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牧村 俊助*; 的場 史朗*; 砂川 光*; 直江 崇; 涌井 隆; 石田 卓*; 松原 綱之*; 深尾 祥紀*; 高橋 仁*; 渡邉 丈晃*; et al.
Proceedings of 71st ICFA Advanced Beam Dynamics workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB2025) (Internet), p.359 - 363, 2025/10
現代の陽子加速器では、ターゲット、ビームウィンドウ、ビームダンプといったビーム遮断装置の強烈なビーム照射下における耐久性が、より高いビーム出力の達成を阻害する重要な要因となっている。大強度陽子加速器施設(J-PARC)における二次粒子生成ターゲットとビームウィンドウが直面する課題と、それらの課題を克服するために行われた開発について紹介する。
羽賀 勝洋; 直江 崇; 粉川 広行; 涌井 隆; 木下 秀孝; 原田 正英
Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.3245 - 3249, 2025/06
物質・生命科学実験施設(MLF)では2024年4月、MLFでの陽子ビーム利用出力が長期の利用運転としてはこれまでで最高値である950kWを達成し、また3GeVシンクロトロン(RCS)出口のビーム出力は1MWとなった。この成果は施設建設当初の目標である中性子源の1MW定常運転がほぼ達成されたこと、および中性子源の研究開発が新しい段階に入ったことを表す。水銀ターゲット開発の次の目標は、より高いビーム出力で、より長期間の運転を実現することである。ターゲット容器の寿命は強いパルス陽子ビームの入射で容器内面に生ずるキャビテーション損傷が決定要因であり、これまでは容器を毎年交換して損傷の程度を確認していたが、1MWの高出力運転で得られた損傷データから2年以上の長期運転に耐えうると判断されたため、2024年に新たに交換したターゲット容器を用いて2027年までの長期使用を初めて実施する予定である。また今後、RCSのパルス強度を増強する計画もあるため、より強い陽子ビームパルスに耐えるために、より効果的なピッティング損傷の抑制技術とターゲット容器の開発も進める必要が有る。本発表では、MFLの中性子源の現状と将来計画について紹介する。
粉川 広行; 涌井 隆; 二川 正敏
Fluids (Internet), 10(1), p.3_1 - 3_15, 2025/01
マイクロバブルはさまざまな分野で応用されている。核破砕中性子源の水銀ターゲットでは、キャビテーション損傷が寿命評価上重要な問題であり、マイクロバブルを水銀中に注入することにより、パルス陽子ビームの入射による水銀の熱膨張を吸収し、巨視的な圧力波を低減し、損傷を低減することができる。近年、陽子ビームパワーを増加させ、ガスバブルの注入量を増加させたところ、固液界面に特異な損傷形態が観察された。詳細な観察と数値解析により、ガス気泡が収縮する際に発生する微視的な圧力がピット損傷を形成するのに十分であること、すなわち、ピット損傷を連結して形成される筋状の欠陥の方向がガス気泡の軌道方向と一致していること、また、ピット間の距離がガス気泡の固有振動周期を考慮して理解できることが明らかになった。このことは、マクロな圧力波を低減するガスマイクロバブルは、ガスバブルから放出されるミクロな圧力によるキャビテーション損傷を抑制する可能性があることを示している。損傷を完全に緩和するためには、ガス気泡注入による巨視的圧力波の低減と、気泡ダイナミクスによる微視的圧力の低減という2つの効果を考慮する必要がある。
涌井 隆; 斎藤 滋; 二川 正敏
実験力学, 24(4), p.212 - 218, 2024/12
J-PARCの核破砕中性子源水銀ターゲット容器の寿命を決定する主要な要因の一つは照射損傷である。使用済み容器の材料劣化を把握するため、使用済み容器の構造材料に対する押込み試験と数値実験による逆解析を用いた評価を行う予定である。照射量の異なる2種類のイオン照射材料に対して、この評価手法を適用した。照射量の増加に伴い、引張強度が増加し、全伸びが減少することが確認された。これらの傾向は、ばらつきを考慮した微小試験片の引張試験によって報告されている材料劣化挙動と同等である。さらに、容器は繰り返し熱負荷を受け、定格最大ビーム出力では容器の温度が140
Cを超えると推定されるため、温度上昇に伴う全伸びと照射材料の疲労強度の低下について検討した。
涌井 隆; 斎藤 滋; 二川 正敏
