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神谷 潤一郎; 阿部 一英; 藤森 伸一; 福田 竜生; 小畠 雅明; 諸橋 裕子; 津田 泰孝; 山田 逸平; 吉越 章隆
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 22(4), p.316 - 326, 2024/08
真空容器内壁にゲッター機能を持たせることで、超高真空を実現する新しい技術であるNEGコーティングについて、その活性化と劣化のメカニズムの理解は、NEGコーティングの高性能化に不可欠である。本研究では代表的なNEGコーティング材料Ti-Zr-Vについて、SPring-8放射光光電子分光(SRPES)およびX線光電子分光(XPS)による測定を行った。実験ではNEGコーティング試料温度を250Cに昇温させる過程をSRPESにより分析し、その後、酸素ガスを導入して表面酸化過程を同手法により分析した。これらは、NEGコーティング表面の活性化、酸化過程の初めてのオペランド測定である。さらに、試料の深さ方向をXPSにより分析することで、活性化によりZrがTi酸化物、V酸化物から酸素を受け取り、内部へ酸素が拡散すること、および内部では主にZrが酸化物となっていることを観測し、コーティング内部におけるZr酸化物の増加が、NEGコーティングの繰り返しの活性化と飽和による寿命を決定する大きな要素であることを解明した。このことは、今後のNEGコーティングの性能高度化につながる新しい事実である。
杉本 純; 坂本 隆一; 櫛田 浩平; 新井 信義; 服部 隆充; 松田 健二; 生田 優子; 佐藤 公一
Transactions of NESTet 2008 (CD-ROM), 6 Pages, 2008/05
我が国における原子力人材育成(HRD)は、産業界の技術者や大学における学生の減少,技術継承の問題等から近年原子力界の重要課題の一つになっている。日本原子力研究開発機構の原子力研修センター(NuTEC)は、総合的な原子力教育訓練を目指し、(1)国内原子力技術者の教育訓練,(2)大学との連携協力,(3)国際協力、を実施している。NuTECの研修プログラムは、よく整備された施設を活用した実習と主として原子力機構専門家による講義をカリキュラム上強調していることが主な特徴である。最近開発された遠隔授業システムを含む大学との幅広い連携協力、及びアジア原子力協力フォーラム(FNCA)や国際原子力機関(IAEA)との連携協力にも傾注している。
日高 興士*; 安達 基泰; 黒木 良太; 渡海 智子*; 赤路 健一*; 津田 裕子*; 木曽 良明*
no journal, ,
HIVプロテアーゼの阻害剤の開発において、2,6-ジメチルフェノキシアセチル構造をもった阻害剤の酵素阻害活性が、ウイルスに対する活性と異なることが問題になっている。現在、阻害剤の疎水性を減少させた強力な阻害剤の開発を進めている。今回、アミノ置換が阻害剤の溶解度を上げ、酵素に対するだけでなく、ウイルスに対する活性も維持していること見いだした。この結果は、Apns構造含有の阻害剤の開発と、酸性プロテアーゼ一般の阻害剤の利用を促進するものである。
安達 基泰; 清水 瑠美; 黒木 良太; 森谷 圭介*; 城所 俊一*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*
no journal, ,
エイズ治療の創薬標的タンパク質であるHIV-1プロテアーゼ(HIVPR)の阻害剤開発において、薬剤耐性に有効な阻害剤設計のためには、阻害剤複合体及び基質複合体の立体構造の特徴と、速度論的・熱力学的解析より得られるパラメーターの相関の解明が必要である。本研究では、一本鎖化したHIVPR(scHIVPR)及びA17型薬剤耐性変異体(scA17-HIVPR)を利用することにより、Asp25のみをAsnに置換したD25N-scHIVPR及びD25N-scA17-HIVPRを作製した。D25N-scHIVPR及びD25N-scA17-HIVPRの阻害剤複合体の結晶を使い、放射光施設(PF)において、それぞれ1.1及び1.5
分解能の回折データを収集した。立体構造を精密化した結果、いずれの酵素においても阻害剤との相互作用を確認できた。導入したAsnの側鎖のアミノ基は、阻害剤のカルボニル基と水素結合していた。
安達 基泰; 新井 栄揮; 松本 富美子; 黒木 良太; 畠中 孝彰*; 伊東 祐二*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*
no journal, ,
HIV-1プロテアーゼ(HIVPR)はエイズ治療における創薬標的タンパク質である。HIVPRの阻害剤との相互作用解析を目的に、野生型HIVPR及びA17型薬剤耐性HIVPR(A17-HIVPR)に人工的に架橋構造を取らせた誘導体を創製し、阻害剤親和性の比較を行うことにした。われわれはまずHIVPRがC2対称であることに着目し、2回軸付近でかつ基質結合部位の反対側に位置するAsn98をCys98残基に置換することで、SS結合形成型の一本鎖化N98C/HIVPR及びN98C/A17-HIVPRの作製を試みた。N98C/HIVPR及びN98C/A17-HIVPRを、野生型と同様に大腸菌内に封入体として発現させた。既報の方法に従ってリフォールディングした結果、SS結合形成型の収率は、野生型と同程度であった。N98C/HIVPR及びN98C/A17-HIVPR両試料の阻害剤複合体の結晶構造と物理化学的手法による阻害剤相互作用についても報告する。
諸橋 裕子; 神谷 潤一郎; 割貝 敬一*; 武石 健一; 小畠 雅明; 吉越 章隆; 津田 泰孝; 福田 竜生; 山田 逸平; 千葉 大輔
no journal, ,
