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佐久間 一幸; Malins, A.; 舟木 泰智; 操上 広志; 新里 忠史; 中西 貴宏; 森 康二*; 多田 和広*; 小林 嵩丸*; 北村 哲浩; et al.
Journal of Environmental Radioactivity, 182, p.44 - 51, 2018/02
被引用回数:11 パーセンタイル:37.6(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所の南西15kmに位置する荻ノ沢川を対象に、水循環流域シミュレーターGETFLOWSを用いて、流域内の土砂とCsの再分布を評価した。河道へのCsの供給は主に河川近傍と森林のガリで発生し、河川から離れた森林域における寄与は小さいことが示唆された。森林内の表層土壌中のCsは、主に物理減衰と下方浸透、系外にわずかに流出することで減少していた。将来的に河川近傍から河川へのCsの供給量が小さくなることが示唆された。
佐久間 一幸; 北村 哲浩; Malins, A.; 操上 広志; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 小林 嵩丸*; 田原 康博*; 登坂 博行*
Journal of Environmental Radioactivity, 169-170, p.137 - 150, 2017/04
被引用回数:25 パーセンタイル:64.39(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所周りの流域について水の流れと土砂の輸送による放射性セシウムの再分布を理解するために流域モデリングを実施した。懸濁態と溶存態形態の放射性セシウム移行を計算するために、既往の3次元水理地質モデルを用いた水・土砂モデルを拡張した。2011年9月の台風Rokeと2013年9つの出水時を含む2013年をシミュレーションした。2013年の勢力の強い台風Man-yiと台風Wiphaは放射性セシウムの再分布引き起こした。2013年の9つの出水時に関してCs流出量を計算した結果、観測値をよく再現した。堆積は主に氾濫原や流域下流部の河道が広がるところやダム湖で起こった。5つの流域間でのCs流出比の違いは流域内での初期フォールアウトの空間分布やダム湖の存在の有無、土地利用の違いによる河川への供給量の違いによって説明された。これらのシミュレーション結果は環境回復を支援するにあたり、将来の放射性物質の再分布を評価することが可能である。
北村 哲浩; 操上 広志; 佐久間 一幸; Malins, A.; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 田原 康博*; 小林 嵩丸*; et al.
Earth Surface Processes and Landforms, 41(12), p.1708 - 1726, 2016/09
被引用回数:16 パーセンタイル:52.9(Geography, Physical)福島第一原子力発電所の事故に起因して福島の地表に降下した放射性物質の将来分布予測に関連し、まず土砂の移行を物理型集水域解析モデルGETFLOWSを用いて詳細解析した。対象領域は汚染度合いを考慮し浜通り側の5流域、小高川, 請戸川, 前田川, 熊川, 富岡川とした。これらの流域の水・土砂輸送プロセスを、地表水流動、地下水流動、地表水・地下水相互作用、浸食(堆積)によって生じる浮遊砂移動現象として解析した。特に河川に流入した砂量、河川底に堆積した砂量、海へ流出した砂量などを試算した。
柴田 大受; 角田 淳弥; 多田 竜也; 塙 悟史; 沢 和弘; 伊与久 達夫
Journal of Nuclear Materials, 381(1-2), p.165 - 170, 2008/10
被引用回数:14 パーセンタイル:66.71(Materials Science, Multidisciplinary)炉内黒鉛構造物の長寿命化は超高温ガス炉(VHTR)のための重要な技術であり、高温での中性子照射により生じる残留応力が寿命を決める因子となっている。また、通常運転時では黒鉛の酸化の影響は少ないと考えられるが、寿命期間の長期においては確認する必要がある。本研究ではこれらの損傷を非破壊的に評価するため、微小硬度計の圧子の押込み特性と超音波伝播特性の適用性を検討した。実験にはVHTRの候補銘柄であるIG-110とIG-430を使用し、以下の結果を得た。(1)圧縮ひずみを与えた状態では圧子の押込み特性が変化することから、押込み特性から残留応力を測定できる見込みを得た。(2)黒鉛の均一酸化状態における1MHzの音速の変化は、超音波と気孔との相互作用モデルにより評価することが可能である。(3)IG-110黒鉛の酸化による強度低下の傾向は均一酸化モデルで評価することができ、今後非均一状態への展開が重要である。
柴田 大受; 角田 淳弥; 多田 竜也; 沢 和弘