Materials, 17(23), p.5925_1 - 5925_14, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)照射された材料の延性特性は、その構造的完全性に関連する重要な指標の1つである。これらの特性は、通常、照射環境下で照射された材料に引張試験を実施することによって決定される。押込み試験は、延性特性を簡単かつ迅速に評価するために使用され、Swift型の材料構成方程式の定数は、カルマンフィルターを使用した逆解析によって同定された。胴体された定数を用いて数値引張実験を実施し、公称応力およびひずみ曲線を取得した。さらに、全伸びを評価するための2つの方法を提案した。2つの方法で評価された最小全伸びはともに10%となった。イオン照射された材料の評価結果は、照射された材料の引張試験結果と同様の結果が得られた。
涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏
材料, 73(6), p.520 - 526, 2024/06
キャビテーション損傷は、高強度パルス中性子源の水銀ターゲット容器の構造耐久性を予測する上で重要な因子の1つである。水銀ターゲット容器の運転条件を模擬した入力強度でのピット形状の数値解析と基礎実験の比較に基づいて、キャビテーション気泡の崩壊は、衝撃速度160
200m/sのマクロジェットが発生し、衝撃圧力3
4GPaが負荷していることが推定された。また、キャビテーション気泡の攻撃性、成長した気泡の最大径の分布及び水銀中の気泡の空間的分布を考慮すると、入力強度のおよそ4乗に比例することが統計的に理解することができた。
直江 崇; 涌井 隆; 木下 秀孝; 粉川 広行; 勅使河原 誠; 羽賀 勝洋
JAEA-Technology 2023-022, 81 Pages, 2024/01
大強度陽子加速器研究施設(Japan Proton Accelerator Research Complex, J-PARC)の物質・生命科学実験施設に設置されている核破砕パルス中性子源水銀ターゲットでは、高エネルギーのパルス陽子ビーム入射時に、核破砕反応による中性子の発生と同時に水銀の急激な熱膨張によって、圧力波が発生する。この圧力波は、水銀中を伝ぱする過程で負圧によるキャビテーションを誘発する。水銀を充填するステンレス鋼製の水銀ターゲット容器の内壁近傍でキャビテーションが崩壊することによって、内壁表面には激しい壊食損傷が形成される。水銀ターゲット容器は、陽子ビームが入射することによって先端部分の内部発熱に起因する熱応力を低減するために、先端部を厚さ3mmの薄肉構造としている。陽子ビーム強度の増加に伴って、キャビテーションによる攻撃性は増加するため、壊食損傷がターゲット容器の疲労破壊や水銀の漏洩につながる。したがって、設計出力である1MWでの長期的な安定運転を実現するために損傷の低減化が求められている。キャビテーションによる容器壁面の壊食損傷を低減することを目的として、圧力波を低減するための水銀中への微小気泡注入や、ターゲット容器先端部の2重壁構造化などの対策を施している。損傷低減化策の効果の確認や、ビーム出力と壊食痕による損傷深さの相関を評価し、今後の運転条件を検討するために、使用済みのターゲット容器の先端部から試験片を切出し、損傷の観察を実施している。これまでに、内壁に形成されたキャビテーションによる損傷形態の観察と壊食痕による損傷の深さを測定することで、運転条件との相関について検討を実施し、気泡注入によって著しい損傷低減効果が発現されること、2重壁構造によって、先端部分の損傷形成がビーム出力に依存せず抑制できることを確認した。これらの成果によって、施設の設計目標である1MWの安定運転を実施可能な見通しを得た。本報では、これまでに開発、適用した実機水銀ターゲット容器内壁の損傷観察の手法、測定結果及び運転条件との相関についてこれまでに得られた成果をまとめる。
若井 栄一; 能登 裕之*; 柴山 環樹*; 古谷 一幸*; 涌井 隆; 安堂 正己*; 牧村 俊助*; 石田 卓*
Science Talks (Internet), 8, p.100278_1 - 100278_4, 2023/12
高エントロピー合金は、その固有の特性により高い強度と良好な延性を併せ持つ傾向にある。本物質はより高性能な将来の一般産業用途だけでなく、原子力や放射線環境下での放射線影響機器の耐久性や適用範囲を高めるためにも、有望な新物質として考えられており、近年、急激に注目がされ始めている。本研究では、高エネルギー加速器ターゲットシステム部品, 原子炉, 核融合炉等の放射線下で使用される新機能材料として応用を目指し、低放射能元素(Ni, Coを含まない)からなる2種類の高エントロピー合金(Fe-Mn-V-Cr-Al-C、Fe-Si-W-Cr-V)の作製とその基本特性評価を行った。本研究で開発中の2つの材料は、次の点でそれぞれユニークな性質を持つ。前者は高強度・低放射化という特徴を共有する新しい構造材料や磁気特性として、ハイパワーモーター系材料の基礎研究として発展することが期待される。一方で、後者は、金属元素の中で最も高い融点を持つタングステンと、かなり高融点のバナジウムを混合して合金の融点を上げ、かつ高強度な合金を設計することで、新しい工学分野での新機能材料としての応用が期待されるものと考えられるものである。
涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏
Materials, 16(17), p.5830_1 - 5830_16, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)水銀ターゲット容器は、陽子ビームの入射に伴い、キャビテーション損傷を受けるため、キャビテーションバブルの位置や衝撃圧力分布の不確実さを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷を予測する手法を提案した。本手法では、個々のキャビテーション気泡の崩壊に起因する衝撃圧力の分布はガウス分布とし、衝撃圧力の最大値の確率密度分布は3種類の分布: デルタ関数、ガウス分布、ワイブル分布と仮定した。衝撃圧力の分布を記述する方程式の2つのパラメータについて、実験から得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションから得られた累積塑性ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を使用して推定することができた。また、ワイブル分布を用いて得られた結果が、他の結果に比べて、実際のキャビテーションエロージョン現象を再現することが分かった。
涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏; 田邉 誠*
実験力学, 23(2), p.168 - 174, 2023/06
核破砕中性子源の水銀ターゲット容器において、陽子ビームが水銀に入射することにより、容器内面にキャビテーション損傷が生じる。気泡核の位置や衝撃圧力分布のばらつきを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷の予測方法を提案した。実験より得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションより得られた積算ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を用いた逆解析により、衝撃圧力の分布を評価した。ガウス分布を仮定した最大衝撃圧力の平均値及び広がりはそれぞれ3.1GPa及び1.2
mであった。シミュレーション結果は実験結果を再現しており、本評価手法が有効であると言える。
直江 崇; 木下 秀孝; 涌井 隆; 粉川 広行; 羽賀 勝洋
JAEA-Technology 2022-018, 43 Pages, 2022/08
大強度陽子加速器研究施設(Japan Proton Accelerator Research Complex, J-PARC)の物質・生命科学実験施設に設置されている核破砕パルス中性子源水銀ターゲットでは、高エネルギー陽子線入射時に水銀中に発生する圧力波が引き起こすキャビテーションによって、ステンレス鋼製のターゲット容器内壁に激しい壊食損傷が生じる。陽子線強度の増加と共に攻撃性が高くなるキャビテーションが引き起こす壊食損傷によって、熱応力を低減するために厚さ3mmで設計されたターゲット容器先端部では、長時間の運転により壊食痕からの水銀漏洩や、壊食痕を起点とした疲労破壊などが生じる懸念がある。これまでに、高出力での長期的な安定運転を実現するために、キャビテーションによる壊食損傷を低減するための取り組みとして、容器内壁への表面改質の適用や、水銀中への微小気泡注入によりキャビテーションの発生源である圧力波の抑制、先端部の2重壁構造化を進めてきた。損傷低減化技術の効果を確認するために容器内壁に形成された損傷を観察する必要があるが、中性子源の運転中に内部を観察することは不可能であるため、運転を終えたターゲット容器の先端部から試験片を切出し、内壁の観察を実施している。ターゲット容器の破損による水銀の漏洩を防ぎつつ、運転出力によって変化する適切な容器の交換時期を検討するためには、運転出力と損傷の関係を明らかにすることが必要である。これまでに、高放射線環境で遠隔操作可能な試験片切出し装置を開発し、実機水銀ターゲット容器からの切出しを通じて、遠隔操作性や、より確実に試験片を切出すための切削条件の検討や切出し手法の改良を重ねてきた。本報では、実機ターゲットでの作業経験、及びモックアップ試験の結果に基づいて改良した遠隔操作による水銀ターゲット容器先端部からの試験片切出し手法に加えて、これまでに実機から試験片を切出した結果の概要についてまとめる。
涌井 隆; 山崎 和彦*; 二川 正敏
Advanced Experimental Mechanics, 7, p.103 - 109, 2022/08
