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論文

Negligible hydrogen solubility in FeS under high-pressure and high-temperature conditions; Implications for hydrogen storage in planetary cores

高野 将大*; 鍵 裕之*; 森 悠一郎*; 小林 大輝*; 青木 勝敏*; 高橋 嘉夫*; 伊地知 雄太*; 柿澤 翔*; 辻野 典秀*; 肥後 祐司*; et al.

ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 10(4), p.1047 - 1061, 2026/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)

鉄一硫化物(FeS)は惑星物質中の主要な硫化物相であり、惑星内部における水素の潜在的な貯蔵相と考えられてきた。しかし、高圧高温条件下でのFeSへの水素溶解度については議論が続いている。本研究では、NiAs型構造のFeS相(FeS V)における水素の取り込み量を、放射光X線吸収分光、X線・中性子その場回折実験、および第一原理計算により再検討した。その結果、水素飽和条件で観測される体積膨張は、Fe$$^{3+}$$からFe$$^{2+}$$への還元およびFe欠損Fe$$_{1-delta}$$Sの$$delta$$値の減少によって説明でき、水素が格子に取り込まれている証拠は見られなかった。中性子回折解析でも、水素を含まない構造モデルが最も良い適合を示し、さらに第一原理計算でもFeS水素化物構造はエネルギー的に不安定であることが示された。これらの結果から、FeS格子中に取り込まれる水素量の上限は30GPaまでで約200ppm程度と推定される。したがって、コア形成初期には水素はFeSではなく金属鉄へ優先的に分配されると考えられる。

報告書

東濃地科学センターにおける走査型波長分散蛍光エックス線分析装置を用いた粉末ペレット試料中のハロゲン元素(臭素及びヨウ素)の分析手順

渡邊 隆広; 木田 福香; 奈良 郁子; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*

JAEA-Testing 2025-006, 52 Pages, 2025/12

JAEA-Testing-2025-006.pdf:6.72MB

東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物等の地層処分技術に関する研究開発の一環として地質環境の長期安定性に関する研究を実施している。特に年代測定技術開発グループでは、最終処分事業や国の安全規制に必要となる科学的知見や調査・評価技術を提供するため、機器分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術(年代測定技術の開発)及び化学分析技術の高度化に関する研究を実施している。一般に将来の自然現象に伴う地質環境の変化の予測とその評価は、過去の自然現象に関する記録や現在の環境の状況に関する調査結果に基づき行われる。岩石、堆積物、土壌等の地質試料に含まれる臭素(Br)、ヨウ素(I)等のハロゲン元素からは、過去の海水準の変動や津波・高潮による陸域への海水浸入に関する情報が得られるため、過去に発生した自然現象を明らかにする上で重要な基礎データの一つとなる。年代測定技術開発グループでは、粉末ペレットを用いて地質試料のBr及びI濃度を測定するため走査型波長分散蛍光エックス線分析装置(リガク製ZSX Primus II)による分析手法を検討した。本稿では試料調製手法も含めて地質試料中のBr及びIの分析作業手順を記載する。

論文

波長分散型蛍光エックス線分析法による地質試料中の臭素及びヨウ素濃度の測定

渡邊 隆広; 木田 福香; 山崎 慎一*; 山岸 裕幸*; 落合 伸也*; 松中 哲也*; 奈良 郁子; 土屋 範芳*

分析化学, 74(10-11), p.611 - 619, 2025/10

堆積物等の地質試料中の臭素及びヨウ素濃度は、過去の海水準の変化、津波や高潮による陸域への海水の浸入など、種々の自然現象を理解するための重要な情報となる。しかし、地質試料に適用可能な標準試料が少ないことから、これまで蛍光エックス線分析装置(XRF)を用いた研究成果の報告例は限られていた。本研究では、標準試料の候補を新たに探索・選択することで東濃地科学センターにおける波長分散型XRFでの臭素及びヨウ素の濃度測定に必要な補正式を作成することができた。今回は地質試料の臭素濃度の範囲に概ね合致する約100mg/kgまで、ヨウ素濃度では約50mg/kgまでの補正式を作成することに成功した。