Journal of Nuclear Materials, 381(1-2), p.204 - 209, 2008/10
被引用回数:7 パーセンタイル:44.56(Materials Science, Multidisciplinary)高温ガス炉(HTGR)の黒鉛構造物の劣化を非破壊的に評価する手法を開発するため、マイクロインデンテーション法の残留応力測定への適用性を調べた。実験にはIG-110とIG-430黒鉛を用いた。(1)HTTR条件での黒鉛ブロックの残留応力を解析し、VHTR条件ではさらに過酷な条件で使用されると考えられるため、長寿命化が重要な課題であることを示した。(2)数種類の圧子について圧子押込み特性を調べ、試験片の表面状態を感度よく検出するため半径0.5mmの球状圧子で5及び10Nの押込み荷重条件を選定した。(3)押込み量の平均値と試験片の圧縮応力との関連を実験式で示し、押込み特性から圧縮応力を評価できる可能性を示した。今後、統計的手法によりデータのばらつきを評価する必要がある。
多田 竜也; 柴田 大受; 角田 淳弥; 沢 和弘
JAEA-Research 2007-079, 22 Pages, 2008/01
高温ガス炉の炉内構造物である黒鉛材料は、長期の運転期間中に冷却材ガス中に極微量含まれる水分等の不純物により徐々に酸化腐食され、表面及び内部の気孔状態が変化する。この酸化は黒鉛構造物の寿命を決める因子の一つであり、長寿命化のためには酸化による材料劣化を評価することが重要となる。黒鉛材料は多孔質材料であり、超音波は材質中に多数存在する気孔と相互作用しながら伝播するため、音速や減衰率などの伝播特性を調べることにより内部の気孔状態を評価することが可能である。そこで、先進的な評価手法として黒鉛材料中に生じた気孔状態を超音波伝播特性により非破壊的に評価する酸化評価手法の開発を進めている。本報告書では、IG-110及びIG-430黒鉛試験片の酸化度をパラメータとして超音波伝播特性データを取得し、均一酸化条件における超音波伝播特性から、酸化を評価する式を導出した。
柴田 大受; 多田 竜也; 角田 淳弥; 沢 和弘
Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering (Internet), 2(1), p.166 - 175, 2008/00
高温ガス炉(HTGR)の黒鉛構造物の酸化を非破壊的に評価する手法を開発するため、超音波法とマイクロインデンテーション法の適用性を調べた。超高温ガス炉(VHTR)の候補黒鉛銘柄であるIG-110とIG-430を均一に酸化し実験に用いた。(1)超音波音速は酸化に伴い低下し、酸化質量損失を用いて指数関数の実験式で表すことができる。(2)超音波と気孔との相互作用モデルによる超音波伝播解析では、IG-110の酸化による音速の低下がやや過小評価された。酸化の非均一性の影響の可能性が考えられる。(3)マイクロインデンテーション特性は酸化劣化を示すように変化したが、酸化損傷を特定するためには今後統計的手法によりデータのばらつきを評価する必要がある。
角田 淳弥; 柴田 大受; 多田 竜也; 沢 和弘
JAEA-Research 2007-073, 17 Pages, 2007/11
高温ガス炉の炉内構造物である黒鉛構造物には、長期の運転期間中に熱や照射によって残留応力が生じる。これは黒鉛構造物の寿命を決める重要な因子なので、黒鉛構造物の長寿命化のためには残留応力を測定・評価することが重要である。微小硬度計による圧子の押込み特性は応力状態によって変化するので、圧子押込み深さの測定結果から残留応力を評価することが可能である。そこで、黒鉛構造物中に生じた残留応力の変化を非破壊的に評価するために、圧子押込み特性測定による残留応力評価手法の開発を進めている。本報では、黒鉛試験片に加わる応力条件をパラメータとして圧子の押込み特性データを取得し、圧子押込み深さと残留応力との関係式を示した。
角田 淳弥; 塙 悟史; 柴田 大受; 多田 竜也; 伊与久 達夫; 沢 和弘
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/07
マイクロインデンテーション法による高温ガス炉黒鉛構造物の健全性解析評価を行った。インデンテーション法は、物質の機械的特性を測定できる簡便な方法で、荷重と深さの関係から残留応力の評価に適用できると考えられている。本研究では、高温ガス炉黒鉛構造物の寿命評価においてマイクロインデンテーション法の適用性を確認することを目的として、IG-110黒鉛のSu値を考慮しながら応力・ひずみ負荷状態におけるインデンテーション荷重及び深さ挙動を検討した。さらに、酸化黒鉛及び残留ひずみを負荷した酸化黒鉛のインデンテーション荷重及び深さの挙動を解析的に評価した。結果として、インデンテーション法は黒鉛構造物の健全性評価に適用できる可能性があることが示唆された。
大平 茂; 多田 栄介; 羽田 一彦; 閨谷 譲; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 鶴 大悟; 石田 敏勝*; et al.
