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論文

Ion beam induced luminescence analysis of europium complexes in styrene-divinylbenzene copolymer-coated spherical silica by proton and argon ion beams irradiation

中原 将海; 渡部 創; 竹内 正行; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 加田 渉*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 542, p.144 - 150, 2023/09

マイナーアクチニド回収のための抽出クロマトグラフィ技術において、荷電粒子誘起発光分析により様々な抽出剤を用いて調製した吸着材中のユウロピウム錯体構造の評価を行った。測定は、量子科学技術研究開発機構のイオン照射施設においてシングルエンド加速器から得られる陽子ビーム及びサイクロトロン加速器から得られるアルゴンイオンビームを利用して行った。本研究において、抽出剤の種類によって荷電粒子誘起発光スペクトルが変化することが確認され、これらの変化と錯体構造のとの相関について評価を行った。

報告書

HTTR1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇事象,1; 差圧上昇事象の原因調査

根本 隆弘; 荒川 了紀; 川上 悟; 長住 達; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; 古澤 孝之; 猪井 宏幸; et al.

JAEA-Technology 2023-005, 33 Pages, 2023/05

JAEA-Technology-2023-005.pdf:5.25MB

HTTR (High Temperature engineering Test Reactor) RS-14サイクルの原子炉出力降下において、ヘリウムガス循環機のフィルタ差圧が上昇傾向となった。この原因を調査するため、1次ヘリウム純化設備のガス循環機の分解点検等を実施した結果、ガス循環機内のシリコンオイルミストがチャコールフィルタの性能低下で捕集できなくなり、1次系統に混入したためと推定された。今後は、フィルタ交換を実施するとともに、さらなる調査を進め、再発防止対策を策定する予定である。

論文

Raman identification and characterization of chemical components included in simulated nuclear fuel debris synthesized from uranium, stainless steel, and zirconium

日下 良二; 熊谷 友多; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(5), p.603 - 613, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

Raman spectroscopy is a powerful technique for studying nuclear materials. However, it has been scarcely utilized for nuclear fuel debris. Here, we present a Raman study of several types of simulated nuclear debris synthesized from uranium, stainless steel, and zirconium to identify and characterize chemical components included in the simulated debris. Raman spectroscopy sensitively identified many kinds of chemical components: cubic UO$$_{2}$$, U$$_{3}$$O$$_{8}$$, (Fe,Cr)UO$$_{4}$$ (iron-chromium uranate), spinel oxides, monoclinic ZrO$$_{2}$$, tetragonal ZrO$$_{2}$$, and Zr$$_{3}$$O. Some details concerning the chemical states of each component included in the simulated debris were obtained (e.g., spinel oxides were suggested to consist of Fe, Cr, Ni, Zr, and U). The results obtained here will be helpful in the Raman analysis of actual nuclear debris, such as that in the Fukushima-Daiichi nuclear power plants.

論文

Phase analysis of simulated nuclear fuel debris synthesized using UO$$_{2}$$, Zr, and stainless steel and leaching behavior of the fission products and matrix elements

頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之

Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

UO$$_{2}$$・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO$$_{2}$$相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O$$_{2}$$固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはU$$_{3}$$O$$_{8}$$と(Fe,Cr)UO$$_{4}$$相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)O$$_{2}$$が形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。

報告書

東海再処理施設周辺の環境放射線モニタリング結果; 2021年度

中田 陽; 金井 克太; 瀬谷 夏美; 西村 周作; 二川 和郎; 根本 正史; 飛田 慶司; 山田 椋平*; 内山 怜; 山下 大智; et al.

JAEA-Review 2022-078, 164 Pages, 2023/03

JAEA-Review-2022-078.pdf:2.64MB

核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV編環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2021年4月から2022年3月までの間に実施した環境放射線モニタリングの結果、及び大気、海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものである。なお、上記の環境放射線モニタリングの結果において、2011年3月に発生した東京電力株式会社(2016年4月1日付けで東京電力ホールディングス株式会社に変更)福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の影響が多くの項目でみられた。また、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、平常の変動幅の上限値を超過した値の評価について付録として収録した。

論文

Ion beam induced luminescence spectra of europium complexes in silica-based adsorbent