高放射化物を閉空間に閉じ込めた状態で切断・減容化する技術開発の一環として、鉛含有量が異なる放射線遮へいガラスに対して、Nd-YAGレーザーの照射条件(パワー及び照射回数)を変えた照射試験を実施した。鉛含有量、照射パワー及び照射回数の増加とともに、大きな黒色で凹形状の照射損傷とその周りにき裂が生じた。損傷に及ぼす機械的特性の影響を調べるために、非照射部及び照射部の一般的な機械特性を調べた。評価された機械的特性を基に算出された熱衝撃破壊靭性値は、鉛含有量の増加ともに減少する。黒色の照射領域の微小硬さは、非照射より10%小さくなり、レーザー照射による機械的特性の変化が確認された。
涌井 隆; 山崎 和彦*; 二川 正敏
実験力学, 22(2), p.96 - 104, 2022/06
高放射化物のレーザー溶断技術の開発の一環として、放射線遮へいガラス及び無鉛ガラスに対してパルスレーザー照射試験及び押込み試験を行った。鉛含有量が低いガラスに比べ、鉛含有量が高いガラスの損傷が大きく、損傷発生の閾値が低かった。押込み試験結果を基に、カルマンフィルタ及び有限要素を組み合わせた逆解析により、ガラスの微小塑性挙動を表す材料構成式の定数を同定した。流動応力は、鉛含有量の増加とともに低下し、レーザー照射により低下した。一方、塑性流動抵抗値は、鉛含有量の増加とともに増加し、レーザー照射により増加した。非照射及び照射領域における破壊エネルギーとき裂先端周りの塑性領域寸法を実験結果を基に算出した。それぞれの値は、鉛含有量の増加とともに減少し、レーザー照射により低下した。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 若井 栄一; 二川 正敏
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 13 Pages, 2022/03
J-PARCではMWクラスの核破砕中性子源を実現するために水銀ターゲットの流路構造としてクロスフロー型ターゲットを開発し、流路構造の改良を継続してきた。高出力の短パルス陽子ビームが水銀ターゲットに入射すると、急激な水銀の発熱と体積膨張により最大40MPaにも達する圧力波が誘起され、ターゲット容器にキャビテーション損傷を生じさせる。このため、水銀流路にマイクロバブル生成器を配置し、バブルの収縮により水銀の体積膨張をクッションのように吸収することで圧力波を低減する技術や、陽子ビームが入射する容器壁に内壁を設けて、狭隘流路に形成される速い水銀流れの大きな速度勾配を利用してキャビテーション損傷を低減する技術などを水銀ターゲット容器の流路構造に導入した。これらの技術開発により、2020年には36.5時間の1MW連続運転を成功させ、2021年4月から最大740kWの高出力で長期の安定な利用運転を達成した。本報告は、主に水銀ターゲット容器の熱流動設計に関して1MW運転を実現するまでの技術開発をまとめたものである。
涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平*; 羽賀 勝洋; 島田 翼*; 鹿又 研一*
Materials Science Forum, 1024, p.145 - 150, 2021/03
J-PARCの大強度ビーム運転を実現するために、保護容器で覆われた水銀ターゲット容器の新規構造の開発を行ってきた。まず、500kWの安定運転の実現を目的とした第1段階では、初期構造を踏襲した構造で、水銀容器と保護容器の接続方法を改良し、約8か月の500kW利用運転を実現した。1MWの安定運転の実現を目的とした第2段階では、容器の後端のみで接続した新規構造を検討した。新規構造では、熱応力を低減するための水銀容器冷却や内圧に対する保護容器の剛性を増加するための板厚の増加を実施した。その結果、各容器に発生する応力は、日本産業規格の圧力容器規格の許容応力以下となり、1MWビーム運転が可能であることを確認した。
直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘
Materials Science Forum, 1024, p.111 - 120, 2021/03
J-PARCの核破砕中性子源に設置されている水銀標的容器は、水銀中に生じる陽子線励起圧力波が引き起こすキャビテーションによって損傷を受ける。キャビテーションによる壊食損傷を低減する方策として、キャビテーションを誘発する圧力波を低減するための水銀中への微小気泡注入に加えて、ビーム窓先端に狭隘流路を有する2重壁構造容器を採用した。損傷低減化策の効果を確認するために、使用後の標的容器先端部を切断し、内部に形成された損傷を観察した。その結果、積算出力1812MWh(平均強度434kW)で微小気泡を注入して運転した2重壁構造容器で観測された損傷は、積算出力1048MWh(平均強度181kW)の気泡を注入しない従来型容器で観測された損傷と同等であった。さらに、狭隘流路に接する側では、気泡が注入された水銀に接する側より著しく損傷が少ないことを確認した。
