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論文

Calculation of deuteron-induced reaction cross-sections for nuclear transmutation of long-lived fission products

中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*

NEA/NSC/R(2020)4 (Internet), p.345 - 349, 2022/10

原子炉から発生する長寿命核分裂生成物(LLFP)は安定ないし短寿命な核種へと変換することが強く望まれている。こうした中、近年、高エネルギー粒子による破砕反応によってLLFPを核変換処理することが検討されており、いくつかの実験研究からは重陽子による破砕反応断面積が陽子によるものよりも大きいことが明らかにされている。これらの結果は重陽子ビームによるLLFPの核変換処理が陽子ビームによるものよりも有効である可能性を示唆している。他方、我々はこれまでに重陽子入射反応用の計算コードシステムDEURACSを開発してきた。DEURACSは元々、重陽子加速器中性子源の設計に資するために開発されてきたが、本研究ではDEURACSをLLFPに対する破砕反応断面積の計算に適用する。実験値との比較を通じ、LLFPの核変換応用へのDEURACSの適用性を議論する。

論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on $$^{rm nat}$$Ni and $$^{rm nat}$$Zr at 0.4, 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 527, p.17 - 27, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

加速器駆動核変換システム(ADS)等における核設計の高度化のため、NiとZrについて数GeVエネルギー領域における陽子入射の核種生成断面積測定を行い、核設計に用いる計算コードPHITSによる計算値やJENDL/HE-2007等との比較検討を行った。

論文

Theoretical study of deuteron-induced reactions in the nuclear data field

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*

Few-Body Systems, 63(1), p.4_1 - 4_6, 2022/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)

重陽子加速器を用いた大強度中性子源が理工学分野だけでなく医療応用に対しても提案されている。このような施設の設計には、重陽子入射反応に関する高精度かつ広範な核データが要求される。しかしながら、実験データのみを用いてこの要求を満たすことは困難である。そのため、実験データを内外挿して必要な核データを完備するために、理論計算が重要な役割を果たす。こうした状況の下、我々は重陽子入射反応用の計算コードDEURACSを開発している。本研究では、DEURACSの計算値を様々な実験値と比較することにより本コード内の理論モデルの妥当性を検証するとともに、重陽子入射反応を精度良く予測する上で分解過程の考慮することがいかに重要かを示す。

論文

Nuclide production cross section of $$^{nat}$$Lu target irradiated with 0.4-, 1.3-, 2.2-, and 3.0-GeV protons

竹下 隼人; 明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

JAEA-Conf 2021-001, p.207 - 212, 2022/03

加速器駆動核変換システム(ADS)などの大強度陽子加速器施設の遮蔽設計において、高エネルギー陽子入射による核破砕生成物の核種生成量予測は基礎的かつ重要な役割を担っている。しかしながら、生成量予測シミュレーションで用いられる核反応モデルの予測精度は不十分であり、核反応モデルの改良が必要である。J-PARCセンターでは実験データの拡充と核反応モデル改良を目的に、様々な標的に対して核種生成断面積の測定を行っている。本研究では、$$^{nat}$$Lu標的に対して0.4, 1.3, 2.2および3.0GeV陽子ビームを照射し、放射化法により核種生成断面積データを取得した。取得したデータとモンテカルロ粒子輸送計算コードで用いられる核反応モデルと比較することで、現状の予測精度を把握するとともに核反応モデルの改良点を考察した。

論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on Mn and Co at 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 511, p.30 - 41, 2022/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:33.91(Instruments & Instrumentation)

1.3, 2.2および3.0GeVの陽子入射によるMnおよびCoの核種生成断面積を放射化法によりJ-PARCで測定した。$$^{55}$$Mn(p,X)$$^{38}$$S, $$^{55}$$Mn(p,X)$$^{41}$$Ar、および$$^{59}$$Co(p,X)$$^{38}$$Sの生成断面積を世界で初めて取得した。安定した陽子ビームと確立されたビームモニタにより、系統的不確かさを典型的に5%以下に低減することができ、過去のデータよりも優れたものとなった。核破砕反応モデルと評価済み核データライブラリの予測精度の検証のため、測定データをPHITSの核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JAM/GEM)、INCL++/ABLA07、およびJENDL/HE-2007ライブラリの断面積と比較した。平均二乗偏差係数の比較により、INCL4.6/GEMとJENDL/HE-2007は他のモデルよりも実測データとのよい一致を示すことがわかった。