中原 将海; 渡部 創; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 加田 渉*; 羽倉 尚人*

QST-M-39; QST Takasaki Annual Report 2021, P. 62, 2023/02

マイナーアクチニド回収のための抽出クロマトグラフィ法において、効率的にマイナーアクチニドを分離するために吸着材中の錯体構造解析に係る研究を行っている。本研究では、マイナーアクチニドの模擬物質としてEuを使用し、シリカ担持型吸着材にEuを吸着させた試料を調製した。吸着材中のEu錯体の荷電粒子誘起発光スペクトルを測定し、Eu錯体構造解析に向けた基礎データを取得した。

論文

Lanthanide and actinide ion complexes containing organic ligands investigated by surface-enhanced infrared absorption spectroscopy

平田 早紀子*; 日下 良二; 明地 省吾*; 為国 誠太*; 奥寺 洸介*; 浜田 昇賢*; 坂本 知優*; 本田 匠*; 松下 高輔*; 村松 悟*; et al.

Inorganic Chemistry, 62(1), p.474 - 486, 2023/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

A new technique, surface-enhanced infrared absorption (SEIRA) spectroscopy, was used for the structural investigation of lanthanide (Ln) and actinide (An) complexes containing organic ligands. We synthesized thiol derivatives of organic ligands with coordination sites similar to those of diglycolamide (DGA), Cyanex-272, and $$N,N,N',N'$$-tetrakis(2-pyridinylmethyl)-1,2-ethanediamine (TPEN), which have been used for separating Ln and An through solvent extraction. These ligands were attached on a gold surface deposited on an Si prism through S-Au covalent bonds; the gold surface enhanced the IR absorption intensity of the ligands. Aqueous solutions of Ln (Eu$$^{3+}$$, Gd$$^{3+}$$, Tb$$^{3+}$$) and An (Am$$^{3+}$$) ions were loaded onto the gold surface to form ion complexes. The IR spectra of the ion complexes were obtained using FT-IR spectroscopy in the attenuated total reflection mode. In this study, we developed a new sample preparation method for SEIRA spectroscopy that enabled us to obtain the IR spectra of the complexes with a small amount of ion solution (5 $$mu$$L). This is a significant advantage for the IR measurement of radiotoxic Am$$^{3+}$$ complexes. In the IR spectra of DGA, the band attributed to C=O stretching vibrations at $$sim$$1630 cm$$^{-1}$$ shifted to a lower wavenumber by $$sim$$20 cm$$^{-1}$$ upon complexation with Ln and An ions. Moreover, the amount of the red-shift was inversely proportional to the extraction equilibrium constant reported in previous studies on solvent extraction. The coordination ability of DGA toward Ln and An ions could be assessed using the band position of the C=O band. The Cyanex-272- and TPEN-like ligands synthesized in this report also showed noticeable SEIRA signals for Ln and An complexes. This study indicates that SEIRA spectroscopy can be used for the structural investigation of ion complexes and provides a microscopic understanding of selective extraction of Ln and An.

論文

Clogging properties of HEPA filter induced by loading of soot from burned glove-box panel materials

田代 信介; 大野 卓也; 天野 祐希; 吉田 涼一朗; 渡邉 浩二*; 阿部 仁

Nuclear Technology, 208(10), p.1553 - 1561, 2022/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

グローブボックス(GB)火災における放射性物質の閉じ込め安全性の評価に寄与するために、代表的なGBパネル材料であるポリメチルメタクリエート(PMMA)およびポリカーボネート(PC)の燃焼試験を比較的大型の試験装置を用いて行った。閉じ込め安全性を評価するための重要なデータとして、燃焼物質から発生した煤煙の放出割合と粒径分布を得た。さらに、煤煙負荷による高性能エア(HEPA)フィルタの差圧($$Delta$$P)の上昇も検討した。その結果、PCからの煤煙の放出割合はPMMAの場合よりも約7倍大きかった。さらに煤煙粒子の体積負荷の効果を考慮することにより、煤煙負荷体積量が低い領域における差圧の上昇挙動は、燃焼物質の種類によらず統一的に表現できる可能性を見出した。

論文

Study on the relation between the crystal structure and thermal stability of FeUO$$_{4}$$ and CrUO$$_{4}$$

