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町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 田中 伶詞*; 飛田 康弘*; 岩田 亜矢子*; 青木 勇斗; 青木 和久; 柳澤 憲一*; 山口 隆司; et al.
RIST News, (70), p.3 - 22, 2024/09
福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害となっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、この課題解決に貢献するため、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の高機能化開発)」を受託し、令和(R)5年度4月より、廃炉屋内の放射線環境改善に係るデジタル技術の研究開発事業を進めている。本事業では、前期事業(R34年度実施)にて開発した3 D-ADRES-Indoor(プロトタイプ)を発展させ、現場で活用可能な高速デジタルツイン技術より成るFrontEnd、1F新事務本館等の居室で詳細解析を行うPro、そして、収集したデータ及び解析したデータを集中管理するデータベースの役割を果たすBackEndの3つの連携システムの開発を目標としている。本報告では、この3つの連携システムの中でも現場で活用するシステムとして、点群測定後、迅速に3Dメッシュモデルを作成し、線量率の計測結果から線源を逆推定し、その推定線源の位置や強度を更に高精度化する計算技術(再観測指示と再逆推定)を有するFrontEndを中心に、その開発状況について報告し、その検証結果として5号機での試験結果を示す。また、簡単に当該事業の今後の研究開発の計画も報告する。
町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 奥村 雅彦; 宮村 浩子; 志風 義明; 佐藤 朋樹*; 沼田 良明*; 飛田 康弘*; 山口 隆司; et al.
RIST News, (69), p.2 - 18, 2023/09
福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害の一つとなっている。この課題解決に資するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発)」を受託し、令和3年度より2年間に渡り、放射線源の逆推定と推定線源に対する対策を仮想空間で実施可能とするためのデジタル技術の研究開発を実施してきた。本記事では、上記プロジェクトの成果(以下、前期プロジェクトと呼び、その2年間の研究開発の成果)を紹介する他、令和5年度4月より、新たに開始した継続プロジェクト(以下、後期プロジェクトと呼ぶ)の計画についても報告する。前期プロジェクトにて当初予定していた機械学習技術(LASSO)については、建屋内の複雑な構造情報と汚染源の性質を反映した一つの派生版手法へと結実させた成果を報告する他、実際の原子炉施設での検証結果を示す。更に、開発技術を集約したプラットフォームとしての機能を持つソフトウエア:3D-ADRES-Indoorを紹介し、継続して実施する予定の後期プロジェクトの研究開発計画も紹介する。
高部 湧吾; 大塚 紀彰; 冬島 拓実; 佐谷戸 夏紀; 井上 修一; 森田 寿; Jaroszewicz, J.*; Migdal, M.*; 小沼 勇一; 飛田 正浩*; et al.
JAEA-Technology 2022-040, 45 Pages, 2023/03
中性子照射場として中核を担ってきた材料試験炉(Japan Materials Testing Reactor: JMTR)の廃止に伴い、軽水炉の一層の安全性、信頼性・効率性向上のための技術開発や革新的な原子炉開発に必要な国内照射場が喪失され、照射試験炉の運転技術や照射技術の継承や人材育成も困難な状況となった。こうした課題に対処するため、代替手段として中性子照射場を海外炉に求めた照射試験の実施に係る検討を行った。「ポーランド国立原子力研究センターと日本原子力研究開発機構との間の試験研究炉の研究開発のための共同研究取決め」に基づきポーランド国立原子力研究センター(NCBJ)が所有するMARIA炉(出力30MW)を中性子照射場として、JMTRの有する照射技術の一つである温度制御システムを導入した照射試験の実施可否を検討した。その結果、JMTRの設計・製作基準に則って製作済であったキャプセルに対し改造を施すことで照射試験の実現が可能である見通しが得られた。改造後に浸透探傷検査、絶縁導通試験及びキャプセルの使用温度である室温300Cの範囲における動作試験等を実施し、良好な結果が得られ、MARIA炉への輸送前準備を完了した。
町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 奥村 雅彦; 宮村 浩子; Malins, A.; 志風 義明; 佐藤 朋樹*; 沼田 良明*; 飛田 康弘*; et al.