論文

Late-Holocene salinity changes in Lake Ogawara, Pacific coast of northeast Japan, related to sea-level fall inferred from sedimentary geochemical signatures

奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 瀬戸 浩二*; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 592, p.110907_1 - 110907_11, 2022/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:55.39(Geography, Physical)

小川原湖は、下北半島の太平洋沿岸に位置した汽水湖である。これまでの研究により、完新世の後期に海水準が低下したことで小川原湖が汽水化したと推測されているが、これまでに正確な年代は明らかにされていなかった。小川原湖が汽水化した年代を明らかにすることにより、過去の海水準変動の時期や規模に関する情報が得られると期待される。本研究では、小川原湖から採取した柱状堆積物(長さ約280m)中の、植物片と全有機炭素の放射性炭素年代測定、及びテフラの同定により堆積層の形成年代を決定した。また、堆積物中のハロゲン元素(臭素およびヨウ素)の鉛直分布を明らかにし、小川原湖の過去の塩分濃度変化を推定した。海水由来と考えられる堆積物中の臭素およびヨウ素濃度の増加時期から、約2200cal BPに小川原湖が汽水化したことが示唆された。

論文

Geochemical characteristics of paleotsunami deposits from the Shizuoka plain on the Pacific coast of middle Japan

渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 北村 晃寿*; 山崎 慎一*; 奈良 郁子*

Geochemical Journal, 55(6), p.325 - 340, 2021/00

 被引用回数:4 パーセンタイル:20.33(Geochemistry & Geophysics)

過去の津波浸水域に関する情報は、今後の防災や減災計画の基礎データとして利用されることが期待されている。しかし、津波堆積物を用いて過去の津波浸水域を復元するにあたり、津波堆積物の供給源の推定、洪水や高潮堆積物との区別等が現状で解決すべき課題となっている。これらの問題を解決する一つの手段として、津波堆積物の地球化学判別手法が有効と考えられるが、国内では東北地方以外での適用例は限られている。特に中部地方太平洋沿岸でのデータはこれまでに得られていない。したがって、本研究では既に採取されている静岡平野の津波堆積物の化学分析を実施し、津波堆積物の判別手法の改良を試みた。分析の結果、ナトリウムとチタンとの相対比およびクラスター分析等の統計解析を用いることによって海由来の物質で形成された堆積層を検出できる可能性が高いことが示唆された。

論文

Characteristics in trace elements compositions of tephras (B-Tm and To-a) for identification tools

奈良 郁子*; 横山 立憲; 山崎 慎一*; 南 雅代*; 淺原 良浩*; 渡邊 隆広; 山田 和芳*; 土屋 範芳*; 安田 喜憲*

Geochemical Journal, 55(3), p.117 - 133, 2021/00

 被引用回数:6 パーセンタイル:31.37(Geochemistry & Geophysics)

白頭山噴火年代は西暦946年であることが広く認められている。噴火で分散した白頭山-苫小牧(B-Tm)テフラは、精確な年代を示す鍵層となる。従来は、このテフラを同定するため、火山ガラス片の屈折率と主成分元素組成が使われていた。しかし、希土類元素に着目した微量元素分析やテフラ層の全堆積物に対する微量元素分析はこれまでほとんど報告例がない。本論文では、東北地方の小河原湖の堆積物コアから採取したB-Tmテフラ及び十和田カルデラ(To-a)テフラについて、火山ガラス片と全堆積物の主要元素及び微量元素分析結果を示す。主要元素及び微量元素の深度プロファイルでは、B-Tmテフラ層においてK$$_{2}$$Oと微量元素の増加が確認されたが、To-aテフラ層においては、これらの元素の増加は確認されなかった。B-Tmテフラ層で検出された高濃度の微量元素は全堆積物だけではなく、ガラス片にも確認された。B-Tmテフラ層のガラス片にみられる元素(特に希土類元素)の組成パターンは、他の日本のテフラガラスとは明らかに異なる。ガラス片と全堆積物の微量元素組成は、B-Tmテフラと他の日本のテフラを区別する上で、有用な指標となると考えられる。

