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catalyst condition at J-PARC cryogenic moderator system有吉 玄; 達本 衡輝*; 勅使河原 誠; 長谷川 巧*; 城 裕喜*; 堀川 裕加*
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 1327(1), p.012155_1 - 012155_6, 2025/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Thermodynamics)1.4MWの高出力運転がされている米国オークリッジ国立研究所の核破砕中性子源(SNS)では、触媒が無い液体水素循環系において、核スピン異性体の一つであるパラ水素が高強度中性子場でオルソ水素へ変換される「バックコンバージョン生成」を、近年、世界で初めて実験的に計測した。このバックコンバージョンによるパラ
オルソ変換量は、0.374[m
/MW/day]であった。パラ水素とオルソ水素を比較すると、中性子の全断面積が2桁以上異なるため、オルソ水素の増加は得られる中性子の性能に大きく影響を与える。そのためJ-PARC水素循環系では、パラ水素状態を維持するための触媒が導入されている。しかし、触媒性能の劣化をその場かつ直接診断できる手法は開発されていないのが現状である。そこで本研究では、J-PARC水素循環系において、簡便かつ意図的にオルソ水素量を変化させる新しい手法を考案し、バックコンバージョンに相当するオルソ水素の増加を意図的に循環系内へ導入することで、触媒の動特性等を評価することを試みた。本手法による試みは、その場診断型の触媒特性評価手法の確立や、オルソ・パラ比に依存する中性子性能の算定に資する可能性を秘めるものである。
勅使河原 誠; Lee, Y.*; 達本 衡輝*; Hartl, M.*; 麻生 智一; Iverson, E. B.*; 有吉 玄; 池田 裕二郎*; 長谷川 巧*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165534_1 - 165534_10, 2024/12
被引用回数:1 パーセンタイル:24.85(Instruments & Instrumentation)J-PARCの核破砕中性子源において、水酸化第二鉄触媒の機能性を評価するため、1MW運転時の積算ビーム出力9.4MW
hの条件で、ラマン分光法を用いてパラ水素割合をその場測定した。その結果、1MW運転におけて触媒が十分に機能していることが分かった。また、触媒を通さないバイパスラインを用いて、中性子照射によるパラからオルソ水素への逆変換率を調べることを試みた。測定されたオルソ水素割合の増加は、500kW運転で積算ビーム出力2.4MW
hの場合に0.44%であった。しかしながら、この結果は、冷中性子モデレータ内で引き起こされた逆変換と、バイパスされた触媒容器中の温度上昇によって発生した準静的オルソ水素のメインループへの受動的滲出との合算であることが示された。
麻生 智一; 達本 衡輝*; 大都 起一*; 川上 善彦*; 小守 慎司*; 武藤 秀生*; 高田 弘
JAEA-Technology 2019-013, 77 Pages, 2019/09
大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設において1MWの陽子ビームで駆動する核破砕中性子源では、水銀ターゲットで発生した高速中性子を冷中性子に冷却するために、液体水素(1.5MPa, 20K以下)を3基のモデレータに供給し、そこで発生する核発熱(3.8kW)を強制方式で冷却する低温水素システムを備えている。この低温水素システムでは、核発熱に伴う系内の圧力変動を低減するためにベローズ構造で圧力を吸収するアキュムレータを採用していることが特徴である。しかしながら、初期に使用したベローズで不具合が生じたため、高耐圧, 長寿命のアキュムレータが必要となった。厚肉プレートによる高耐圧性を有する溶接ベローズ(内ベローズ)の要素技術開発を行い、最適条件を見出すことができた。内ベローズの試作機を製作し、2MPaの圧力印加を繰り返す耐久試験により、設計寿命(1万回以上)を満たすことを確認した。また、その製作法による内ベローズを導入したアキュムレータの組立時、溶接歪等によって内ベローズの機能性や寿命に影響しないように、水平・垂直度を0.1