RIST News, (68), p.3 - 19, 2022/09
福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害の一つとなっている。この課題の解決に資するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発)」を受託し、令和3年6月より放射線源の逆推定と推定線源に対する対策を仮想空間にて実施するためのデジタル技術及びその関連技術の研究開発を開始した。本記事では、上記技術のコアとなる概念(逆推定に用いるLASSO: Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)を紹介するとともに、開発技術を集約したプラットフォーム機能を持つソフトウエア: 3D-ADRES-Indoorの開発進捗と、その活用の際に重要な役割を果たす放射線量の可視化技術等の研究開発の進捗について報告する。
眞田 幸尚; 宗像 雅広; 森 愛理; 石崎 梓; 嶋田 和真; 廣内 淳; 西澤 幸康; 卜部 嘉; 中西 千佳*; 山田 勉*; et al.
JAEA-Research 2016-016, 131 Pages, 2016/10
2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。ここでは、平成27年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果と川内原子力発電所周辺で行ったバックグラウンド線量率のモニタリング結果についてまとめた。
飛田 教光; 吉本 政弘; 竹田 修; 佐伯 理生二; 山崎 良雄; 金正 倫計; 武藤 正義*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1350 - 1354, 2015/09
J-PARC RCSの荷電変換フォイルは、厚さ約1mの炭素製薄膜を使用している。フォイルは、ビームが照射され続けることで劣化が進み壊れやすくなる。フォイルを真空容器内から取り出す、新しいフォイルを再装填して使用する際には、Arパージ作業、真空排気作業が必要となる。フォイルは非常に薄いため気流による破損のリスクが高い。そのため、真空容器内の気流を抑制する目的で、スローパージ・スロー排気系統を採用している。これまでは、真空容器のビューポートからフォイルに破損等の有無が生じていないか直接監視しており、残留線量の高い主トンネル内で作業を行っていた。そのため、作業時には高い被ばく線量を作業員が浴びていた。そこでRCSでは、残留線量の高い主トンネル内での作業を避け、被ばくのリスクが低いサブトンネルへスローパージ・スロー排気系統を移設した。それに合わせて、ビューポートに新たにカメラを設置し、サブトンネルでフォイルの画像を確認しながら作業を行えるシステムを追加した。サブトンネルへの移設により作業員の放射線被ばくはほとんどなくなった。本発表ではスローパージ・スロー排気系統の移設とその効果について詳しく説明する。
飛田 教光; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 佐伯 理生二; 岡部 晃大; 金正 倫計; 竹田 修*; 武藤 正義*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.915 - 919, 2014/06
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)で用いる荷電変換フォイルは、厚み約1mの炭素製薄膜であり、ビームが照射され続けることで放射化する。また一般的に、フォイル自体も劣化が進み壊れやすくなると考えられている。しかし、照射後のフォイルを取扱う際には、フォイルが飛散することによる汚染や体内被ばくといった危険性への対策が課題の一つである。そこでRCSでは、放射化したフォイルを安全かつ確実に回収するためのフォイル交換ブースを設置した。仮にフォイルを飛散させた場合でも、放射化したフォイルをブース内にだけ閉じ込め、作業員の被ばくや作業エリアの汚染を防ぐことができるようになった。また、フォイルの性能向上の観点から見ると、回収したフォイルの分析・観察は重要な課題の一つである。そこで、ビーム照射後の放射化したフォイルを観察するため、フォイルフレーム単体で密閉できる透明の保護ケースを開発した。本発表では、ビーム照射後の荷電変換フォイルを回収するために開発した装置や確立した手法について詳しく発表する。
佐伯 理生二; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 飛田 教光; 岡部 晃大; 金正 倫計; 竹田 修*; 武藤 正義*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.523 - 526, 2014/06
RCSは、ビーム運転期間中でもフォイルが破損したときに短時間で交換できるように、予備を含めて15枚のフォイルを装置内に装填している。フォイルは厚さ約1mの薄膜でできており、そのままでは扱うことが困難である。そこでSiCファイバーを張り付けたフレームにフォイルを固定して、フォイルに触れずフレームだけを掴んで操作できるようにした。新規フォイル入れ替え作業として次のような準備作業が必要となる。(1)ガラス基板に蒸着しているフォイルの剥離と回収。(2)剥離したフォイルの乾燥及び切り出し。(3)SiCワイヤの準備とフレームへの張り付け。(4)フォイルをフレームへ固定。(5)マガジンラックへの装填は、これまですべて手作業で行っていたが作業工数が多く、準備したフォイルの品質にばらつきがあった。そこで再現性を確保するために必要な装置の開発を行った。同時に作業を効率的に行うための手法を確立した。本発表ではこれまで確立した手法や、開発した治具について詳しく発表する。
朝倉 伸幸; 新谷 吉郎*; 飛田 健次; 星野 一生; 清水 勝宏; 宇藤 裕康; 染谷 洋二; 中村 誠; 大野 哲靖*; 小林 政弘*; et al.