論文

Quantitative and semi-quantitative analyses using a portable energy dispersive X-ray fluorescence spectrometer; Geochemical applications in fault rocks, lake sediments, and event deposits

渡邊 隆広; 石井 千佳子; 石坂 千佳; 丹羽 正和; 島田 耕史; 澤井 祐紀*; 土屋 範芳*; 松中 哲也*; 落合 伸也*; 奈良 郁子*

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 116(3), p.140 - 158, 2021/00

 被引用回数:7 パーセンタイル:34.76(Mineralogy)

携帯型成分分析計(potable XRF:ポータブル蛍光エックス線分析装置)は、迅速な化学分析、及びオンサイトでのデータ取得において重要な役割を果たす。しかし、これまでに地質試料に含まれる化学成分の定量分析の実例は限られていた。定量分析を目的として、本研究ではマグネシウムからウランまでの24元素について、地球化学標準試料等を用いて検量線を作成した。さらに、本装置の天然試料への適用性評価のため、敦賀半島等から採取された断層岩試料,能登半島の湖底堆積物、及び仙台平野の津波堆積物の定量分析を実施した。携帯型成分分析計を用いて各試料から得られた定量分析結果は、一部の試料を除き既報値とよく一致した。

論文

A Geochemical approach for identifying marine incursions; Implications for tsunami geology on the Pacific coast of northeast Japan

渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 山崎 慎一*; 澤井 祐紀*; 細田 憲弘*; 奈良 郁子*; 中村 俊夫*; 駒井 武*

Applied Geochemistry, 118, p.104644_1 - 104644_11, 2020/07

 被引用回数:22 パーセンタイル:71.80(Geochemistry & Geophysics)

地層中の津波堆積物の分布から、過去の津波浸水域を推定することが可能である。津波浸水域に関する情報は、今後の防災や減災計画の基礎データとして利用することが期待されている。しかし、津波堆積物を用いて過去の津波浸水域を復元するにあたり、形成年代の決定、津波堆積物の供給源の特定、洪水や高潮堆積物との区別、及び目視で判別困難な泥質津波堆積物の検出等が現状で解決すべき課題となっている。本研究では上記の問題を解決する一つの手段として、津波堆積物の地球化学判別手法を提案した。仙台平野において採取された堆積物の化学分析を実施し、津波堆積物の判別手法の改良を試みた。分析の結果、カルシウム等の単成分による津波層検出は、後背地の特徴や貝殻の有無などの影響を強く受けることから必ずしも有効ではなく、ケイ素とアルミニウムとの相対比についても、砂層の検出には有効であるが、その供給源に関する情報は乏しいことが示された。一方、ナトリウムとチタンとの相対比を用いることによって海由来の物質で形成された堆積層を検出できる可能性が高いことが示唆された。

論文

Enhancement of permeability activated by supercritical fluid flow through granite

野原 壯; 宇野 正起*; 土屋 範芳*

Geofluids, 2019, p.6053815_1 - 6053815_16, 2019/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:27.74(Geochemistry & Geophysics)

この地質学的研究は、地熱活動の痕跡を評価するために、花崗岩の電子プローブマイクロアナライザ解析を利用している。角閃石-長石温度計を適用し、ガラス状脈の温度は約700$$^{circ}$$Cと推定された。ボーリング岩石コアの肉眼および顕微鏡の観察の結果は、角閃石および斜長石によるマイクロフラクチャーの充填が、超臨界流体の流れの軌跡であることを明らかにした。粒界マイクロフラクチャーおよび平行マイクロフラクチャーは、白亜紀後期における花崗岩体の定置直後に起こったと考えられる超臨界流体の限られた活動によって形成された痕跡と認識された。現在の高い透水性は、超臨界流体に関連したマイクロフラクチャーネットワークと関係すると考えられた。超臨界流体による割れ目の痕跡は、深さ1200mの坑井を用いて簡易的に把握された。各試験区間の透水性と割れ目の特徴とに基づいて代表的なタイプが提案された。緑泥石充填の割れ目タイプは、相対的に小さい割れ目分布密度を示したにも関わらず、高い透水性に対応した。この研究の結果は、透水性の向上は、花崗岩を流れた超臨界流体によって活性化されたことを示した。