Fusion Science and Technology, 41(3), p.642 - 646, 2002/05
ITER日本建設のため準備されている安全規制の枠組みに関し、科学技術庁の技術顧問会は「ITER施設の安全確保の基本的な考え方の確立について」に、その技術的見地からの考え方を示した。この報告書では、ITERにおける安全確保の目標を、一般公衆と作業従事者を放射性物質による放射線障害から守ることとしている。そのために、核融合反応の受動的終息性や、低い崩壊熱密度等の、ITER施設の安全上の特徴を考慮して、安全設計と安全評価における技術的要件としての基本的な安全性の原則及びアプローチを定めた。すなわち、上記の目標を達成するため、平常運転時におけるALARAの原則の履行,放射性物質を内蔵する機器の構造健全性の確保による事故の防止を行い、コンファインメント施設を設けることで万が一の事故時でも環境中への放射性物質放出を抑制し公衆の過度の放射線被ばくを防止する。ここでは日本における安全性の原則,考え方,技術基準に基づくトリチウムの安全設計概念等について述べる。
鶴 大悟; 閨谷 譲; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 大平 茂; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 羽田 一彦; 多田 栄介
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.985 - 989, 2001/11
被引用回数:4 パーセンタイル:33.39(Nuclear Science & Technology)コンパクトITERの固有の安全性を踏まえた安全確保の考え方の構築の一環として、全冷却系が機能してない条件下での崩壊熱による各機器の温度上昇を見積もることにより非常用冷却系の必要性を検討した。全冷却系の全冷却材が瞬時に喪失し、機器間は輻射により熱伝達され、クライオスタットがヒートシングとなるといった極端に仮想的な条件にも関わらず、真空容器の最高温度は500近辺に留まり、なおかつ温度上昇は非常に緩やかで最高温度に到達するのが100日後であった。以上の結果より、コンパクトITERでは崩壊熱密度の小ささから、非常用冷却系が無くても輻射により崩壊熱が除去可能である見通しを得た。併せて、第一壁が一体型である場合及び真空容器冷却系が機能している場合の温度上昇に関して感度解析を行った。
大平 茂; 多田 栄介; 羽田 一彦; 閨谷 譲; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 鶴 大悟; 石田 敏勝*; et al.