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.70 - 75, 2013/05
被引用回数:14 パーセンタイル:70.64(Nuclear Science & Technology)近年、ダイバータの物理設計において、平衡コイルの配置と電流値の配分を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する磁場形状の検討が注目され、「先進ダイバータ」と呼ばれている。非常に大きな熱流の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、ダイバータ形状や磁場配位を生成する平衡コイル(PFC)の配置を検討した。プラズマ平衡コードTOSCAを改善し新たに2つのパラメータを導入することにより、PFCをトロイダルコイル(TFC)の外側に設置する条件で、先進ダイバータの代表例である「スーパーXダイバータ」を形成可能なコイル配置及び電流の検討を行った。その結果、PFCをTFCの外側においた場合でも、先進ダイバータ磁場配位が可能であることがわかり、その初期結果を報告する。ダイバータ板の受熱面積は通常の約2倍程度の増加であるが、磁力線長も40-70%増加可能である。一方、ダイバータ配位を形成するコイルには大電流が必要になる。「雪化粧型ダイバータ」の検討を行い、六重極ヌル点の制御の困難さ、主プラズマ形状への影響、一部の中心ソレノイドに非常に大きな電流が必要であることがわかった。
朝倉 伸幸; 新谷 吉郎*; 飛田 健次; 星野 一生; 清水 勝宏; 宇藤 裕康; 染谷 洋二; 中村 誠; 大野 哲靖*; 小林 政弘*; et al.
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.70 - 75, 2013/05
ダイバータの物理設計ではその形状を工夫して非接触プラズマを生成・制御するとともに、平衡コイルの配置と電流値の配分を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する磁場形状の検討が注目され、「先進ダイバータ」と呼ばれている。非常に大きな熱流(500-600MW)の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、ダイバータ形状や磁場配位を生成する平衡コイルの配置を検討した。プラズマ平衡コードTOSCAを用い、平衡コイルをトロイダルコイルの外側に設置する条件で、先進ダイバータの代表例である「スーパーXダイバータ」及び「雪結晶型ダイバータ」を形成可能なコイル配置及び電流の検討を行った。その結果、平衡コイルをトロイダルコイルの外側においた場合でも、先進ダイバータ磁場配位が可能であることがわかり、その初期結果を報告する。前者の場合はダイバータ板の受熱面積は通常の約3倍に、磁力線長も30%増加可能であるが、ダイバータ配位を形成するコイルには大電流が必要になる。後者では、六重極ヌル点の制御の困難さ、主プラズマ形状への影響、一部の中心ソレノイドに非常に大きな電流が必要であることがわかった。
坂口 忍; 立花 郁也; 越野 克彦; 白水 秀知; 白井 更知; 今本 信雄; 冨田 恒夫; 飛田 祐夫; 山中 淳至; 小林 大輔; et al.