秋山 大輔*; 日下 良二; 熊谷 友多; 中田 正美; 渡邉 雅之; 岡本 芳浩; 永井 崇之; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*

Journal of Nuclear Materials, 568, p.153847_1 - 153847_10, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:59.27(Materials Science, Multidisciplinary)

ウラン酸鉄,ウラン酸クロム、およびその固溶体を合成し、これらのウラン酸塩が異なる熱的安定性を示すメカニズムを研究した。熱的安定性を評価するため、ウラン酸塩試料の熱重量分析を実施した結果、ウラン酸クロムの分解温度(約1250$$^{circ}$$C)に対してウラン酸鉄は低温(約800$$^{circ}$$C)で分解するが、クロムを含む固溶体では熱分解に対する安定性が高まることが分かった。この熱的安定性と結晶構造との関係性を調べるため、エックス線結晶構造解析,エックス線吸収微細構造測定,メスバウアー分光測定,ラマン分光分析による詳細な結晶構造と物性の評価を行ったが、本研究で用いたウラン酸塩試料の間に明瞭な差異は観測されなかった。そのため、熱的安定性の違いは結晶構造に起因するものではなく、鉄とクロムとの酸化還元特性の違いによるものと推定した。クロムは3価が極めて安定であるのに対して、鉄の原子価は2価と3価を取ることができる。このため、ウラン酸鉄の場合には結晶中でウランと鉄との酸化還元反応が起こり、低温での分解反応を誘起したものと考えられる。

論文

Structure, stability, and actinide leaching of simulated nuclear fuel debris synthesized from UO$$_{2}$$, Zr, and stainless-steel

桐島 陽*; 秋山 大輔*; 熊谷 友多; 日下 良二; 中田 正美; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 佐藤 修彰*

Journal of Nuclear Materials, 567, p.153842_1 - 153842_15, 2022/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:73.56(Materials Science, Multidisciplinary)

福島第一原子力発電所事故では、UO$$_{2}$$やZr,ステンレス鋼(SUS)の高温反応により燃料デブリが形成されたとみられる。この燃料デブリの化学構造や安定性を理解するため、UO$$_{2}$$-Zr-SUS系模擬デブリ試料の合成と物性評価を行い、より単純な組成の試料と比較した。模擬デブリ試料の合成では、不活性雰囲気(Ar)もしくは酸化雰囲気(Ar + 2% O$$_{2}$$)において1600$$^{circ}$$Cで1時間から12時間の加熱処理を行った。$$^{237}$$Npおよび$$^{241}$$Amをトレーサーとして添加し、浸漬試験ではUに加えてこれらの核種の溶出を測定した。試料の物性評価は、XRD, SEM-EDX,ラマン分光法およびメスバウアー分光法により行った。その結果、模擬デブリの主なU含有相は、加熱処理時の雰囲気に依らず、Zr(IV)およびFe(II)が固溶したUO$$_{2}$$相であることが分かった。模擬デブリ試料の純水もしくは海水への浸漬試験では、1年以上の浸漬の後も主な固相の結晶構造には変化が観測されず、化学的に安定であることが示された。さらに、U, Np, Amの溶出率はいずれも0.08%以下と、溶出は極めて限定的であることが明らかとなった。

論文

Uranium dissolution and uranyl peroxide formation by immersion of simulated fuel debris in aqueous H$$_{2}$$O$$_{2}$$ solution

熊谷 友多; 日下 良二; 中田 正美; 渡邉 雅之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 佐々木 隆之*

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(8), p.961 - 971, 2022/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:59.27(Nuclear Science & Technology)

東京電力福島第一原子力発電所事故では核燃料と被覆管,構造材料が高温で反応し、燃料デブリが形成されたと考えられる。この燃料デブリが水の放射線分解の影響により経年変化する可能性を調べるため、模擬燃料デブリを用いて過酸化水素水溶液への浸漬試験を行った。その結果、過酸化水素の反応により、ウランが溶出し、ウラニル過酸化物が析出することが分かった。また、模擬燃料デブリ試料のうちウランとジルコニウムの酸化物固溶体を主成分とする試料では、他の試料と比較してウランの溶出は遅く、ウラニル過酸化物の析出も観測されなかった。この結果から、ウランとジルコニウムの酸化物固溶体は過酸化水素に対して安定性が高いことを明らかにした。

