm
)、ダイバータターゲットタイルでは低かった(
2 kBq/cm
)。DD反応で生成されるトリトンの粒子軌道計算の結果、第一壁及びダイバータタイルに打ち込まれるトリトンの粒子束分布は、TIPT及び燃焼法で得られたポロイダル分布結果と一致した。また、このトリチウム分布は、測定された再堆積層の分布状態との相関は認められなかった。これらの結果から、JT-60Uでのトリチウム分布は、プラズマ中におけるトリトンの粒子損失を反映していることがわかった。
杉山 一慶*; 宮坂 和孝*; 田辺 哲朗*; 正木 圭; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 児玉 幸三; 宮 直之
Physica Scripta, T103, p.56 - 58, 2003/00
被引用回数:14 パーセンタイル:62.21(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uのダイバータタイルに蓄積されているトリチウムの表面分布測定にイメージングプレートを適用した。その結果は以下のようにまとめられる。JT-60Uのダイバータ領域の黒鉛タイルのトリチウム蓄積量は、表面ドームの頂及び、ダイバータバッフル板で大きく、ダイバータ領域で小さくなっていた。ダイバータ黒鉛タイルに蓄積されているトリチウムの分布は、基本的には、トリチウムがいったんプラズマから均一に打ち込まれ、その後の黒鉛の温度により放出量が異なることを反映している。特に表面温度が1000C以上になったと思われるダイバータの足の部分では、トリチウムはほとんど検出されなかった。ダイバータドーム頂のタイル約240枚をトロイダル方向全周について測定したところ、トロイダル方向の磁場のリップロスに相当するトリチウム蓄積の強弱が認められ、高速のトリチウムが入射していることが初めて明らかにされた。第1壁についもポロイダル方向に測定し、容器上部のトリチウム濃度が低いこと、外側第1壁に特にトリチウム濃度が高いところがあることなど新たな知見が得られた。
田辺 哲朗*; 宮坂 和孝*; 杉山 一慶*; 正木 圭; 児玉 幸三; 宮 直之
Fusion Engineering and Design, 41(3), p.877 - 881, 2002/05
JT-60Uのダイバータタイル及び内側第1壁に蓄積されているトリチウムの表面分布測定にイメージングプレートを適用した。その結果は以下のようにまとめられている。(1)JT-60Uのダイバータ領域の黒鉛タイルのトリチウム蓄積量は、表面ドームの頂及び、ダイバータバッフル板で大きく、ダイバータ領域で小さくなっていた。(2)バッフル板での蓄積トリチウム量は約10kBq/cmであり、これは発生した全トリチウムが均一に壁に入射されたと仮定して計算された10kBq/cm
とほぼ同じオーダーであった。(3)ダイバータ黒鉛タイルに蓄積されているトリチウムの分布は、基本的には、トリチウムがいったんプラズマから均一に打ち込まれ、その後の黒鉛の温度により放出量が異なることを反映している。特に表面温度が1000
以上になったと思われるダイバータの足の部分では、トリチウムはほとんど検出されなかった。(4)しかし、タイル上には、プラズマによる熱負荷のため、いったん打ち込まれたトリチウムも、タイルの温度が1000
以上になるとほとんど放出され、残っていない部分が存在する。逆にトリチウムの蓄積量から、入熱が予測できその値は1-5MW/m
となった。(5)トロイダル全周にわたって、ドーム頂上のトロイダル分布はほぼ均一であったが、内側第1壁のポリダル方向には不均一分布が見られ、プラズマの上下非対称性を反映しているものと考えられる。
田辺 哲朗*; 杉山 一慶*; 正木 圭; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 宮 直之
IAEA-CN-94/EX/P2-11 (CD-ROM), 6 Pages, 2002/00
本研究ではトカマク型臨界プラズマ試験装置JT-60Uのプラズマ対向壁についてトリチウムの表面分布をイメージングプレートで測定した結果について評価した。ポロイダル方向では、直接プラズマが当たらないドームトップタイルや外側バッフル板にトリチウム濃度の高い部分が見いだされた。トリチウム分布は一様分布である一方、トロイダル方向にはトロイダル磁場コイル配置の影響を受けていることが明らかとなった。この分布は、高速トリトンの軌道計算コードOFMCで評価した結果、トロイダル磁場コイルのリップルによる粒子損失で説明可能なことを確認した。高熱となるダイバータ部分では一旦蓄積したトリチウムは、最終的にはプラズマからの熱負荷により脱離する。
広畑 優子*; 田辺 哲朗*; 杉山 一慶*; 柴原 孝宏*; 大矢 恭久*; 小柳津 誠*; 吉河 朗*; 奥野 健二*; 正木 圭; 新井 貴; et al.