以内に抑えた。改良したアキュムレータは既に約25,000時間(繰り返し伸縮約16,000回(運転中40mm伸縮の設計寿命は50万回))の運転を実現できており、2019年1月現在、500kWビーム出力で運転中である。2018年7月には932kWビーム入射した運転を行い、アキュムレータの圧力変動抑制機能が設計どおりの性能を有することを確認し、今後の高出力において安定運転ができる見通しを得た。
奥 隆之; 中村 充孝; 酒井 健二; 勅使河原 誠; 達本 衡輝*; 米村 雅雄*; 鈴木 淳市*; 新井 正敏*
JAEA-Conf 2015-002, 660 Pages, 2016/02
第21回「先端的中性子源に関する国際協力」会議(ICANS-XXI)が2014年9月29日から10月3日に、茨城県立県民文化センター(水戸市)において開催された。この会議は日本原子力研究開発機構, 高エネルギー加速器研究機構, 総合科学研究機構により共催されたものである。会議では、大強度パルス中性子源を用いた新時代のサイエンスや応用研究の展開について、ワークショップ形式のセッションを主体として、ハードウェアからソフトウェア、そして放射線安全に至るまで、"インターフェイス"をキーワードに、さまざまな課題に関する活発な討論がなされた。本報文集はそれら72件の論文をまとめたものである。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 川上 善彦
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 101, p.012108_1 - 012108_8, 2015/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Thermodynamics)J-PARCの核破砕中性子源では1MW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を超臨界水素を用いて冷中性子に減速させてビームを供給する。陽子ビーム1MWのオン・オフに伴い、大きな熱負荷が与えられる。本システムでは、アキュムレータを用いた容量制御と陽子ビームによる核発熱分をヒータにより補償する方法を併用させて圧力制御を行う。本研究では、新たに開発した小型で大容量加熱が可能なオリフィス型ヒータを用いて、その出力をステップ状に変化させた場合の応答速度を測定し、設計どおりの性能が得られたことを確認した。さらに、実験結果に基づき、開発した動的挙動解析コードにヒータ制御のPID制御パラメータを決定し、実験結果と良く一致することを確認した。600kWビーム入射時では、ビームのオン・オフに対する追従性が成り立たなくなってもPI定数を最適化することにより、フィードバック制御だけで十分圧力変動を抑えることが解析で確認できた。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 野中 聡*; 稲谷 芳文*
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 101, p.012177_1 - 012177_8, 2015/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Thermodynamics)直接強制冷却方式のCICC(ケーブルインコンジット)超伝導導体内における液体水素の冷却安定性を評価するために、内径5.7mm, 8mm, 5mmの断熱円管流路の中心軸上に直径1.2mm, 長さ60mm, 120mm, 200mmのPtCo製ワイヤヒーターをそれぞれ設置し、指数関数状に連続に加熱した場合のサブクール液体水素の強制流動下における定常および過渡熱伝達特性を加熱速度をパラメータとして圧力0.7MPa、液温21Kの条件下で測定した。流速は0.3m/sから7m/sまで変化させた。加熱速度が速くなると、核沸騰熱伝達域では、加熱速度の影響はほとんどないが、過渡CHFは、加熱速度が速くなるにつれて大きくなり、液体窒素で報告されているような膜沸騰直接遷移現象による過渡CHFの低下は液体水素の場合ないことがわかった。また、過渡状態におけるCHFは、定常CHFからの上昇分として整理することができ、流速および圧力に依存せず、加熱速度の関数で表されることがわかった。定常CHFにおいては加熱等価直径の影響は明確に現れなかったが、過渡熱伝達においては、同一の加熱等価直径の場合の過渡CHFの定常CHFからの上昇分は等しく、加熱等価直径が大きくなるとその増分も大きくなることがわかった。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 川上 善彦; 青柳 克弘; 武藤 秀生