口頭

津波堆積物の化学分析; X線分析顕微鏡による高空間分解能測定

渡邊 隆広; 奈良 郁子*; 植木 忠正*; 土屋 範芳*

no journal, , 

地層中の津波堆積物を用いて過去に繰り返し発生した歴史津波の規模を明らかにすることにより、将来起こりうる津波災害の防災、減災につなげる試みが検討されている。津波堆積物とその他の堆積層を区別するため試料の化学組成が用いられている。津波堆積物の化学分析については、迅速かつ大量の試料を処理する必要がある。しかし、陸域の堆積物はかく乱されるケースが多く、かつ堆積環境が不安定であるため、堆積物の組成は単純ではない。広範囲において適用できる汎用的な化学分析手法および解析手法は未だ確立されていない。そこで本研究では、走査型X線分析顕微鏡を用いた津波堆積物の化学分析手法および得られたデータの解析手法について検討結果を報告する。測定結果は、既報の蛍光X線分析による化学組成データとよく一致しており問題なくデータの蓄積が可能であることが示された。各元素のX線強度の主成分分析を実施した結果、形成過程の異なる津波堆積物砂層と浜堤堆積物砂層の区別ができる可能性が示唆された。今後はより明確に区別するため、多地点のデータの蓄積が必要になる。

口頭

小川原湖堆積物の微量元素分布から推定される後期完新世における海水準変動

奈良 郁子*; 山崎 慎一*; 渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

no journal, , 

小川原湖は、下北半島の太平洋側に位置する汽水湖である。小川原湖は、縄文時代後期ごろ(約4,500-3,300年前)までは太平洋の内湾であった。現在の小川原湖への変遷は、当時の海水準変動と深く関わっていると考えられるが、その変遷時期については、これまでに詳細な議論は行われていない。本研究では、小川原湖の堆積物試料中の元素分布(Br, Uなど)に加え、放射性炭素年代測定、およびテフラ同定による堆積物の年代測定を実施し、過去の湖水塩分の変化、およびその変遷時期の推定を試みた。小川原湖堆積物試料中のBrおよびUの濃度は、堆積深度約160cm付近(堆積年代約2,200cal BP)から上部にかけて減少傾向を示した。本結果から、当時、海水準が低下し、現在の小川原湖付近への海水流入量が減少した可能性が考えられる。

口頭

小松市木場潟堆積物の放射性炭素年代と含水率から推定される完新世の海水準変動

木田 福香; 落合 伸也*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 橋野 虎太郎*; 藤田 奈津子; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 奈良 郁子

no journal, , 

日本海沿岸における過去の海水準変動を明らかにするため、石川県小松市の木場潟から長さ約4mの堆積物試料(試料名: KB2023)が採取された。本研究ではKB2023の放射性炭素年代及び含水率を測定した。KB2023の下部(堆積物深度372-370cm)では約11,100cal BP、上部(深度12-10cm)では約4,300cal BPの年代値を示した。また、約7,300cal BPに相当する堆積層で含水率が2倍程度急激に増加していることが明らかになった。