直江 崇; 粉川 広行; 涌井 隆; 勅使河原 誠; 羽賀 勝洋; 二川 正敏
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 982, p.164566_1 - 164566_6, 2020/12
被引用回数:5 パーセンタイル:40.20(Instruments & Instrumentation)J-PARCに設置されている水銀を標的に用いた核破砕中性子源では、水銀を内包するステンレス鋼製の多重容器に大強度陽子線が25Hzで入射すると、水銀の急激な熱膨張によって容器の内壁に激しいキャビテーション壊食を引き起こす圧力波が発生する。放射線環境下で水銀標的容器の構造健全性を遠隔・非接触で診断するために、レーザドップラ振動計及びマイクロホンを設置している。本研究では、ビーム入射によって生じる標的容器の音響振動とビームパワーやプロファイル等の運転条件の相関を理解することを目的として、運転条件を系統的に変化させて音響振動の測定を実施した。その結果、ビーム入射によって生じる音は、運転条件と非常によい相関があることを明らかにした。
粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 二川 正敏
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(5), p.487 - 494, 2020/05
被引用回数:1 パーセンタイル:7.53(Nuclear Science & Technology)大強度陽子加速器施設(J-PARC)の中性子源では、世界記録のパルスあたりの中性子束を達成した。J-PARCでは、水銀標的システムが破砕中性子源として使われている。標的容器は、水銀容器とそれを内包する二重壁構造の水冷却保護容器から構成され、万一水銀容器から水銀が漏えいしても標的容器の外部への漏えいを防止する多重壁防護システムとなっている。しかし、多重壁構造は、多くの溶接線を必要とする複雑な構造であった。運転中に、水銀容器と保護容器の間の中間層への水が漏えいし、計画外のシャットダウンに直面することとなった。このため、漏えいの原因に関する調査を行い、漏えい経路は、複雑な多重壁構造に起因する溶接欠陥から、水銀標的で発生する圧力波による繰り返し応力によってき裂が進展して作られたと推論した。調査結果に基づき、容器の構造を、複雑な構造上の溶接線を無くし、J-PARC中性子源の最終的な設計値である陽子ビーム出力1MWで安定した運転を実現できるように改良した。
F from
O
?Tang, T. L.*; 上坂 友洋*; 川瀬 頌一郎; Beaumel, D.*; 堂園 昌伯*; 藤井 俊彦*; 福田 直樹*; 福永 拓*; Galindo-Uribarri, A.*; Hwang, S. H.*; et al.
Physical Review Letters, 124(21), p.212502_1 - 212502_6, 2020/05
被引用回数:19 パーセンタイル:71.60(Physics, Multidisciplinary)中性子過剰核
Fの構造が(
)反応で調査した。
軌道の分光学的因子は1.0
0.3と大きいが、一方で残留核である
Oが基底状態である割合は約35%,励起状態は約0.65%であることが明らかになった。この結果は、
Fのコア核
Oは基底状態とは大きく異なり、
Oの
軌道に陽子がひとつ加わることで
Oと
Fの中性子軌道が相当に変化していると推測される。これは酸素同位体ドリップライン異常のメカニズムである可能性がある。
涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 島田 翼*; 鹿又 研一*
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081002_1 - 081002_6, 2020/02
J-PARCの水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重容器構造の保護容器(内側及び外側容器)からなる三重容器構造である。2015年の500kWビーム運転時、水銀ターゲット容器の保護容器からの微小な水漏れが2回発生した。この容器破損から得られた知見を基に、設計, 製作及び試験検査過程の改善を行った。ワイヤ放電加工を用いて、1つのステンレスブロックから切り出した一体化構造を採用することにより、水銀ターゲット容器前方の溶接線の長さは約55%まで大幅に減らすことができた。放射線透過試験や超音波探傷試験による徹底的な溶接検査を実施した。2017年の9月に水銀ターゲット容器8号機が完成し、8号機を使用したビーム運転が開始された。500kWの安定的なビーム運転が実現でき、ビーム試験時には、1MWの最大ビーム強度を経験することができた。