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 101, p.012107_1 - 012107_8, 2015/12
被引用回数:4 パーセンタイル:76.00(Thermodynamics)J- PARC核破砕中性子源用の低温水素システムは2008年4月に完成し、同年の5月末に初めて冷中性子の発生に成功した。低温水素システムは3ヶ月の安定な長期連続運転を実施できるようになり、最近では500kWの共用運転を行っている。本装置は、「極低温」でかつ「高圧」の可燃性水素を取り扱う国内で初めての大型冷凍設備であるため、2007年のオフビームコミッショニングから現在に至るまで数々の予期せぬトラブルがあった。例えば、気体軸受水素ポンプの過渡軸振動現象、軸受部の過渡冷却現象および水素トライポロジーによる起動不良、アキュムレータ用ベローズの破損、ヘリウム冷凍機の不純物による不安定事象である。さらに、2011年には冷却運転中に東日本大震災が発生し、停電および計装空気が喪失したが、構築したインターロックシステムにより正常に自動停止することができた。これまでの運転や不具合事象により多くの知見が得て、改良を重ねた結果、現在では長期間の安定な冷却運転を実施できるようになった。
達本 衡輝; 大都 起一; 麻生 智一; 川上 善彦
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 101, p.012109_1 - 012109_8, 2015/12
被引用回数:4 パーセンタイル:76.00(Thermodynamics)J-PARC核破砕中性子源では1MW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を超臨界水素を用いて冷中性子に減速させてビームを供給する。陽子ビーム1MWのオン・オフに伴い、大きな熱負荷が与えられる。本システムでは、アキュムレータを用いた容量制御と陽子ビームによる核発熱分をヒータにより補償する方法を併用させて圧力制御を行う。本研究では、陽子ビーム入射・停止時のkWオーダーのステップ状の核発熱に伴う大きな温度・圧力変動を模擬し、効率の良い制御方法を開発するための解析コードを新たに開発した。300kWおよび600kW陽子ビーム入射時の解析を行い、温度・圧力変動の解析結果は実験結果と良く一致することを確認した。本解析コードは、1MWの場合の制御方法の模擬にも十分適用できるツールとして期待できる。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 川上 善彦
Physics Procedia, 67, p.123 - 128, 2015/00
被引用回数:2 パーセンタイル:60.04(Physics, Applied)J- PARC低温水素システムでは、陽子ビームの入射・停止時における大きな圧力変動を抑制するために、ヒータによる熱補償制御とアキュムレータによる容積変動制御を併用したJ-PARC独自の圧力制御機構を採用している。2010年に1号機アキュムレータでリークが見つかった際に暫定的に導入した2号機アキュムレータでは、ベローズ部の耐圧性能が0.96MPaと設計圧力(2.0MPa)より低いことと、伸縮時の大きなヒステリシスによる寿命の低下につながり得ることが欠点であった。そこで、ベローズ部の耐圧性能を高め、組み立て後の水平精度を1度以下に抑え込むことにより伸縮時のヒステリシスがほとんど生じないように改良した。さらに、分割型構造を新たに採用し、狭い真空断熱容器内での設置作業性を平易化し、交換に要する作業期間を従来の半分以下に短縮できた。300kW陽子ビームを用いた特性試験を行った結果、設計どおりの性能を有することを確認した。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 稲谷 芳文*
Journal of Superconductivity and Novel Magnetism, 28, p.1185 - 1188, 2014/09