論文

Development of heavy element chemistry at interfaces; Observing actinide complexes at the oil/water interface in solvent extraction by nonlinear vibrational spectroscopy

日下 良二; 渡邉 雅之

Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 13(30), p.7065 - 7071, 2022/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:67.66(Chemistry, Physical)

Understanding the chemistry of elements at the bottom of the periodic table is a challenging goal in chemistry. Observing actinide species at interfaces using interface-selective second-order nonlinear optical spectroscopy, such as vibrational sum frequency generation (VSFG) spectroscopy, is a promising route for developing heavy element chemistry; however, such attempts are scarce. Here, we investigated the phase transfer mechanism of uranyl ions (UO$$_{2}$$$$^{2+}$$) in solvent extraction using the di-(2-ethylhexyl)phosphoric acid (HDEHP) extractant dissolved in dodecane organic phase by probing the oil/water liquid-liquid interface using VSFG spectroscopy. The POO$$^{-}$$ symmetric stretch vibrational signals of the HDEHP ligands clearly demonstrated that uranyl ions form interfacial complexes with HDEHP at the oil/water interface. The interfacial uranyl-HDEHP complexes were formed with uranyl ions coming from both the aqueous and oil phases, strongly suggesting that the interfacial complex is an intermediate to cross the oil/water interface. Density functional theory (DFT) calculations proposed the molecular structure of the interfacial uranyl-HDEHP complex.

論文

グローブボックス用グローブの物性調査と使用可能年数の推測

小林 大輔; 山本 昌彦; 西田 直樹; 三好 竜太; 根本 良*; 林 宏幸*; 加藤 圭将; 西野 紗樹; 久野 剛彦; 北尾 貴彦; et al.

日本保全学会第18回学術講演会要旨集, p.237 - 240, 2022/07

東海再処理施設のグローブボックスに取付けられているグローブは、一律に使用期限を定めて定期的に交換している。ゴム製品であるグローブは、使用環境(使用頻度,化学薬品,放射線等)により、劣化度合いが異なることが外観上からも推察される。本件では、様々な使用環境下で定期交換したグローブの物性値(引張強さ,伸び率,硬さ)を測定し、新品グローブの物性値との比較により、劣化の程度並びに使用可能年数を推定した。その結果、外観に異常の無いグローブは、新品グローブの受入基準値以上の物性値であることが分かった。また、外挿した物性値からはこれまで報告されたグローブ損傷時の物性値よりも十分に大きいことから、外観に異常が無く定期的に交換するグローブの物性に劣化は見られず、グローブの使用可能年数は8年と推測された。

論文

燃料デブリの過酸化水素による酸化劣化に関する研究

熊谷 友多; 日下 良二; 中田 正美; 渡邉 雅之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 佐々木 隆之*

放射線化学(インターネット), (113), p.61 - 64, 2022/04

東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故では燃料や被覆管、構造材料等が高温で反応して燃料デブリが形成されたとみられている。1F炉内は注水や地下水の流入で湿潤な環境にあり、放射線による水の分解が継続していると考えられ、これが燃料デブリの化学的な性状に影響する可能性がある。1F燃料デブリの組成や形状については、いまだに十分な情報が得られていないが、炉内や周辺で採取された微粒子の分析結果では、様々な組成が観測されており、事故進展における温度履歴や物質移動の複雑さを反映していると考えられる。1Fサンプルのように複雑組成の混合物については、水の放射線分解が与える影響に関する知見が乏しい。そこで、水の放射線分解の影響として想定すべき燃料デブリの性状変化を明らかにするため、模擬デブリ試料を用いてH$$_{2}$$O$$_{2}$$水溶液への浸漬試験を行った。その結果、H$$_{2}$$O$$_{2}$$の反応により、模擬デブリ試料からウランが溶出し、過酸化ウラニルの形成が進むことが分かった。またUO$$_{2}$$相の固溶体形成によるH$$_{2}$$O$$_{2}$$に対する安定化が観測された。これらの酸化劣化の過程は、ウラン含有相の反応性や安定性に基づいて説明できることを明らかにした。

報告書

東海再処理施設周辺の環境放射線モニタリング結果; 2020年度

中田 陽; 中野 政尚; 金井 克太; 瀬谷 夏美; 西村 周作; 根本 正史; 飛田 慶司; 二川 和郎; 山田 椋平; 内山 怜; et al.