論文

JENDL/DEU-2020; Deuteron nuclear data library for design studies of accelerator-based neutron sources

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(7), p.805 - 821, 2021/07

 被引用回数:10 パーセンタイル:96.85(Nuclear Science & Technology)

重陽子加速器を用いた高エネルギー中性子源の利用が様々な応用に対して提案されている。こうした中性子源の設計研究に資するため、$$^{6,7}$$Li, $$^{9}$$Be, $$^{12,13}$$Cに対する200MeVまでの重陽子核データライブラリJENDL/DEU-2020を開発した。JENDL/DEU-2020のデータの評価は、計算コードDEURACSを用いて特に中性子生成データに注意を払って行った。また、本評価に利用するに当たり、DEURACSにいくつかの改良を行った。評価データの検証はモンテカルロ輸送計算コードによるシミュレーションを通じて行った。その結果、JENDL/DEU-2020に基づくシミュレーション値は入射エネルギー200MeVまでの範囲で中性子生成に関する実験データを良く再現することが分かった。このことから、本ライブラリは多様な重陽子加速器中性子源の設計研究に大きく貢献すると期待される。

論文

Nuclide production cross sections of Ni and Zr irradiated with 0.4-, 1.3-, 2.2-, and 3.0-GeV protons

竹下 隼人; 明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹; 前川 藤夫; 渡辺 幸信*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011045_1 - 011045_6, 2021/03

加速器駆動核変換システム(ADS)における核設計の高度化のため、ADSで使われる材料であるNiとZrについて、数GeVエネルギー領域における陽子入射の核種生成断面積測定を行い、核設計に用いる計算コードPHITSによる計算値やJENDL/HE-2007との比較検討を行った。

論文

Measurement of double-differential thick-target neutron yields of the C($$d,n$$) reaction at 12, 20, and 30 MeV

Patwary, M. K. A*; 金 政浩*; 青木 勝海*; 吉浪 皓亮*; 山口 真矢*; 渡辺 幸信*; 塚田 和明; 佐藤 望*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(2), p.252 - 258, 2021/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

重陽子加速器中性子源の設計のため、これまでにLi, Be, Cといった軽元素に対する重陽子核データが数MeVから50MeVの入射エネルギー範囲で系統的に測定されてきた。しかし、二重微分中性子収量(DDTTNY)の実測データについては、特に入射エネルギー18から33MeVの範囲で不足しているのが現状である。この問題を解消するため、本研究では12, 20, 30MeVにおける天然炭素標的に対する($$d,n$$)反応からのDDTTNYを多重箔放射化法によって測定した。DDTTNYを導出するためのアンフォールディングにはGRAVELコードを用いた。また、本測定結果を用いて重陽子入射反応計算コードDEURACSの検証を行うとともに、総中性子収量や0$$^{circ}$$放出における微分中性子収量に関する系統式の検証も行った。

報告書

Proceedings of the 2019 Symposium on Nuclear Data; November 28-30, 2019, Kyushu University, Chikushi Campus, Fukuoka, Japan

渡辺 幸信*; 執行 信寛*; 金 政浩*; 岩本 修

JAEA-Conf 2020-001, 236 Pages, 2020/12

JAEA-Conf-2020-001.pdf:13.75MB

2019年度核データ研究会は、2019年11月28日$$sim$$30日に、福岡県春日市にある九州大学筑紫キャンパスの総合研究棟(C-Cube)にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会が主催、日本原子力学会「シグマ」調査専門委員会,日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センター,日本原子力学会九州支部,九州大学加速器・ビーム応用科学センターが共催した。今回、チュートリアルとして「共鳴理論から統計模型へ」を、講演・議論のセッションとして、「核データ研究及び関連トピックス」、「炉物理研究」、「国際協力」、「原子核物理」、「高エネルギー核データと応用」の5セッションを企画し実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、理論、評価、ベンチマーク、応用等、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は85名、それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告集は、本研究会における口頭発表13件、ポスター発表29件の論文を掲載している。