被引用回数:18 パーセンタイル:55.69(Physics, Applied)大気圧から超臨界圧(1.5MPa)の広範囲の圧力条件下における液体および超臨界圧水素のプール熱伝達特性を明らかにするために、直径1.2mm、長さ101mmのPtCo製ワイヤ発熱体からの定常熱伝達特性を測定した。非沸騰域の熱伝達は水平円柱の場合の相関式であるMcAdams式とよく一致した。核沸騰および膜沸騰熱伝達は圧力が高くなると、熱伝達特性は良くなるが、核沸騰限界熱流束の圧力依存性は、臨界圧力の1/3のところで最大値となり、それ以上の圧力では小さくなった。その傾向は、従来のKutateladze式と表されるが、圧力が高い領域の実験結果は、予測値より低くなった。これは、液体水素の場合、水力学的不安定性が起こる前に、発熱体温度が臨界温度に到達したことが原因であることがわかった。超臨界圧水素中の熱伝達特性は、発熱体温度が臨界温度以下の場合、液体水素の場合と同様にMcAdams式で表されることがわかった。しかし、臨界温度以上では、熱伝達係数は悪くなり、その熱伝達係数は、液体水素の膜沸騰の場合と同程度であることがわかった。プール超臨界圧水素中の熱伝達相関式を導出し、広範囲の過熱度において実験結果を40%以内で記述できた。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 稲谷 芳文*
Journal of Physics; Conference Series, 507(2), p.022042_1 - 022042_4, 2014/05
被引用回数:2 パーセンタイル:64.45(Engineering, Electrical & Electronic)これまでにない外部磁場環境下における液体水素中の高温超電導材料の通電基礎特性データを取得し、液体水素冷却高温超電導機器の冷却設計指針を確立するために、液体水素冷却超伝導線材特性測定装置を設計・製作を行った。本装置では、高温超電導線材等の供試体を設置する液体水素槽は、実績のある既存の液体水素熱流動実験装置をベースに機器設計および安全設計を行った。その外側に真空断熱槽を介して、磁場発生用の7TのNbTi超電導マグネット冷却用液体ヘリウム槽を設けて、多重容器構造とした。長時間、安定に実験を行うために、熱流動解析により侵入熱軽減対策を実施し、超電導マグネットクエンチ時の安全対策を検討した。さらに、強磁場発生時における周辺機器への漏洩磁場の影響も3次元磁場解析により明らかにし、その軽減対策も施した。水素防爆の観点から、実験時は、安全距離を十分確保した制御室で行えるように、遠隔による計測・制御システムも構築した。初めて実施した低温性能試験により、設計どおりの性能を有することが確認できた。
高田 弘; 羽賀 勝洋; 明午 伸一郎; 達本 衡輝; 春日井 好己; 二川 正敏
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '13), p.154 - 158, 2014/05
J-PARCのパルス核破砕中性子源施設では顕著な進捗が得られている。1つは、水銀ターゲットに生成され、入射による熱付与によって水銀ターゲット内に発生し、容器内壁に大きな損傷を与える要因となる圧力波を、水銀に微小気泡を注入することによって低減した。これは、新しいその場診断システムであるレーザードップラー振動計を用いて、微小気泡の注入によって圧力波が確実に低減されたことを確認した。また、超臨界の低温水素システムでは、ヘリウム循環系に残留する不純物を除去するための外部精製器を導入し、その結果、95日の運転後でも熱交換器における圧力損失を数kPa程度に抑制することができた。さらに、低温水素システムにサンプリングラインを設け、水素ガスを抽出できるようにした。ラマン分光分析を行った結果、運転中にパラ水素が100%の割合を占めることを確認し、これによってモデレータで発生させた中性子は、その強度やパルス波形が長期の運転中も変わらないこと示した。
達本 衡輝; 大都 起一; 麻生 智一; 川上 善彦; 勅使河原 誠
AIP Conference Proceedings 1573, p.66 - 73, 2014/01
被引用回数:6 パーセンタイル:90.79(Thermodynamics)J-PARCの物質生命科学実験施設は、陽子ビームを水銀ターゲットに入射し、発生した高速中性子をモデレータである1.5MPa、20K以下の超臨界圧の低温水素と衝突を繰り返すことにより減速した冷中性子ビームによる中性子実験を行う実験施設である。低温水素システムは、3台の水素モデレータに超臨界圧水素を供給し、そこで発生する核発熱(1MW陽子ビーム時に3.75kW)を強制冷却するための冷凍設備である。低温水素システムの性能評価を行うために、冷却過程におけるパラ水素濃度を測定し、常に平衡濃度で存在することを確認した。定格状態では、設計条件の99%以上を満たすことを確認した。さらに、過渡的な熱負荷を与えた場合の温度変動の伝播特性と熱交換器の特性を測定し、熱負荷補償するためのヒータ制御による許容温度変動量を評価した。286kWと524kWの高出力陽子ビーム入射時の温度伝播特性結果と比較し、この評価方法の妥当性を検証した。さらに、本実験結果に基づいて、1MW陽子ビーム運転時におけるヒータ制御による温度変動量は、許容値以下であることがわかり、安定な1MWの陽子ビーム運転の見通しが得られた。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 畑 幸一*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 稲谷 芳文*