JAEA-Technology 2011-006, 24 Pages, 2011/03
2007年に発生した新潟県中越沖地震において、柏崎刈羽原子力発電所では設計基準を超える地震動が観測されたが、「止める,冷やす,閉じ込める」ための耐震重要度の高い施設,設備については、耐震設計時において発生する荷重や耐震許容に相当な耐震裕度が見込まれていたため、被害はなかった。そこで、耐震裕度とは実際にどの程度あるものなのかがわかれば、施設,設備の安全性が明確になる。このため、定量的な耐震裕度の把握を目的として、東海再処理施設の代表的な機器を一例に、一般的に地震が発生した際に地震荷重が集中しやすい据付ボルトについて、実機を模擬した供試体を用いて耐力試験を実施した。本報告では、耐力試験から得られた耐力値が、耐震許容に対してどの程度裕度があるのかについてまとめたものである。
稲葉 良知; 小川 光弘; 山浦 高幸; 飛田 正浩
JAEA-Technology 2009-032, 51 Pages, 2009/07
材料試験炉(JMTR)において実施する軽水炉燃料の燃料異常過渡試験では、キャプセル型の試験装置(燃料異常過渡試験用キャプセル)を用いるが、キャプセル内の熱流動挙動を評価するため、多次元二流体モデルコードACE-3Dにより数値解析を行うことにしている。そこで、まずACE-3Dの機能拡張を行い、入力データの作成や解析結果の図示を容易にできるようにした。次に、ACE-3Dの検証のため、既にJMTRで試験実績のあるBWR出力較正試験用キャプセルをモデル化し、ACE-3DによるBWR出力較正試験を模擬した数値解析を行った。試験データと解析結果とを比較したところ、両者は比較的よく一致した。その結果、燃料異常過渡試験の熱流動解析にACE-3Dを適用できる見通しが得られた。さらに、自然対流型キャプセルによる燃料異常過渡試験を模擬した数値解析を行い、キャプセル内の熱流動挙動について検討した。
飯村 光一; 小川 光弘; 冨田 健司; 飛田 正浩
JAEA-Technology 2009-021, 71 Pages, 2009/05
JMTRは、平成23年度から照射試験の再稼働に向け、燃料異常過渡試験の準備を進めている。燃料異常過渡試験は、シュラウド照射装置(OSF-1)及びヘリウム3出力制御型沸騰水キャプセル照射装置(キャプセル制御装置,ヘリウム3出力可変装置及び沸騰水キャプセルから構成)を使用して、BWR高燃焼度燃料でBWRの照射環境を模擬し、出力急昇時の燃料挙動を評価する試験である。燃料異常過渡試験で取り扱う燃料試料が、さらに高燃焼度燃料(50GWD/t-UOから110GWD/t-U)になることから、燃料試料破損時における安全評価のため、線量の再評価を行う必要がある。本報告書は、燃料異常過渡試験で燃料試料の破損に至った場合、核分裂生成物がキャプセル制御装置及び沸騰水キャプセルに流出したときの各機器の線量当量率の評価及び取扱う放射線業務従事者の被ばく評価をまとめたものである。
小川 光弘; 飯村 光一; 冨田 健司; 飛田 正浩
JAEA-Technology 2009-017, 254 Pages, 2009/05
JMTR(Japan Materials Testing Reactor)では、平成23年度の再稼働に向けて照射施設の整備を進めている。照射施設の整備に伴い使用する燃料の照射条件等の変更から、JMTRの核燃料物質使用施設からの直線ガンマ線及びスカイシャインガンマ線による周辺監視区域境界における外部被ばくによる実効線量の再評価を実施した。評価方法は、照射施設における核燃料物質の最大使用量から、核種生成崩壊計算コード「ORIGEN2」を用いて線源強度を求め、これに建屋等の体系をモデル化し、しゃへい計算コード「G33-GP2」及び「QAD-CGGP2」を用いて周辺監視区域境界上の線量当量率を算出した。評価の結果、当該施設からの直接ガンマ線及びスカイシャインガンマ線による周辺監視区域境界における年間の実効線量は十分に低いことが確認された。
牛草 健吉; 関 昌弘; 二宮 博正; 乗松 孝好*; 鎌田 裕; 森 雅博; 奥野 清; 柴沼 清; 井上 多加志; 坂本 慶司; et al.
原子力ハンドブック, p.906 - 1029, 2007/11
原子力ハンドブックの第VIII章核融合の研究開発において、核融合炉の概念,炉心プラズマ物理と炉心制御技術,国際熱核融合実験炉(ITER)計画,核融合ブランケット技術,核融合燃料循環処理技術,核融合炉用材料技術,核融合動力炉概念とシステム工学課題について、研究の現状を解説する。
武井 奈帆子; 中村 幸治; 牛込 雅裕*; 鈴木 隆博; 相羽 信行; 武智 学; 飛田 健次; 高瀬 雄一*; 福山 淳*; Jardin, S. C.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 49(3), p.335 - 345, 2007/03
被引用回数:7 パーセンタイル:25.44(Physics, Fluids & Plasmas)NB電流駆動を停止すると間欠的に圧力崩壊を繰り返すJT-60U非誘導・負磁気シア放電について、プラズマの電流拡散と輸送改善を含む磁気流体シミュレーションによってその発生機構を調べた。電流駆動停止の後誘起された「リターン電流」が輸送障壁部に拡散し極小安全係数を低下させる結果、輸送障壁部に局在化したn=1kink-ballooningモードが不安定化し、これによって放電そのものは生き残る小規模なベータ崩壊が発生する。その後、自発電流が増大するにつれて強い輸送障壁構造が回復し、またベータ崩壊が発生する繰り返し現象が起きることを明らかにした。
松井 義典; 塙 悟史; 井手 広史; 飛田 正浩*; 細川 甚作; 小沼 勇一; 川又 一夫; 金澤 賢治; 岩松 重美; 齋藤 順市; et al.