Fusion Engineering and Design, 54(3-4), p.515 - 522, 2001/04
被引用回数:3 パーセンタイル:27.1(Nuclear Science & Technology)原研で開始されている、ITERの安全設計検討、建設のための設計の具体化、設計基準の整備のための検討の現状及びITERの安全に関するR&Dについて概説する。ITERの安全設計と技術的に考慮すべき要件の検討の過程で考慮されるべき重要な要素として、固有の安全性及び高いレベルの受動的安全性があげられる。これらの安全上の特徴により、基本的に異常の事故への拡大は特別の対処なしに防止可能であり、気密性を持った一次閉じ込め系とこれを取り囲むコンファイメント施設とによりITERの安全確保が可能であることについて述べる。ITERに特徴的な機器の構造設計基準や日本への立地の際に必要とされる免震設計の基準確立のための委員会における検討状況や、原研において進められている、トリチウム閉じ込め、免震構造設計、ICE/LOVA事象等にかかわるITERの安全性に関するR&Dについても報告する。
高田 英治*; 角田 淳弥; 沢 和弘; 多田 恵子*
JAERI-Tech 2000-020, p.65 - 0, 2000/03
高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉容器上部には原子炉から燃料取扱フロアへの放射線を遮へいするための1次上部遮へい体が設けられている。原子炉運転中は遮へい体温度が上昇し、解析により定格出力時の1次上部遮へい体温度は75になると予測されている。そこで、遮へい体の温度に対するコンクリート中の含水量の変化、及び含水量の変化に対する燃料取り扱いフロアの線量当量率を評価し、さらに必要となる追加遮へい体の厚さを検討した。その結果、1次上部遮へい体温度が110以下であれば遮へい設計に用いた含水量(78kg/m以上)が満足されること、また燃料取り扱いフロアの線量当量率は含水量が設計に用いた値の半分程度になるまでは著しく上昇しないことがわかった。
柴田 大受; 角田 淳弥; 塙 悟史; 多田 竜也; 沢 和弘; 石原 正博; 伊与久 達夫
no journal, ,
高温ガス炉の炉内黒鉛構造物の機械的特性の劣化を非破壊的に評価する技術として、微小押込み法(圧子の押込み特性)及び超音波法(超音波伝播特性)に着目して、平成16年度から技術開発を開始した。平成18年度までに小型の試験片を用いて評価モデルの開発を行い、平成19年度以降はそのモデルの大型構造物への適用性を検証する計画である。本報告は、非破壊的評価技術開発の計画及び概要について記したものである。
柴田 大受; 角田 淳弥; 塙 悟史; 多田 竜也; 沢 和弘; 伊与久 達夫
no journal, ,
超高温ガス炉(VHTR)の炉内黒鉛構造物の寿命期間に影響する残留応力と酸化劣化の影響を評価する技術として、微小硬度計による圧子の押込み特性と超音波伝播特性の適用性について検討を行った。試験には原子炉級の等方性黒鉛IG-110を用いた。高温・中性子照射により生じる残留応力を模擬するため試験片に水平方向から圧縮応力を加え、微小硬度計により垂直方向に圧子の押込み特性を取得した。圧縮ひずみにより圧子押込み深さが小さくなり、圧子の押込み特性は圧縮応力状態を評価するうえで有効であることを示した。また、IG-110黒鉛試験片を500Cで酸化させ、超音波伝播特性(1MHz,縦波)を取得した。音速は酸化に伴い減少し、その傾向を多孔質セラミックスに対する超音波伝播モデルで解析的に評価できることを示した。この結果から、超音波伝播特性により酸化状態を評価することのできる見通しを得た。今後、これらの評価技術について最適な測定条件を確立し、評価モデルの開発を行い大型の黒鉛構造物への適用性を検証する計画である。
角田 淳弥; 塙 悟史; 柴田 大受; 多田 竜也; 伊与久 達夫; 沢 和弘
no journal, ,
高温ガス炉の炉内黒鉛構造物の使用期間長期化に関し、黒鉛廃棄物の処分方法の検討を行い重要な技術的課題を摘出するとともに健全性評価技術に関する検討を行った。
角田 淳弥; 柴田 大受; 多田 竜也; 沢 和弘
no journal, ,
黒鉛試験片に加わる圧縮応力条件をパラメータとして圧子の押込み特性データを取得し、圧子押込み深さと残留応力との関係を示した。
多田 竜也; 柴田 大受; 角田 淳弥; 沢 和弘
no journal, ,
高温ガス炉(HTGR)黒鉛構造物の劣化状態の評価手法開発を目的として、超音波伝播特性測定法及び微小圧子押込み特性測定法の黒鉛酸化状態評価への適用の可能性を検討した。その結果、酸化度と黒鉛中の音速の関係は経験式に基づいて表すことが可能であり、黒鉛の均一酸化モデルを用いた音速評価では、低い酸化状態においては試験結果よりも音速を過大評価することが明らかとなった。また、黒鉛の酸化による強度劣化が微小圧子押込み特性測定法により確認できる可能性があることが示唆された。
操上 広志; Malins, A.; 北村 哲浩; 森 康二*; 多田 和広*; 小林 嵩丸*
no journal, ,
流域水循環解析モデルGETFLOWSに、表層流に伴う土壌の侵食・堆積・輸送およびそれに伴う放射性セシウム動態を加えたモデルを追加し、福島県浜通りの複数河川流域に適用した。解析結果は河川水の濁度や放射性セシウム濃度の実測値と概ね良い一致を得た。