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報告書

分離精製工場における使用済燃料せん断粉末の取出し

西野 紗樹; 岡田 純平; 渡邉 一樹; 古内 雄太; 横田 知; 矢田 祐士; 草加 翔太; 諸角 詩央里; 中村 芳信

JAEA-Technology 2023-011, 39 Pages, 2023/06

JAEA-Technology-2023-011.pdf:2.51MB

2014年に廃止措置に移行した東海再処理施設は、2007年の運転停止時に再処理運転の再開を計画していたことから、分離精製工場(MP)等の一部機器には、核燃料物質(使用済燃料せん断粉末、低濃度プルトニウム溶液、ウラン溶液等)が残留していた。このため、廃止措置の開始に際しては、これらの核燃料物質を順次取り出す工程洗浄を計画し、第一段階として使用済燃料せん断粉末の取出しを実施した。これまで実施した使用済燃料のせん断処理により、分離精製工場(MP)のセル内には使用済燃料せん断粉末が滞留しており、2016年4月から2017年4月にかけてセル内の床面、せん断機及び分配器より使用済燃料せん断粉末の回収を保守の一環として実施した。なお、本作業は核燃料物質の取出しを目的としているものの、核物質防護上の理由から、核燃料物質量を記載していない。回収した使用済燃料せん断粉末の取出しは、核燃料物質を安全かつ早期に取り出すため、濃縮ウラン溶解槽において少量ずつバッチ式(回分式)で溶解し、その溶解液はウラン及びプルトニウムの分離操作を行わずに高放射性廃液貯蔵場(HAW)の高放射性廃液貯槽へ送液した。溶解液の送液後、硝酸及び水を用いて送液経路の押出し洗浄を実施した。本作業では、再処理運転を終了してから約15年ぶりに工程設備を稼働させたことから、ベテラン(熟練運転経験者)と若手を組み合わせた体制を整備し、設備点検及び教育訓練(モックアップ訓練)を入念に実施したことで、取出し作業を無事完遂した(2022年6月から同年9月実施)。なお、使用済燃料せん断粉末の取出しは、工程機器の一部を稼働させることから、廃止措置計画の変更認可申請を行い、原子力規制委員会の認可を受けた上で実施した。

論文

Sodium-cooled Fast Reactors

大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.

Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07

ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。

論文

高放射性廃液貯槽の廃液撹拌用三方弁等交換時における作業員の被ばく低減対策

礒崎 尚彦; 森本 憲次; 古川 竜一; 坪井 雅俊; 矢田 祐士; 三好 竜太; 内田 豊実; 池澤 和美*; 黒澤 健二*

日本保全学会第16回学術講演会要旨集, p.225 - 228, 2019/07

東海再処理施設では、使用済燃料の再処理の過程で発生した高放射性の廃液をガラス固化するまで貯蔵している。貯蔵に当たっては不溶解残渣等の沈降を防ぐために、定期的に槽内の液を圧縮空気により脈動させて撹拌している。撹拌を行うために三方弁やボール弁が設置されているが、これらの弁を保全のために交換する際に作業員の放射線被ばくが高くなる問題があったことから被ばく低減に取り組んだ内容を報告する。

論文

Irradiation history of Itokawa regolith material deduced from noble gases in the Hayabusa samples

長尾 敬介*; 岡崎 隆司*; 中村 智樹*; 三浦 弥生*; 大澤 崇人; 馬上 謙一*; 松田 伸太郎*; 海老原 充*; Ireland, T.*; 北島 富美雄*; et al.

Science, 333(6046), p.1128 - 1131, 2011/08

 被引用回数:131 パーセンタイル:94.74(Multidisciplinary Sciences)

はやぶさが回収した小惑星イトカワの岩石粒子中の希ガス同位体組成を測定した結果、月試料に匹敵する高い濃度の太陽風起源He, Ne, Arを確認した。これらの希ガス組成は繰り返されたインプランテーションと、イトカワ上のレゴリス粒子同士の摩擦によってHeに富んだリムの除去による選択的Heの損失によって説明可能である。イトカワ上のレゴリスの照射時間はわずか1000万年未満であり、小さな小惑星上の物質が容易に宇宙空間に散逸してしまうことを反映している。

口頭

東海再処理施設における工程洗浄,3; 低濃度のPu溶液の処理

柳橋 太; 長岡 真一; 磯部 洋康; 安田 猛; 矢田 祐士; 鈴木 翔平; 所 颯; 草加 翔太; 荘司 渓汰; 佐本 寛孝

no journal, , 

東海再処理施設は、運転再開を見越した状態で廃止措置段階に移行したため、工程内には低濃度のPu溶液等の核燃料物質(低濃度Pu)が残存しており、廃止措置(除染、解体)を進めていくために、低濃度Puを処理する工程洗浄を実施する必要があった。低濃度Puは、設備稼働範囲、処理期間及び処理後の利活用を考慮し、蒸発濃縮やMOX粉末化を行わず高放射性廃液貯槽へ送液し、高放射性廃液として廃棄した。低濃度Puの高放射性廃液貯槽への移送では、移送経路上の送液装置による送液時の温度上昇、及び酸濃度の低下に伴いPuポリマーが生成するリスク(臨界)を否定できず、過去の溶解液の移送実績に基づき送液前にU溶液を混合するとともに、事前に送液先機器内の酸濃度を調製した。これにより、Puポリマーの生成を防止し、臨界安全上問題なくPuを処理する技術を確立するとともに、低濃度Puの処理を完遂した。

口頭

東海再処理施設における工程洗浄,4; U溶液の取出し

大内 雅之; 佐本 寛孝; 岸 義之; 磯部 洋康; 安田 猛; 矢田 祐士; 鈴木 翔平; 所 颯; 草加 翔太; 荘司 渓汰

no journal, , 

東海再処理施設は、運転再開を見越した状態で廃止措置段階に移行したため、工程内にはせん断粉末、Pu溶液、U溶液等の核燃料物質が残存しており、廃止措置(除染、解体)を進めていくためには、これら核燃料物質を順次取り出す工程洗浄を実施する必要があった。残存量が多いU溶液については、工程洗浄の最終段階として脱硝処理工程でUO$$_{3}$$粉末とし、ウラン貯蔵施設に貯蔵した。U溶液の取出しでは、今後の廃止措置を担う若手技術者への技術伝承を兼ねた設備点検、操作訓練を行うと共に、工程洗浄特有の低濃度のU溶液の取扱いに対応し、脱硝塔の主な停止要因であるノズル閉塞を抑制するための運転条件を設定することにより、安全かつ安定な処理を達成した。また、脱硝塔への供給槽に残ったU溶液を希釈して脱硝処理を行うことにより、洗浄廃液の発生量を大幅に低減させ、U溶液の取出しを完了した。これにより東海再処理施設における工程洗浄を完遂した。

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