JAEA-Conf 2006-003, p.105 - 114, 2006/05
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、炉内の照射・高温水・応力が同時に作用する条件で起こる現象であるが、従来のIASCC研究は、照射後試験が中心であった。本来は、その同時作用効果を把握するために、照射下でのSCC試験が最も重要であるが、技術的に困難であったことから、実施できなかった。今回、JMTRでこの技術開発及び照射下試験(き裂進展試験,き裂発生試験)に成功したので、本報で報告する。
山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 神山 健司; 近藤 悟; 守田 幸路*; Fischer, E. A.; Brear, D. J.; 白川 典幸*; 曹 学武; et al.
JNC TN9400 2003-071, 340 Pages, 2003/08
核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉の仮想的な炉心損傷事故を評価するために新たな安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めてきた。SIMMER-IIIは、2次元,3速度場,多相多成分,オイラー座標系の流体力学モデルを中核として、物質配位及びエネルギー状態に対応した空間依存の核計算モデルを有機的に結合したコードである。現在までに、本コード開発プロジェクトの当初に計画していた全てのモデル開発を終了したことになり、いよいよ実機の安全解析や複雑な多相流解析に本格的に適用できる段階に達した。また、コード開発と併行して、体系的なモデル検証研究を欧州研究機関と共同で進めており、その結果、モデルの高度化により従来のSIMMER-IIコードで問題とされた適用限界の多くが解消できるとの見通しを得つつある。本報告書では、SIMMER-III Version 3.Aの詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル,数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。新たに完成したSIMMER-III Version 3.Aにより、高速炉の安全解析における信頼性と適用範囲が飛躍的に向上できるものと期待されている。
山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 近藤 悟; 守田 幸路*; 菅谷 正昭*; 水野 正弘*; 細野 正剛*; 近藤 哲平*
JNC TN9400 2003-070, 333 Pages, 2003/08
核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉における仮想的な炉心損傷事故をより合理的に評価するために、新たな安全解析コードSIMMER-III開発・検証を進めてきた。この開発成果に基づき、SIMMER-IIIの2次元流体力学モデルを3次元に拡張したSIMMER-IVコードの開発を行った。本報告書に述べる第2版(Version 2)では、核計算部は3次元中性子輸送モデルを採用している。SIMMER-IVの完成により、SIMMERコードの適用範囲はさらに拡大し、これまでのSIMMER-IIIの2次元コードであるが故の限界が解消される。本報告書にも記載したサンプル計算を通じて、SIMMER-IVの基本的性能と妥当性が確認されている。本報告書は、SIMMER-IV Version 2.Aの利用者のために必要な情報を記載している。詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。
飛田 正浩*; 松井 義典
JAERI-Tech 2003-042, 132 Pages, 2003/03
炉内照射試験における照射温度の予測は、照射キャプセル設計において重要な項目の一つである。近年の照射試験では、種々の試験条件の要求に対応するため、複雑な構造のキャプセルが多く、照射温度の精度良い評価には、3次元計算を必要とするケースが増えている。しかし、3次元温度計算では一般に入力の作成等に複雑な作業を必要とし、多くのパラメータ計算を行う設計作業では大変な時間と労力を要する。このため、3次元有限要素法コードNISA1)(Numerically Integrated elements for System Analysis)の導入とともに、キャプセル設計者の入力作成作業を支援するサブプログラムを開発した。この結果、3次元温度計算がより容易に実施可能になるとともに、発熱率の自己遮へいによる構造物内部での減衰等の効果,炉内照射に特有の効果も取り扱えるようになった。