口頭

高精度年代測定に基づく小川原湖の汽水化時期の推定

奈良 郁子*; 松中 哲也*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 渡邊 隆広; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

no journal, , 

小川原湖は、縄文後期の海水準低下により、太平洋の内海であった古小川原湖が後退したことで形成された汽水湖である。小川原湖の汽水化時期を明らかにすることは、縄文後期における東北地域の気候環境変動や汽水化が与える湖内生態系への影響を推測するために重要である。本研究では、小川原湖から採取した柱状堆積物(長さ280m)を用いて、植物片と全有機炭素の放射性炭素年代測定、テフラの同定、鉛-210、およびセシウム-137年代測定により、高精度な年代モデルを構築し、かつ堆積物中の微量元素分析結果を併せることにより、小川原湖の汽水化時期を推定した。堆積物から発見された二つのテフラ層は、屈折率および鉱物組成結果からB-TmテフラおよびTo-aテフラと同定された。植物片の放射性炭素年代測定結果は、B-Tmテフラが示す白頭山噴火年代(946年)と整合的であった。上記の年代測定結果および臭素等の微量元素濃度の変動から、小川原湖は約2000cal BPに汽水化したことが示唆された。

口頭

蔵王山における火山活動と熱水系ヨウ素同位体比の変動

松中 哲也*; 後藤 章夫*; 渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 笹 公和*

no journal, , 

2011年の東北地方太平洋沖地震後、蔵王火山の活発化が確認されている。2014年10月に火山活動との関連が疑われる火口湖白濁現象が確認された後、2015年4から6月にかけて火山性地震が月最大で319回に達し、火口周辺警報が発令された。火山活動に伴う火口湖と地熱帯の水質変化を把握するため、2013年10月から東北大を中心に定点観測が実施され、本研究ではヨウ素同位体比の変化に着目した。火口湖のヨウ素同位体比は2013年10月17日から2014年10月10日にかけて、火山性地震の減少と共に、2.2$$times$$10$$^{-9}$$から5.6$$times$$10$$^{-9}$$へ徐々に上昇した後、2014年10月20日に4.3$$times$$10$$^{-10}$$へと低下した。この低下のタイミングは、10月19日に火口湖表面で観測された2回目の白濁現象直後に対応していた。また、2014年10月10日, 10月20日, 10月31日におけるヨウ素同位体比の平均値は2.3$$times$$10$$^{-9}$$であり、9月と比べて低くなったのに対し、10月の火山性地震は9月と比べて3倍高くなった。2014年10月までのヨウ素同位体比と火山性地震との間に、負の相関が認められた。一方、地熱帯におけるヨウ素同位体比は、2014年8月の火山性地震の増大(108回)に伴って、5.3$$times$$10$$^{-9}$$から1.6$$times$$10$$^{-9}$$へ低下した。火口湖と地熱帯におけるヨウ素同位体比の変化は、火山活動と関連している可能性があり、2014年8月と10月に起こった火山活動の活発化に伴って、低い同位体比をもつヨウ素が地下から地熱帯と火口湖へ多く供給されたと考えられる。

口頭

土岐花崗岩の割れ目は過去の高温流体の痕跡か?

野原 壯; 土屋 範芳*

no journal, , 

瑞浪超深地層研究所の既存のボーリングコアを用いて、土岐花崗岩における高温流体の痕跡を調べた。その結果、2次的に形成された黒雲母と、石英による空隙の充填が認められた。これらの充填鉱物は、高温流体の痕跡と考えられる。

口頭

木場潟堆積物のハロゲン元素(Br)を指標とした日本海沿岸における完新世の海水準変動復元

木田 福香; 落合 伸也*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 橋野 虎太郎*; 山崎 慎一*; 山岸 裕幸*; 土屋 範芳*; 奈良 郁子

no journal, , 

海水中の臭素(Br)濃度は、河川や淡水中と比べ相対的に高く、過去の海水準変動等を解明する上で重要な指標である。本研究では、蛍光エックス線分析装置を用いて、石川県小松市の木場潟から採取した堆積物試料(コア長: 444cm)のBr等の分析を行った。堆積物深度約300-260cmでBr濃度が約5mg/kgから15mg/kgまで急激に増加した。深度約300-260cmの較正年代は約7,300cal BPでありBr濃度の増加時期はこれまでに報告されている海進時期と一致した。

口頭

Holocene sea-level changes in Japan coastal areas recovered from the brackish lake sediment cores based on physical properties and geochemical analysis