AIP Conference Proceedings 1573, p.44 - 51, 2014/01
被引用回数:16 パーセンタイル:98.09(Thermodynamics)内径(D)が4mmで加熱長さ(L)が100mmと167mm、内径が6mmで加熱長さが150と250mmのステンレス製円管発熱体を用いて(特性長さL/D=25と41.7に相当)、飽和液体水素(0.4, 0.7, 1.1MPa)を強制流動させた場合の熱伝達特性を流速をパラメータとして測定した。非沸騰の熱伝達は従来のDittus-Boelter式とよく一致することを明らかにした。流速及び飽和圧力が小さくなると、核沸騰限界(DNB)熱流束は大きくなり、特性長さ(L/D)の-0.35乗に比例することが実験データとの比較により明らかになった。さらに、実験結果は、導出した核沸騰限界熱流束相関式により記述できることを明らかにした。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 稲谷 芳文*
Journal of Physics; Conference Series, 568, p.032017_1 - 032017_5, 2014/00
被引用回数:5 パーセンタイル:84.16(Physics, Applied)直接強制冷却方式のCICC(ケーブルインコンジット)超伝導導体内における液体水素の冷却安定性を評価するために、内径8mm、全長が120mmの流路の中心軸上に設置した直径1.2mm、加熱長さ120mmのPtCo製ワイヤヒーターを用いて、飽和液体水素(0.4, 0.7, 1.1MPa)の強制流動下における定常熱伝達特性を測定した。流速は0.4m/sから8m/sまで変化させた。非沸騰の熱伝達は代表長さに等価直径を用いることにより従来のDittus-Boelter式とよく一致することを明らかにした。核沸騰限界(DNB)熱流束は、高流速及び低圧力で大きくなり、これまでに実施した円管発熱体の場合と同様の傾向を示すことが明らかになった。供試体形状パラメータを有するウェーバー数の代表長さに等価直径を使用し、アスペクト比(L/D)に加熱等価直径を使用することにより、既に円管発熱体で導出した核沸騰限界熱流束相関式で実験結果を記述でき、その相関式の一般性を示すことができた。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 二川 正敏
AIP Conference Proceedings 1434, p.391 - 398, 2012/06
被引用回数:1 パーセンタイル:44.48(Physics, Applied)陽子ビーム1MW時において、J-PARC核破砕中性子源の水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、この大きな熱負荷を除去するために、大容量の超臨界圧低温水素を安定に強制循環させる低温水素システムを製作した。陽子ビームの入射・停止時における大きな圧力変動を抑制するために、ヒータによる熱補償制御とアキュムレータによる容積変動制御を併用した圧力制御機構を開発し、安定な120kW陽子ビーム運転を実施してきた。しかしながら、2010年2月にこのアキュムレータのベローズ部において、内部リークがみつかり、復旧に数か月かかると見積もられたが、早急に120kWの陽子ビーム運転を再開する必要があった。そこで、120kW陽子ビーム時の核発熱は450Wと比較的小さいので、ヒータのみでその圧力変動を制御できるか検討を行った結果、一部改造することにより、運転可能な見通しを得ることができた。120kW陽子ビーム入射時において性能評価試験を実施し、圧力変動は設計値以下の40kPaに抑制できることを確認し、その後の2か月にわたる共用運転を実施した。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 畑 幸一*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 稲谷 芳文*; 木下 勝弘*