JAEA-Review 2021-062, 163 Pages, 2022/02

JAEA-Review-2021-062.pdf:2.87MB

核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV 編環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2020年4月から2021年3月までの間に実施した環境放射線モニタリングの結果、及び大気、海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものである。なお、上記の環境放射線モニタリングの結果において、2011年3月に発生した東京電力株式会社(2016年4月1日付けで東京電力ホールディングス株式会社に変更)福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の影響が多くの項目でみられた。また、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、平常の変動幅の上限値を超過した値の評価について付録として収録した。

論文

Structures of magnetic excitations in the spin-$$frac{1}{2}$$ kagome-lattice antiferromagnets Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ and Rb$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$

齋藤 睦己*; 高岸 龍之介*; 栗田 伸之*; 渡邊 正理*; 田中 秀数*; 野村 竜司*; 福元 好志*; 池内 和彦*; 梶本 亮一

Physical Review B, 105(6), p.064424_1 - 064424_15, 2022/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:72.4(Materials Science, Multidisciplinary)

Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ is a spin-$$frac{1}{2}$$ antiferromagnet on a nearly uniform kagome lattice. This compound undergoes magnetic ordering with the $$q$$ = 0 structure and positive chirality, which is mainly caused by the large Dzyaloshinskii-Moriya interaction. Rb$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ is a spin-$$frac{1}{2}$$ antiferromagnet on a modified kagome lattice with a $$2a$$ $$times$$ $$2a$$ enlarged chemical unit cell at room temperature. Its ground state is a pinwheel valence bond solid (VBS) with an excitation gap. Here, we show the structures of magnetic excitations in Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ and Rb$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ investigated by inelastic neutron scattering in wide energy and momentum ranges. For Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$, four single-magnon excitation modes were observed. It was confirmed that the energy of single-magnon excitations arising from the $$Gamma'$$ point in the extended Brillouin zones is largely renormalized downwards. It was found that the broad excitation continuum without a marked structure spreads in a wide energy range from $$0.15J$$ to approximately $$2.5J$$. These findings strongly suggest spinon excitations as elementary excitations in Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$. In Rb$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$, singlet-triplet excitations from the pinwheel VBS state and their ghost modes caused by the enlargement of the chemical unit cell were clearly confirmed. It was found that the excitation continuum is structured in the low-energy region approximately below $$J_mathrm{avg}$$ and the almost structureless high-energy excitation continuum extends to approximately $$2.6J_mathrm{avg}$$. The characteristics of the high-energy excitation continuum are common to both Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ and Rb$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$, irrespective of their ground states. The experimental results strongly suggest that the spin liquid component remains in the ground state as quantum fluctuations in Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$ and Rb$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$.

論文

Oxidative decomposition of ammonium ion with ozone in the presence of cobalt and chloride ions for the treatment of radioactive liquid waste

粟飯原 はるか; 渡部 創; 柴田 淳広; Mahardiani, L.*; 大友 亮一*; 神谷 裕一*

Progress in Nuclear Energy, 139, p.103872_1 - 103872_9, 2021/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.78(Nuclear Science & Technology)