奈良 郁子; 木田 福香; 落合 伸也*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 橋野 虎太郎*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*

no journal, , 

最終氷期最盛期終了後、極域に張り出していた氷床の融解により全球的な相対海水準は最大で約130メートル上昇した。日本沿岸においても約7300年ごろに海水準が極大を迎え、その後の海底面変動(アイソスタシー)により低下した。このような変動は、日本沿岸の地形的な研究によりその時期や規模が報告されているが、時間連続的な考察を深めるためには、連続した堆積物を用いた研究手法が効果的である。私たちは石川県小松市の木場潟堆積物を用いて、過去約11,100年から4,300年前までの過去の海水準変動復元に焦点を当て研究を進めている。これまでの研究成果において、木場潟堆積物の詳細な年代モデルが確立され、かつ過去約7,300年前に急激な含水率変動が発生していたことが明らかとなっている。これらのデータに加え、マルチセンサーコアロガーを用いて堆積物の物性特性および地球化学的データ(ハロゲン元素、微量元素)から後期完新世に発生した海水準変動について報告を行う。

口頭

湖沼堆積物試料の臭素及びヨウ素分析; WDXRF法による過去の海水浸入の評価

渡邊 隆広; 木田 福香; 山崎 慎一*; 落合 伸也*; 松中 哲也*; 奈良 郁子; 土屋 範芳*

no journal, , 

堆積物試料中の臭素やヨウ素などのハロゲン元素は、地殻変動に起因する海水準の変動や過去に発生した津波や高潮による陸域への海水浸入の指標として有効である。本発表では波長分散型蛍光エックス線分析法(WDXRF)による臭素及びヨウ素の測定手法の検討結果と天然の湖沼堆積物試料への適用例について報告する。

口頭

Rb/Sr ratio in Lake Baikal sediment core; The New geochemical proxy for East Asian winter monsoon strength during cool climate period

奈良 郁子*; 山崎 慎一*; 渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 宮原 ひろ子*; 加藤 丈典*; 箕浦 幸治*; 掛川 武*

no journal, , 

地質試料や湖沼堆積物試料を用いて過去の環境変動を推定するためには、物質の循環と供給源を把握する必要がある。本研究ではロシアのバイカル湖から採取した堆積物の無機化学分析を実施した。特に、ルビジウム、ストロンチウムおよびカリウムの相対量から、バイカル湖の集水域での冬季東アジアモンスーンによる水循環変動、化学風化、物質循環、および物質の供給源の推定を試みた。本研究で得られたバイカル湖のルビジウム/ストロンチウム比の変動は、既報である中国のレス堆積物から推定されている冬季東アジアモンスーンの変動とよく一致した。したがって、湖沼堆積物中のルビジウム/ストロンチウム比は過去の冬季東アジアモンスーン変動の指標となることが示唆された。

口頭

The Millennium scale monsoon cycles recorded in a sediment core from alpine Tibetan lake

渡邊 隆広; 奈良 郁子*; 松中 哲也*; 箕浦 幸治*; 掛川 武*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 中村 俊夫*; Junbo, W.*; Liping, Z.*

no journal, , 

湖沼堆積物や石筍試料を用いた高時間解像度(百年から千年スケール)での古環境変動に関する成果がこれまでに報告されている。特に、将来の表層環境や水循環の変動を推測するために、化学組成や同位体組成などの地球化学的手法を用いた過去のモンスーン活動の変遷に関する研究が進められている。過去のモンスーン活動、およびその変動メカニズムの把握に必要な研究対象地域として、日本を含む東アジアなどに加えて、チベット高原が注目されている。しかし、チベット高原における高時間解像度での環境変動解析例は極めて少ない。したがって、本研究ではチベット高原の湖沼堆積物の平均粒径および無機化学組成から推定された過去のモンスーン変動について周期解析を実施し、他地域から得られている解析結果と比較した。本研究では完新世のモンスーン変動におおよそ1000年から1500年の周期が見られ、これまでに報告されている東アジアおよび西アジアの石筍の酸素同位体比から推定されている気候変動の特徴とよく一致した。

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