論文

Study of the Li($$d,xn$$) reaction for the development of accelerator-based neutron sources

渡辺 幸信*; 定松 大樹*; 荒木 祥平*; 中野 敬太*; 川瀬 頌一郎*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

EPJ Web of Conferences, 239, p.20012_1 - 20012_4, 2020/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:77.79

重陽子ビームによる加速器中性子源は、核分裂生成物の核変換、核融合炉材料試験等の応用分野での利用が検討されている。そこで、このような加速器や中性子源の設計に有益なデータとして、大阪大学核物理研究センターにおいて、200MeV重陽子入射核反応によるリチウムの中性子生成二重微分断面積(DDX)を測定した。実験では液体有機シンチレータEJ301を用いた飛行時間法を適用し、前方0度から25度の範囲で中性子断面積データを取得した。広範なエネルギー範囲のデータを取得するため、直径及び厚さが5.08cmと12.7cmの大きさの異なる2台のシンチレータを標的から7mと20mの地点にそれぞれ設置した。ここで、中性子の検出効率はSCINFUL-QMDコードを用いて導出した。本発表では、実験値と重陽子入射断面積計算コードDEURACS及び粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値との比較について述べる。また、25, 40及び100MeV重陽子入射による実験値を用いて、DDXの入射エネルギー依存性について議論する。

論文

Recent progress of a code system DEURACS toward deuteron nuclear data evaluation

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*

EPJ Web of Conferences, 239, p.03014_1 - 03014_4, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.12

重陽子加速器を用いた大強度中性子源が、核融合炉材料の照射試験や医療用放射性同位体の製造といった様々な応用に対して提案されている。さらに近年では、重陽子核破砕反応を用いた核変換システムが長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換に対して提案されてもいる。これらの施設の設計研究には高精度かつ広範な重陽子核データが不可欠である。こうした状況の下、我々は重陽子入射反応用計算コードDEURACSを開発しているところである。本研究では、中性子や質量数4までの軽荷電粒子の放出の二重微分断面積や、核種生成断面積等、入射エネルギー200MeVまでの種々の物理量をDEURACSを用いて解析する。実験値との比較により、DEURACS内の理論モデルの妥当性を検証する。

論文

Spallation and fragmentation cross sections for 168 MeV/nucleon $$^{136}$$Xe ions on proton, deuteron, and carbon targets

Sun, X. H.*; Wang, H.*; 大津 秀暁*; 櫻井 博儀*; Ahn, D. S.*; 合川 正幸*; 福田 直樹*; 磯部 忠昭*; 川上 駿介*; 小山 俊平*; et al.

Physical Review C, 101(6), p.064623_1 - 064623_12, 2020/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:58.09(Physics, Nuclear)

理化学研究所RIビームファクトリーにて逆運動学法を使用し、核子当たり168MeVの陽子, 重陽子, 炭素イオン入射による$$^{136}$$Xeのスポレーションおよびフラグメンテーション反応からの同位体生成断面積を測定した。炭素イオンの場合は全運動エネルギーが高くなるため、質量数の小さな同位体の生成断面積が大きくなった。また、今回新たに測定されたデータを以前により高い入射エネルギーで測定されたデータと比較することで、同位体生成断面積の入射エネルギー依存性を調査した。さらに、測定データをPHITS, SPACS, EPAX, DEURACSの計算値と比較した。本研究で測定したデータは、理論計算の良いベンチマークになると考えられる。

論文

Impact of hydrided and non-hydrided materials near transistors on neutron-induced single event upsets

安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 黒田 順也*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 伊東 功次郎*; 橋本 昌宜*; 原田 正英; 及川 健一; et al.