To prevent unexpected accidents at nuclear facilities caused by accumulated ammonium nitrate in an aqueous liquid waste containing ammonium salts and nitric acid, NH $$_{4}$$ $$^{+}$$ in the liquid waste must be decomposed under mild reaction conditions. In this study, we investigated the oxidative decomposition of NH $$_{4}$$ $$^{+}$$ with O$$_{3}$$ at 333 K in the presence of a homogeneous Co$$^{2+}$$ catalyst and Cl$$^{-}$$ in the wide pH range of the test solution. The reaction behavior was greatly affected by pH of the test solution. In a basic solution at pH 12, high conversion of NH $$_{4}$$ $$^{+}$$ was obtained even in the absence of Co$$^{2+}$$ and Cl$$^{-}$$ and the main product was NO $$_{3}$$$$^{-}$$. However, Co$$^{2+}$$ and Cl$$^{-}$$ in the solution greatly enhanced the decomposition rate of NH $$_{4}$$ $$^{+}$$ in acidic to mild basic solutions (pH 1-8), while only low conversion of NH $$_{4}$$ $$^{+}$$ was observed unless both Co$$_{2+}$$ and Cl$$^{-}$$ were present. For the reaction with Co$$^{2+}$$ and Cl$$^{-}$$ in the solutions, NH$$_{4}$$ $$^{+}$$ was transformed mainly into chloramines (NH $$_{x}$$Cl $$_{3-x}$$, x = 1-3) by the reaction with HClO, which was formed by the reaction of Cl$$^{-}$$ with O$$_{3}$$ catalyzed by the homogeneous Co$$^{2+}$$ catalyst, and led to the high decomposition rate of NH$$_{4}$$ $$^{+}$$. Cl$$^{-}$$ suppressed the formation of the precipitate CoO(OH) during the reaction and consequently the Co$$^{2+}$$ catalyst stably existed in the reaction solution, which was another reason for the high decomposition rate of NH$$_{4}$$ $$^{+}$$ in the presence of Cl$$^{-}$$. Owing to the swift decomposition of NH$$_{4}$$ $$^{+}$$ under mild reaction conditions and small formation of secondary waste, the oxidative decomposition of NH$$_{4}$$ $$^{+}$$ in the presence of the homogeneous Co$$^{2+}$$ catalyst and Cl$$^{-}$$ is suitable and applicable for the treatment of the aqueous liquid waste containing ammonium salts and nitric acid.

報告書

プルトニウム研究1棟核燃料物質全量搬出作業

伊奈川 潤; 北辻 章浩; 音部 治幹; 中田 正美; 高野 公秀; 秋江 拓志; 清水 修; 小室 迪泰; 大浦 博文*; 永井 勲*; et al.

JAEA-Technology 2021-001, 144 Pages, 2021/08

JAEA-Technology-2021-001.pdf:12.98MB

プルトニウム研究1棟では、施設廃止措置計画に従い管理区域解除に向けた準備作業を進めており、その一環として実施した施設内に貯蔵する全ての核燃料物質の搬出を、令和2年12月のプルトニウム等核燃料物質のBECKYへの運搬をもって完了させた。今後計画されている他施設の廃止措置に活かすため、一連の作業についてまとめ記録することとした。本報告書では、運搬準備から実際の運搬作業の段階まで、核燃料物質使用許可の変更申請のための保管室の臨界評価、運搬容器の新規製作と事業所登録、運搬計画の立案・準備作業及び運搬作業等に項目立てして詳細を記録した。

論文

Dynamical response of transition-edge sensor microcalorimeters to a pulsed charged-particle beam

奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I.-H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 31(5), p.2101704_1 - 2101704_4, 2021/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.26(Engineering, Electrical & Electronic)

超伝導転移端センサー(TES)マイクロ熱量計は、優れたエネルギー分解能と高い効率を持った、加速器施設での実験に理想的なX線検出器である。高強度パルス荷電粒子ビームを用いたTES検出器の性能を研究するために、日本の陽子加速器研究施設(J-PARC)でパルスミュオンビームを用いてX線スペクトルを測定した。X線エネルギーの実質的な時間的シフトがパルスミュオンビームの到着時間と相関していることを発見した。これは、最初のパルスビームからのエネルギー粒子の入射によるパルスパイルアップによって合理的に説明された。

論文

Deexcitation dynamics of muonic atoms revealed by high-precision spectroscopy of electronic $$K$$ X rays

奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I. H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.

Physical Review Letters, 127(5), p.053001_1 - 053001_7, 2021/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:77.29(Physics, Multidisciplinary)

超伝導遷移エッジ型センサーマイクロカロリメーターを用いて、鉄のミュー原子から放出される電子$$K$$X線を観測した。FWHMでの5.2eVのエネルギー分解能により、電子特性$$K$$$$alpha$$および$$K$$$$beta$$X線の非対称の広いプロファイルを約6keVの超衛星線$$K$$$$alpha$$線とともに観察することができた。このスペクトルは、電子のサイドフィードを伴う、負ミュオンと$$L$$殻電子による核電荷の時間依存スクリーニングを反映している。シミュレーションによると、このデータは電子$$K$$殻および$$L$$殻の正孔生成と、ミュオンカスケードプロセス中のそれらの時間発展を明確に示している。

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