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松田 雅昌; Chung, J.-H.*; Park, S.*; 佐藤 卓*; 松野 謙一郎*; 香取 浩子*; 高木 英典*; 加倉井 和久; 蒲沢 和也*; 角田 頼彦*; et al.
Europhysics Letters, 82(3), p.37006_1 - 37006_5, 2008/05
被引用回数:22 パーセンタイル:71.50(Physics, Multidisciplinary)GeNiO
は立方晶スピネル構造を有しており、低温でNi
モーメント(
=1)が反強磁性長距離秩序を示す。(この物質は構造相転移を起こさず、磁気秩序相でも立方晶のままである。)比熱や磁化の測定により、磁気転移が
=12.1Kと
=11.4Kで起こることがわかっている。この逐次磁気相転移は、磁気フラストレーションに由来しているものと予想される。われわれは、中性子散乱実験により2つの磁気相における磁気構造を調べた。その結果、
以下ではカゴメ格子面内のスピンのみが磁気秩序化することがわかった(部分無秩序相)。磁気配列は面内が強磁性的で、面間が反強磁性的である。
以下では三角格子面内のスピンの秩序化も加わることがわかった。
蒲沢 和也*; 片野 進; 角田 頼彦*
Physica B; Condensed Matter, B345(1-4), p.96 - 98, 2004/03
被引用回数:5 パーセンタイル:29.08(Physics, Condensed Matter)フェライトZnFeO
の四面体構造のスピンフラストレーションに起因する磁気散漫散乱に対する磁場効果を中性子散乱によって調べた。7テスラまでの磁場下で、強磁性相関に基づく(400)ブラッグ点周りの球対称な散漫散乱は急激に減少し消失した。一方、この系の反強磁性的相関に由来する(300)に沿って走る特徴的な散漫散乱は大きな変化を示さなかった。奇妙なことに、この系の強磁性相関は磁場によって強まるのではなく、逆に弱められることが明らかになった。
片野 進; 角田 頼彦*; 鈴木 啓幸*; 白鳥 紀一*; 近 桂一郎*; 喜多 英治*
no journal, ,
ZnCrO
はNormal Spinel構造を持つ典型的な幾何学的スピンフラストレーション系で、約12.5Kでわずかな格子歪を伴って反強磁性秩序を示す。磁気秩序相でスピン・パイエルス型の磁気励起や強磁場帯磁率でのプラトー等、興味ある物性を示す。最近、磁場中冷却した単結晶の磁化率測定で、低磁場では試料の回転に対して顕著な異方性が観測されるが、数T(テスラ)の磁場中ではほとんど等方的になってしまうことが報告された。この実験に触発されて、中性子散乱実験を磁場中で行った。測定はJRR-3MのTAS-2を用い、単結晶の(111)散乱面に垂直に磁場をかけた。測定磁場H=0 TでもFCとZFCですべての磁気散乱強度が変化するが、H=5Tではhh0(h=n/2, n=odd)ピークは消滅する。特定の磁場で急激に強度が変化をはじめ、この変化は可逆的である。先の帯磁率の異方性の測定で、磁区の分布は5Tでも変化しないことが確認されているので、この磁気散乱強度の磁場依存性はスピン構造の変化からきていると考えざるを得ない。すなわちZnCr
O
の磁気構造は局所格子歪とcoupleして複雑な構造に落ちているが、比較的低い磁場で(
1.2T)、より対称性の高い構造に変化することを示している。
石井 慶信; 留野 泉*; 角田 頼彦*; 西 正和*; 岡 邦彦*
no journal, ,
PbTiOはリラクサー関連物質の一番端に位置する物質であり、リラクサーの特異な特性を理解するために重要である。PbTiO
の高温におけるフォノン分散関係を調べた。その結果、ゾーン中心におけるTO-Aモードのフォノンピークの半値幅がTO-Eモードのそれに比較して非常に広いことがわかった。われわれは、この測定結果が原子間ポテンシャルの非調和に由来するものと考えている。立方晶PbTiO
のフォノン分散関係について貴重な結果を得たので物理学会で発表する。