試料輸送用トランスファーケースは、半導体デバイス製造や表面化学、材料科学、さらには宇宙研究における宇宙空間を模擬した試料の輸送に使用される。既存のトランスファーケースは、高真空を維持するためにNEGポンプとイオンポンプ、バッテリー、電源を組合せたもので、サイズ、重量ともに大きくなっている。そこで、大強度陽子加速器施設J-PARCで開発した、チタン製真空容器内壁の表面酸化膜を除去した上にNEGコーティングをするという新しい表面改質技術を用いて、超軽量でコンパクトかつ電源不要の真空トランスファーケースを開発した。本技術は、通常に比べ低い圧力が得られ、繰り返し大気開放をしても低い到達圧力が得られるという特長がある。今回試作したトランスファーケースに模擬サンプルを入れ、J-PARCとSPring-8間及びSPring-8の異なるビームラインの実験ステーション間で、真空維持の確認と試料表面状態の確認試験を実施した。その結果、NEGコーティング(Ti、Zr、V)表面は酸化することなく輸送でき、半導体材料のシリコン基板は、表面に形成した極薄酸化膜の品質を維持したまま輸送できることを実証した。開発したトランスファーケースとこれらの実証試験結果を報告する。
諸橋 裕子; 神谷 潤一郎; 阿部 一英; 小畠 雅明; 津田 泰孝
no journal, ,
超高真空技術は、ナノ材料や半導体材料の高純度・高品質な製造およびその性能評価に不可欠である。これらの材料を超高真空環境を維持したまま輸送するために、J-PARCで開発された表面改質技術を活用し、軽量かつコンパクトで電源不要なトランスファーケースを開発した。このトランスファーケースは、チタン製容器の内面に酸化膜除去とNEGコーティングを施し、容器自体をゲッターポンプとして機能させることで、約6kgという従来より大幅な軽量化を実現した。また、電源やバッテリーを使用せずに高真空(10Pa台)を維持可能な性能を持つ。実証試験では、J-PARCからSPring-8までの輸送を実施し、トランスファーケース内のサンプル表面が金属状態を維持していることを確認した。この技術により、バッテリーの持ち込み規制がある空輸にも対応可能で、ナノ材料、半導体材料、電子顕微鏡電子源などの高真空環境を要する装置やサンプルの海外輸送が実現可能となる。
諸橋 裕子; 神谷 潤一郎; 割貝 敬一*; 武石 健一; 小畠 雅明; 吉越 章隆; 津田 泰孝; 福田 竜生; 山田 逸平; 千葉 大輔
no journal, ,
試料輸送用トランスファーケースは、半導体デバイス製造や表面化学、材料科学、さらには宇宙研究における宇宙空間を模擬した試料の輸送に使用される。大強度陽子加速器施設J-PARCで開発した、チタン製真空容器内壁の表面酸化膜を除去した上にNEGコーティングをするという新しい表面改質技術を用いて、超軽量でコンパクトかつ電源不要の真空トランスファーケースを開発した。本技術は、通常に比べ低い圧力が得られ、繰り返し大気開放をしても低い到達圧力が得られるという特長がある。今回試作したトランスファーケースに模擬サンプルを入れ、J-PARCとSPring-8間及びSPring-8の異なるビームラインの実験ステーション間で、真空維持の確認と試料表面状態の確認試験を実施した。その結果、NEGコーティング(Ti、Zr、V)表面は酸化することなく輸送でき、半導体材料のシリコン基板は、表面に形成した極薄酸化膜の品質を維持したまま輸送できることを実証した。開発したトランスファーケースとこれらの実証試験結果を報告する。
安達 基泰; 畠中 孝彰*; 伊東 祐二*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*; 黒木 良太
no journal, ,
HIV-1プロテアーゼ(HIVPR)は、ウイルスの増殖に必須な酵素であることから、エイズ治療のための創薬標的タンパク質である。HIVPRに対する阻害剤設計において、立体構造の特徴と阻害剤結合の速度論的・熱力学的解析から得られるパラメーターの相関を明らかにすることが重要である。本研究では、阻害剤結合による熱安定性の変化を指標として阻害剤結合を評価するため、リンカー配列の挿入とSS結合の導入により2種類の1本鎖型HIVPRの作製を試みた。1本鎖化HIVPRは、野生型と同様に大腸菌内に封入体として発現した。リフォールディングした1本鎖化HIVPRを精製後、ヒドロキシメチルカルボニル構造を持つ阻害剤KNI-272との複合体の結晶を作製し、結晶構造解析を行った。その結果、設計した1本鎖化HIVPRは野生型と同等の構造を持つことが示された。本発表では、同試料を用いた阻害剤結合の評価結果も報告する。
神谷 潤一郎; 阿部 一英; 小畠 雅明; 津田 泰孝; 福田 竜生; 藤森 伸一; 諸橋 裕子; 山田 逸平; 吉越 章隆
no journal, ,
NEGコーティングはビームダクト内面にゲッター機能を持たせることで、ビームラインの真空性能を向上し、加速器の安定運転に直結する技術である。NEGコーティングの活性化と劣化のメカニズムをより詳細に理解するため、X線光電子分光(XPS)による測定を行った。NEGコーティングした基板サンプルをSPring-8のBL23SUの表面科学ステーションに設置し、試料温度を250Cに昇温しながら試料表面のXPS測定を行い、活性化プロセスをin-situで観測した。その後、試料温度を250
Cに保ったまま、酸素ガスを導入し、加速劣化試験に相当するXPS測定を行った。さらに、アルゴンエッチングによる試料の深さ方向の成分分析を実施した。その結果、表面Zrは活性化の初期段階でTi酸化物やV酸化物から酸素を取り込み、連続的な温度上昇でZr酸化物の酸素がバルクに拡散することがわかった。またコーティング中の濃縮された酸素は、主にZr酸化物、続いてTi酸化物の形で存在することが明らかとなった。このことは、今後のNEGコーティングの性能高度化につながる新しい事実である。