AIP Conference Proceedings 1434, 1434(1), p.747 - 754, 2012/06
被引用回数:15 パーセンタイル:96.11(Physics, Applied)内径が3mmと6mmの水平支持円管発熱体を用いて0.7MPaの液体水素を強制流動させた場合の熱伝達特性を液温と流速をパラメータして測定した。非沸騰域の熱伝達は従来のDittus-Boelter式とよく一致することが明らかになった。流速及びサブクールが大きく、内径が大きくなると、核沸騰開始点と核沸騰限界熱流束は増加した。水平支持の場合の核沸騰限界熱流束は、鉛直支持の場合に比べて小さくなるが、内径が小さい3mmの場合では、支持方向に依存しないことが明らかになった。さらに、実験結果は、導出した核沸騰限界熱流束により記述できることを明らかにした。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 加藤 崇; 二川 正敏
AIP Conference Proceedings 1434, p.368 - 375, 2012/06
被引用回数:3 パーセンタイル:71.19(Physics, Applied)J-PARC核破砕中性子源では、1MW陽子ビーム運転時において、水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、この大きな熱負荷を除去するために、大容量の超臨界圧低温水素を安定に強制循環させる低温水素システムを製作した。陽子ビームの入射・停止時における大きな圧力変動を抑制するために、ヒータによる熱補償制御とアキュムレータによる容積変動制御を併用した圧力制御機構を開発し、120kW陽子ビーム運転において、その圧力制御機構の妥当性を確認した。しかし、2010年2月にアキュムレータのベローズ部で内部リークが見つかった。アキュムレータのサイズが大きかったので、メンテナンスハッチからの取り出しが難しく、低温水素システムの一部を解体する必要があった。そこで、容易に交換可能な小型のアキュムレータを新たに設計し、33%の小型化に成功した。120kW陽子ビームを用いた特性試験により、設計どおりの性能を有することを確認した。
達本 衡輝; 白井 康之*; 塩津 正博*; 畑 幸一*; 成尾 芳博*; 小林 弘明*; 稲谷 芳文*; 成田 憲彦*
Proceedings of 24th International Cryogenic Engineering Conference (ICEC 24) and International Cryogenic Materials Conference 2012 (ICMC 2012) (CD-ROM), p.157 - 160, 2012/05
内径が6mm、加熱長さが50, 100, 200, 250mmのステンレス製円管発熱体を用いて、飽和液体水素(0.4, 0.7, 1.1MPa)を強制流動させた場合の熱伝達特性を流速をパラメータとして測定した。非沸騰の熱伝達は従来のDittus-Boelter式とよく一致することを明らかにした。流速及び飽和圧力が小さくなると、核沸騰限界(DNB)熱流束は大きくなり、加熱長さの-0.35乗に比例することが実験データとの比較により明らかになった。さらに、実験結果は、導出した核沸騰限界熱流束相関式により記述できることを明らかにした。
酒井 健二; 坂元 眞一; 木下 秀孝; 関 正和; 羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; 春日井 好己; 達本 衡輝; et al.
JAEA-Technology 2011-039, 121 Pages, 2012/03
本報告では、東日本大震災の発生時におけるJ-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)の中性子源ステーションの挙動,被害,復旧状況を調査し、本ステーションの緊急事態に対する安全設計について検証する。大震災発生時、MLFでは、幾つかの機器で大きな揺れを検知した後、外部電源が喪失し、全循環システムが自動停止した。水素は設計通り屋外に放出され、機器異常による水銀,水素,放射性ガスの漏えいも生じなかった。一方、激しい揺れは、遮蔽体ブロックのずれ、建屋周辺の地盤沈下による外部供給配管の破断を引き起こした。この配管破断による圧縮空気の圧力低下は、水銀ターゲット台車固定装置などに影響を及ぼしたが、主要機器の大きな破損までは至らなかった。これらの結果は、本ステーションの緊急事態に対する安全設計の妥当性を実証できたとともに、幾つかの改善点も見いだされた。