no journal, ,
JT-60Uの両側排気方式ダイバータ領域における炭素堆積・損耗及び水素同位体の保持特性について分析した。分析には、走査型顕微鏡,昇温脱離法,二次イオン質量分析計,イメージングプレート法及び燃焼法等を利用した。その結果を以下にまとめる。(1)JT-60Uのダイバータ領域ではおもに内側ダイバータ及び外側ドームウィングタイルで炭素堆積が見られ、外側ダイバータタイルでは損耗していた。(2)ダイバータタイルのプラズマ対向面のD+Hの保持量は堆積層の厚さに比例して増加した。その水素濃度(H+D)/Cは約0.02であった。これは、片側排気の内側ダイバータタイルやJT-60とほぼ同程度であり、JETや他の低温で運転されている装置(0.40.1)よりも小さかった。(3)外側ドームウィングタイルの排気口に面しているタイル上には厚い再堆積層が存在していた。しかし、その濃度は大きく見積もっても0.13であった。(4)H+D保持量のポロイダル側面の分布は外側ドームウィングの排気口に面している以外は少なかった。(5)H+D保持量のトロイダル側面の分布は、面によって約2倍の違いがあったが、堆積膜の膜厚によって強く影響を受けていた。
宮 直之; 渡辺 大輔*; 坂和 洋一*; 柴原 孝宏*; 杉山 一慶*; 庄司 多津男*; 山崎 耕造*; 正木 圭; 田辺 哲朗*
no journal, ,
磁場核融合炉におけるプラズマ対向材の候補の1つであるグラファイトは、トリチウムを蓄積するという問題点を持つ。トリチウムを除去する手法の1つとしてパルスレーザーによるアブレーションを検討している。本研究は、水素放電に曝されて水素を蓄積したJT-60グラファイト製オープンダイバータタイルに対してパルスレーザーアブレーションを行い、水素除去特性を明らかにすることを目的としている。実験では、Nd:YAGレーザー(パルス幅20ps)の基本波(波長1064nm)と4倍高調波(波長266nm)を用いて、レーザー強度を変えながら、脱離ガスと放出イオンの質量スペクトル,脱離水素密度,可視光発光スペクトル、等の時間変化と、レーザー照射終了後のアブレーション深さとアブレーション面積を計測し、水素除去特性における波長・レーザー強度依存性を求めた。
広畑 優子*; 田辺 哲朗*; 大矢 恭久*; 新井 貴; 正木 圭; 奥野 健二*; 杉山 一慶*; 小柳津 誠*; 吉河 朗*; 吉田 雅史*
no journal, ,
両側排気方式のJT-60UW型ダイバータ領域に設置された炭素タイル及び第一壁タイル中の水素同位体(H,D)蓄積量を昇温脱離法(TDS)で調べた。内側ダイバータタイル上に堆積した炭素膜中の水素濃度は((H+D)/C)は0.02であり、プラズマから影になっている部分では0.13となった。これらの値はいずれもJETなど低温で運転されている装置の濃度(0.41.0)に比べると低いことがわかる。第一壁のD
のTDSスペクトルは場所によって大きく異なり、堆積B膜の純度が高い試料ほど低温側で脱離した。HとDの総脱離量は、第一壁試料では場所によらずほぼ同程度で、その量はダイバータ領域の共堆積とほぼ同程度、ダイバータのプラズマ対向面よりも多かった。本研究で得られたデータ及び片側排気方式のデータをもとに、JT-60U全体のHとDの総蓄積量と蓄積速度を求めた。ダイバータ領域(バッフル,ドームユニット,ダイバータタイル)の総蓄積量は
4
10
atomsで、プラズマから影になっている部分の寄与率は約16%であった。JT-60U全体のHとDの総蓄積量は
2
10
atomsで、蓄積速度は5
10
atoms/sとなった。
柴原 孝宏*; 廣畑 優子*; 大矢 恭久*; 小柳津 誠*; 大西 祥広*; 吉河 朗*; 奥野 健二*; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 新井 貴; et al.
no journal, ,
JT-60Uのダイバータタイル及び第一壁の水素同位体(軽水素,重水素)蓄積量とその深さ分布を、昇温脱離法(TDS),二次イオン質量分析法(SIMS),X線光電子分光法(XPS)で分析し、タイル表面の損耗・再堆積を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。第一壁は損耗・再堆積にかかわらず水素同位体蓄積量はほぼ一定であり、タイル表面付近に打ち込まれた水素の寄与が大きいことが示唆された。ダイバータ部分の再堆積領域において、プラズマに曝され放電時にタイル表面温度が上昇した領域は、水素同位体は再堆積層中に(H+D)/C=0.02と非常に低い濃度で均一に蓄積されていた。これに対し、プラズマの影になり放電時の温度上昇が小さかった領域では、水素同位体は再堆積層中に(H+D)/C=0.13と高い濃度で蓄積されていた。一方、損耗領域での水素同位体蓄積量は非常に少なかった。また、タイル温度が高かった領域では軽水素放電による重水素の置換が大きく進行したことが明らかとなった。以上から、水素同位体蓄積量は放電時のタイル表面温度に大きく依存し、タイル温度を上昇させることで水素同位体蓄積量が低減できることが示唆された。
広畑 優子*; 田辺 哲朗*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 杉山 一慶*; 小柳津 誠*; 吉河 朗*; 吉田 雅史*; 新井 貴; 正木 圭; et al.
no journal, ,
両側排気方式のJT-60UW型ダイバータ領域に設置された炭素タイルの損耗と堆積のポロイダル方向の分布を調べた。外側ダイバータ及び内側ドームウィングタイルが損耗し、内側ダイバータ、外側ドームウィングタイル及び外側排気口に面している外側ウィングタイルの側面上に厚い炭素堆積膜が認められた。タイル中に保持されたHとDの蓄積量と再堆積層の厚さには2つの直線で表される比例関係があった。この比例関係を利用して再堆積層中のHとDの平均水素濃度を求めた。内側ダイバータタイル上に堆積した炭素膜中の水素濃度は((H+D)/C)は0.02であり、外側排気口に面しプラズマから影になっている部分では0.13となっている。これらの値はいずれもJETなど低温で運転されている装置の濃度(0.41.0)に比べると水素濃度が低いことがわかる。他の装置に比べ、JT-60Uでは炭素堆積膜も薄く、水素同位体蓄積量が少ない理由として、(1)ダイバータプラズマの特性、(2)ダイバータ構造、(3)タイルのアライメン、(4)タイル温度、(5)運転温度の違いなどが挙げられる。