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論文

Nucleon interaction with $$^{12}$$C studied by the soft-rotator model and a limit on the charge-symmetry breaking in the nuclear mean field

Sukhovitskii, E. S.*; 千葉 敏; 岩本 修; Y.V.Porodzinskii*

Nuclear Physics A, 640(2), p.147 - 162, 1998/00

 被引用回数:19 パーセンタイル:70.06(Physics, Nuclear)

Soft-rotator模型を陽子・原子核反応に適用できるように拡張し、それを用いて$$^{12}$$Cの集団準位構造、電磁遷移確率と核子(中性子及び陽子)の反応断面積の研究を統一的に行った。拡張された模型は、これらの物理量に対する観測値を良い精度で再現できることをがわかった。ただし、入射エネルギー40MeV以上における、第一励起準位への陽子非弾性散乱の後方角度の異常な振る舞いを説明することはできなかった。次に、中性子と陽子に対して得られた光学ポテンシャルの実数部における差から、原子核平均場中における核力の荷電対称性の破れに関する考察を行った。結果は(-0.6$$pm$$4.4)%であり、明確な結論を出すことはできなかったが従来の手法に比べてより信頼でき、かつ厳しい制限を与えることができた。荷電対称性の破れをさらに高い精度で検証し、かつ上述した陽子散乱の後方角における異常性の原因を調べるためには、現時点で不足している高精度の中性子散乱断面積データが必要だと思われ、今後そのような測定が行われることを期待する。

報告書

Consistent analysis of collective level structure and neutron interaction data for $$^{12}$$C in the framework of the soft-rotator model

Sukhovitskii, E. S.*; Y.V.Porodzinskii*; 岩本 修; 千葉 敏

JAERI-Research 97-059, 24 Pages, 1997/09

JAERI-Research-97-059.pdf:0.94MB

Soft-rotator Modelを用いて$$^{12}$$Cの核構造及び中性子との相互作用データの解析を行った。はじめに$$^{12}$$Cの低集団励起レベル構造の解析を行い、これらのレベルを良く再現できることが分かった。この解析によって得られた内部波動関数は中性子全断面積及び散乱断面積の計算のために使用した。これらの解析から得られた4重変形パラメータはO-164であり、過去によく使用されてきたsymmetric-rotator, vibrator modelにより得られる約0.6という値と比べ、かなり小さい値となった。しかし$$beta$$振動の関数として平均した4重極の実効的強度は過去の研究のものと同じ程度となっている。これは$$^{12}$$Cの波動関数の$$beta$$$$_{2}$$自由度に対する柔軟性によるものである。この質量数領域においてSoft-rotator Modelはバンド構造及び中性子散乱データをよく再現することが分かった。

論文

Consistent description of collective level structure and neutron interaction data for $$^{12}$$C in the framework of the soft-rotator model

千葉 敏; 岩本 修; 山内 良麿; 杉本 昌義; 水本 元治; 長谷川 和男; Sukhovitskii, E. S.*; Y.V.Porodzinskii*; 渡辺 幸信*

Nuclear Physics A, 624(3), p.305 - 327, 1997/00

 被引用回数:27 パーセンタイル:79.13(Physics, Nuclear)

原研タンデム加速器を用いて、28.2MeV中性子に対する$$^{12}$$Cの弾性散乱及び非弾性散乱断面積の角度分布を測定した。得られた断面積データに集団励起レベル構造データ及びほかの中性子散乱データを加え、$$^{12}$$Cの20MeV~40MeVまでの断面積データ及び構造データを統一的にSoft-rotator modelを用いて解析することを試みた。はじめにSoft-rotator modelを用いて集団励起レベルをよく再現できることを確かめた。次に得られた固有波動関数を使用して、中性子断面積の計算のためのチャンネル結合法の結合ポテンシャルを計算し、断面積データをよく再現することを見いだした。この研究は28.2MeV中性子に対する$$^{12}$$Cの新しい散乱断面積データを得るとともに、このデータの解析を通して、この質数領域でSoft-rotator modelを用い、構造と中性子散乱を同時にまた非常によく記述できることを最初に示したものである。

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