Proceedings of IEEE International Reliability Physics Symposium (IRPS 2020) (Internet), 6 Pages, 2020/04

二次宇宙線中性子起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上において電子機器の深刻な問題を生じる可能性のある事象として知られている。これまでの研究で、水素化物と中性子との弾性散乱により、前方に水素イオンが放出されるため、メモリ前方にある水素化物がSEUの発生確率の指標となるSEU断面積に影響を与えることを明らかにした。本研究では、トランジスタ近傍の構造物がSEU断面積に及ぼす影響を調査した。その結果、数MeVの領域におけるSEU断面積の変化は構造物の厚さおよび位置によって決まることを明らかにした。また、シミュレーションにおいてトランジスタ近傍の構造物を考慮することにより、J-PARC BL10の測定値をより良く再現できるようになった。さらに、構造物を考慮した計算シミュレーションにより、トランジスタ近傍の構造物は地上環境におけるソフトエラー率に有意な影響を持つことを明らかにした。

論文

JENDL/ImPACT-2018; A New nuclear data library for innovative studies on transmutation of long-lived fission products

国枝 賢; 古立 直也; 湊 太志; 岩本 信之; 岩本 修; 中山 梓介; 江幡 修一郎*; 吉田 亨*; 西原 健司; 渡辺 幸信*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(12), p.1073 - 1091, 2019/12

 被引用回数:5 パーセンタイル:60.06(Nuclear Science & Technology)

長寿命核分裂生成核種(LLFP)の核変換技術確立に向けた革新的研究開発に資することを目的とし、新たな核データライブラリJENDL/ImPACT-2018を開発した。開発した核データライブラリは主要なLLFPである$$^{79}$$Se, $$^{93}$$Zr, $$^{107}$$Pd, $$^{135}$$Csおよび周辺核種(計163核種)に対する中性子及び陽子入射の評価済核反応断面積がエネルギー200MeVを上限として格納されている。断面積の評価においては核反応モデルコードCCONEを用いると共に、測定データの乏しい核種やエネルギー領域の断面積を根拠を持って推定するために微視的な核構造理論を積極的に活用した。また、近年RIBF/RIKENにおいて逆運動学を用いて測定された測定データに基づいて主要な核反応モデルパラメータを最適化した。得られたデータは従来手法により求められた既存の核データライブラリJENDL-4.0/HEやTENDL-2017に比べて、安定核種に対する測定データをよく再現することを確認した。

論文

Consistent description of light composite particle emission in deuteron-induced reactions

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*

Physical Review C, 100(4), p.044603_1 - 044603_8, 2019/10

 被引用回数:7 パーセンタイル:68.39(Physics, Nuclear)

重陽子は弱束縛であるため、他の原子核との相互作用を通じて容易に分解する。この分解過程は重陽子入射反応における様々な観測量に影響を与えると考えられる。本研究では、重陽子入射からの軽複合粒子(LCP)放出における分解過程の影響を調べることを目的とした。この目的を達成するための準備として、前平衡クラスター放出モデルを、分解過程を明示的に取り扱った重陽子用計算コードDEURACSに導入した。また、直接ピックアップ成分は半経験的モデルによって見積もった。改良したDEURACSを質量数$$27 leqslant A leqslant 90$$の標的に対する$$(d,xt)$$, $$(d,xmathrm{^{3}He})$$, $$(d,xalpha)$$反応の解析に適用したところ、標的や反応に依らず一貫して計算値は実験値を良く再現した。この結果から、分解過程はLCP放出にも大きな影響を与えていることが分かった。また、分解過程が適切に考慮されている限りにおいて、重陽子入射からのLCP放出は核子入射からのLCP放出と同様の描像で記述できることを示した。

論文

Enhancement of element production by incomplete fusion reaction with weakly bound deuteron

Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.

Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07

 被引用回数:7 パーセンタイル:59.75(Physics, Multidisciplinary)

陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、$$^{107}$$Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。

論文

Impact of irradiation side on neutron-induced single-event upsets in 65-nm Bulk SRAMs

安部 晋一郎; Liao, W.*; 真鍋 征也*; 佐藤 達彦; 橋本 昌宜*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7, Part2), p.1374 - 1380, 2019/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:66.72(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、電子機器の深刻な信頼性問題として知られている。中性子照射施設における加速試験はソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)の迅速な評価に有用だが、実環境におけるSERへの換算や、他の測定データとの比較を行う際には、測定条件に起因する補正が必要となる。本研究では、影響を及ぼす測定条件を明らかにするために、SEU断面積に対する中性子照射方向の影響を調査した。その結果、封止剤側から照射して得られたSERがボード側から照射したときと比べて30-50%高いことが判明した。そのため、測定値を報告する際には中性子の照射方向も明示する必要性があることがわかった。また、この結果は、デバイスを設置する際に封止剤を下に向けることでSERを減らせることを示している。

論文

革新的研究開発推進プログラムImPACT; 核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化

岩本 修; 藤田 玲子*; 仁井田 浩二*; 渡辺 幸信*

核データニュース(インターネット), (122), p.33 - 43, 2019/02

内閣府が進めている革新的研究開発推進プログラムImPACTの一つとして、長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換処理に関わるプログラム「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」が2014年から始まり、2018年度で終了する予定である。このプログラムでは基礎データの取得からシナリオの提案まで五つのプロジェクトに分かれて、幅広い活動が行われている。核データに関わる研究開発も実施され、多くの成果が生まれつつある。本稿では、プログラム全体について簡単に触れつつ、核データに直接かかわる二つのプロジェクトとその中で得られた成果の一部を紹介する。

論文

Role of breakup processes in deuteron-induced spallation reactions at 100-200 MeV/nucleon

中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*

Physical Review C, 98(4), p.044606_1 - 044606_8, 2018/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:79.65(Physics, Nuclear)

近年、長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換処理に中高エネルギーにおける重陽子入射核破砕反応を利用することが提案されている。重陽子ビームを用いた核変換システムの設計研究のためには、LLFPに対する精度の良い重陽子入射反応断面積のデータが不可欠である。本研究では、核子当たり100-200MeVでの$$^{93}$$Zrおよび$$^{107}$$Pdに対する重陽子入射反応からの残留核生成断面積を、分解過程を明示的に考慮した計算コードDEURACSで計算した。その結果、計算値は実験データを定量的に良く再現した。また、成分に分けた解析から、非弾性分解後の核子吸収過程が残留核生成に大きな寄与を果たしていることがわかった。こうした結果は、重陽子入射反応における残留核生成の精度の良い予測のためには分解過程を考慮することが本質的に重要であることを強く示すものである。

論文

Negative and positive muon-induced single event upsets in 65-nm UTBB SOI SRAMs

真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 中野 敬太*; 佐藤 光流*; 金 政浩*; 安部 晋一郎; 濱田 幸司*; 反保 元伸*; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(8), p.1742 - 1749, 2018/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:60.34(Engineering, Electrical & Electronic)

近年、半導体デバイスの放射線耐性の低下に伴い、二次宇宙線ミューオンに起因する電子機器の誤動作現象が注目されている。本研究では、J-PARCにおいて半導体デバイスの設計ルール65nmを持つUTBB-SOI SRAMへミューオンを照射し、シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する依存性を明らかにした。実験の結果、ミューオンの照射エネルギーが35MeV/cから39MeV/cの範囲では、正ミューオンに比べて負ミューオンによるSEU断面積が2倍から4倍程度高い値となった。続いて、供給電圧を変化させて38MeV/cのミューオンを照射したところ、電圧の上昇に伴いSEU断面積は減少するが、負ミューオンによるSEU断面積の減少幅は、正ミューオンと比べて緩やかであることを明らかにした。さらに、PHITSを用いて38MeV/cの正負ミューオン照射実験を模擬した解析を行い、負ミューオン捕獲反応によって生成される二次イオンが、正負ミューオンによるSEU断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する傾向の差異の主因となることが判った。

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